説得マン

浅谷

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4話

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 昨日帰ってったの晩6時やったな…。…キツい!
 しっかしこの機械どこで使うねん!魔人の対処以外使い道無いやんけ!まぁ陸斗の役に立てるんならええか!
 うわ!電話掛かってった!…知らん番号やな…。まあええわ…。出たろ!カーテンはずっと閉めたままでええか!そこまで暗いと思わんし!




 成世「はい…。」
 テレビ関係者「あの、春崎成世さんでいらっしゃいますか?私はマナテレビの「あら!びっくり突破術!」という番組の者なんですけども。企画担当の者があなたのゴキブリのおもちゃに強い興味を持ったようでして。
 よろしければ番組に出演していただけないでしょうか?」


 ………ビッグ…。…ビッグになれるんじゃああ!
 成世「はい!私の方からもよろしくお願いします!」
 テレビ関係者「ありがとうございます!ではより詳しい詳細はまた収録日のキー局での打ち合わせでお伝えしますが、ご都合いかがでしょうか?」
 そんなん決まっとうやろ…。OKや!


 成世「はい!問題ありません!」
 テレビ関係者「はい!では収録日は4月20日…。今から10日後ですね!時間は午前10時30分からです!では、また当日よろしくお願いします!」
 成世「こちらこそお願い致します!失礼致します!」
 電話を切った。


 就職せんと出演で稼ぐのもどうかと思うけど…、これ以上俺ら全員の金が入っとう通帳で暮らす訳にはいかんで!
 その割に管理が杜撰やったな…。改めよ…。

 …何やねん!また電話かいな! 
 成世「…はい。」
 陸斗「おい成世!ちょっと来てくれよ!」
 声の主は陸斗やった。
 成世「…ちょーっと待て待て!…黙っとけ!…ここアパートの中アパートの中…。」
 俺は小声で陸斗を注意したった。電話越しにバレたらどうすんねん!


 陸斗「………………。」
 不貞腐れながら黙っとうのは分かっとうで!
 成世「すんまへん!すぐ行くから!」
 俺は空間を開け、急いでアジトへ向かった。


 ~拠点の中~
 成世「すんまへん!来たで!」
 ???「遅かったですね~。陸斗くんったらまだだんまりしてるんですよ?…後、陸斗くんもそうだけど、何回も手鏡取るの止めて?」
 成世「あぁ…。洗面所におったん君やったんか…。ごめんなさい…。やけどアリンナ!久しぶりやのぉ…!」
 階段から下りてきたのはアリンナ・エール…。金髪のストレートのショートボブに丸眼鏡をかけた白衣を着た科学と設計担当の同年代の美女…。こいつがおらんかったら負けとったな…。どんなに傷ついても俺らをサポートしてくれる…。ありがたいで…!この腕輪もこいつが陸斗の腕輪を元に作ったんやろな…。


 ???「何も口聞いてくれないんだよ?何とかしてよ!」
 成世「あぁ…。悪かった悪かった…。こんな出会いでごめんよ…。よろしく!レツラ!」
 レツラ「うん!」
 テーブルの横に立っとうのはレツラ…。新たな魔人の仲間…。カメレオンの特徴が見られる魔人…。狂暴化していたところを陸斗に救われた奴やな…。こいつも科学者のようで、こいつのおかげで魔人の狂暴化をより迅速に抑えられる光線「SUPRESS FLASH」が使えるようになったらしい。安直な名前やけど、効果は絶大で、一度に何百人もの魔人の狂暴化を抑えられるようになったらしい。当然その光線に害は無い。魔人が最も求める「もの」を与えるっつっても、一人一人その「もの」が違うからな…。仲間なってくれて嬉しいわ!



 陸斗「……………。」
 テーブルのイスに俺を見て腕を組んで不貞腐れながら座っとう…。…もうええて…。
 成世「申し訳ございません!どうか喋ってください!」
 俺が陸斗に頭を下げて懇願すると、陸斗は立ち上がって口を開いた。

 陸斗「…幼稚だった…。ごめん…。」 
 陸斗が俺に頭を下げる。
 成世「まあ大丈夫や…。こっちも悪かったのお…。」
 俺が許すと、陸斗は本題を語り始めた。


 陸斗「今回来てもらったのには理由がある。1つ目はこれからも活動を続けることと、もう一つは……。」
 成世「何やねん…。勿体ぶらずにはよ言えや…。」
 どんな理由やねん…。気になるわ…。すると皆がパーティークラッカーを取り出しよった。陸斗も持っとうやんけ!
 陸斗「魔人残党との完全和解に成功しました!!」



 陸斗のその言葉の後、皆が一斉にパーティークラッカーを引きよった。うるさいし、紙吹雪が散っとうし、めちゃくちゃや!
 皆「イエーイ!」
 皆めっちゃはしゃいどう…。腹立つわ!
 成世「なーんやねん!もう終わったんかい!…良かった~…。」


 陸斗が笑いながら答えよった。
 陸斗「いやねー。俺以外にもまだ鎧を纏う奴がいるって残党の奴らに伝えたらさぁ…。あいつら一斉に降伏しだしたんだよ! おかしいよなぁ!俺達誰も傷付けてないのに、あいつら勝手に弱体化するもん!終いには完全降伏!アハハハッ!まあでも、誰も傷付かなくて良かったよ…。
 内部抗争も始まる前に止められたしさ…。」
 ほんまにそうやで…。…命奪ったらもうやってられん!



 成世「で、魔人達はは今どうしてんのや。」
 アリンナが答えた。
 アリンナ「魔人達は今は別の惑星にいます。その星は元々魔人どころか生物が住める星ではなかったのですが、私達とはまた別のチームと協力し、全生物が生命活動を維持出来る星に作り替えました。魔人以外の生物も高度な知的生命体以外は創造して野生に返しました。」
 …ヤバすぎるわ!不可能なんか無いんちゃう? 
 てか…、他にもチームおったん!?



 成世「必要な物資は?」
 レツラが答えた。
 レツラ「基本的には現地で調達してもらってるよ。
 後は他のチームとの協力による都市開発に必要な設計図の転送。作業用ロボットによるインフラ整備。そして万が一作業用ロボットが暴走した時のための安全装置を含めた全権限の譲渡。大まかに言えるのはそれぐらいかな?それなりに危険は伴うけど、不自由はさせたくないからね。」
 もう俺いらんやんけ!



 陸斗「というわけで!いざこざも大方終わったし、
 俺達も、せーの~。」
 止めろ止めろ!なんか嫌な予感するで!
 皆「成世が住んでるアパートに引っ越しまーす!」
 ほら~!
 成世「あか~ん!てか、レツラどうすんねん!そのままで引っ越してきたら終わりやで!」


 レツラは待ってましたと言わんばかりの顔で答えよった。
 レツラ「ふっふーん!カメレオンは周囲の色に溶け込めるんだよ?普通のカメレオンでもそれくらい出来るんだから、人に化けるなんてへでもないさっ!えいっ!」



 すると、レツラは左手の親指にはめられた指輪の中央のボタンを押しよった…。するとレツラは光りに包まれた。光が消えるとそこには、緑色のショートカットの中性的な美女が立っとった…。身長も190cmから160cmぐらいに変わっとう!アリンナと同じくらいや!………俺の好みや………。…レツラ僕っ娘やったんやな…。俺はレイシストちゃう!種族ちゃうからしゃあない!…当然服も完備や…。緑のTシャツに緑のトレンチコートを羽織り、緑のジーンズを履いとう。…派手やな…。



 レツラ「…どう?」
 レツラ俺に上目遣いで聞いてった。
 成世「YES!いつでも来てください!」
 俺はサムズアップをして答えたった!
 陸斗とアリンナは当然ドン引きや!
 陸斗「キモッ…。」
 アリンナ「キッモ…。近寄んなし…。」
 成世「情けをください……。じゃあ…、住所どないすんねん…。陸斗とアリンナはまあええわ…。…レツラやなぁ…。やっぱレツラやなぁ…。」


 レツラ「それは大丈夫だよ!住所は僕達「結晶隊」の本部さ!20年前、僕の親の世代は魔人の星からこの地球に逃げてきた。それを本部が受け入れた。だから僕の世代は全員本部で生まれたんだ。魔人がいる事が国にバレない理由は、上層部が国に圧力をかけているからだ。国は国の全域を本部に守ってもらってる立場だから、容易に手出しは出来ないんだろうね。居住スペースだってあるし。」
 本部が住所ってんな無茶苦茶な…。


 アリンナ「それと、皆入居手続きは済んでますよ?
 職だって手につけてるし。」 
アリンナが衝撃的な事を言った。


成世「え?」 
聞いてへんで!?
陸斗「そういうわけだから。これからよろしく!」
陸斗が俺の肩をポンと叩きよった…。キッツイのお…。


~10日後 マナテレビ キー局 収録スタジオ~

テレビ関係者「えー。最初に瀬原さんがあなたの話をするので、話が終わった後司会者が、「今日、その方に来て頂いてます。春崎成世さんです。どうぞ。」て言いますので、その後カーテンが開いて登場という形になります。瀬原さんがあなたの話題を出した時にスタンバイをお願いします。」
成世「はい!」


関係者の方に話を聞いてそれを頭の中にねじ込む。
キッツイわ…。服装も青と緑のもんは避けとう。動きやすい無地の長袖長ズボンにしとう。収録の1時間前に来て楽屋行って出演者に挨拶もしたわ!全員意外と優しかった!やけど…、やっぱり真梨耶さんや…。

回想~楽屋にて~
(成世「瀬原さん!春崎成世と申します。本日はよろしくお願いします!」
真梨耶「はい!よろしくお願いします!フフッ!…あれからちゃんと鍵閉めてますか…?」
上目遣いで言いなはる…。あきまへん…!
成世「はい!あれからは鍵を閉めております!その節はお世話になりました!」
俺は深く頭を下げた。
真梨耶「アハハッ!いえいえ!」
にこやかに返して下さる…。ありがたや…!
成世「では失礼致します!」
真梨耶「はい!」
俺は扉をゆっくり閉めた。)

よっしゃ!絶対に成功させるで!



【続く】










 












































    
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