説得マン

浅谷

文字の大きさ
7 / 22

7話

しおりを挟む
~夜 アパート 成世の部屋の中~
陸斗「へぇ~ここが成世の部屋か!………微妙…。」
アリンナ「でも案外片付いてんじゃん!…前言撤回!
クローゼットに色んな物押し込みすぎ!…何これ…。
黒ジャージ一式と、サングラスと、王冠?」
レツラ「…ジャージと王冠って、相性最悪だよ…?」
こいつら…。人の部屋物色しよってからに…!(※しやがって…!)


成世「別にええやん!そんなもん中古ショップで買った安物のレプリカや!黒ジャージと釣り合っとうやろ!」
アリンナ「あっ!またそうやって自分のファッションセンスの無さを棚に上げる!だいたいその安物を私達の貯金で買ったんじゃないでしょうね!?」
ヒッ…!ば、バレた…。
成世「はい…。その通りです…。申し訳ございません…。」俺は皆に深く頭を下げた。



アリンナ「最低…。」
アリンナは軽蔑の眼差しで俺を見よった…。そりゃそうや…。
レツラ「それは駄目だよ……。成世。」
レツラがドン引きしとう…。許してください!
陸斗「まぁいいじゃないか!ビッグになったらまとめて払ってくれるだろうからさ!…だが…。」
笑顔で話とった陸斗が満面の笑みで、やけどすっげえ怖い雰囲気を漂わせながら俺の顔スレスレまで顔を近づけて言いよった…。


陸斗「その金は俺達が助けた方々が、俺達を信頼して分けてくださった分も入ってるんだ…。…それを無駄遣いした重みを、忘れるなよ…?」
最後真顔で終わったで…。
こ、怖い!鳥肌立ったわ…。…俺は罰当たりな奴や…。
成世「はい…。肝に銘じておきます…。申し訳ございません…。」
俺は半泣きで答えた…。あのちょんまげ野郎がちらつくなあ…。いやそんなん今考えたらあかんねん!これは友情の問題や!
それ程の事を俺はやったんや…。もう二度とやらん!


震える俺を見て気が済んだんか、陸斗は雰囲気と体勢を戻して言いよった…。
陸斗「よし!だいぶ騒いじゃったな!アリンナ!
機械の調子は?」
アリンナ「好調です。この部屋での話は、外からは聞こえていないでしょう。」
さっきの状態から元に戻ったアリンナが、手に持っとうサイコロ型の機械の状態を簡潔に説明しとう。
こいつ…、臨機応変に対応しとう…。すげえな…。


それに比べて、俺は座り込んどうだけや、べったりと床にな…。


レツラ「ちょっと成世…。立ちなよ…。もう大丈夫だから…。」
レツラが俺を立たせようと促してくる。
アリンナ「…情けないですね…。成世くん…。ほら、ティッシュ…。」
俺泣いとんか…。ほんまに情けないわ…。アリンナは機械をレツラに渡し、取り出したポケットティッシュを開けてティッシュを1枚くれた
陸斗は真顔で何も言わんと俺を見とう…。

成世「あ、ありがとうございます…。」
俺は涙を拭いた後、大きく鼻をかんでもた。
陸斗「うるさいなぁ…。」
陸斗が呆れながら言うた。ごもっともや!
やけど3人は微笑んで俺の事見とう…。あったかいなぁ…。ティッシュをゴミ箱に投げ入れた。
3人が小さな拍手をしよった…。

俺は立ち上がると、ズボンのポケットからギャラの封筒を取り出した。泣き止んだし、気分も落ち着いたわ。
成世「これ…。皆にあげるわ…。足しにならんと思うけど…。」
陸斗「ああ…。バスの中で見せびらかしてきたやつね。
いらないよ…。だいたいなぁ…。金が減ったから怒ったんじゃなくて、責任と自覚をだな………。」
陸斗がまた説教を始める気や…。


成世「だって、ビッグになったらまとめて払うって話やん…。お前が言うには…。」
陸斗が呆れながら言うた。
陸斗「いや冗談だって…。まだお前ビッグになってないだろ?」
…舐めとんちゃうで…?



成世「…いや、もうすぐなるで?」
3人「は?」
3人は困惑しとう。正直に答えたろ…!
「また俺、番組に出られるらしいわ…。」
3人は一瞬固まった後、一斉に驚きよった。

3人「えぇー!?」


【つづく】















    
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

月弥総合病院

僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

処理中です...