説得マン

8話

～翌日～
日曜日……。働いとう人からすれば地獄なんやろな…。
脱サラした俺には何も関係無いけどな！………あかん…！標準語が定着してきとう！絶対関西弁は忘れんぞ！
関西弁言うても色々あるけどな！…てか、何でこいつら俺の部屋に泊まっとんねん！お泊りグッズも持ってきてへんのに！寝る時苦労したでホンマ!
アリンナとレツラはベッドに一緒に寝てもらって、陸斗は俺の敷布団で寝てもらって、俺は床に直や! まぁええやろ！お詫びや！


アリンナとレツラはダブルベッドやから大丈夫や！抱き合って寝とうくらいやから！
レツラが変装解いたらやばかったけど…、気ぃ遣ってくれて変装したまま寝てくれたわ…。はめとう指輪も俺と陸斗が付けとう腕輪と同じ様に粒子状になっとっし。


アリンナ…。宿泊用の機械でも持ってこいや! …まぁ、本人はあんまり機械に頼りたくないんやろな…。
尊重せなあかんわ…。


陸斗…。我が物顔で寝よって…！…まぁええか！疲れ溜まっとったんやろ！リーダーにしては質素やけど、こいつはそんなに拘らんから、それに甘えた結果やな…。


俺は、さながらゴキブリみたいに寝た…。冷たい冷たい床にうつ伏せで…。コギブリのおもちゃと一緒に…。
おかげで1番先に起きたで…。…こいつらまだ寝とう！
もう朝8時やで！お仕置きや！ゴキブリボタンスイッチオン！


ゴキブリのおもちゃ「ギィヤアアア！！」
3人が飛び起きた！どうや見たか！
陸斗「うるさいなぁ！」
陸斗が俺を見て怒鳴った。
アリンナ「もう最悪！こんな目覚め方！」
アリンナも陸斗とおんなじや。
レツラ「見た目は美味しそうなのに…。うるさい…。」
レツラが眠そうに言うた。…美味しそう？あかんで？
これはお気に入りや！


成世「すいません！…もう、8時……。」
俺は目覚まし時計を皆に見せたった。
皆「あっ…。」　
皆ここに居すぎたと思ったんか、帰る支度をし始めた。


陸斗「悪い悪い！帰るわ！片付けよろしく！」
図々しいこと言いよったでこいつ！
成世「えぇ…。なんでやねん…。」
アリンナ「良いじゃん。また今度発明品あげるから!」
そんなこと言われてもなぁ…。
レツラ「この借りはまた返すよ。だからお願い！」　　　
3人共手を合わせて頼んでった。しゃあないのぉ…。


成世「…分かった分かった…。やけどまたなんか協力してよ？」
陸斗「ありがとう！分かってるって～！」
陸斗は笑顔で俺の肩をぽんぽん叩く。調子ええ奴やのお…。
そして皆ドア前で一旦立ち止まって俺の方に振り返り、笑顔で小さく手を振りながら言うた。
皆「じゃ！」
俺も笑顔で返した。
成世「また来てや!」
3人はドアの方へ向き直し、出て行った。…急に寂しくなるな…。ささ、片付けな…。まあ、皆も一階におるからええやろ…。何でお泊りグッズ持ってこんかったんか(※持って来なかったのか)気になるけど、まあええか。



～朝9時 近くの河川敷～
ふーっ。引き篭もりっぱなしもあかんからな…。たまにはジョギングせな…。戦っとった時は訓練めっちゃ頑張とったんやけどな…。いざ戦いが終わったら怠けとう…。世界を守った英雄の1人としては最悪やな！　


あ！誰かナンパされとう！いかにもチャラそうな男に！上半身裸に上着羽織って…。見てられん！
チャラ男「ねぇ良いでしょ？休みなんですよね？
どっか行きましょうよ。真梨耶さん～。」
ん？真梨耶さん？…あかん！
真梨耶「…結構です…。…どいて貰って良いですか?」
チャラ男「え～つれないなぁ…良いじゃ…」
俺はチャラ男の言葉を遮って言うた。…


成世「すいませーん！」
チャラ男が俺を睨んどう。
チャラ男「なんだお前…?文句あんのか！？」
真梨耶「え…？…春崎さん！？」
真梨耶さんが驚いていらっしゃる。

チャラ男「え？知り合いですか？…ダッサいですね！
ロン毛に黒ジャージ？ギャハハハ！」
俺を指さして思いっきり罵倒しよった…。あかんのぉ…。
真梨耶さんがチャラ男を睨んどう。もっと睨んでください！


成世「いや…。人の容姿を馬鹿にしちゃいけませんよ…。ロン毛でジャージ着てたって良いじゃないですか…。」
チャラ男「何？怒ってんの?図星じゃん！ギャハハ！」
チャラ男が手を叩いて笑いよる…。真梨耶さんが呆れとう…。


成世「その話は置いといて…、拒否されてるんだからナンパは止めておきましょ。」
情けをかけたろか…。
チャラ男「何だ?やんのか？」
チャラ男は握り拳を作り構えよった。喧嘩は嫌やで…。
成世「いや…。僕は痛い思いをしたくないので…。…どんな人に対してもしつこくナンパするのはいけませんけど…、よりにもよって芸能人！これは無理ですって…。」

チャラ男「は？」
チャラをは構えを直して呆気にとられとう…。真梨耶さんはドン引きした目で俺を見始めた…。キツい！

成世「それはね…。マスコミの方々がいるからですよ…。話題を記事にすると金になるでしょ？
だから、その界隈はもうネタの取り合いですよ！
芸能人も対象ですよ！あなたはそんな勝つか負けるかの戦いをしてる方々に自分から突っ込んで行ってるんですよ?自分からネタになりに行ってどうするんですか…。」



チャラ男「……はぁ…。だっる…。もういいや…。」
チャラ男は気分が萎えたのか、俺と真梨耶さんを置いて去ってった。
真梨耶さんはドン引きした顔で俺におっしゃった。
真梨耶「あ…、ありがとうございます…。…助けてくださって…。」
成世「…いや…、…お気になさらず…。」
………話が浮かばん！沈黙は嫌や!
すると、真梨耶さんがおっしゃった。


真梨耶「…あの、あそこのベンチに一緒に座りませんか？幸い近くに人もいないので…。」




【つづく】