15 / 22
15話
しおりを挟む
ガロラス「何?」
…よっしゃ!頼もしい仲間が増えるんや!いや…、喜ぶのは早いな…。
陸斗「だって、お前は魔人で空間移動が出来る。なら、人間1人魔人の星へ連れ去ることだって出来た筈だ。だけどわざわざ自分から地球へ出向いて来た。そして何も破壊活動をしなかった。狂暴化を克服したっていうのもあるが、何より優しさがある。」
ガロラス「何を寝ぼけたことを…!俺は貴様らを恨んでいる!仲間たちを…。家族を!俺から離れさせた貴様らを!!」
ガロラスはそう叫びながら戦闘態勢に入りよった。
陸斗「そうは言うけどさ…、お前も「もの」を手に入れたんだろ?教えてくれよ。」
ガロラスは戦闘態勢を解除し、話し出した。
ガロラス「…確かに俺は、あの時貴様ら4人と対峙した時に、
「もの」を手に入れた。…それは実感だ。俺はただ知りたかった。仲間や家族を俺から離れさせた者達の事を…。だから物陰から気配を隠して貴様らの話を聞き、帰り際の貴様らの前に姿を見せた。そして実感したんだ。成世の言葉を聞いて、貴様らは悪ではないと。貴様らが去った後、「狂暴化」から脱却することが出来た。…感謝する…。」
ガロラスが打ち明けてくれた。めっちゃええやつやん…。
ガロラス「あの時、貴様らを追う事も出来たが、「狂暴化」から脱却させてくれた恩がある。だから追わなかった。」
ありがたや…。やけど1つだけ言わせてくれや!
成世「いや…、スタジオに乱入した時点でプラマイゼロやん!」
俺の言葉を聞いた4人は大笑いしよった。
陸斗「ハハハッ!そりゃそうだ!」
アリンナ「ふふふっ!もう何!?成世くん!」
レツラ「アッハハ!もう止めてよ~!」
ガロラス「ガッハハ!そうだな!悪かった!」
笑い合った後、再び本題に戻った。
陸斗「で、条件を呑んでくれるのか?」
ガロラス「ああ!地球の文明にも興味が湧いてきたところだ!よろしく頼むぞ!」
ガロラスはそう言うと、俺ら4人に、1人ずつ握手をしてきた。
他の3人は普通に握手して終わったな…。俺んとこに来たな…。来いや!
俺は手を差し出したが、ガロラスは無視して通り過ぎよった。
成世「なーんでやねん!悲しい悲しい!戻って来てや!」
俺がそうツッコミをいれると、ガロラスは、笑顔で俺んとこに戻って来て、握手をした。
ガロラス「ガッハハ!お前をからかうのは面白いなぁ!」
ガロラスは大笑いしながら言うた。貴様からお前になったな。
成世「へーへー!ありがとうございやす!」
ガロラスは俺から手を離し、真剣な顔をして言うた。
ガロラス「…また1対1で、勝負しよう…。」
俺は一瞬戸惑ってもたけど、こう返したった。もちろん、真剣な顔で。
成世「…ああ!」
それを聞いたガロラスは満足したのか、また笑顔になった。
ガロラス「よし!じゃあここから出ようじゃないか皆!」
アリンナが待ったをかけた。
アリンナ「ちょっと待って!これ!」
アリンナがガロラスに人に擬態出来る指輪を渡した。
ガロラス「これは?」
アリンナ「それは人間に擬態する為の指輪です。親指にはめて、中央のボタンを押してください。」
ガロラスは言われた通りに指輪を親指にはめ、中央のボタンを押した。するとガロラスは光りに包まれた。
光が消えると、そこには男が立っとった。2m超えの身長から180cm程に縮み、紫の長髪の天然パーマの大きな垂れ目の美形や…!服は紫のスーツを着とう。もう全身が紫や…。レツラもやけど…、なんで擬態直後は派手やねん…。
ガロラス「なぁ…。この服装…。派手じゃないか…?」
ほらガロラスも同じ事言う…。
アリンナ「それはおまけです~!後で着替えれば良いんですから!その服だってクローゼットにしまえるし!」
アリンナが不貞腐れながら言うた…。
ガロラス「なぁレツラ。その名前からして、お前も魔人だろう?最初に擬態した時、お前もこうだったのか?」
レツラは前髪をを弄りながら恥ずかしそうに言うた。
レツラ「あはは…。うん…。」
微妙な雰囲気に終止符を打ったのは陸斗やった。
陸斗「あーもう良いだろ!早く出ようぜ!」
アリンナ「え、ええ。ごめんなさい。」
アリンナは自分が取った態度に申し訳なさがあった様で、気持ちを切り替えると同時にガロラスに頭を下げた。
ガロラス「あ、ああ。大丈夫だ。出よう。」
ガロラスはアリンナの行動に少し動揺しながらも、陸斗の要求に応じた。
レツラ「うん!」
レツラは元気よく応じた。
陸斗「そうやな。出よか。」
俺ら5人は横一列に並んだ。そして両腕を上げた。
ガロラス「勢いでやってはみたが、俺が加わっても大丈夫か?」
ガロラスが戸惑いながら聞いた。
アリンナ「大丈夫です。私達に合わせて、いつも通りやれば良いんですよ。…まあ開き方は少々異なりますが…。」
ガロラス「…まあ、やれるだけやろう…。」
5人「はあっ!」
空間を5人同時に、まるで張り紙を剝がす様に開いた。
時間が停止したスタジオが見えた。
ガロラス「俺達が出た後、この星はどうなるのだ?」
アリンナ「消滅します。出入り出来るのは1回限りです。」
アリンナが答えた。
ガロラス「そうか…。儚いものだな…。」
ガロラスはしんみりとしとった。
陸斗「まあ、その話は一旦置いといて。お前はどうするガロラス?俺達はスタジオに残るが。」
ガロラス「とりあえず、お前達が所属する「結晶隊」本部に向かうとしよう…。なあに、組織の位置は把握済みだ。それに不審な男が紛れ込んでいたら、それこそ先程の二の舞だ。」
レツラ「うん!それが良いよ!本部に君の事を報告しておくね!」
ガロラス「ありがたい。」
各々の行先が決まったところで俺が言うた。
成世「じゃあせーので出ましょうや!出た後は、入り口が閉じて光る前に、各々の場所へGOや!」
陸斗「ああ!」
アリンナ「ええ!」
レツラ「うん!」
ガロラス「うむ!」
5人「せーのっ!」
俺らは息を合わせて停止した地球へ戻った。入り口が閉じて光るスピードはめっちゃ速くてもう一瞬て感じやったけど、俺らは即座に空間移動を駆使して難を逃れた。時間が動き出す頃には、皆目的地に着いとった。俺はスタジオの登場カーテンの裏側、陸斗、アリンナ、レツラは観客席、ガロラスは「結晶隊」の本部へ行ったな。
おっと、もう俺の出番やな!
洋貴「春崎成世さんですどうぞ!」
カーテンが開かれたと同時に、悲鳴と歓声と拍手があがった。…よく分からん…。
でも、今日はええ日やな…。
【続く】
…よっしゃ!頼もしい仲間が増えるんや!いや…、喜ぶのは早いな…。
陸斗「だって、お前は魔人で空間移動が出来る。なら、人間1人魔人の星へ連れ去ることだって出来た筈だ。だけどわざわざ自分から地球へ出向いて来た。そして何も破壊活動をしなかった。狂暴化を克服したっていうのもあるが、何より優しさがある。」
ガロラス「何を寝ぼけたことを…!俺は貴様らを恨んでいる!仲間たちを…。家族を!俺から離れさせた貴様らを!!」
ガロラスはそう叫びながら戦闘態勢に入りよった。
陸斗「そうは言うけどさ…、お前も「もの」を手に入れたんだろ?教えてくれよ。」
ガロラスは戦闘態勢を解除し、話し出した。
ガロラス「…確かに俺は、あの時貴様ら4人と対峙した時に、
「もの」を手に入れた。…それは実感だ。俺はただ知りたかった。仲間や家族を俺から離れさせた者達の事を…。だから物陰から気配を隠して貴様らの話を聞き、帰り際の貴様らの前に姿を見せた。そして実感したんだ。成世の言葉を聞いて、貴様らは悪ではないと。貴様らが去った後、「狂暴化」から脱却することが出来た。…感謝する…。」
ガロラスが打ち明けてくれた。めっちゃええやつやん…。
ガロラス「あの時、貴様らを追う事も出来たが、「狂暴化」から脱却させてくれた恩がある。だから追わなかった。」
ありがたや…。やけど1つだけ言わせてくれや!
成世「いや…、スタジオに乱入した時点でプラマイゼロやん!」
俺の言葉を聞いた4人は大笑いしよった。
陸斗「ハハハッ!そりゃそうだ!」
アリンナ「ふふふっ!もう何!?成世くん!」
レツラ「アッハハ!もう止めてよ~!」
ガロラス「ガッハハ!そうだな!悪かった!」
笑い合った後、再び本題に戻った。
陸斗「で、条件を呑んでくれるのか?」
ガロラス「ああ!地球の文明にも興味が湧いてきたところだ!よろしく頼むぞ!」
ガロラスはそう言うと、俺ら4人に、1人ずつ握手をしてきた。
他の3人は普通に握手して終わったな…。俺んとこに来たな…。来いや!
俺は手を差し出したが、ガロラスは無視して通り過ぎよった。
成世「なーんでやねん!悲しい悲しい!戻って来てや!」
俺がそうツッコミをいれると、ガロラスは、笑顔で俺んとこに戻って来て、握手をした。
ガロラス「ガッハハ!お前をからかうのは面白いなぁ!」
ガロラスは大笑いしながら言うた。貴様からお前になったな。
成世「へーへー!ありがとうございやす!」
ガロラスは俺から手を離し、真剣な顔をして言うた。
ガロラス「…また1対1で、勝負しよう…。」
俺は一瞬戸惑ってもたけど、こう返したった。もちろん、真剣な顔で。
成世「…ああ!」
それを聞いたガロラスは満足したのか、また笑顔になった。
ガロラス「よし!じゃあここから出ようじゃないか皆!」
アリンナが待ったをかけた。
アリンナ「ちょっと待って!これ!」
アリンナがガロラスに人に擬態出来る指輪を渡した。
ガロラス「これは?」
アリンナ「それは人間に擬態する為の指輪です。親指にはめて、中央のボタンを押してください。」
ガロラスは言われた通りに指輪を親指にはめ、中央のボタンを押した。するとガロラスは光りに包まれた。
光が消えると、そこには男が立っとった。2m超えの身長から180cm程に縮み、紫の長髪の天然パーマの大きな垂れ目の美形や…!服は紫のスーツを着とう。もう全身が紫や…。レツラもやけど…、なんで擬態直後は派手やねん…。
ガロラス「なぁ…。この服装…。派手じゃないか…?」
ほらガロラスも同じ事言う…。
アリンナ「それはおまけです~!後で着替えれば良いんですから!その服だってクローゼットにしまえるし!」
アリンナが不貞腐れながら言うた…。
ガロラス「なぁレツラ。その名前からして、お前も魔人だろう?最初に擬態した時、お前もこうだったのか?」
レツラは前髪をを弄りながら恥ずかしそうに言うた。
レツラ「あはは…。うん…。」
微妙な雰囲気に終止符を打ったのは陸斗やった。
陸斗「あーもう良いだろ!早く出ようぜ!」
アリンナ「え、ええ。ごめんなさい。」
アリンナは自分が取った態度に申し訳なさがあった様で、気持ちを切り替えると同時にガロラスに頭を下げた。
ガロラス「あ、ああ。大丈夫だ。出よう。」
ガロラスはアリンナの行動に少し動揺しながらも、陸斗の要求に応じた。
レツラ「うん!」
レツラは元気よく応じた。
陸斗「そうやな。出よか。」
俺ら5人は横一列に並んだ。そして両腕を上げた。
ガロラス「勢いでやってはみたが、俺が加わっても大丈夫か?」
ガロラスが戸惑いながら聞いた。
アリンナ「大丈夫です。私達に合わせて、いつも通りやれば良いんですよ。…まあ開き方は少々異なりますが…。」
ガロラス「…まあ、やれるだけやろう…。」
5人「はあっ!」
空間を5人同時に、まるで張り紙を剝がす様に開いた。
時間が停止したスタジオが見えた。
ガロラス「俺達が出た後、この星はどうなるのだ?」
アリンナ「消滅します。出入り出来るのは1回限りです。」
アリンナが答えた。
ガロラス「そうか…。儚いものだな…。」
ガロラスはしんみりとしとった。
陸斗「まあ、その話は一旦置いといて。お前はどうするガロラス?俺達はスタジオに残るが。」
ガロラス「とりあえず、お前達が所属する「結晶隊」本部に向かうとしよう…。なあに、組織の位置は把握済みだ。それに不審な男が紛れ込んでいたら、それこそ先程の二の舞だ。」
レツラ「うん!それが良いよ!本部に君の事を報告しておくね!」
ガロラス「ありがたい。」
各々の行先が決まったところで俺が言うた。
成世「じゃあせーので出ましょうや!出た後は、入り口が閉じて光る前に、各々の場所へGOや!」
陸斗「ああ!」
アリンナ「ええ!」
レツラ「うん!」
ガロラス「うむ!」
5人「せーのっ!」
俺らは息を合わせて停止した地球へ戻った。入り口が閉じて光るスピードはめっちゃ速くてもう一瞬て感じやったけど、俺らは即座に空間移動を駆使して難を逃れた。時間が動き出す頃には、皆目的地に着いとった。俺はスタジオの登場カーテンの裏側、陸斗、アリンナ、レツラは観客席、ガロラスは「結晶隊」の本部へ行ったな。
おっと、もう俺の出番やな!
洋貴「春崎成世さんですどうぞ!」
カーテンが開かれたと同時に、悲鳴と歓声と拍手があがった。…よく分からん…。
でも、今日はええ日やな…。
【続く】
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる