422 / 455
はじまりはじまり。小さな冒険?
422、お片付けのお時間ですよ。
しおりを挟む「さぁ、野営の真似事をしてるなら、片付けも、寝る準備も…もちろん、自分で出来るよね?」
「頑張りますっ!」
「良い返事だ。じゃあ、片付けたらみんなで風呂に行こう」
父様の声を合図に、それぞれが席を立って、お皿や串を集め始める。
食事の終了は、なんと3キロあった肉の塊が、食べ尽くされたため……。
3キロだよ?!
野菜だってたっぷりあったのに、凄いよねぇ…。
(食べ盛り、育ち盛りと言うには、3歳、4歳は早いと思うんだけど…食べきっちゃった)
まぁ、父様とヴィンセント兄様も食べてたけどね。
ちなみに、前世の焼肉屋さんなんかだと、一人前が200gくらいだっけ?
そこから考えると、何人前相当を食べちゃったんだろう?
『あれ…足りなかったかな?』と驚きの表情のルナ。
お肉もだけど、野菜類も根こそぎ…綺麗さっぱり食べ尽くされていた。
最後は、控えめに置かれていたおにぎりと、口直しにとおいてあった、可愛らしい苺のゼリーを取り合うように食べて、完食。
キャンプとか旅先の食事が、異常に美味しく感じてしまうってのと、同じ感じなのかなぁ。
だってね、いつも私が一番最後まで食べてて、置いてかれないように必死なのに、今回は私、最後じゃなかったよ?
……最後じゃなかったけど、私の分のおかわりがなくなってて、愕然としたけど!
******
「お皿は…洗わないんですね?」
「ああ、まずはこうやって汚れをこそぎ落とすんだ。…近くに川があれば、洗いたいところだが、夜はしない。朝になってから、洗うんだ」
美味しい匂いが川に流れて広がって、魔物や野生動物を誘き寄せてしまうことがあって危ないから、魔物の動きが活発な夜には、洗わない。
まぁ、メアリローサ国の主要な街道では、かなり治安が良くなっているので、そこまで心配しなくても良いんだけどね。
『一応、野営の基本だぞ?』と説明をしながら、お皿の汚れをヘラのようなものでこそぎ落としていく。
『じゃ、それが終わったら、キッチンにちょうだいね』
「はーい」
そのままお皿を運ぼうとしたら、とりあえず『1枚ずつは体験しとけ』とヘラを渡されて、順に使い終わったお皿にこびりついたタレをこそぎ落としていくことに。
シシリーが資材の調達で課外活動をしたときに、野営をしたんだけど……こういう事はしなかった。
それは、使い捨てのお皿だったから!とか言う理由じゃなくてね。
確かにそういう素材の野営キットもあったけど!
そうじゃなくてね、『浄化』や『クリーン』の魔法が、当たり前に使えたから。
(現在では、魔法が使えない前提の行動…まぁ意味や理由を知っておくことは良い事だけど……)
どれだけ魔法の技術が廃れてしまったかが、良くわかる。
分かりすぎて、悲しくなる。
思わずしんみりとしながら、お皿をきれいにしていると、背後から軽快な足音を耳が拾う。
『たっだいま~!戻りましたっ!……って。凄いな!これ』
「ああ、フレアおかえり。特に変わりはないかい?」
『あ、はい。変わりなく』
愛想良く、にっこりと笑って答えるフレア。
みんなが片付けを行なっている傍に立って『では、報告します』と話し始めた。
(仕事があるって言ってたけど、フレアはルークとの連絡係でもしてたのかな?)
こうやって真面目に行動してる時、やたらと格好良く見えるのは、契約主馬鹿だからだろうか……。
透き通るような肌を持つ、白皙の美少年って感じだ。
……喋らなければね。
一瞬、フレアからジト目の視線を貰ったので、思考が聞こえちゃってたのかな?
まぁ…でも、事実だし?
思わず、にやりと笑って返してしまったのだけど、こちらへ怒ったりの反応はせずに、しっかりと仕事はこなしていた。
えらい!
──説明の内容としては、シュトレイユ王子が強烈な閃光を放って、子供たちが姿を消したことに、一時騒然となったが『危険回避行動だ、宰相も同行しているから大丈夫』と言うことで、騎士団としては事態の収拾に努めた事。
……と、ここまでは私たちと一緒に『避難所』へと避難した後、会場へと戻っているので、父様も把握済みだった。
その後、拘束された会場の者たちは、当日、直前まで、全く異常行動のない者たちであった事。
むしろ会場スタッフや護衛の人間だったのだから、異常がないのが当たり前、身元もはっきりとした者たち。
原因は、本人の意思とは関係なく、レオンハルト王子のように『隷属の首輪』をつけられての凶行だった。
では、いつ、どこから入手し、装着したのか?
入手経路については、拾った、貰った、購入した、と、様々で。
それも本人ではなく身内だったり、友人だったりと多岐に及び、共通点は見つけられなかった。
装着に関しては、レオンハルト王子は着替えの時。
他の者たちは、身内につけられた、自分でつけた。
一部、魔力の高い者は『隷属の首輪』からの思考誘導に気付き、外そうとしたが、レオンハルト王子の時のように、激しい火花などの抵抗に遭い、外す事ができないうちに完全に意識を奪われてしまったとの事だった。
『補足として……』
どうやら以降はルークからの追記となっていて。
完全に解析するには少し時間が必要だが……と前置きをした上で。
現時点の解析で分かった事といえば、この『隷属の首輪』は今までのものと製作者が違う事。
そして、ずっと効力が低い事。
ただし、護符を一緒につけることによって、外すことを困難にし、効力の有効性を高めている、という事だった。
(ちなみにだけど…『護符』と言うのは、本来、名前の通り、危険が迫った時に、持ち主の身を守るための障壁を張ったり、シュトレイユ王子の光の魔法のような目眩しが発動したりするようなモノが多いんだ)
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら幼女でした!? 神様~、聞いてないよ~!
饕餮
ファンタジー
書籍化決定!
2024/08/中旬ごろの出荷となります!
Web版と書籍版では一部の設定を追加しました!
今井 優希(いまい ゆき)、享年三十五歳。暴走車から母子をかばって轢かれ、あえなく死亡。
救った母親は数年後に人類にとってとても役立つ発明をし、その子がさらにそれを発展させる、人類にとって宝になる人物たちだった。彼らを助けた功績で生き返らせるか異世界に転生させてくれるという女神。
一旦このまま成仏したいと願うものの女神から誘いを受け、その女神が管理する異世界へ転生することに。
そして女神からその世界で生き残るための魔法をもらい、その世界に降り立つ。
だが。
「ようじらなんて、きいてにゃいでしゅよーーー!」
森の中に虚しく響く優希の声に、誰も答える者はいない。
ステラと名前を変え、女神から遣わされた魔物であるティーガー(虎)に気に入られて護られ、冒険者に気に入られ、辿り着いた村の人々に見守られながらもいろいろとやらかす話である。
★主人公は口が悪いです。
★不定期更新です。
★ツギクル、カクヨムでも投稿を始めました。
孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下
akechi
ファンタジー
ルル8歳
赤子の時にはもう孤児院にいた。
孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。
それに貴方…国王陛下ですよね?
*コメディ寄りです。
不定期更新です!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる