私は「あなたのために」生まれてきたわけではありませんのよ?~転生魔法師の異世界見聞録~公爵令嬢は龍と謳う。

まゆみ。

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はじまりはじまり。小さな冒険?

422、お片付けのお時間ですよ。

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「さぁ、野営の真似事をしてるなら、片付けも、寝る準備も…もちろん、自分で出来るよね?」

「頑張りますっ!」

「良い返事だ。じゃあ、片付けたらみんなで風呂に行こう」


 父様の声を合図に、それぞれが席を立って、お皿や串を集め始める。

 食事の終了は、なんと3キロあった肉の塊が、食べ尽くされたため……。
 3キロだよ?!
 野菜だってたっぷりあったのに、凄いよねぇ…。


(食べ盛り、育ち盛りと言うには、3歳、4歳わたしたちは早いと思うんだけど…食べきっちゃった)


 まぁ、父様とヴィンセント兄様も食べてたけどね。

 ちなみに、前世にほんの焼肉屋さんなんかだと、一人前が200gくらいだっけ?
 そこから考えると、何人前相当を食べちゃったんだろう?

『あれ…足りなかったかな?』と驚きの表情のルナ。
 お肉もだけど、野菜類も根こそぎ…綺麗さっぱり食べ尽くされていた。

 最後は、控えめに置かれていたおにぎりと、口直しにとおいてあった、可愛らしい苺のゼリーを取り合うように食べて、完食。

 キャンプとか旅先の食事が、異常に美味しく感じてしまうってのと、同じ感じなのかなぁ。
 だってね、いつも私が一番最後まで食べてて、置いてかれないように必死なのに、今回は私、最後じゃなかったよ?

 ……最後じゃなかったけど、私の分のおかわりがなくなってて、愕然としたけど!






 ******






「お皿は…洗わないんですね?」

「ああ、まずはこうやって汚れをこそぎ落とすんだ。…近くに川があれば、洗いたいところだが、夜はしない。朝になってから、洗うんだ」


 美味しい匂いが川に流れて広がって、魔物や野生動物を誘き寄せてしまうことがあって危ないから、魔物の動きが活発な夜には、洗わない。

 まぁ、メアリローサ国の主要な街道では、かなり治安が良くなっているので、そこまで心配しなくても良いんだけどね。

『一応、野営の基本だぞ?』と説明をしながら、お皿の汚れをヘラのようなものでこそぎ落としていく。


『じゃ、それが終わったら、キッチンこっちにちょうだいね』

「はーい」


 そのままお皿を運ぼうとしたら、とりあえず『1枚ずつは体験しとけ』とヘラを渡されて、順に使い終わったお皿にこびりついたタレをこそぎ落としていくことに。

 シシリーがむかし資材の調達で課外活動をしたときに、野営をしたんだけど……こういう事はしなかった。

 それは、使い捨てのお皿だったから!とか言う理由じゃなくてね。
 確かにそういう素材の野営キットもあったけど!
 そうじゃなくてね、『浄化』や『クリーン』の魔法が、当たり前に使えたから。


現在こちらでは、魔法が使えない前提の行動…まぁ意味や理由を知っておくことは良い事だけど……)


 どれだけ魔法の技術が廃れてしまったかが、良くわかる。
 分かりすぎて、悲しくなる。

 思わずしんみりとしながら、お皿をきれいにしていると、背後から軽快な足音を耳が拾う。


『たっだいま~!戻りましたっ!……って。凄いな!これ』

「ああ、フレアおかえり。特に変わりはないかい?」

『あ、はい。変わりなく』


 愛想良く、にっこりと笑って答えるフレア。
 みんなが片付けを行なっている傍に立って『では、報告します』と話し始めた。


(仕事があるって言ってたけど、フレアはルークとの連絡係でもしてたのかな?)


 こうやって真面目に行動してる時、やたらと格好良く見えるのは、契約主おや馬鹿だからだろうか……。
 透き通るような肌を持つ、白皙はくせきの美少年って感じだ。
 ……喋らなければね。

 一瞬、フレアからジト目の視線を貰ったので、思考が聞こえちゃってたのかな?
 まぁ…でも、事実だし?
 思わず、にやりと笑って返してしまったのだけど、こちらへ怒ったりの反応はせずに、しっかりと仕事はこなしていた。
 えらい!


 ──説明の内容としては、シュトレイユ王子が強烈な閃光を放って、子供たちが姿を消したことに、一時騒然となったが『危険回避行動だ、宰相も同行しているから大丈夫』と言うことで、騎士団としては事態の収拾に努めた事。
 ……と、ここまでは私たちと一緒に『避難所』へと避難した後、会場へと戻っているので、父様も把握済みだった。

 その後、拘束された会場の者たちは、当日、直前まで、全く異常行動のない者たちであった事。
 むしろ会場スタッフや護衛の人間だったのだから、異常がないのが当たり前、身元もはっきりとした者たち。

 原因は、本人の意思とは関係なく、レオンハルト王子のように『隷属の首輪』をつけられての凶行だった。


 では、いつ、どこから入手し、装着したのか?

 入手経路については、拾った、貰った、購入した、と、様々で。
 それも本人ではなく身内だったり、友人だったりと多岐に及び、共通点は見つけられなかった。

 装着に関しては、レオンハルト王子は着替えの時。
 他の者たちは、身内につけられた、自分でつけた。

 一部、魔力の高い者は『隷属の首輪』からの思考誘導に気付き、外そうとしたが、レオンハルト王子の時のように、激しい火花などの抵抗に遭い、外す事ができないうちに完全に意識を奪われてしまったとの事だった。


『補足として……』


 どうやら以降はルークからの追記となっていて。

 完全に解析するには少し時間が必要だが……と前置きをした上で。

 現時点の解析で分かった事といえば、この『隷属の首輪』は今までのものと製作者が違う事。
 そして、ずっと効力が低い事。

 ただし、護符を一緒につけることによって、外すことを困難にし、効力の有効性を高めている、という事だった。


(ちなみにだけど…『護符』と言うのは、本来、名前の通り、危険が迫った時に、持ち主の身を守るための障壁を張ったり、シュトレイユ王子の光の魔法のような目眩しが発動したりするようなモノが多いんだ)


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