異世界で『索敵』スキルが最強なの? お前らの悪事は丸っと全てお見通しだ!

花咲一樹

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第一章

第7話 運命の出会いなの? 後編

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「ねぇサツキサン」
「イエス。マスター」
「マシンボイスって変更出来るの?」
「イエス、マスター」

 俺はベッドに寝転がりタブレットをいじっていた。

「こんな感じでいいですか?」

 オオー、畠山今日子さんの声だ!畠山さんはマジパロツインの最上さやかちゃんの声優さんで、とても綺麗な歌を歌う俺の好きな声優さんだ。

「いいね、いいね」

 顔が綻ぶ。しかしサツキサンには重大な問題があった。

「サツキサンの電池残量だとあとどれくらい持つの?」
「3時間23分です」
「じゃあ大切に使わないとね」

 この世界には多分電気は無いだろう。充電が出来ないのであれば、大切に使わざるをえない。

「充電すればよいのではないでしょうか」
「残念だけど俺達は電気の無い世界に居るんだよ」
「マスターの愛の力を注いで貰えれば大丈夫ですよ。ギューっと抱きしめて、その後に熱い口付けをお願いします」
「いや、冗談とかじゃなくマジ電気無いから」
「いえ、愛の力が有れば大丈夫です。…ライト様、キスして…」

 うわー、さやかちゃんにキスしてって言われた感じ最高~!思わずタブレットに「俺もだよ~」とか言ってキスしてしまった。
 シーンっと部屋の中が静寂の空間となった。この流れ…。扉が開いてセシリちゃんがそっと覗き見&パタンと閉まって階段を走って降りつつ「お母さん~ライトお兄ちゃんが~」的なテンプレイベか? 
 慌てて腕を伸ばしサツキサンと離れる。扉を見るが異常無し。イベント回避成功だ。

「充電が完了しました」

 サツキサンさんの電池残量は100%になっていた。

「……キスで充電できるんだ?」
「愛の力ですから。本日をマスターのファーストキス記念日として登録します」

 えっ、今のファーストキスのカウントに入るの?

「と、ところでサツキサンさんは喋る以外に何か出来るの?」
「イエス。マスター。マスターの索敵スキルに連動しビジュアル化するアプリを使用できます」

 サツキサンの言葉に2つの謎のキーワードがあった。『索敵スキル』と『アプリ』だ。

「サツキサン。2つ質問だけど、まず『索敵スキル』って何?」
「イエス。マスター。索敵スキルはマスターが持つ固有ユニークスキルです」
「俺の気配感知や人のオーラが見えるアレ?」
「イエス。マスター」

 成る程。索敵と言われれば、確かに索敵だ。

「其れじゃ2つ目。『アプリ』って?」
「イエス。マスター。索敵スキルの能力と品質を高め、より良い環境での索敵を行う事が出来ます」

 何そのアプリ?

「ダウンロード致しますか?」
「は、はい」
「ではアイコンをクリックして下さい」

 画面に初めて見る、二重丸の中に天使がいるアイコンが現れていた。
 押してみる。
 画面が切り替わり緑の枠のボックスに『本アプリの使用と契約に同意しますか』と書かれた案内が出る。『同意』のボタンを押してインストールが開始された。
 ん?
 俺は何に同意したんだ?いつもの癖で適当に同意してしまったが…。

「サツキサン?俺は何に同意したのかな?」
「『永遠の愛の誓い』の契約です」
「はい?『永遠の愛の誓い』の契約?」
「イエス、マスター。『永遠の愛の誓い』の契約は結婚の上位契約になります」

 俺は口をパクパクさせた。俺の口はパクパク以外の全てを拒否する。パクパクパクパク…。ワンポチ詐欺ですか(涙)?

 インストールが終わり四角のフレームに白い画面、左右には色々なアイコンがある画面に切り替わった。

「マスター。索敵をしてみて下さい」
「了解」

 俺は目を瞑り銀の匙亭の中をイメージして意識を集中する。画面を見ると、幾つかの丸緑が写し出された。それとは別に丸緑と同じような大きさで青い三角と白い天使のアイコンもある。

「青い三角はマスターで、白い天使が私です。丸は索敵された人で緑は状態を現しています」

 オオー、ホントにビジュアル化されてる。俺はただの三角でサツキサンは天使なんだね…。

「でもコレって平面だよね」
「イエス、マスター。『3D』と音声指示をお願いします」
「3D」

 俺が音声指示を出すと、画面に銀の匙亭の3Dフレームの立体図が出来上がり1階、2階、3階に丸緑がバラける。1階は食堂の客と宿屋の家族、2階、3階は宿泊客だ。

 えーとセシリちゃんはこの緑だな。索敵した時にセシリちゃんの位置は特定出来ていた。

「特定の人に目印を付けられますが、実行しますか?その場合は丸を指で触り『マーク』と音声指示をして下さい」

 俺はセシリちゃんの丸緑を触り

「マーク」

 と指示を出した。セシリちゃんの丸緑がセシリちゃんの顔に似たアイコンに変わった。凄え~!コレ凄え~!これでセシリちゃんの行動は丸っと全部お見通しだ~、お風呂もトイレもお見通し~、ムフフ~、ってそれヤバくね?変態だ、ストーカーだ、犯罪者だ!お巡りさ~ん、此処に変態犯罪者がいますよ~(涙)。

「チュートリアル終了~」

 外が暗くなってから大分たつ。一通りの操作を教わり一息つく。最初の索敵は宿屋内の人をイメージしたので人しか索敵/表示されなかったが、動物や虫、魔物等も表示可能。またマークした人のみの表示や種別のレイヤー表示も出来る。
 超面白い。

「サツキサン、一つ気になるんだけどセシリちゃんは顔アイコンで、おかみさんとかマークしても星形に変わるだけなの?」
「イエス、マスター。セシリさんは私の中のアルバムに登録されているので似顔絵表示が可能でしたが、他の方々は未登録のため星形表示となりました」
「じゃあ何で俺は三角なの?」
「………」

 サツキサンが沈黙した。忘れてたの?『永遠の愛の誓い』の契約したのに忘れてたの?

「流石に今日は色々あって疲れたな~」
「お休みになりますか?」
「くたくただからもう寝るよ」

 サツキサンをテーブルの上に置きベッドに入る。

「一緒には寝て頂けないのですか?」
「えっ?一緒に寝るの?」
「ライト様~、一緒に寝ましょうよ~」

 オオー、さやかちゃんの甘い声だ~。超可愛い~。

「うん、一緒に寝る~♪」

 俺は久しぶりのベッドでサツキサンと一緒に深い眠りについた。
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