異世界で『索敵』スキルが最強なの? お前らの悪事は丸っと全てお見通しだ!

花咲一樹

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第一章

第20話 ノワールの搭 前編

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「ライトお兄ちゃ~~ん」

 2日ぶりに戻った銀の匙亭の扉を開けるとセシリちゃんが飛び込んで来た。

「お兄ちゃん、2日も帰って来ないから心配したんだよ!猫探しに行って2日も帰って来ないなんて……(涙)」
「ゴメン、セシリちゃん。猫探しから続いて2件事件に巻き込まれちゃって(汗)」
「今日はゆっくり出来るの?」
「あ、いや、それが~(汗)」

 宿の扉が開きメイア様が入ってくる。

「ライト様。お荷物が有りましたらお運び致しますが」

 セシリちゃんとおかみさん、奥の厨房にいるおやじさんがメイア様を見て目が点になっているよ?

「め、メイア様だ……」

 セシリちゃんが呆けた顔で呟く。

「せ、セシリちゃんゴメン(汗)。実はお城で暮らす事になっちゃって(汗汗)」
「はい?」
「ライト様は此の度ノワールの塔主ナイトバロンとなられました。本日よりノワールの塔にてお暮らし頂きます」
「えっ、えェ~~~っ!」

 セシリちゃんがビックリ声を出す。

「お兄ちゃん男爵様だったの!」
「いや、さっきなったばかりだよ?」
「お兄ちゃんいったい何しちゃったの!」
「猫見つけて、お姫様見つけて、魔人国から此の国を守って来たよ?」
「………………?」
「そしたら男爵様になってたみたいな?」
「其れでは参りましょう。ライト様。」

 お付きのメイドさんが俺の荷物を馬車に積んでくれていた。

「あ、はい。メイア様……ん?」

 セシリちゃんががっちり俺の右腕を抱き締めている。

「やだよ……(涙)」
「……」
「やだよ。お兄ちゃん行かないでよ~。もっとお兄ちゃんとお出掛けしたいよ~。お話したいよ~。だから行かないでよ~(涙)」
「あ、でもねセシリちゃん……」

 声をかけたセシリちゃんは有らぬ方を見ている。メイア様だ、メイア様を睨みつけているよ……?ホハ~~(ムンク)
 お城で聞いたお話です。お城で一番強い人は誰ですか?皆さん仰いました。メイア様だと。そんな最強メイア様の威圧に負けずにセシリちゃんはメイア様を睨み付けていた。

「見込みが有ります」

 ?

「娘様。ライト様と離れたくないのですか?」
「勿論です!私はライトお兄ちゃんが大~~い好きだから離れたく有りません!」

 うお!行きなり来たセシリちゃんからの愛の告白!人生初告られだ!

「お城で働く気は有りますか?」
「えっ?」
「ライト様のメイドとなって働く気は有りますか?」
「あ、有ります!有ります!有りまーす!」

 セシリちゃんは元気いっぱいに手を上げている。

如何いかがでしょうか奥様。お嬢様をお城に上げても宜しいでしょうか?」
「えっ、あ、は、はい、はいですとも! あ、あんた~! メイア様がセシリをお城に上げてくださるって!」
「うお!ホントか!」

 おやじさんが厨房から駆け付けてきた。

「メイア様。宜しくお願い致します」

 おやじさんとおかみさんは2人して頭を下げた。

「ではお嬢様は改めてお迎えに参ります」
「は、はい!宜しくお願いします。メイア様」

 セシリちゃんは泣き笑い顔でメイア様に頭を下げる。
 俺は馬車に乗り

「またお城で会おうね」

 とセシリちゃんに手を振り馬車は動き出した。
 あう!ヤバい!もう1つ重要な案件があったんだ!

「メイア様、ちょっと俺、友達に電話します」

 俺は姫川さんに電話をかける。何度かメールが届いていたが、バタバタしていて返信も出来なかった。怒ってるよね~~(涙)

『光斗君!!!』
「は、はい!」
『光斗君!光斗君!光斗君!』
「は、はい」
『生きてたよ~~(ほっ)』

 ヤバい、変な方向に盛り上がっていたみたいだよ(汗)。

「ゴメン。色々な事件に巻き込まれていて、返信が出来なかったんだ。ホントごめん」
『事件って大丈夫なの?』
「うん。一通り解決したから大丈夫だよ」
『良かった。怪我とかしていない?』
「うん。至って元気だよ」
『良かった』

「みんながさ、みんなが住む家をもらえるんだ」
『えっ!家!何で!何でそんな凄い物が貰えるの?』
「ん~~、子猫探し終わったら、お姫様探しして、そしたら此の国が隣の国と戦争になりかけて、仲裁したら家を貰えたよ…みたいな?」
『はい?』

「国王様にお願いしたら、家をくれたみたいな?」
『はい?』
「近々迎えに行かせるから待っててよ」
『行かせるって誰を?』

 俺はメイア様を見ると、メイア様は相槌を打ってくれた。

「お、お城の誰かかな?」
『お城って何?お城って何なの?』
「あ、ああ。色々事件を解決したら男爵位を貰えたよ?だからお城の誰かにお願いして迎えに行かせるよ?」
『男爵位~~!』

「うん男爵芋じゃ無いみたいだよ?」
『ねぇ、ねぇ、ねぇ、ねぇ、光斗君いったい何やっちゃってるの!』
「うん、俺もよく分からない(汗)」

 俺は大事な事を告げられないでいた。姫川さんには関係無い事だ。俺の片思いの姫川さん。片思いの恋など穣るはずなど無い。だから……。

「姫川さん!」

 サヨナラ俺の初恋の人……。

「俺、結婚する事になったみたい」

 高校1年からずっと好きでした……。

「お相手はお姫様だって!凄くない?」

 涙が出て来た。結局想いも告げられないまま終わった俺の初恋。

「また今度詳しく話すね。それじゃ」

 俺は泣きながら電話を切った。

「大丈夫ですかライト様……」
「あ、ゴメン。大丈夫だよ」

 俺は涙を脱ぐって笑い顔を作った。
 俺は壊れた初恋を隠す様に窓の外に目を向け、街並みをぼんやりと見ていた………。
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