異世界で『索敵』スキルが最強なの? お前らの悪事は丸っと全てお見通しだ!

花咲一樹

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第一章

第21話 ノワールの搭 後編

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 王城には国王様達王族の住む本城と其の四方に4つの塔と呼ばれる建物がある。
 白の塔ヴァイスは宰相が塔主を勤め政治、経済等を担当している。赤の塔クリムゾンは大将軍が塔主を勤め軍司を担当している。緑の塔ウィリディスは大司教が塔主を勤めさ祭事を担当しているが、大司教は大聖堂を拠点としている為、ほとんど使用されていない。

 そして黒の塔ノワールは、王都の警備を担当していた。警備隊には王族警備を担当する親衛隊。城内警備を担当する裏メイド隊と王城警備隊。街内及び外壁警備を担当する都市警備隊に大きく分けられる。

 また特務機関ナイトウイングスもノワールの塔が担当していた。日本的に言えば警察庁警備局公安課、同局内外事情報部、ゼロ等を合わせたような組織となる。

 俺はそんな凄い組織のトップにいきなり任命された。大丈夫なの?オリバー様の『南無~』が気になる。

 城に着いた俺はノワールの塔に塔場していた。

「メイア様、あの……」
「ライト様、私の事はメイアとお呼び下さい。ライト様が私のあるじですので」
「メイアさん? あの~オリバー様が……」
「オリバーにも様は不要です。彼の親衛隊もライト様の部下になりますので」
「オリバーさんが『ナイトバロン南無~』って言ってたけど何でですかね?」
「過去歴代塔主が3ヶ月持たずにノイローゼになったり、首を吊ったりしたからではないでしょうか(クス)」

 メイアさん、クスって笑いました?ブラックだよ!超ブラック企業だよ!3ヶ月しか上司が持たない職場って何なの?

「大丈夫です。過去に着任したクズ共の様な待遇は致しません。ライト様はどっしり構えて頂ければ、後は私共が取り計らいます」

 何?どんな待遇だったの?逆パラなの?俺大丈夫なの?

 廊下ですれ違う皆さんは薄いピンクのオーラで、俺への印象は良いようだ。

「皆さん俺の事を受け入れてくれているみたいで安心しました」
「分かるのですか?」
「はい。俺には雰囲気のオーラが見えるんです。皆さん薄いピンクで、此れは好意的な色なんですよ。濃いピンクなら強い好意や愛情、グリーンなら中立、紫なら害意、濃い紫や黒は殺意。メイアさんは濃いピンクだから俺への好感度はかなりいいみたいで安心出来ます」
「!(赤面)」

 あれ?メイアさんは急に早足でスタスタ行ってしまうよ?

「あっ、メイアさん、ちょっと、どうしました?メイアさん?」

 4階のフロアに登って来た。4階は俺の居住フロアとの事だ。俺用の食堂やお風呂等も此のフロアに用意されているとの事で、いちいち階下に降りずに済むようだ。またメイアさんも俺の護衛の為に、4階にある部屋を使用するとの事だ。

「本日のご予定は特に有りませんので、お部屋にてゆっくりお休み下さい。明日は9時より裏メイド隊との簡単な顔合わせの後、10時より叙勲式、12時より城内貴族様達との会食、3時より我がノワールの塔の就任式及び就任パーティーとなります」

「明日は色々大変そうだね。今日はお言葉に甘えて、ゆっくりさせてもらうよ」

 そうしてメイアさんと別れた俺は、自室のベッドで横になった。

 しばらく横になって休んでいると、部屋の扉を叩く音が聞こえた。メイアさんかな?
 扉を開けるとアルフィーナ王女様が立っていたよ?

「あ、アルフィーナ王女様!い、如何いかがしましたか?」

 モジモジしながらアルフィーナ王女様は

「ライト様が此方こちらにお越しになったと聞きまして、その~、少しお時間が有ればお話を……」
「あ、はい!どうぞ中へ」

 俺はアルフィーナ王女様を中へ通し、窓際に用意されていたテーブルへ案内した。

 更に扉がノックされた。

「失礼します」

 メイアさんが紅茶とお茶菓子を持って入室する。姫様付きのメイドから連絡があったのだろう。手際良くティーセットをテーブルに配膳し部屋を出て行った。

 アルフィーナ王女が話し始めた。

「き、昨日はその~、わ、私がライト様に酷い事を言ってしまい申し訳ございませんでした」
「えっ? そんな事お気に為さらずに」
「わ、私の事を嫌ってはいませんか?」
「嫌う理由が有りませんよ(微笑み)。まぁ第一印象は悪かったみたいですが(苦笑)」
「そ、そんなに悪かったのでしょうか?」
「ハハ、そりゃあもう凄いオーラの色でした」
「オーラの色?」
「俺……わ、私は……」
「フフ、俺でいいですよ(微笑み)」

「す、すみません。お言葉に甘えまして。俺はオーラの色が見えるんです。アルフィーナ王女様を初めて見た時は濃い紫色でした。意味するところは強い拒絶……って言うか殺意?ぐらいに濃い紫でしたね(苦笑)。あっ俺殺されるかもってビビりが入りましたよ(苦笑)」
「そ、そんな……。私が愚かなばかりにライト様にご迷惑をおかけして……」
「大丈夫ですよ。今の王女様のオーラは濃いピンクです。意味するところは強い好意や愛情です。俺への好感度は上がったようで安心しました(笑)」

 アルフィーナ王女は赤い顔でモジモジしていた。

「愛情です。私のライト様に対する気持ちは愛情です。私はライト様とけ、け、結婚したいです!」

 あうあうあう。俺は口をパクパク動かした。

「あ、アルフィーナ王女様、俺達は昨日会ったばかりで、俺は見知らぬ男ですよ?」
「関係有りません!1回会っても、100回会っても関係有りません!私はライト様が大好きなんです!」
「あ、ありがとうございます」

「ライト様は私の事が嫌いですか?」
「き、嫌いなんてとんでもない。こんなに綺麗な女性に告られて、NOと言える男はいませんよ」
「……でも」
「す、すみません。前向きです。上げ上げで前向きです。って言うか基本Yesです!……ただ気持ちの整理をする時間を下さい」
「…………」

「俺には片思いの、好きな女の子がいました。一方的な片思いです。絶対に稔らない恋です。でも2年間、心の中で育っていった心です。でもその心を俺は壊しました。新しい恋の為には、壊さないと前には進めないと思ったからです。俺はアルフィーナ王女様と前に進みたい。だから心の傷が埋まる時間を、少しだけ俺に下さい」
「…………」

「俺はアルフィーナ王女様の事が好きです。見た目の美しさは勿論ですが、姫様の『灯火』の光に触れた時に心がときめいたのです。とても暖かい光、その暖かさは姫様の心の暖かさです。俺は此の暖かい光にずっとあたっていたい。ずっと一緒にいたいと思いました」
「では私の事はす……きという事ですか」
「はい(微笑み)。だから少しだけの時間を……」
「はい!待ちます。私は幾らでも待ちますので、ゆっくり心を作って下さい(微笑み)」
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