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第二章
第40話 聖竜攻防戦 後編
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「サツキサン。聖竜の状況はどう?」
ワールドビジョンを使って聖竜の状況を俺達は確認していた。
聖竜とはラグナドラグーンにある神山ラドラナに棲息する黄金竜族である。建国記では500年前に建国王トーレスが黄金竜に股がり、攻めいる魔族を打ち払い、此の地に平和をもたらしたとされている。トーレスは其の黄金竜と結婚し、ラグナドラグーンを建国した。其の血が代々受け継がれ、直系の王族は特別な力が使えるのだとか。
神格化されている聖竜を討伐など出来ようもなく、いかに撃退するかが今回の課題だ。
ノワールの塔の俺の執務室にメイアさん、新藤君、如月君が集まり今後のプランを練る為にサツキサンの画面を覗きこんでいた。
「聖竜はオークの里で遊んでいます」
「確かに、此れは遊んでいるな(苦笑い)」
黄金の聖竜はオーク5体を相手に、爪や尻尾で打撃戦をしているが、適当にあしらい構っている感じだ。里を襲われているオークは堪ったもんじゃない。一部のオークが聖竜の相手をしている間に、他のオークは里から逃げる準備をしている。
オークは人里に現れれば凶暴な魔物だ。しかし山奥にいる限りは敢えて戦う必要はない。しかし、聖竜によって山奥から人里に近い森に逃げて来るものが現れれば脅威となる。やれやれ、余計な事をしてくれる。
「俺達がオークを守ってやる義理は無いが、人里に来られても困る。てな訳で此のバカたれ聖竜を止めないとな」
「ワールドレンジ・ストライクで一発牽制してみるか?」
如月君の意見に新藤君がオプションを提案する。
「そうだな。先ずは少しは交渉してみよう。聖竜は人の話しが分かるんですよね、メイアさん」
「はい。聖竜族は知性が高く、人に限らず知性有る種族の言葉を理解すると聞いています」
「じゃあ、俺と彩月で行って来るよ」
「いや、交渉は俺が言い出した事だ。俺が行って来る」
「俺も行こう。光斗は今回は留守番だ」
「えっ?」
「ではマスターは私と歌の練習を致します」
「はい?」
「宜しく頼むよサツキサン(笑)」
聖竜の元に行くのは結局、新藤君、如月君、彩月、葵さん、アイシャさんとなった。葵さんとアイシャさんにはオタトリ君達の耐熱、耐寒、耐圧を融合させたタワーシールドを持っていってもらう。ドラゴンのブレス対策だ。でもサツキサン、歌の練習って何ですか?
◆
新藤君達は彩月のテレポートで聖竜の眼前に着地した。
俺はノワールの塔に設置した対策室にいた。室内には裏メイド隊と3組隊が壁面に設置した画面を見ている。
高山さんがサツキサンが写すリアルタイム画像を1分に1、2枚程度を部屋の画面に複写していた。
今回は如月君のスマホのマイクをサツキサンとリンクさせている。その為ワールドビジョンが苦手とする音声もリアルタイムで聞ける。
俺と山梨さんは緊急時に備え、何時でもワールドレンジ・ストライクを発動出来るように待機していた。
ワールドレンジ・ストライクは俺のワールドビジョンと山梨さんのスキル、転移魔法陣を組み合わせた技だ。山梨さんは離れた位置に魔法を転移させる魔法陣を作る事が出来た。
俺のワールドビジョンが敵を索敵し、山梨さんが作る転移魔法陣OUT側を敵の隣接位置に配置、裏メイド隊の魔法部隊が転移魔法陣IN側に魔法を打ち込む事により、世界の何処にでも此のノワールの塔から魔法を放つ事が出来る。
新藤君が「まさにCPGSだな」とか言っていたよ?
新藤君曰く、CPGSとは【通常兵器型即時地球規模攻撃構想】の略語で、アメリカが世界何処へでも、短時間でピンポイントに、標的に攻撃を行う戦術構想の事らしい?
ワールドレンジ・ストライクが世に知れ渡った時に、俺達は世界最悪の暗殺集団と畏怖されるだろう。何しろワールドビジョンの索敵範囲は全世界だ。魔力粒子を遮断したシェルターにでも引き込まらない限り逃げる事は出来ない究極の暗殺魔法と言っていいだろう。
しかし俺は山梨さんに人殺しの手伝いをされるつもりは更々ない。対人に於いてはスリープ系魔法やスタン系魔法を使う事を考えている。
◆
『ほほう。今度は人か。たった其れだけの数で私とやろうってのかい?』
『聖竜!そろそろ山に帰ってくれないか。お前に暴れられているといい迷惑だ!』
聖竜の前に対峙した新藤君は聖竜への交渉を開始した。
『私は山に帰る気など無い!』
『其れは何故だ!』
いやはや新藤君、肝座ってるな~。聖竜相手に何時もの口調だよ(汗)。
『貴様らに言う必要など無い!』
『なるほど。何か後ろめたい事が有って山に帰れない訳だ』
うわ~。新藤君煽ってない?交渉しに行ったんだよね?(汗)
顔を怒り色に染めた聖竜は口元に光輝く魔力を溜め始めた。
聖竜の黄金のブレスは彼らがいた場所を焼き付くすが、ブレスを吐く前の僅かな間に、新藤君達は10m程度右にテレポートをしていた。
あう~。冷や汗が出てきた。チラッとメイアさんを見ると笑みが溢れているよ?新藤君とメイアさんは同族だ。メイアさんも煽り交渉が好きだからな~(涙)。
『お前がアホだって事がよく分かった。大概直ぐに暴力に訴える奴はアホが多い。お前は正に其の典型だな』
聖竜は更に顔を真っ赤にしてドラゴンブレスをやたらめったら吐きまくり始めた。うわ~、怪獣映画だな(汗)。
新藤君が電話をしてきた。
『光斗。あのアホ竜に痛い目を見て貰おう。鱗の薄い両脇の下、股関節、ケツの穴に魔法を数発打ち込んでくれ』
「り、了解」
しかしケツの穴ってどうなのよ?口調からしてあの聖竜は女の子だ。俺はみんなの方を見ると女の子達は首を横に振っていた。ですよね~(苦笑い)。
「山梨さん、楠木君、両脇の下と股関節狙いで魔法陣を展開」
「了解!」
「「「シンクロハーモライズ」」」
「ワールドビジョン」
「転移魔法陣」
「複製錬成」
「「「ワールドレンジ・ストライク!」」」
聖竜の四肢関節近郊に魔法陣が出現する。
「魔法斉射!」
俺の掛け声で裏メイド隊による射撃系魔法が魔法陣INに放たれた。其れらの魔法は遠く離れた4つの魔法陣OUTより出現し聖竜の四肢関節に命中する。
『ワグギュワーーーーッ!』
怒りに我を忘れてブレスを吐いていた聖竜は魔法陣を見ていない。故に不意にくらった一撃は痛さが倍増する。
聖竜は地面をのたうち回り、オークの家をローラーの如く破壊していた。
『アホ竜!山に帰らないようなら、次は心臓に直接魔法を叩き込む!我らがナイトウイングス団長は自慢の黄金の鱗など関係無い!』
『あはは、確かにライトの前じゃ心臓も女の子の下着の色も中もお見通しだよな』
き、如月君?其の表現は良くないと思うよ?せめて下着で止めようよね。
ほらほら、クラスの女の子が紫のオーラで胸と他の場所隠して凄いジト目で俺を見てるよ?
裏メイド隊はピンクのオーラで胸と他の場所隠して俺を見てるよ?
大丈夫だよ?下着の中は見たりしないよ?ホントだよ?
『さあ!どうするアホ竜!』
『アホ、アホ言うな!私は高貴なる聖竜族の姫であるぞ!』
『聖竜族が高貴なのは認めるが、其れはお前じゃない!人間も賢い生き物だが相沢はアホだ!お前は相沢と同じアホなんだよ!』
「おいおい新藤、其れじゃ俺がまるでアホみたいじゃないか!」
残念だよ相沢君。クラスのみんなも残念な生き物を哀れな目で見ていた(涙目)。
『ふざけるな人間ーーーッ!』
聖竜は激昂して立ち上がり咆哮を放つ。あくまでも冷静な新藤君は彩月に安全距離までテレポートをさせた。
『ヤレ、光斗』
新藤君の指示で俺達は聖竜の心臓に微電撃系魔法を放つ。微だよ、微!
『アギャギャーーー!』
微とはいえ、心臓にいきなり電ショックだ。心臓が止まる程の衝撃だろう。
『チッ』
あの人「チッ」って言ったよね?クラスのみんなも呟いた。
「「「鬼だな」「鬼よ、鬼」」」
心臓を押さえ揉んどり打つ聖竜。建物の瓦礫や砂塵が舞うなか、絶叫が木霊していた。
『まだ俺達と遊びたいか?』
『アギャギュ~。ヴギュ~ギュア~』
『何言ってるか分からん。光斗、もう一発だ!』
『ヒャメテ~~~(涙)。イタイのヤメテ~(涙)。ウワ~~~~~~~ン(大涙)』
◆
洪水の様な涙を流した聖竜は、漸く泣き止み、新藤君の前で正座をさせられていた。
『つまり貴様は、姫大会とかに無様に敗れ、聖竜王に散々叱られ腹いせに暴れていたと?』
『はい…(ショボン)』
『何故お前が敗れたか分かるか』
聖竜は首を横に振った。
『其れはお前がアホだからだ』
『……』
「「「……」」」
『なぜ負けたのか分からない。つまり次に何をしたらいいのか分からないという事だ。相沢がなぜ追試でも赤点を取るのかと一緒だ』
「おいおい新藤~、其れじゃまるで俺がバカみたいじゃないか~」
(((バカだろ)))
クラスのみんなは、またしても残念な生き物を哀れな目で見ていた。
『山には帰らないのか?』
聖竜はコクリと頷く。
『なら、俺達のナイトウイングスに入れ。少しは賢くしてやる』
こうして聖竜はナイトウイングスの一員と成りましたとさ?いいの?
ワールドビジョンを使って聖竜の状況を俺達は確認していた。
聖竜とはラグナドラグーンにある神山ラドラナに棲息する黄金竜族である。建国記では500年前に建国王トーレスが黄金竜に股がり、攻めいる魔族を打ち払い、此の地に平和をもたらしたとされている。トーレスは其の黄金竜と結婚し、ラグナドラグーンを建国した。其の血が代々受け継がれ、直系の王族は特別な力が使えるのだとか。
神格化されている聖竜を討伐など出来ようもなく、いかに撃退するかが今回の課題だ。
ノワールの塔の俺の執務室にメイアさん、新藤君、如月君が集まり今後のプランを練る為にサツキサンの画面を覗きこんでいた。
「聖竜はオークの里で遊んでいます」
「確かに、此れは遊んでいるな(苦笑い)」
黄金の聖竜はオーク5体を相手に、爪や尻尾で打撃戦をしているが、適当にあしらい構っている感じだ。里を襲われているオークは堪ったもんじゃない。一部のオークが聖竜の相手をしている間に、他のオークは里から逃げる準備をしている。
オークは人里に現れれば凶暴な魔物だ。しかし山奥にいる限りは敢えて戦う必要はない。しかし、聖竜によって山奥から人里に近い森に逃げて来るものが現れれば脅威となる。やれやれ、余計な事をしてくれる。
「俺達がオークを守ってやる義理は無いが、人里に来られても困る。てな訳で此のバカたれ聖竜を止めないとな」
「ワールドレンジ・ストライクで一発牽制してみるか?」
如月君の意見に新藤君がオプションを提案する。
「そうだな。先ずは少しは交渉してみよう。聖竜は人の話しが分かるんですよね、メイアさん」
「はい。聖竜族は知性が高く、人に限らず知性有る種族の言葉を理解すると聞いています」
「じゃあ、俺と彩月で行って来るよ」
「いや、交渉は俺が言い出した事だ。俺が行って来る」
「俺も行こう。光斗は今回は留守番だ」
「えっ?」
「ではマスターは私と歌の練習を致します」
「はい?」
「宜しく頼むよサツキサン(笑)」
聖竜の元に行くのは結局、新藤君、如月君、彩月、葵さん、アイシャさんとなった。葵さんとアイシャさんにはオタトリ君達の耐熱、耐寒、耐圧を融合させたタワーシールドを持っていってもらう。ドラゴンのブレス対策だ。でもサツキサン、歌の練習って何ですか?
◆
新藤君達は彩月のテレポートで聖竜の眼前に着地した。
俺はノワールの塔に設置した対策室にいた。室内には裏メイド隊と3組隊が壁面に設置した画面を見ている。
高山さんがサツキサンが写すリアルタイム画像を1分に1、2枚程度を部屋の画面に複写していた。
今回は如月君のスマホのマイクをサツキサンとリンクさせている。その為ワールドビジョンが苦手とする音声もリアルタイムで聞ける。
俺と山梨さんは緊急時に備え、何時でもワールドレンジ・ストライクを発動出来るように待機していた。
ワールドレンジ・ストライクは俺のワールドビジョンと山梨さんのスキル、転移魔法陣を組み合わせた技だ。山梨さんは離れた位置に魔法を転移させる魔法陣を作る事が出来た。
俺のワールドビジョンが敵を索敵し、山梨さんが作る転移魔法陣OUT側を敵の隣接位置に配置、裏メイド隊の魔法部隊が転移魔法陣IN側に魔法を打ち込む事により、世界の何処にでも此のノワールの塔から魔法を放つ事が出来る。
新藤君が「まさにCPGSだな」とか言っていたよ?
新藤君曰く、CPGSとは【通常兵器型即時地球規模攻撃構想】の略語で、アメリカが世界何処へでも、短時間でピンポイントに、標的に攻撃を行う戦術構想の事らしい?
ワールドレンジ・ストライクが世に知れ渡った時に、俺達は世界最悪の暗殺集団と畏怖されるだろう。何しろワールドビジョンの索敵範囲は全世界だ。魔力粒子を遮断したシェルターにでも引き込まらない限り逃げる事は出来ない究極の暗殺魔法と言っていいだろう。
しかし俺は山梨さんに人殺しの手伝いをされるつもりは更々ない。対人に於いてはスリープ系魔法やスタン系魔法を使う事を考えている。
◆
『ほほう。今度は人か。たった其れだけの数で私とやろうってのかい?』
『聖竜!そろそろ山に帰ってくれないか。お前に暴れられているといい迷惑だ!』
聖竜の前に対峙した新藤君は聖竜への交渉を開始した。
『私は山に帰る気など無い!』
『其れは何故だ!』
いやはや新藤君、肝座ってるな~。聖竜相手に何時もの口調だよ(汗)。
『貴様らに言う必要など無い!』
『なるほど。何か後ろめたい事が有って山に帰れない訳だ』
うわ~。新藤君煽ってない?交渉しに行ったんだよね?(汗)
顔を怒り色に染めた聖竜は口元に光輝く魔力を溜め始めた。
聖竜の黄金のブレスは彼らがいた場所を焼き付くすが、ブレスを吐く前の僅かな間に、新藤君達は10m程度右にテレポートをしていた。
あう~。冷や汗が出てきた。チラッとメイアさんを見ると笑みが溢れているよ?新藤君とメイアさんは同族だ。メイアさんも煽り交渉が好きだからな~(涙)。
『お前がアホだって事がよく分かった。大概直ぐに暴力に訴える奴はアホが多い。お前は正に其の典型だな』
聖竜は更に顔を真っ赤にしてドラゴンブレスをやたらめったら吐きまくり始めた。うわ~、怪獣映画だな(汗)。
新藤君が電話をしてきた。
『光斗。あのアホ竜に痛い目を見て貰おう。鱗の薄い両脇の下、股関節、ケツの穴に魔法を数発打ち込んでくれ』
「り、了解」
しかしケツの穴ってどうなのよ?口調からしてあの聖竜は女の子だ。俺はみんなの方を見ると女の子達は首を横に振っていた。ですよね~(苦笑い)。
「山梨さん、楠木君、両脇の下と股関節狙いで魔法陣を展開」
「了解!」
「「「シンクロハーモライズ」」」
「ワールドビジョン」
「転移魔法陣」
「複製錬成」
「「「ワールドレンジ・ストライク!」」」
聖竜の四肢関節近郊に魔法陣が出現する。
「魔法斉射!」
俺の掛け声で裏メイド隊による射撃系魔法が魔法陣INに放たれた。其れらの魔法は遠く離れた4つの魔法陣OUTより出現し聖竜の四肢関節に命中する。
『ワグギュワーーーーッ!』
怒りに我を忘れてブレスを吐いていた聖竜は魔法陣を見ていない。故に不意にくらった一撃は痛さが倍増する。
聖竜は地面をのたうち回り、オークの家をローラーの如く破壊していた。
『アホ竜!山に帰らないようなら、次は心臓に直接魔法を叩き込む!我らがナイトウイングス団長は自慢の黄金の鱗など関係無い!』
『あはは、確かにライトの前じゃ心臓も女の子の下着の色も中もお見通しだよな』
き、如月君?其の表現は良くないと思うよ?せめて下着で止めようよね。
ほらほら、クラスの女の子が紫のオーラで胸と他の場所隠して凄いジト目で俺を見てるよ?
裏メイド隊はピンクのオーラで胸と他の場所隠して俺を見てるよ?
大丈夫だよ?下着の中は見たりしないよ?ホントだよ?
『さあ!どうするアホ竜!』
『アホ、アホ言うな!私は高貴なる聖竜族の姫であるぞ!』
『聖竜族が高貴なのは認めるが、其れはお前じゃない!人間も賢い生き物だが相沢はアホだ!お前は相沢と同じアホなんだよ!』
「おいおい新藤、其れじゃ俺がまるでアホみたいじゃないか!」
残念だよ相沢君。クラスのみんなも残念な生き物を哀れな目で見ていた(涙目)。
『ふざけるな人間ーーーッ!』
聖竜は激昂して立ち上がり咆哮を放つ。あくまでも冷静な新藤君は彩月に安全距離までテレポートをさせた。
『ヤレ、光斗』
新藤君の指示で俺達は聖竜の心臓に微電撃系魔法を放つ。微だよ、微!
『アギャギャーーー!』
微とはいえ、心臓にいきなり電ショックだ。心臓が止まる程の衝撃だろう。
『チッ』
あの人「チッ」って言ったよね?クラスのみんなも呟いた。
「「「鬼だな」「鬼よ、鬼」」」
心臓を押さえ揉んどり打つ聖竜。建物の瓦礫や砂塵が舞うなか、絶叫が木霊していた。
『まだ俺達と遊びたいか?』
『アギャギュ~。ヴギュ~ギュア~』
『何言ってるか分からん。光斗、もう一発だ!』
『ヒャメテ~~~(涙)。イタイのヤメテ~(涙)。ウワ~~~~~~~ン(大涙)』
◆
洪水の様な涙を流した聖竜は、漸く泣き止み、新藤君の前で正座をさせられていた。
『つまり貴様は、姫大会とかに無様に敗れ、聖竜王に散々叱られ腹いせに暴れていたと?』
『はい…(ショボン)』
『何故お前が敗れたか分かるか』
聖竜は首を横に振った。
『其れはお前がアホだからだ』
『……』
「「「……」」」
『なぜ負けたのか分からない。つまり次に何をしたらいいのか分からないという事だ。相沢がなぜ追試でも赤点を取るのかと一緒だ』
「おいおい新藤~、其れじゃまるで俺がバカみたいじゃないか~」
(((バカだろ)))
クラスのみんなは、またしても残念な生き物を哀れな目で見ていた。
『山には帰らないのか?』
聖竜はコクリと頷く。
『なら、俺達のナイトウイングスに入れ。少しは賢くしてやる』
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