異世界で『索敵』スキルが最強なの? お前らの悪事は丸っと全てお見通しだ!

花咲一樹

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第三章

第50話 誰ためにゴミを拾う

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 選挙活動3日目。カトレア姫達は街の奉仕活動としてスラム街のゴミ拾いに出掛けている。浮動票の多くはスラム街の人達だ。彼等にカトレア姫の名を覚えて貰わない事には全くもって始まらない。本部のサツキサンの画面はスラム街で活動するカトレア姫達を映していた。

『ガハハハ、何だありゃ~。ごみ溜めの街のゴミを拾ってるよ』
『頭可笑しいんじゃねえか』

 屋台に座る若者二人がカトレア姫達のゴミ拾いを見て笑っていた。若者の一人が食べていた骨付き肉の骨をポイっと投げ捨てる。

 ガパーン!

 屋台のおばちゃんが若者の頭を叩いた。

『あんたらがゴミを捨てなきゃ、ゴミを拾わなくてすむんだよ!』
『いてえなババア!ゴミ溜めの街にゴミを捨てちゃいけねぇなんて誰が決めたんだよ!』

『お兄さん!』

 カトレア姫は其の若者の手を両手で握りしめた。

『其のアイディア頂きました』

 突然美少女に手を握られた若者は、頬を赤らめカトレア姫をポワンと見ている。

『街にゴミをポイ捨てをしてはいけないルールを作りましょう』
『あんた誰だい?』

 屋台のおばちゃんが聞いてくる。
 急かさず芳川さんが屋台のおばちゃんに冊子を配り説明をする。

『此方は帝国第3皇姫のカトレア様です。本日は綺麗いな帝国作りの一環として、西地区のゴミ拾いを企画され、ゴミ拾いの活動をしています』

『『『皇姫様!!!』』』

『ゴミは捨てないで下さいね(ニコ)』
『は、ハイ!』

 カトレア姫はもう一人の若者の手も両手で握り、上目遣いで

『貴方もゴミを捨てないで下さいね(ニコ)』
『は、は、ハイ!』

 上目遣いの美少女のお願いに抗える男の子はいないよね(苦笑い)。

 ◆

 あれから2時間、カトレア姫達はスラム街でも主に大きい通りのゴミを拾っている。裏路地等は危険な連中が屯っているリスクが有るからだ。
 しかしスラム街の異臭の元となる本当のゴミは裏路地に有る。家庭から出る排泄物が裏路地の彼方此方に捨てられているのだ。流石に此れをカトレア姫達が拾うのはねぇ。

 これらの汚物に関しては選挙本部からの遠隔清掃をする手筈となっていた。

 ワールドレンジ・ストライク・テレポバージョン。

 山梨さんの魔法陣Out側に彩月のテレポートを、笠原君が融合させる事により、魔法陣Out側に触れた物を任意の場所に転移させる事が可能となった。
 此れも最強クラスのシンクロスキルだ。

 岡本さんの魔力供給が有れば、彩月はかなり大きな物も転移可能だ。つまりドラゴン等が暴れても遠隔転移で、南極へでも転移させられる。

 今回は重さよりも数が優先されるので、
 山梨さんの魔法陣Out側を、楠木君の錬成の派生スキルである複製で大量生産する段取りだ、ったんだけど……。

「みんな、予定変更~。暫く様子を見る事になった」

 俺は選挙本部で待機していた彩月や山梨さん達にそう告げた。

「どうしたの光斗君?」

 彩月がみんなを代表して聞いてくる。

「スラム街の人達がゴミ拾いを始めたんだ。裏路地に有る汚物も掃除していたりみたいな(苦笑い)」
「「「えーーーッ!」」」

 カトレア姫が手を握った若者は、界隈を束ねるチームリーダーだった。

『カトレア皇姫様に汚ねぇ糞を拾わせる訳にはいかねぇー!俺達で汚ねぇ糞を掃除するんだ!分かったな!』
『『『オスッ!!!』』』

 不良チーム以外にもスラム街の人達も加わり、夕方には西地区のスラム街はゴミ一つ落ちていない街になっていた。汚く臭かったスラム街に清々しい風が通り抜けていく。

『ありがとうございますぅ』

 カトレア姫が不良チームの若者達に次々と握手をして行く。若者達は頬を赤らめメロメロ状態だよ(笑)。

「あのお姫様凄いわね」

 ナタリアさんが感心している。

「野郎共はメロメロですもんね」
「違うんだよ光斗」

 と如月君。

「あのお姫様は若者達の汚い手を、躊躇無く握っているのよ。普通、皇族ならそんな事は出来ないわ」

『ウォー!お姫様が手を握ってくれたー!一生手を洗いたくね~!でも手は汚ねぇ~(涙)』

 彼方此方で若者達が苦悩しているよ(苦笑い)。

『三日後に、此方の方に街頭演説に来ます。その時にまた握手しましょ(ニコ)』

 ズキュ~ンって音が聞こえて来たよ。
 若者達はカトレア姫が乗る馬車を姿が見えなくなる迄、手を振っていたとさ。

 ◆

「ふ~、疲れぇたぁですぅ~」
「お疲れ様。1日ゴミ拾いは疲れますよね」

 ソファーにぐでんぐでんで横たわるカトレア姫に労を労い言ってみたが、

「1日中ぅ普通のぉ喋り方をぉするのはぁ、厳しいぃですぅ~。疲れぇますぅ~」

(((そっち!?)))
 みんなは心の中で突っ込んだよ(苦笑い)。

 ◆

 翌日、翌々日で北地区、東地区のスラム街の清掃活動を行った。西地区程には街の人達は参加しなかったものの、カトレア姫に賛同してくれた人達は少なからずいた。
 流石に汚物処理は俺達のワールドレンジ ストライク・テレポバージョンで転移清掃を行ったよ(苦笑い)。

 ◆

 選挙活動も残り2日となった。

「現在の支持率はカトレア皇姫様が3、教会が3、軍が1、浮動票が3だ。カトレア皇姫様は右肩上がりで人気急上昇中だ。
 みんな!残り2日、頑張って行こう!」
「「「了解!」」」

 裏メイド隊、3組隊共にやる気満々だ。

 そして今日は、カリス皇子を支持するデリアンデス元帥率いる帝国軍が企画した武闘大会が開催される。軍の株を上げようと企画されたようだよ?

 主だった参加者は軍関係者だが、一般参加も受け付けているため、腕自慢の冒険者も参加するみたいだ。 

 しかもだ、デリアンデス元帥はカイゼス大将軍に挑戦状を送っていた。

 しかものしかもだ、カイゼス様は返信で

『まだ20年前に俺様にこてんぱんにヤられた事を覚えているとは殊勝な心がけだ。しかし俺様も忙しい身故に小者を相手にしている時間も無い。貴国に我が王国騎士団指南役が滞在している。お前が負けた俺様が負ける程の凄腕だ。軽く遊んで貰うんだな』

 あのオヤジ何ヤっちゃってクレちゃってるのよ(汗)。当然の事ながらカトレア姫の館に武闘大会への参加依頼の案内が届いたよ(涙)。
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