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第三章
第51話 帝国武闘大会
しおりを挟む武闘大会は帝都大闘技場のコロセウムで行われていた。大将軍のご指名って事なので葵さんは仕方なく参加している。
闘技のルールはシンプルで飛び道具と魔法の禁止だ。肉体強化魔法や薬や呪符等も禁止だ。バレないとはいえ葵さんもワールドクロックは使用しないだろう。剣術もしくは体術でのど突き合い大会である。
俺は本部から動けないため、応援には彩月、茜音さん、如月君、変装したオリヴィア様、アイシャさん、カーシャさんで行って貰った。
とはいえ俺も葵さんが気になるので、サツキサンに葵さんの試合が始まる時にモニターを半分に分けて観戦していた。
試合はトーナメントで、当然の事ながら葵さんは難なく2回戦迄突破。3回戦では優勝候補の一角である東方面軍副将軍コスタリムとの対戦となった。
『話しは元帥から聞いている。ラグナドラグーン国剣聖を打ち負かした腕前とやら見せて貰おう』
コスタリムはフェイスマスクを付けた全身プレートアーマを着込み、カイトシールドを構え、右手にロングソードを構えている。赤いマントが風に靡き、ちょっとカッコいい。機動力を捨てた装備ではあるが、防御力はかなり高い。
葵さんは白のブラウスに空色のベストでノー防具の様に見えて、実はベストには工藤君の耐圧を融合させてある。いつものクールな視線で両手で剣を正眼に構え、相手の出方を待つ。重装備のコスタリムがどの程度動けるのかを見極める必要があった。
コスタリムは打ち込んでくる様子は見せずに、カイトシールドを前に出し、防御の構えを取りながら、じわじわと重い足取りで一歩、二歩と間合いを詰めてくる。
間合いに入ったコスタリムは、盾の影からロングソードを突き葵さんに襲いかかる。その突きを躱すのではなく、剣で受け流す。霧島流剣術『正位崩撃』。相手の体位を崩す受け流しにより、コスタリムは前のめりにバランスを崩す。
葵さんは返す刀で打ち込みをする。コスタリムはバランスを崩しながらもカイトシールドで剣を受ける。
しかし、その剣撃冴えも『正位崩撃』で有り、更にコスタリムはバランスを崩す事なる。
2撃、3撃と葵さんの剣を受けたコスタリムはヨレヨレ状態だった。
4撃目は頭部への突きと見せかけての下段攻撃だった。コスタリムは下段攻撃に反応出来ない。重心を見失っている左足を払う剣撃でコスタリムは転倒した。
そして5撃目は地に倒れるコスタリムのフェイスマスクに突きつけらていた。
『参った!』
コスタリムは潔く敗けを認め右手の剣を放した。
葵さんは剣を鞘に納め、倒れているコスタリムに手を差し伸べる。
コスタリムは葵さんの手を握り、立ち上がるとヘルムを脱いだ。銀髪のイケメンだ。
『アオイ殿、完敗です。こうも何も出来ずに負けたのは初めてです。剣聖に勝った等と噂かと思っていましたが確信しました。貴女は強い。そして美しい』
コイツ、葵さんに何イッチャッテるんだ!ワールドレンジ ストライクで仕留めてやりますか!
『コスタリム様、ありがとうございます。しかし私には婚約者がいますので(汗)』
『そうでしたか。その方は羨ましいですな。次に当たる西方将軍のトリマー卿は豪の者です。検討を祈ります』
二人握手をして別れたが、葵さんの次の相手はトリマーではなかった。
準決勝で葵さんと対戦する相手は、教会代表の銀仮面の女性であった。名前はリン。俺達がマークしているブラックオニキスのメンバーの1人だ。
まさかのトリマー敗北に帝国軍部は騒然としていた。此の武闘大会は変則トーナメントで、決勝戦は最初からデリアンデス元帥がスーパーシードで決まっていた。詰まり準決勝で勝った者が元帥への挑戦権を得られる的な大会であった。その準決勝に帝国軍人がいない。
帝国軍人同士の決勝戦で有れば元帥が勝っても、挑戦者が勝っても如何様にも出来た。
しかし挑戦者が軍人以外の場合、デリアンデス元帥はガチで勝たなければいけない。
そして其の挑戦者を決める戦いが始まった。
教会代表の銀仮面女子は開始と同時に右に左にと動き回る。かなり足が速いんですけど~(汗)。
「サツキサン、銀仮面女子はどれぐらいのスピードで走り回ってるの?」
「イエス、マスター。時速70Km、100mなら5秒の速さです」
「速すぎだろッ!」
一緒にモニターしていた新藤君がサツキサンに質問する。
「サツキサン、此の世界には猫系獣人はいるのか?」
「イエス、新藤様。猫耳族はいます。しかし彼等の足のスピードは100mなら8秒程度です」
「新藤君、彼女は人間だよ」
俺の索敵で銀仮面の下の素顔が見えた。しかも結構可愛い女の子だ。
「ならば、何かトリックが有るのか?」
「イエス、新藤様。彼女は手足に敏捷系の魔法石を埋め込んでいます」
「なるほど、規定違反だな」
「それをバレない様にやっている辺りは凄いけどね。とりま如月君に連絡しておこう」
等と話している間に試合は動いていた。
時速70キロで動く銀仮面女子。近距離に於いて人の目で追いかける事は困難だ。例えばボクサーのパンチスピードは時速40キロ、デコピンで時速30キロ。その倍の速度となると消えていると同義に近い。
銀仮面女子は超スピードで跳躍し葵さんに襲いかかる。葵さんは反射神経だけで其れを受け流す。葵さんが凄いのはとっさの受け流しに於いても『正位崩撃』が出来ている事だ。其の為、銀仮面女子は攻撃後の着地でバランスを崩し、連続攻撃が出来ないでいた。
「モシモシ如月君」
『どうした光斗?』
「あの銀仮面女子は敏捷系魔法石を使っているんだ」
『ホントか!』
等と電話をしてる間に葵さんは腰に下げてあるもう一本のショートソードを左手で抜いている。
右手のロングソードは耳脇からの突きの構え、左手のショートソードは逆手に持ち構える。
其の姿は美しくカッコいい!
警戒した銀仮面女子は更に速度を上げた。サツキサンの標示で時速120キロ。チーター並みの速度で葵さんの周囲を右に左に走り回る。
俯瞰で見ているサツキサンの画面でも、彼女の動きを見る事が出来ない程に速く動いている。
ガキッーーーン!
剣がぶつかる音がし、銀仮面女子は葵さんの遥か前方に頭から大地に落下した。
何が起きたの?
「山岸のやつ、スキルを使ったか?」
「新藤様、葵様はスキルは使っていません。スロー再生を流します」
本部にいる俺、新藤君、メイアさん、ナタリアさん、エリナさんはスロー再生を見て、開いた口が塞がらない状態になっちゃったよ(汗)。
超スピードで銀仮面女子は葵さんの背後から襲いかかる。葵さんは其の攻撃を、逆手に持った左手のショートソードを背中に回し、突き上げる様にして受け流すと同時に、体制を低くした。
銀仮面女子は葵さんの頭上を飛び越える形となるが、葵さんは右手のロングソードで、頭上を越えた銀仮面女子の腹に突きを打ち込む。
相対速度が同方向となる為、突きの威力は半減したが、銀仮面女子はその一撃により着地体制を取る事が出来ずに、頭から大地に激突する事となった。
葵さん、凄すぎです~(汗)。
此のスロー再生を会場にいる如月君達のスマホに転送する。
会場では何が起きたのか如月君達以外は誰も分からない。しかし葵さんは立っており、銀仮面女子は気絶している。この事実は誰もが分かっていた。
彩月と茜音さんが拍手をする。それは会場中に連鎖し、此の日一番の大拍手となった。
デリアンデス元帥との決勝戦は、20合程の打ち合いで終わった。勿論、葵さんの勝利だ。武闘大会で葵さんが最も打ち合いをした事により、元帥の顔も少しは立っただろう。
コスタリムが元帥にアドバイスをしていたと思われる。タワーシールドを大地に突き刺し、葵さんの『正位崩撃』による体のブレに対抗する。攻撃も最小限に抑え防御に徹した結果、少しは粘る事が出来た。最後はスキを見せた元帥に、奥義『霞み桜』が炸裂。見事優勝を勝ち取った。
帝国軍も元帥の奮闘と葵さんの技前を拍手で讃えた。
こうして武闘大会はラグナドラグーン国 王国騎士団剣術指南役のアオイ・ヤマギシの優勝で幕を閉じた。
◆
其の晩、カトレア姫の館では葵さんの祝勝会が行われた。武闘大会の優勝も影響して支持率はカトレア姫が4、教会3、軍部1、浮動票2となっていた。
みんな、やんややんやでアオイ様祭り状態だよ?昼間の試合をみんなのスマホに配信していたので、其れを肴に宴会となっていた。
銀仮面女子との一戦は何度見ても凄すぎだ。
「光斗、ちょっといいか?」
「ん?」
「最終日の選挙活動についてなんだが」
新藤君に呼ばれ、俺と如月君は宴会となった大広間を退席した。ナタリアさん、エリナさんも呼ぼうと思ったが出来上がっていたので諦めたよ(苦笑い)。サツキサンも裏メイド隊のみんなが武闘大会の録画を見ていたので諦めたよ(涙)。
◆
小一時間も話しをして大広間に戻った俺達は絶句した。何が起きちゃったの?
「光斗君、ごめんなさい」
彩月が謝ってきた。
「状況を説明してくれないか?」
「うん。其れがね、なんか話しの流れで明日の最終日にみんなでライブをやろうって事になったの」
「…………」
「それでアルフィーナ王女様には断っておこうかとお城に戻ったの」
「うん。それでアルフィーナ王女とルミナ様、セシリちゃんが来たんだね。其れは良しとして……あれは?」
俺は酔っぱらいのオヤジ共を見た。
其処には国王様、カイゼス大将軍、デリアンデス元帥に、其の元帥にお酌しているお妃様?少し離れてコスタリムと楽しそうに話しをしている3組女子? 更には謎の美少女ってか仮面を外した銀仮面女子が葵さんの腕にハート目でしがみつき「お姉様~」とほざいている?
ホント何が起きたの?
彩月の話しを要約すると、王女の元に行った彩月と岡本さん➡行く行く~っとなった王女とルミナ様、セシリちゃん➡酒盛りしていた国王様、お妃様、大将軍も行く行く~ってなり➡戻って来たら帝国の元帥達が葵さん目当てで来ていて➡暫くしたら「お姉様~」とほざき銀仮面女子がやって来て今に至るみたいな?
しかし此の光景はけして悪いものではない。大国のマドラキア帝国と小国とはいえ聖竜が棲む地として一目置かれているラグナドラグーンの軍トップが笑いながら酒盛りをしているのだ。会話的には「カイゼス~、アオイをおくれよ~」「あっげな~い」等と気持ち悪いお茶目会話をしているけど……(苦笑い)。
「新藤、お前の作った明日のプランは流れそうだな(涙)」
如月君が新藤君の肩をそっと手を乗せた。
「ああ……(涙)」
「ライト様~」
「ライト~」
「ライトお兄ちゃん~」
アルフィーナ王女、ルミナ様、セシリちゃんが駆け寄って来る。
「ライト様に会えなくて寂しかったです」
「ライト、ライト、ライト、ライト~」
「ライトお兄ちゃん~」
3人が俺に抱きついて来た。
「1週間ぶりになっちゃったね。みんな元気そうで良かった」
「全然元気じゃないのじゃ~」
ルミナ様の口がブーになる。
「ゴメン、ゴメン」
俺はルミナ様の頭を撫でた。セシリちゃんが物欲しそうに見ていた。
「セシリちゃんもゴメンね」
撫で撫で。
「お仕事の方は順調そうですね」
「今までは順調だったけど、予想外の事が起きたよ(苦笑い)」
「予想外?」
『?』顔のアルフィーナ王女は気が付いていないようだよ(汗)。俺は視線を国王様達に向けた。
「流石にお城に帰す訳にもいかないだろ。今夜は寝ずの番になりそうだよ(苦笑い)」
「す、スミマセン」
アルフィーナ王女が慌てて頭を下げた。
「あ、いや、大丈夫だよ(汗)。とりま警護する人の確保だ」
まだ何人かはお酒を飲んでいない人もいる。酔っぱらいに警護させる訳にはいかないからね。
◆
「「スミマセン、ライト様」」
メイアさんとオリバーさんが頭を下げる。
「かような時に酒飲してしまい、申し訳ありません」
「大丈夫だよメイアさん。警護の頭数は足りそうだから。アリスさん、警護隊長を頼む」
「了解しました」
紫の翼隊隊長のアリスさんが下戸で助かった。
「其れからコスタリムさんを呼んで来てくれ」
コスタリムさんにはデリアンデス元帥は大分いい感じに酔っぱらっているので、今夜はカトレア姫の館に宿泊になりそうな事を伝え、帝国軍に館周辺の警備をしてくれる様に依頼した。
コスタリムさんは快諾し、屋外で待機している同行していた兵士に伝え、軍から人をよこす手配をしてくれた。
更には銀仮面女子ことリンも帰す訳にはいかない。彼女は聖イルフィニス教会所属のブラックオニキスの一員だ。今此方に国王様達が来ている事を知られるとややこしい事になる可能性がある。
俺は彩月に、彩月は葵さんに、葵さんはリンに今夜は泊まっていくように話しを持ちかけた。勿論オッケーだった。リン曰くブラックオニキスは脱退してきたとの事だ。
俺の索敵でリンの状況を調べた結果、確かに脱退届は出してあるし、彼女のオーラはピンクなので大丈夫だとは思うけど、諜報活動の基本は人を信じない事から始まるから暫し様子見が必要だ。
一通り警備の段取りを終わらせた俺はある違和感に気がついた。
「あれ?」
周りを見渡しても彼の姿が見えない。
俺は国王様達と酒盛りしているお妃様に尋ねた。
「お妃様、セナス王子の姿が見当たりませんが……」
お妃様は火照った赤い顔で思案すると
「テヘ、忘れて来ちゃった」
自分の右手で頭をコツンとしながらテヘペロするお妃様。
泣いてるぞ!セナス王子は城で泣いてるぞ!
色々と心配をしては見たものの、特に問題なく朝を迎えたよ(苦笑い)。眠い~。
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