68 / 76
第四章(最終章)
第67話 サイドチェンジ 彩月×王女
しおりを挟む
遂に作戦が始動します。オペレーション ファイヤーパーティーは私達の命運を掛けた作戦になります。
私はそんな決戦を控える中、自室で泣いていました。冷たい涙が溢れて来ます。ベッドの枕に顔を埋め泣いていました。
様々な感情が胸の内から涌き出て涙を流させます。恐怖、恐れ、絶望……でも一番は光斗君の事だと思う……。
覚悟はしていた。
私が光斗君のお嫁さんに成れる。アルフィーナ王女様、ルミナ様、セシリちゃん、メイアさん。みんなと一緒にお嫁さんに成れると決まった日からいつかは来ると覚悟はしていた………。
光斗君の一番は誰?
やっぱりアルフィーナ王女様?
………。
学校で告白していたら違ったのかな……。勇気が無かった。こんなに好きで好きでずっと好きでいたのに………。
光斗君とアルフィーナ王女様の心が一つになった……。分かったていた事だし、覚悟もしていた。でも………やっぱり悔しい………。
涙が止まらない。声は枕に聞かせて沢山泣きました。泣くしかありませんでした。多分、此れが平和な日々に起きた事なら納得出来たと思う……。でも今は………。
トントン
『サツキ様、宜しいでしょうか?』
扉をノックする音…。アルフィーナ王女様………。
「は、はい。し、少々お待ち下さい」
私は慌てて起き上がり涙を拭いました。タオルで顔を撫で、手クシで髪を整え扉を開けます。
「はい。どうぞ」
アルフィーナ王女は部屋に入り私の顔を暫く見て………泣き出しました。
「お、王女様」
「スミマセン……。サツキ様スミマセン」
「い、如何されたのですか?」
「分かってはいたのに……。サツキ様がライト様の事を私よりも深く大きく愛していることを分かっていたのに……、私は………」
「………」
床の上で崩れ落ち泣いている王女様の肩にそっと手をのせます。
「わ、私は覚悟はしていました」
語りかけた瞬間から私も涙が出て来ました。
「覚悟はしていたのに………」
私も膝をつき両手で顔を隠し泣き出し王女様に語る言葉が出なくなってしまいました。涙が、涙が、涙が止まりません。
「お、王女様………」
「さ、サツキ様………」
私達は抱き合って二人で泣きました。私1人じゃ無かった。王女様も苦しかったんだ……。私の為に心を痛めていただなんて………。また涙が溢れて来ました。私達はずっとずっと泣いていました……。
「憎いですわ………」
王女様が呟きました。えっ、私の事?
「あの台風D号とやらがとても憎く思えて来ました。きっと平和な時なら私もサツキ様ももう少し心穏やかでいられたのではないでしょうか」
「そうです王女様。私も平和な時なら納得出来たと思っていました」
「許せませんね」
「許せません。必ずこの涙の代償は払ってもらいましょう」
「絶対作戦は成功させましょう!」
「はい王女様!」
「クス」「クス」
私達は涙で頬を濡らした顔でハニカミながら笑い出しました。
「サツキ様」
「は、はい王女様」
「叶うなら私はサツキ様と対等でいたいと思っております」
「………」
「ライト様を愛する女性として、ライト様を主として結婚する妻として、未来に生まれるだろう子供達の母としてずっと一緒に友達としてお付き合いしたいのです。わ、私は、そ、その~女の子のお友達がいなくて……、そ、その~、わ、私のお友達になっては……くださいませんか」
「あ、ありがとうございます。わ、私は……」
また涙が出て来て言葉が紡げません。
王女様が私を優しく抱きしめてくれました。……暖かい。なんて暖かい人なんだろう。
「はい……」
私は小さく答えました。
暫しして落ち着いた私に王女様は赤い顔でこう仰いました。
「サツキ様…。は、はしたない事とは思いますが…、あの~、その~、もしライト様とそういう事がありそうな時は~、……私に気兼ねせずっというか…えっと……」
王女様は顔を赤くして俯きモジモジとされています。
私は王女様をそっと抱きしめ涙を流しながら言いました。
「ありがとうございます……」
私の頬を流れる涙はとても暖かい涙でした。
私はそんな決戦を控える中、自室で泣いていました。冷たい涙が溢れて来ます。ベッドの枕に顔を埋め泣いていました。
様々な感情が胸の内から涌き出て涙を流させます。恐怖、恐れ、絶望……でも一番は光斗君の事だと思う……。
覚悟はしていた。
私が光斗君のお嫁さんに成れる。アルフィーナ王女様、ルミナ様、セシリちゃん、メイアさん。みんなと一緒にお嫁さんに成れると決まった日からいつかは来ると覚悟はしていた………。
光斗君の一番は誰?
やっぱりアルフィーナ王女様?
………。
学校で告白していたら違ったのかな……。勇気が無かった。こんなに好きで好きでずっと好きでいたのに………。
光斗君とアルフィーナ王女様の心が一つになった……。分かったていた事だし、覚悟もしていた。でも………やっぱり悔しい………。
涙が止まらない。声は枕に聞かせて沢山泣きました。泣くしかありませんでした。多分、此れが平和な日々に起きた事なら納得出来たと思う……。でも今は………。
トントン
『サツキ様、宜しいでしょうか?』
扉をノックする音…。アルフィーナ王女様………。
「は、はい。し、少々お待ち下さい」
私は慌てて起き上がり涙を拭いました。タオルで顔を撫で、手クシで髪を整え扉を開けます。
「はい。どうぞ」
アルフィーナ王女は部屋に入り私の顔を暫く見て………泣き出しました。
「お、王女様」
「スミマセン……。サツキ様スミマセン」
「い、如何されたのですか?」
「分かってはいたのに……。サツキ様がライト様の事を私よりも深く大きく愛していることを分かっていたのに……、私は………」
「………」
床の上で崩れ落ち泣いている王女様の肩にそっと手をのせます。
「わ、私は覚悟はしていました」
語りかけた瞬間から私も涙が出て来ました。
「覚悟はしていたのに………」
私も膝をつき両手で顔を隠し泣き出し王女様に語る言葉が出なくなってしまいました。涙が、涙が、涙が止まりません。
「お、王女様………」
「さ、サツキ様………」
私達は抱き合って二人で泣きました。私1人じゃ無かった。王女様も苦しかったんだ……。私の為に心を痛めていただなんて………。また涙が溢れて来ました。私達はずっとずっと泣いていました……。
「憎いですわ………」
王女様が呟きました。えっ、私の事?
「あの台風D号とやらがとても憎く思えて来ました。きっと平和な時なら私もサツキ様ももう少し心穏やかでいられたのではないでしょうか」
「そうです王女様。私も平和な時なら納得出来たと思っていました」
「許せませんね」
「許せません。必ずこの涙の代償は払ってもらいましょう」
「絶対作戦は成功させましょう!」
「はい王女様!」
「クス」「クス」
私達は涙で頬を濡らした顔でハニカミながら笑い出しました。
「サツキ様」
「は、はい王女様」
「叶うなら私はサツキ様と対等でいたいと思っております」
「………」
「ライト様を愛する女性として、ライト様を主として結婚する妻として、未来に生まれるだろう子供達の母としてずっと一緒に友達としてお付き合いしたいのです。わ、私は、そ、その~女の子のお友達がいなくて……、そ、その~、わ、私のお友達になっては……くださいませんか」
「あ、ありがとうございます。わ、私は……」
また涙が出て来て言葉が紡げません。
王女様が私を優しく抱きしめてくれました。……暖かい。なんて暖かい人なんだろう。
「はい……」
私は小さく答えました。
暫しして落ち着いた私に王女様は赤い顔でこう仰いました。
「サツキ様…。は、はしたない事とは思いますが…、あの~、その~、もしライト様とそういう事がありそうな時は~、……私に気兼ねせずっというか…えっと……」
王女様は顔を赤くして俯きモジモジとされています。
私は王女様をそっと抱きしめ涙を流しながら言いました。
「ありがとうございます……」
私の頬を流れる涙はとても暖かい涙でした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる