異世界で『索敵』スキルが最強なの? お前らの悪事は丸っと全てお見通しだ!

花咲一樹

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第四章(最終章)

第67話 サイドチェンジ 彩月×王女

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 遂に作戦が始動します。オペレーション ファイヤーパーティーは私達の命運を掛けた作戦になります。

 私はそんな決戦を控える中、自室で泣いていました。冷たい涙が溢れて来ます。ベッドの枕に顔を埋め泣いていました。
 様々な感情が胸の内から涌き出て涙を流させます。恐怖、恐れ、絶望……でも一番は光斗君の事だと思う……。

 覚悟はしていた。
 私が光斗君のお嫁さんに成れる。アルフィーナ王女様、ルミナ様、セシリちゃん、メイアさん。みんなと一緒にお嫁さんに成れると決まった日からいつかは来ると覚悟はしていた………。

 光斗君の一番は誰?
 やっぱりアルフィーナ王女様?
 ………。
 学校で告白していたら違ったのかな……。勇気が無かった。こんなに好きで好きでずっと好きでいたのに………。

 光斗君とアルフィーナ王女様の心が一つになった……。分かったていた事だし、覚悟もしていた。でも………やっぱり悔しい………。
 涙が止まらない。声は枕に聞かせて沢山泣きました。泣くしかありませんでした。多分、此れが平和な日々に起きた事なら納得出来たと思う……。でも今は………。

 トントン

『サツキ様、宜しいでしょうか?』
 扉をノックする音…。アルフィーナ王女様………。
「は、はい。し、少々お待ち下さい」
 私は慌てて起き上がり涙を拭いました。タオルで顔を撫で、手クシで髪を整え扉を開けます。

「はい。どうぞ」
 アルフィーナ王女は部屋に入り私の顔を暫く見て………泣き出しました。
「お、王女様」

「スミマセン……。サツキ様スミマセン」
「い、如何されたのですか?」
「分かってはいたのに……。サツキ様がライト様の事を私よりも深く大きく愛していることを分かっていたのに……、私は………」
「………」
 床の上で崩れ落ち泣いている王女様の肩にそっと手をのせます。

「わ、私は覚悟はしていました」
 語りかけた瞬間から私も涙が出て来ました。
「覚悟はしていたのに………」
 私も膝をつき両手で顔を隠し泣き出し王女様に語る言葉が出なくなってしまいました。涙が、涙が、涙が止まりません。

「お、王女様………」
「さ、サツキ様………」

 私達は抱き合って二人で泣きました。私1人じゃ無かった。王女様も苦しかったんだ……。私の為に心を痛めていただなんて………。また涙が溢れて来ました。私達はずっとずっと泣いていました……。

「憎いですわ………」
 王女様が呟きました。えっ、私の事?
「あの台風D号とやらがとても憎く思えて来ました。きっと平和な時なら私もサツキ様ももう少し心穏やかでいられたのではないでしょうか」

「そうです王女様。私も平和な時なら納得出来たと思っていました」
「許せませんね」
「許せません。必ずこの涙の代償は払ってもらいましょう」
「絶対作戦は成功させましょう!」

「はい王女様!」
「クス」「クス」

 私達は涙で頬を濡らした顔でハニカミながら笑い出しました。

「サツキ様」
「は、はい王女様」
「叶うなら私はサツキ様と対等でいたいと思っております」
「………」

「ライト様を愛する女性として、ライト様を主として結婚する妻として、未来に生まれるだろう子供達の母としてずっと一緒に友達としてお付き合いしたいのです。わ、私は、そ、その~女の子のお友達がいなくて……、そ、その~、わ、私のお友達になっては……くださいませんか」

「あ、ありがとうございます。わ、私は……」
 また涙が出て来て言葉が紡げません。
 王女様が私を優しく抱きしめてくれました。……暖かい。なんて暖かい人なんだろう。
「はい……」
 私は小さく答えました。

 暫しして落ち着いた私に王女様は赤い顔でこう仰いました。
「サツキ様…。は、はしたない事とは思いますが…、あの~、その~、もしライト様とそういう事がありそうな時は~、……私に気兼ねせずっというか…えっと……」
 王女様は顔を赤くして俯きモジモジとされています。

 私は王女様をそっと抱きしめ涙を流しながら言いました。
「ありがとうございます……」
 私の頬を流れる涙はとても暖かい涙でした。

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