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ep.74 王太子の願い

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 きらきらーーー♪ きらきらきらーーーーー♪

 願いを叶えるっ~~~~♪ 願いを叶えるぅーーー!!!

 めいか うぃっしゅ かむ とぅるーー~♪

 Make a wish come true~♪

 いえーーい!


 僕はピンチだ。思わず、坊さんの立てカンバンを思い出したよ。



王よ。最高のグルメをご存じですか? 苦痛は科学的力で食べることができます。
我々は、電気信号によって味覚を得て、享楽として食べ物を食べていますが、
それを同じように、人の感じる痛みを、グルメとして食べることが可能です。
苦痛を食べることは、また、人の感じる痛みをなくす行為になり、我々は信仰としてそれをできる環境を未来技術として作らなければなりません。
それは、修行や心で食べるという行為ではなく、科学的に物理的なステーキのような食べ物として食べることができます。
精霊の力を信じよ。


アーメン・インシュアラー・般若



 苦痛を食べるか。漫画だとそういうのあるけど。

 ほんとにそういう技術あるんだね。ようは、人類のやる気次第でそういうこともできるって話かな?

 魔法のある世界だと、ときどき、苦痛を食べるモンスターもいたりして。

 ただ、実際に苦痛を食べるってどうやったらいいんだろう?

 人がほんとに苦痛を美味しく食べられたら、人間の苦しみってなくなるのに。

 科学的なアプローチで苦痛を食べるってどういうことだろう?

 ただ、苦痛を除去するんじゃなくて、

 美味しい食べ物として人類が食べられたら、

 人類の欲望のままに、世界が救われる状態になったりするかも知れないなぁ。


 うーーーーん。苦痛を食べたい。




 坊さんがんばってるな~。




 おっ、もう一個豪華な立てカンバンだ。観てみよう~。



虎、ライオン、クマが我々の上位種だということを忘れるな。
人類は文明を持っているから、その3者に対抗できているが、
素手でヤツラに敵うヤツはほとんどいない。
つまり、絶対に管理して、徹底的に人を食わせる味を覚えさせてはならない。
放し飼いなどもっての他だ。人の味を覚えたヤツラに襲われることを考えろ。
神を信じよ。


アーメンズ・インシュアラー・ソワカ



 なるほど~。

 確かに、虎もライオンも、クマも、

 人間が素手で戦ったら、勝てない相手だよね?

 そんなときに、飼ってる虎が放たれて繁殖して、人食い虎になったらやばいから

 気をつけて、社会的にちゃんと監視しようって話だね~。



 人類って、地球だとすべてに、

 クマを見ても、怖いとか思わなくなってるんだよねぇ。


 ただ、実際のクマは、人間よりも力があって、

 人間を襲って食べたりすることもやっちゃうような怖い生き物なのに、


 例えば、ライオンに対して、なんだか、妙なおっさんの作家が、

 ライオンをあやすように遊んでかわいい、かわいいと言って、手を食べられちゃったり。


 人間って、野生動物に対する脅威度を全然理解できなくなっちゃってるような気がする。


 例えば、住宅街で、ライオンが繁殖したら、

 どういう状態になるのかとか、全然考えないで、

 ライオンをペットにしてる人を褒め上げたりするのが人類だったりして。


 うーーーーん。難しい。


 坊さん、いいこと言うな~。


 ただ、今は僕のピンチだ。



 死刑執行のときはまもなく、すぐそばまで来ようとしていたッッ☆彡

 僕は王太子の妻である、シェスティーナ公爵令嬢に呼び出されて、王太子が現在、バカンスのために居住している、公爵家の居室に来ていた。




 相変わらず、公爵家の居室はものものしく、警備する騎士たちが怖い顔で睨んで来るっ。

 ひぇええええ。いつ来ても緊張するよ。ここは。僕大丈夫かな?

 こんな中、王太子の願いを叶えなければならないなんてッッ☆彡




 ええと、どうすればいいんだろう。

 王太子はなにか、傷に関する悩み事があるらしいけど。僕がなんとかしないと僕は死刑になっちゃうんだよね?




 わお! わお! 死刑~~っ☆彡 じょーだんじゃなかですバーーーイ!!!




 いよいよ、王太子登場☆彡

 王太子は、公爵邸の居室で、顔の額に出来た傷をさわりながら、アンニュイ気味に言った。

 さわさわ




「よく来たな。伊佐木。実はお前に願いがある。・・・実に、私はこの間の狩りで、顔に怪我を負ってしまったんだ」

「それはおいたわしいです」

「妃は気にするなと言っているが、どうにも私の顔に傷があることがすごく気になる。そこで、お前はなんでも叶える商人だと聞いて、お前に頼んでみようと思ったのだ・・・」




 王太子はアンニュイぎみに、紅茶を一口飲んで、また、顔の傷に手をやってるよ。

 さわさわ




 そんな王太子に、王太子妃であるシェスティーナは王太子にコビコビだッッ☆彡

「まあまあ。あなたさま。わたくしはあなたさまの顔の傷など全然気にしませんのよ。わたくし、あなたさまのそのままの姿がとても好きなのですから。多少の傷があっても。おほほほほ」




 嘘つき!!!!

 僕が王太子の願いを叶えないと、死刑だとか言ってる癖に。




 あいかわらず、シェスティーナ王太子妃は、ワガママで、自分勝手だ。

 こういう人ってどこにでもいるよね? ほんと、ワガママな人なんだから。シェスティーナ王太子妃はっ。




 うーーん。ただ、ここは、やっぱり、王太子の願いを叶えないと。そのままだと僕は死刑だぞっ。

 とはいえ、僕にはなにか考えつかない。




 こういうときの、手は・・・手はっ。ハッ。そうだ!!!!

 僕は異世界通販のスキルを使うことにした。




 スキル : 異世界通販オープン!!!!

 検索 : 顔の傷を誤魔化せるもの。
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