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13 お泊まりデート(1)
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無事に仕事納めを迎え、翌日の二十五日となった。
「忘れ物は、なし。ヘアメイクも、服装も大丈夫。……よね?」
朝から二十回以上鏡を覗いているが、もう一度全身鏡の前に立ってみる。
先日買ったミディアム丈のモカ色ワンピースは、ウエストのリボンは小さめで、それほど甘くない印象だ。神原に会わせてヘアスタイルも大人っぽくまとめてみたが、彼の隣にいる自信は以前と変わらず、ない。
「だからって、これ以上どうにもならないのは変わらない。とにかくもう出かけちゃおう!」
夕美は部屋を回って、窓の戸締まりを確認した。
「待ち合わせの時間には早いけど、部屋でずっとウロウロしてるよりはマシよね。昨夜だって、ほとんど眠れなかったんだから」
布団に入ったものの、目が冴えてしまい、四時近くまで起きていたのだ。結局、二時間ほどしか睡眠は取れなかった。
ガスと電気を点検したあと、バッグを持って玄関を出る。
「いいお天気……!」
昨日のクリスマスイブは曇り空だったが、今朝は真っ青な冬晴れだ。気温もそれほど低くはなく、過ごしやすい陽気になりそうだと天気予報でも言っていた。
夕美は首に巻いたストールを外して手に持ち、駅へ向かって歩き始めた。
「いらっしゃいませ」
待ち合わせにはまだだいぶ時間があるため、お気に入りのカフェに入る。注文したカフェモカを受取り、窓際の席に移動した。
急ぎ足で駅へ向かう人々に目をやりながら、夕美は口元を緩ませる。
朝から一日中、いや、明日まで「推し」と一緒にいられるのだ。つい先日までは考えも及ばなかったことである。
人生何があるかわからない……、としみじみ思いながら、ふと視線を上げると、メガネをかけてマスクをした男性が、こちらのほうへ歩いてくるのが見えた。
(あれって……、お隣さんじゃない? 彼もこのカフェを利用してたんだ。近くの席に来たらちょっと気まずいかも)
夕美はとっさにスマホに目を落として、知らんふりをする。しばらくしてそろりと見回してみたが、ここからは見えない席に座ったようだ。
ホッとした夕美は温かいカフェモカを口にする。ほどよくビターなチョコレートの味がお気に入りだ。
(社長から送られてきた今日訪れる場所は、温泉街が有名だった。周辺の観光場所をもう一回SNSでチェックしよう)
スマホを見ながらカフェモカを飲んでいると、気持ちが落ち着いてくる。あまりに浮かれていると神原に引かれる恐れがあるので、カフェに来たのは正解だった。
ただ、寝不足なのは心配だ。
(時間的に夕方頃に眠くなりそう。でも興奮してるから大丈夫かな? とにかく社長に失礼のないようにしないと)
カフェモカを飲み終わると、時刻は待ち合わせの十五分前になった。ちょうど良さそうなので席を離れた、その時。
「あっ、社長?」
「奥寺さん……!」
コーヒーカップを片付けようとしている神原に出くわした。彼は驚いた顔で夕美を見下ろす。
「社長もカフェにいらしていたんですね。気づきませんでした」
「楽しみだったから、早く着きすぎちゃって」
「私もなんです」
バツが悪そうに笑う神原と、同じように笑みを交わす。
その時、何気なくホールを見回したが、どこにも隣人の男性はいなかった。
(あの人、いつの間にかお店を出ていたのね)
夕美が座っていた窓際は、カフェに出入りする人が見えたのだが、スマホに目をやっていて気づかなかったのだろう。神原が来たのもわからなかったのだから。
「どうしたの?」
「あ、いえなんでもないです」
ふたり一緒に店を出て、神原の車へ向かう。近くの駐車場に停めているそうだ。
彼はボストンバッグを手に持っている。そのバッグも、彼が着ているコートもズボンも、履いている靴も初めて見た。
彼の貴重なプライベートの姿だ――。
夕美は彼の後ろをついて行きながら、スマホを取り出す。そして、気づかれない速さでカメラアプリを使い、彼の後ろ姿をこっそり撮影した。
「楽しみだね。晴れて良かったよ」
「へぁっ、ほっ、本当にそうですよねっ!」
急に振り向かれて飛び上がりそうになる。
「気温も下がらないようだから、観光も楽しそうだ」
変な声を上げた夕美のことは気にならないらしく、神原は楽しげな声で言った。
(いくらチャンスだからって、すぐ後ろで隠し撮りは無茶すぎた。気を付けないと)
夕美は急ぎ足で歩き、彼の隣に並んだ。
駐車場から車を出した神原がいったん車を降り、助手席のドアを開ける。
「どうぞ」
助手席に促された夕美はコートを脱いで手に持ち、そろそろと車へ乗り込んだ。
「お邪魔、します……。失礼します……」
「……くっ、ははっ」
「え、あの、変でした?」
「いや、お化け屋敷にでも入るような声で言うから、おかしくて。大丈夫、普通の車だから、何も出やしないよ」
神原は笑いながら助手席のドアを閉め、運転席に回って車に乗り込んだ。
「すみません、変な感じになっちゃって。社長のプライベート用の車に乗るなんて恐れ多くて、つい」
推しの隣、助手席に座るのは言わずもがな、普通の車とは言えない高級車なのだから、余計にそう思うのだ。
「君の立場はわかるが、今日からそんなふうに思わなくていいよ。プライベートでは君と対等でいたいんだ」
神原は車を発車させながら言った。彼の声は穏やかだが、譲らない意思の強さを言葉の中に感じた。
「わかりました。急に変えるのは難しいですけど、努力します」
なかなか自覚が持てないとはいえ、結婚を前提に神原と付き合うことになったのだ。自分を卑下ばかりするのは、彼に対しても失礼に値する。ここは心を切り替えて――。
「ということで、ふたりでいるときは敬語と社長呼びはやめてほしいんだけど、いいかな?」
「え、ええっ!?」
突然切り出されて、夕美は突拍子もない声を上げた。しかしすぐに、これも「対等なお付き合いなんだ」と自分に言い聞かせる。
「はい、じゃあ僕のこと呼んでみて」
「か……かん、ばらさん」
ひとりの推し活中でも、そんな呼び方はしたことがない。
赤信号で車が停止した。ひとりでぜいはぁしている夕美に、神原が言った。
「そこは千影って呼んで欲しいんだけどな」
「なっ、そんないきなり、ハードル高すぎますよ……!」
「……ダメ?」
甘えたようにこちらを見つめながら首を傾ける神原と目が合い、夕美は意識がもうろうとしてきたような感覚に陥る。数秒ごとに推しの素晴らしい姿を間近で見てしまうのだから、体がそう反応するのは仕方がないだろう。
気づけば、彼のお願いを受け入れる言葉を呟いていた。
「ダメじゃない、です」
「じゃあ、呼んで」
これ以上見つめ合っていたら、どうにかなってしまいそうなので、夕美は顔を伏せた。
「ち……ちか、ちかげ……、さん」
勇気を振り絞ったが、出て来たのは蚊の鳴くような声である。
「ありがとう、夕美」
「っ!!」
いきなり名前を呼ばれて、びくんと体が揺れてしまった。
青信号になったらしく、車が発車する。夕美は頭を上げて、彼の横顔を見た。夕美の顔も頭も心臓のあたりも、全部が熱いままだ。
そんな夕美の気配に気づいたのか、千影は意味深な笑みを浮かべて口をひらいた。
「夕美、夕美、夕美――」
「はっ、恥ずかしいです……っ!」
「あははっ、可愛いなぁ。あ、敬語もやめようね?」
「はい。……うん」
「それでいい。夕美は素直で可愛いよ」
「うぅ……」
次々と好意の言葉が降ってきて、夕美はただただ両頬を手で押さえて、赤くなるしかなかった。
千影との距離がどんどん縮まっていく。
これ以上関係が近くなったら、いったい自分はどうなってしまうのか――。
夕美はなるべく想像しないようにして、車窓の美しい空に視線を置いた。
「忘れ物は、なし。ヘアメイクも、服装も大丈夫。……よね?」
朝から二十回以上鏡を覗いているが、もう一度全身鏡の前に立ってみる。
先日買ったミディアム丈のモカ色ワンピースは、ウエストのリボンは小さめで、それほど甘くない印象だ。神原に会わせてヘアスタイルも大人っぽくまとめてみたが、彼の隣にいる自信は以前と変わらず、ない。
「だからって、これ以上どうにもならないのは変わらない。とにかくもう出かけちゃおう!」
夕美は部屋を回って、窓の戸締まりを確認した。
「待ち合わせの時間には早いけど、部屋でずっとウロウロしてるよりはマシよね。昨夜だって、ほとんど眠れなかったんだから」
布団に入ったものの、目が冴えてしまい、四時近くまで起きていたのだ。結局、二時間ほどしか睡眠は取れなかった。
ガスと電気を点検したあと、バッグを持って玄関を出る。
「いいお天気……!」
昨日のクリスマスイブは曇り空だったが、今朝は真っ青な冬晴れだ。気温もそれほど低くはなく、過ごしやすい陽気になりそうだと天気予報でも言っていた。
夕美は首に巻いたストールを外して手に持ち、駅へ向かって歩き始めた。
「いらっしゃいませ」
待ち合わせにはまだだいぶ時間があるため、お気に入りのカフェに入る。注文したカフェモカを受取り、窓際の席に移動した。
急ぎ足で駅へ向かう人々に目をやりながら、夕美は口元を緩ませる。
朝から一日中、いや、明日まで「推し」と一緒にいられるのだ。つい先日までは考えも及ばなかったことである。
人生何があるかわからない……、としみじみ思いながら、ふと視線を上げると、メガネをかけてマスクをした男性が、こちらのほうへ歩いてくるのが見えた。
(あれって……、お隣さんじゃない? 彼もこのカフェを利用してたんだ。近くの席に来たらちょっと気まずいかも)
夕美はとっさにスマホに目を落として、知らんふりをする。しばらくしてそろりと見回してみたが、ここからは見えない席に座ったようだ。
ホッとした夕美は温かいカフェモカを口にする。ほどよくビターなチョコレートの味がお気に入りだ。
(社長から送られてきた今日訪れる場所は、温泉街が有名だった。周辺の観光場所をもう一回SNSでチェックしよう)
スマホを見ながらカフェモカを飲んでいると、気持ちが落ち着いてくる。あまりに浮かれていると神原に引かれる恐れがあるので、カフェに来たのは正解だった。
ただ、寝不足なのは心配だ。
(時間的に夕方頃に眠くなりそう。でも興奮してるから大丈夫かな? とにかく社長に失礼のないようにしないと)
カフェモカを飲み終わると、時刻は待ち合わせの十五分前になった。ちょうど良さそうなので席を離れた、その時。
「あっ、社長?」
「奥寺さん……!」
コーヒーカップを片付けようとしている神原に出くわした。彼は驚いた顔で夕美を見下ろす。
「社長もカフェにいらしていたんですね。気づきませんでした」
「楽しみだったから、早く着きすぎちゃって」
「私もなんです」
バツが悪そうに笑う神原と、同じように笑みを交わす。
その時、何気なくホールを見回したが、どこにも隣人の男性はいなかった。
(あの人、いつの間にかお店を出ていたのね)
夕美が座っていた窓際は、カフェに出入りする人が見えたのだが、スマホに目をやっていて気づかなかったのだろう。神原が来たのもわからなかったのだから。
「どうしたの?」
「あ、いえなんでもないです」
ふたり一緒に店を出て、神原の車へ向かう。近くの駐車場に停めているそうだ。
彼はボストンバッグを手に持っている。そのバッグも、彼が着ているコートもズボンも、履いている靴も初めて見た。
彼の貴重なプライベートの姿だ――。
夕美は彼の後ろをついて行きながら、スマホを取り出す。そして、気づかれない速さでカメラアプリを使い、彼の後ろ姿をこっそり撮影した。
「楽しみだね。晴れて良かったよ」
「へぁっ、ほっ、本当にそうですよねっ!」
急に振り向かれて飛び上がりそうになる。
「気温も下がらないようだから、観光も楽しそうだ」
変な声を上げた夕美のことは気にならないらしく、神原は楽しげな声で言った。
(いくらチャンスだからって、すぐ後ろで隠し撮りは無茶すぎた。気を付けないと)
夕美は急ぎ足で歩き、彼の隣に並んだ。
駐車場から車を出した神原がいったん車を降り、助手席のドアを開ける。
「どうぞ」
助手席に促された夕美はコートを脱いで手に持ち、そろそろと車へ乗り込んだ。
「お邪魔、します……。失礼します……」
「……くっ、ははっ」
「え、あの、変でした?」
「いや、お化け屋敷にでも入るような声で言うから、おかしくて。大丈夫、普通の車だから、何も出やしないよ」
神原は笑いながら助手席のドアを閉め、運転席に回って車に乗り込んだ。
「すみません、変な感じになっちゃって。社長のプライベート用の車に乗るなんて恐れ多くて、つい」
推しの隣、助手席に座るのは言わずもがな、普通の車とは言えない高級車なのだから、余計にそう思うのだ。
「君の立場はわかるが、今日からそんなふうに思わなくていいよ。プライベートでは君と対等でいたいんだ」
神原は車を発車させながら言った。彼の声は穏やかだが、譲らない意思の強さを言葉の中に感じた。
「わかりました。急に変えるのは難しいですけど、努力します」
なかなか自覚が持てないとはいえ、結婚を前提に神原と付き合うことになったのだ。自分を卑下ばかりするのは、彼に対しても失礼に値する。ここは心を切り替えて――。
「ということで、ふたりでいるときは敬語と社長呼びはやめてほしいんだけど、いいかな?」
「え、ええっ!?」
突然切り出されて、夕美は突拍子もない声を上げた。しかしすぐに、これも「対等なお付き合いなんだ」と自分に言い聞かせる。
「はい、じゃあ僕のこと呼んでみて」
「か……かん、ばらさん」
ひとりの推し活中でも、そんな呼び方はしたことがない。
赤信号で車が停止した。ひとりでぜいはぁしている夕美に、神原が言った。
「そこは千影って呼んで欲しいんだけどな」
「なっ、そんないきなり、ハードル高すぎますよ……!」
「……ダメ?」
甘えたようにこちらを見つめながら首を傾ける神原と目が合い、夕美は意識がもうろうとしてきたような感覚に陥る。数秒ごとに推しの素晴らしい姿を間近で見てしまうのだから、体がそう反応するのは仕方がないだろう。
気づけば、彼のお願いを受け入れる言葉を呟いていた。
「ダメじゃない、です」
「じゃあ、呼んで」
これ以上見つめ合っていたら、どうにかなってしまいそうなので、夕美は顔を伏せた。
「ち……ちか、ちかげ……、さん」
勇気を振り絞ったが、出て来たのは蚊の鳴くような声である。
「ありがとう、夕美」
「っ!!」
いきなり名前を呼ばれて、びくんと体が揺れてしまった。
青信号になったらしく、車が発車する。夕美は頭を上げて、彼の横顔を見た。夕美の顔も頭も心臓のあたりも、全部が熱いままだ。
そんな夕美の気配に気づいたのか、千影は意味深な笑みを浮かべて口をひらいた。
「夕美、夕美、夕美――」
「はっ、恥ずかしいです……っ!」
「あははっ、可愛いなぁ。あ、敬語もやめようね?」
「はい。……うん」
「それでいい。夕美は素直で可愛いよ」
「うぅ……」
次々と好意の言葉が降ってきて、夕美はただただ両頬を手で押さえて、赤くなるしかなかった。
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