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第三十四話 メラニーの異変

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 夕食は続く。静かな空気の中、口を開いたのはメラニーだった。

「…今日もジェインと会ったの」

 その言葉に、サリオスのフォークとナイフが止まった。

「何か話したのか?」
「メンタルについてね。ちょっと楽になれたわ」
「そうか」

 メラニーは満足そうに微笑みを浮かべている。サリオスはそんなメラニーに対してそれ以上尋ねる事は無かった。マルクも何か察しているのか、何も言わずに黙ってライスを口に放り込んでいる。

(…メラニー?)

 メラニーの満面の笑みに、私はちょっとした違和感を覚えたのである。

「何か嬉しい事でもあったのですか?」
「ええ、ジェインと話せて楽になれたから」
「成程…」
(こないだはカーティスと仲良くやれそうって語ってたのに、今度はジェインかい)

 胸の内に引っ掛かりが残ったまま、夕食は終わったのだった。
 こうして日もすっかり落ちて夜が来た。入浴を終え、白い寝間着を着た私はメイドに促されてサリオスの寝室で待機している。

(メラニー何かあったのかな)

 夕食で見せた、ジェインの事を嬉しそうに語る彼女の笑みが未だに私の胸と頭の中で引っかかっている。

(もしやあのチャラ男何かしたか?)

 すると部屋のドアが開いてサリオスが中に入って来た。私と同じ寝間着姿である。私はその場でサリオスに向けて礼をすると、サリオスは軽く一礼した。

「ここに来て初めてか、私と寝るのは」
「そうですね」
「今日はよろしく頼む」

 サリオスの朗らかな笑みに私も同じように笑みで返すのだった。

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