あやかしとシャチとお嬢様の美味しいご飯日和

二位関りをん

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第102話 月館小島を探検する②

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「でも、家族は……」
「千恵子さん、家族はもういないのでしょう。だけれどあやかしはここでずっと待っていると」
「篝先生……」
「カゾク、カエッテ、コナイ?」

 あやかしが篝先生に向かって口を開いた。篝先生は何かを察したのか、私とぬらりひょんをかばうようにして前に出る。

「千恵子さん、ぬらりひょん。下がっていてください」
「分かりました」
「あやかしよ。もう家族は……帰ってきません。ここにはもう……人はいないのです」
「ウソダ、ウソ……」

 あやかしが青白く光る。光りだした瞬間、あやかしを中心とした風の渦が巻き起こった。

「自爆するつもりですか……」

 篝先生があやかしに手を伸ばした。するとあやかしの身体が崩れ、その場に横たわる格好になる。

「……」
「篝先生、どうなりました?」
「眠らせました。とりあえずは、一旦このままにしておきましょう。下手に刺激を加えても、裏目になってはいけませんし」
「わかりました……」

 あやかしから目を背けるようにして、私達は歩き出した。
 その後、森の中を歩くと開けた空間に出る。

「あれ、池?」

 ぬらりひょんが右手を指さしている先には、小さな池がある。

「池ですね、近づいてみますか」

 篝先生を先導に池に近づいてみると、池の真ん中付近からボコボコと何やら泡が出始める。

「……?」

 するとばさっと池の水が盛り上がると、中から大きな女性が現れた。私の大体4倍以上の大きさに、紺色の着物を着ている。髪は真っ黒で長く、唇は紅く妖しい艶を見せている。
 そんな彼女の身体の周りには、緑色の蛇のような身体が渦巻いている。これも彼女の身体の一部なのだろうか?

「あら、お客様?」
「……これは驚きました。こんな大きなあやかしがいたとは」

 篝先生も、ぬらりひょんも目を丸くして驚いている。私はなんとか口を開いて彼女に質問をした。

「……あなたは?」
「雨月よ、あなたは?」
「か、川上千恵子です」
「千恵子ね、良い名前じゃない」
「ありがとう、ございます」

 篝先生とぬらりひょんも雨月にそれぞれ挨拶を交わす。それにしても圧がすごい。飲み込まれそうだ。

「何しに来たの?」
「探検に来ました」
「私、ここに行ってみたかったんだよねぇ」
「ふぅん、この島に興味がある子もまだいるのね」

 雨月は私達に目線を向けると、くすっと笑う。

「良かったら、ここでゆっくりしていって頂戴。ごちそう出来るものは何も無いけど」
「……いいんですか?」
「千恵子さんだっけ? ええ、ぜひ」
「ありがとうございます!」

 雨月のはからいもあり、ここでお昼休憩に入る事になったのだった。
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