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第40話 ジュナ断罪
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気がつけばガラスの時計は夜の23時を指していた。
(こんな時間に目が覚めてしまった)
すると窓をドンドンと叩く音がする。アダン様だ。
「こんばんは、ジャスミン。寝ていたらごめん」
「いえ、ちょうど起きた所です」
「そっか。手短に教えるよ、君の妹は不貞罪で裁かれる事になった。明日ジュナを捕縛して宮廷にて裁かれる予定だ」
やはりジュナは裁かれるようだ。私はそうですか。と答える。
「執事はヨージス家から退職するつもりのようだ。だから無罪放免になる。罰を受けるのは妹君だけになる」
「そうですか……お騒がせしてしまい申し訳ありません」
「いや、君は悪くないよ。じゃあ、まだ調査が続いているからこの辺で」
この時間になってもまだ調査が続いているとは。アダン様も大変である。
「無理はなさらないでくださいね、アダン様」
「ありがとう。じゃ」
アダン様は軽やかに、その場からそよ風のように去っていった。
(どのような処分が下るのだろうか)
不貞罪は重い罪だ。流刑は避けられないだろう。勿論ジョージとも離縁になるのは理解出来る。
(離縁になればジョージはどうするのか……両親も)
ジョージは婿養子としてジュナと結婚している。私と婚約していた時も婿養子になるのが条件だったので今更彼が実家に戻るとは考えにくい。
(ジョージをヨージス家の養子にして他の女性を妻として迎えるとか?)
いずれにせよ、どうなるかは今は分からない。こう言う事を考えていると、目が冴えて眠気がいずこかへ吹き飛んでしまった。
(眠れないや)
眠れないまま朝が来て、すこし気だるい身体のまま着替えると朝食を頂き仕事が始まる。
アダン様の元に診察に入ると、部屋でアダン様が兵と会話をしていた。
「あっ、ジャスミン達。入っていいよ」
「失礼いたします」
診察の結果は今日も異常無し。アダン様の上半身は以前によりも更に筋肉が増したように見えた。
(健康そのものだ)
去り際にアダン様は私とハイダを手招きしながら呼んだ。
「今からジャスミンの妹君が捕縛される。尋問には君等も参加して欲しい。勿論その場で無礼な発言をするようであれば折檻も厭わないつもり」
アダン様の低い声を受け、彼女がどうなるか見届ける必要が姉の私にはあると感じたのだった。
「はい、同行いたします」
「ジャスミンさん、私も同行いたします」
ハイダの声はとても頼もしく聞こえた。
「ありがとうございます、医薬師長」
「いえ、あなたの上司ですから当然です」
「じゃあ、決まりだね」
その後、医務室にてハイダらと作業にあたっていると背の高い老齢の執事に呼ばれ、広間へとハイダと共に向う。
扉を開けると目の前には椅子に座るアダン様とその背後に武装した兵が2人いた。
(ここ、バックヤードか)
「どうぞ、お入りくださいませ」
執事に促されハイダと共に進む。右目にはちらりと縄で捕縛されたピンク色のドレスを着たジュナが、兵3人に取り押さえられている様子が入る。
「……っ」
(ジュナ……)
アダン様の右側にハイダと共に立ったまま並ぶ。そこから見えるジュナの姿は今までで一番小さく、かつ萎縮して見えた。
「では再度聞こう。ジュナ・ヨージス。不貞は事実か?」
「いいえ、王太子殿下。全て執事の妄言ですわ」
「未だ否定するか。もう証拠は出ているのだぞ」
「だから、その証拠も全て嘘よ」
ジュナは頑として認めようとはしない。その後言い逃れ出来ないような決定的な証拠の数々が出続けていくと徐々に顔が蒼白くなっていく。
そして。
「はい、認めます。王太子殿下」
「ようやく認めたか。理由は?」
「欲しかったからです」
欲しかった。その言葉に私は半分怒り半分呆れた。だって幼い頃から欲しいものは全て手に入れてきたではないか。ジョージだってそうだ。
「ジュナ、あなたジョージがいるじゃない」
「お姉様が羨ましかった。それにジョージ様では物足りなくなっちゃったの」
「なんで羨ましかったの?」
「薬師になって、王太子殿下を手に入れようとしているんでしょ?」
そう不気味な笑顏を浮かべながら語るジュナに、私はもう怒りの感情は消え失せてしまった。
「ジュナ。あなたも私と同じ目に合えばよかったのに。だったら私の事も理解出来たでしょう。私は令嬢としての暮らしに嫌気がさして、なりたかった薬師になっただけ。まあ、あなたには分からないでしょうね」
「……」
ジュナは黙ったまま、うつむいた。声を出す気配も感じられない。
「では、父上に報告する。しばし待て」
アダン様が立ち上がり、その場を後にした。無言のピリピリした空気が流れた後、アダン様が戻って来た。
「ジュナ・ヨージス。そなたをジョージ・ヨージスと離縁のち流刑の処分と致す。そしてヨージス家は侯爵から伯爵家に降格と致す。以上だ」
(こんな時間に目が覚めてしまった)
すると窓をドンドンと叩く音がする。アダン様だ。
「こんばんは、ジャスミン。寝ていたらごめん」
「いえ、ちょうど起きた所です」
「そっか。手短に教えるよ、君の妹は不貞罪で裁かれる事になった。明日ジュナを捕縛して宮廷にて裁かれる予定だ」
やはりジュナは裁かれるようだ。私はそうですか。と答える。
「執事はヨージス家から退職するつもりのようだ。だから無罪放免になる。罰を受けるのは妹君だけになる」
「そうですか……お騒がせしてしまい申し訳ありません」
「いや、君は悪くないよ。じゃあ、まだ調査が続いているからこの辺で」
この時間になってもまだ調査が続いているとは。アダン様も大変である。
「無理はなさらないでくださいね、アダン様」
「ありがとう。じゃ」
アダン様は軽やかに、その場からそよ風のように去っていった。
(どのような処分が下るのだろうか)
不貞罪は重い罪だ。流刑は避けられないだろう。勿論ジョージとも離縁になるのは理解出来る。
(離縁になればジョージはどうするのか……両親も)
ジョージは婿養子としてジュナと結婚している。私と婚約していた時も婿養子になるのが条件だったので今更彼が実家に戻るとは考えにくい。
(ジョージをヨージス家の養子にして他の女性を妻として迎えるとか?)
いずれにせよ、どうなるかは今は分からない。こう言う事を考えていると、目が冴えて眠気がいずこかへ吹き飛んでしまった。
(眠れないや)
眠れないまま朝が来て、すこし気だるい身体のまま着替えると朝食を頂き仕事が始まる。
アダン様の元に診察に入ると、部屋でアダン様が兵と会話をしていた。
「あっ、ジャスミン達。入っていいよ」
「失礼いたします」
診察の結果は今日も異常無し。アダン様の上半身は以前によりも更に筋肉が増したように見えた。
(健康そのものだ)
去り際にアダン様は私とハイダを手招きしながら呼んだ。
「今からジャスミンの妹君が捕縛される。尋問には君等も参加して欲しい。勿論その場で無礼な発言をするようであれば折檻も厭わないつもり」
アダン様の低い声を受け、彼女がどうなるか見届ける必要が姉の私にはあると感じたのだった。
「はい、同行いたします」
「ジャスミンさん、私も同行いたします」
ハイダの声はとても頼もしく聞こえた。
「ありがとうございます、医薬師長」
「いえ、あなたの上司ですから当然です」
「じゃあ、決まりだね」
その後、医務室にてハイダらと作業にあたっていると背の高い老齢の執事に呼ばれ、広間へとハイダと共に向う。
扉を開けると目の前には椅子に座るアダン様とその背後に武装した兵が2人いた。
(ここ、バックヤードか)
「どうぞ、お入りくださいませ」
執事に促されハイダと共に進む。右目にはちらりと縄で捕縛されたピンク色のドレスを着たジュナが、兵3人に取り押さえられている様子が入る。
「……っ」
(ジュナ……)
アダン様の右側にハイダと共に立ったまま並ぶ。そこから見えるジュナの姿は今までで一番小さく、かつ萎縮して見えた。
「では再度聞こう。ジュナ・ヨージス。不貞は事実か?」
「いいえ、王太子殿下。全て執事の妄言ですわ」
「未だ否定するか。もう証拠は出ているのだぞ」
「だから、その証拠も全て嘘よ」
ジュナは頑として認めようとはしない。その後言い逃れ出来ないような決定的な証拠の数々が出続けていくと徐々に顔が蒼白くなっていく。
そして。
「はい、認めます。王太子殿下」
「ようやく認めたか。理由は?」
「欲しかったからです」
欲しかった。その言葉に私は半分怒り半分呆れた。だって幼い頃から欲しいものは全て手に入れてきたではないか。ジョージだってそうだ。
「ジュナ、あなたジョージがいるじゃない」
「お姉様が羨ましかった。それにジョージ様では物足りなくなっちゃったの」
「なんで羨ましかったの?」
「薬師になって、王太子殿下を手に入れようとしているんでしょ?」
そう不気味な笑顏を浮かべながら語るジュナに、私はもう怒りの感情は消え失せてしまった。
「ジュナ。あなたも私と同じ目に合えばよかったのに。だったら私の事も理解出来たでしょう。私は令嬢としての暮らしに嫌気がさして、なりたかった薬師になっただけ。まあ、あなたには分からないでしょうね」
「……」
ジュナは黙ったまま、うつむいた。声を出す気配も感じられない。
「では、父上に報告する。しばし待て」
アダン様が立ち上がり、その場を後にした。無言のピリピリした空気が流れた後、アダン様が戻って来た。
「ジュナ・ヨージス。そなたをジョージ・ヨージスと離縁のち流刑の処分と致す。そしてヨージス家は侯爵から伯爵家に降格と致す。以上だ」
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