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第39話 執事からの告白
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彼以外に同行者がいるような気配は特に感じられない。私はとりあえず執事服を着た彼に声をかけてみた。
「もしかしてあなたがこの手紙を書いたんですか?」
「はい、そうです。ジュナ様の名前をお借りしてお送りさせていただきました。嘘をついてしまってすみません」
彼は丁寧に頭を下げる。私は頭をあげるようにと伝えた。
(なんか、訳ありって感じの雰囲気があるな……)
「なぜ、手紙を書いて送ったんですか?」
「あ、それは……あの、場所を移動してもらってもいいですか?」
何かやんごとなき事情があるのだろう。場所を移してほしいという彼の要望に対して、私はハイダの方を見る。
「移しましょう。宮廷の医務室辺りで話を聞くと致しましょうか」
「そうですね、そうしましょう」
こうして、彼を宮廷へと入れて医務室にて話を聞く事となった。念の為兵士もこのままついてきてもらっている。
宮廷に入る前に、兵士にはもう2人程声をかけて増員する。
「どうぞお入りください」
私がドアを開けて医務室に入るよう、彼に促すと彼は頭を下げて入室した。兵士がドアを閉めてハイダと私がそれぞれ椅子を用意させ更に紅茶も用意し、彼が話しやすいような空間を作る。
「失礼します」
執事は椅子に着席し、ハイダから手渡された紅茶を受け取ると一口、二口とゆっくりと飲み始めた。そして目を私に合わせて来る。
「では、なぜ手紙を書いたのかお話しいただけますか? ゆっくりでいいので」
「はい、結論から言うと私は今ジュナ様に……犯される日を送っています」
「え、ジュナから?」
「はい。暴力とかではないんです。私を、その……犯すだけで。命令通りにしないと怒られるので」
要はジュナが彼と肉体関係にある。という事か。そしてそれはジュナからの命令である事。
いや、彼女にはジョージがいるではないか。なぜジョージがいるにも関わらず不貞を働くのだろうか。
「心当たりはありますか?」
「ジャスミン様、それが……よくわからないんです。でも、いつもジュナ様がおっしゃっているのはジョージ様への不満だったり、ジャスミン様への不満や王太子殿下が自分に見向きもしない事とかで……」
なるほど。こないだ母親とジョージがアダン様の部屋に来ていたが、それで私が薬師として宮廷にいたのを母親かジョージから聞き嫉妬しているのだろう。
あのわがままなジュナの事だ。ジョージでは満足できなくなってきているのかもしれない。
「ジョージについてはなんて?」
「あ、ジョージ様よりも私の方がものが硬くて大きくて気持ち良い、と。それにあまり最近ジョージ様は子作りに対して積極的ではないと。仲はそこまで冷え切っているようには見えませんが」
(そういう事ね)
「私については?」
「王太子殿下を狙っているんじゃないかと言う疑いの目は向けていました」
「やっぱりね……そう言うと思いました」
まとめてみると、ジュナはこの執事と不貞関係にある事。ジョージはジュナとの子作りに対してあまり積極的ではないという事、そして私に嫉妬と疑いの目を向けている事。この3点だ。
「それで手紙を書いて、私達を呼んだんですね?」
「はい、ジャスミン様。もう耐えられなくて、手紙を書きました」
本来、不貞は重い罪となる。だがそれでも彼はジュナに良いように利用されるのに耐えられずこうして私達に告白をしてくれたのだ。私は彼によく告白してくれてありがとうございました。とまずは感謝の意を示した。
「いえ、本来は許されるべき行為では無いのは自覚しています。勿論私も罪を受ける覚悟はあります。死刑になっても文句は言いません」
そうきっぱりと言い切った執事。彼の目は力強く私やハイダ、兵達を捉えていた。
「ジャスミンさん、とりあえずはアダン様にご報告しましょう」
「そうですね、このまま彼にも来ていただきましょうか」
「それがいいです。私達では手に負えなさそうですし」
ハイダの言う通り、これは立派な不貞罪が成立しそうなのは確実だろう。となるとこれは宮廷の薬師である私ではどうにもならない問題となる。
「私がアダン様をお呼びします」
私はそのまま部屋から出て、兵2人と共にアダン様を呼びに行った。アダン様は王太子殿下の間で、公務に励んでいる。
「薬師のジャスミンです。アダン様に急を要する話があります」
「どうぞ」
執事に案内されてアダン様の前に向かった。私の後に兵と執事がそれぞれ並んでいる。
「ジャスミン、どうした? 兵と執事もいるようだけど」
「私の妹がこの執事相手に不貞を働いているという話を聞きまして」
「なんだって?」
アダン様が眉をひそめながら椅子から立ち上がり、私と執事の元に歩み寄る。
「この執事とかい?」
「はい、強引に……だ、そうで。執事が打ち明けてくださいました」
「そうか……わかった。執事よ、こちらへ。ジャスミンは休んでていいよ」
「はい」
「今から取り調べを行う。兵よ、記録係を連れてきたまえ」
「かしこまりました」
ここはひとまずアダン様に任せるしか無い。私は一礼をしてからこの場から静かに去ったのだった。
「もしかしてあなたがこの手紙を書いたんですか?」
「はい、そうです。ジュナ様の名前をお借りしてお送りさせていただきました。嘘をついてしまってすみません」
彼は丁寧に頭を下げる。私は頭をあげるようにと伝えた。
(なんか、訳ありって感じの雰囲気があるな……)
「なぜ、手紙を書いて送ったんですか?」
「あ、それは……あの、場所を移動してもらってもいいですか?」
何かやんごとなき事情があるのだろう。場所を移してほしいという彼の要望に対して、私はハイダの方を見る。
「移しましょう。宮廷の医務室辺りで話を聞くと致しましょうか」
「そうですね、そうしましょう」
こうして、彼を宮廷へと入れて医務室にて話を聞く事となった。念の為兵士もこのままついてきてもらっている。
宮廷に入る前に、兵士にはもう2人程声をかけて増員する。
「どうぞお入りください」
私がドアを開けて医務室に入るよう、彼に促すと彼は頭を下げて入室した。兵士がドアを閉めてハイダと私がそれぞれ椅子を用意させ更に紅茶も用意し、彼が話しやすいような空間を作る。
「失礼します」
執事は椅子に着席し、ハイダから手渡された紅茶を受け取ると一口、二口とゆっくりと飲み始めた。そして目を私に合わせて来る。
「では、なぜ手紙を書いたのかお話しいただけますか? ゆっくりでいいので」
「はい、結論から言うと私は今ジュナ様に……犯される日を送っています」
「え、ジュナから?」
「はい。暴力とかではないんです。私を、その……犯すだけで。命令通りにしないと怒られるので」
要はジュナが彼と肉体関係にある。という事か。そしてそれはジュナからの命令である事。
いや、彼女にはジョージがいるではないか。なぜジョージがいるにも関わらず不貞を働くのだろうか。
「心当たりはありますか?」
「ジャスミン様、それが……よくわからないんです。でも、いつもジュナ様がおっしゃっているのはジョージ様への不満だったり、ジャスミン様への不満や王太子殿下が自分に見向きもしない事とかで……」
なるほど。こないだ母親とジョージがアダン様の部屋に来ていたが、それで私が薬師として宮廷にいたのを母親かジョージから聞き嫉妬しているのだろう。
あのわがままなジュナの事だ。ジョージでは満足できなくなってきているのかもしれない。
「ジョージについてはなんて?」
「あ、ジョージ様よりも私の方がものが硬くて大きくて気持ち良い、と。それにあまり最近ジョージ様は子作りに対して積極的ではないと。仲はそこまで冷え切っているようには見えませんが」
(そういう事ね)
「私については?」
「王太子殿下を狙っているんじゃないかと言う疑いの目は向けていました」
「やっぱりね……そう言うと思いました」
まとめてみると、ジュナはこの執事と不貞関係にある事。ジョージはジュナとの子作りに対してあまり積極的ではないという事、そして私に嫉妬と疑いの目を向けている事。この3点だ。
「それで手紙を書いて、私達を呼んだんですね?」
「はい、ジャスミン様。もう耐えられなくて、手紙を書きました」
本来、不貞は重い罪となる。だがそれでも彼はジュナに良いように利用されるのに耐えられずこうして私達に告白をしてくれたのだ。私は彼によく告白してくれてありがとうございました。とまずは感謝の意を示した。
「いえ、本来は許されるべき行為では無いのは自覚しています。勿論私も罪を受ける覚悟はあります。死刑になっても文句は言いません」
そうきっぱりと言い切った執事。彼の目は力強く私やハイダ、兵達を捉えていた。
「ジャスミンさん、とりあえずはアダン様にご報告しましょう」
「そうですね、このまま彼にも来ていただきましょうか」
「それがいいです。私達では手に負えなさそうですし」
ハイダの言う通り、これは立派な不貞罪が成立しそうなのは確実だろう。となるとこれは宮廷の薬師である私ではどうにもならない問題となる。
「私がアダン様をお呼びします」
私はそのまま部屋から出て、兵2人と共にアダン様を呼びに行った。アダン様は王太子殿下の間で、公務に励んでいる。
「薬師のジャスミンです。アダン様に急を要する話があります」
「どうぞ」
執事に案内されてアダン様の前に向かった。私の後に兵と執事がそれぞれ並んでいる。
「ジャスミン、どうした? 兵と執事もいるようだけど」
「私の妹がこの執事相手に不貞を働いているという話を聞きまして」
「なんだって?」
アダン様が眉をひそめながら椅子から立ち上がり、私と執事の元に歩み寄る。
「この執事とかい?」
「はい、強引に……だ、そうで。執事が打ち明けてくださいました」
「そうか……わかった。執事よ、こちらへ。ジャスミンは休んでていいよ」
「はい」
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