神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~

じゃくまる

文字の大きさ
98 / 180

第98話 お部屋の中の高価な毛皮

しおりを挟む
 インフラもまともに育ってない異世界にてプールに入り、プールサイドで軽食を食べる。
 なんという無駄、そしてなんという贅沢か。
 みんなのおかげとはいえ、こんなことができて何気に幸せです。
 本当にありがとうございます。

 今ボクたちが使っている机やテーブルはアンカルの街から運び込まれたものがほとんどだが、一部は僕と一緒に日本から来たものもある。
 ちなみに、アンカルにある地球製品はミレたちがこっそり買い集めているもののようで、どこかで見たことのある製品が多く並んでいたりする。

 それもあってか、ずいぶん快適な休憩をとることができた。

「ご主人様、飲み物はどうしますか?」
 ちょうど一息ついていたところで、ミナがやってきた。

「おすすめでお願いします」
「はい。では、レモネードに致しますね」
 ミナはそう言うと、一礼してボクのそばから離れていく。
 それから少しして、ミナはレモネードの入ったグラスをトレーの上に載せて戻ってきた。

「お待たせしました。少し甘さを強くしてあります」
「ありがとうございます」
 ミナはボクにそう言うと、そばで待機するのだった。
 
 それから少し飲んで横を見ると、まだミナはそこにいた。
 どうやらずっとそばで待機することにしたようだ。

「ミナは泳がないんですか?」
 ボクがそう問いかけると、ミナは少し恥ずかしそうに言った。

「私、泳ぐの苦手なんです。ミカちゃんとかは得意なんですけど、私はどうもそのあたりが不器用なようでして……。泳げないというわけではないですけど、泳いでも短距離程度です」
 なんと、ミナはあまり泳げないらしい。
 てっきりフェアリーノームは泳ぎが得意なのだと思っていた。
 さっき見たときは泳いでいたけど、そうか、苦手なのか。

「あ、でも、浮き輪で浮かぶのは得意です。ご主人様の世界の浮き輪、いいですよね~」
「空気を入れて乗るボートとかもあるんですよ? 知ってましたか?」
「えっ!? そうなんですか!?」
 プールとかでよく浮かんでいるビニール製のボートの話をすると、ミナが驚いたような顔をした。
 どうやら存在を知らなかったようだ。

「軽めのものと重めのものがあるんですけど、重めのもののほうが安定性が高いんです」
 小さくて軽いものは結構転覆するので、できれば大きめで重いもののほうがいい。
 乗っていて楽しいし、少し遊ぶこともできるからだ。

「いいですね。楽しそうです」
「じゃあ今度買ってきますね。そうしたら一緒に乗りましょう」
「はい!!」
 ボクの提案に、ミナは笑顔で頷いた。
 
 あとで買うべきものをリストアップしておかなきゃなぁ。
 そういえばノートパソコンあったんだっけ。
 後でいじってみよう。

 それから暫くみんなで遊んだ後、ボクたちはプールから出て施設を見て回ることになった。
 2階に上がると客室とサロン、食堂などがあり、3階へ上がるとそれぞれの部屋が用意されていた。
 マルムさんとセリアさんの部屋は3階に、瑞歌さんとミリアムさんの部屋は4階に、ミレイさんとリディさんの部屋は5階に、瑞葉とボクの部屋は6階となった。
 
 フェアリーノームたちと従者の妖狐族たちは新入りを除いて5階と6階に散らばることになったが、新入りの元盗賊さんたちは4階に部屋が用意されることとなった。
 まぁフェアリーノームたちのほとんどは部屋関係ないらしく、6階に集まってくるわけなんだけど……。

「お母様、このお部屋広いですね」
「そ、そうですね……」
 6階にやってきたボクたちは部屋の広さに驚いていた。
 外の露天風呂も含めると、ちょっとした学校の小さめの体育館くらいありそうな大きさがある。
 そうでなくともクラス2つか3つか、まぁとにかくそのくらいの大きさがあるのだ。
 
 部屋の入口には靴入れがあり、そこで靴を脱ぐことになる。
 日本ではおなじみの光景だ。
 部屋の床はふかふかした白い毛のようなものに覆われていて、まるでカーペットのようになっていた。

「お母様、ふかふかです!」
 ボクより少し小さな足で、ふかふかの床を踏みしめる瑞葉。
 すごく楽しそうにし、ついにはごろんと寝転がってしまった。
 そしてそのままごろごろと転がって、ボクの足に抱き着いてきたのだ。
 うん、可愛らしい。

「えへへ。お母様、気持ちいいです」
 瑞葉はご満悦の様子。

「一番ふわふわの毛をもつジャイアントスノーラビットという種の毛を使いました」
 ボクの隣にいたミレが、毛の正体を教えてくれた。
 ジャイアントスノーラビットってどんなウサギなんだろう?

「ウサギってことですよね?」
「はい。アンカルの街から1か月ほど行った雪原に住んでいる、大きな兎の獣です。気性が荒く、すぐに攻撃してくることで有名なんです」
「へぇ~」
「その毛は非常に柔らかく手触りがいいのです。売れば相当な値段になるでしょう」
「えぇ!?」
 ミレの言葉を聞いてボクは驚いた。
 そんな高そうなものを使ったなんて……。

「み、ミレ。大丈夫なんですか? そんな高いものを……」
「えぇ、問題ありません。たくさんいますし、それに私たちはどちらかというとお肉のほうが大事でしたので」
「あ、そうなんですね」
 どうやらミレたちは高価な毛皮よりもお肉のほうが大切だったようだ。
 食いしん坊さんめ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...