神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~

じゃくまる

文字の大きさ
99 / 180

第99話 アキ再び

しおりを挟む
 ボクたちの部屋には喫茶店のようなスペース、専用サロンも併設されている。
 さらにはトイレもあるし、専用の化粧室も衣装倉庫も併設されているのだ。
 まぁこれだけ大きい部屋なら当然なのかもしれない。
 これらの付属施設は、入り口横にある通路から進むことで行くことができるようだ。

「もしかして、フェアリーノーム全員ここに来る予定だったりしますか?」
 ちょっと気になったので聞いてみる。

「当番の者以外はここに来ると思います。私たちはなんだかんだで集まることが多いですから」
 ミレは当然のようにそう言う。
 でも、街では個別の家があったような気がするのだけど……。

「アンカルの街には家が多かったですよね?」
 カラフルな木組みの家と石造りの家が立ち並ぶ、ちょっとメルヘンチックな世界。
 それが彼女たちの街だったはずだ。

「そうですね。個別に住むときはそういう風にしています。この世界でも同じになると思いますよ? ただそれはそれとして、集まって寝るのが好きな子も多いというだけです。定期的にお泊り会のようなイベントも開催されますしね」
「へぇ~」
「お泊り会!!」
 瑞葉もお泊り会には興味津々な様子だ。
 生まれたばかりの瑞葉も、これからたくさんお泊り会をすることになるだろうけど。

「あと、ご主人と寝ることで力の補給もできるんですよ?」
「ご主人様から流れ込む力が多いので、私たちも今までより、強い力を使うことができるようになっています」
「それに、マスターと寝るのは、楽しいです、から……」
 どうやら思った以上にみんなに利点があるようだった。
 まぁ邪険にするのもなんだし、好きに来てもらおうかな。

「と、とりあえずご案内します」
 そう言ってシーラが靴を履いて通路へと出た。

 通路とはいうもののトイレと倉庫以外は部屋が繋がっているようなものだ。
 なので部屋数は多くない。
 ほかの部屋はどうなっているのかというと、衣裳部屋には倉庫が併設されていた。
 ここは一部異空間に繋がっているらしく、そこにいろんなものを置いているのだという。

「奥に扉が見えると思いますが、あの扉の横に別棟を併設する予定です。現在はメインの建物を作っているので手を付けられてはいません。将来的に今ある仮の図書室と衣裳部屋、倉庫はあちらに移設されることになっています」
 図書室はそんなに大きいわけではない。
 間仕切りした場所に本が置かれている棚が並べられているだけなのだ。

「トイレは少し大きめにしました。個室多めで独立した部屋になっています。喫茶室兼サロンは間仕切りの奥にある感じになります」
 トイレは喫茶室兼サロンの横にあり、独立した部屋になっていた。
 個室は6つあり、その横に別室の化粧室が併設されている。

「喫茶室のほうはドリンクや食事を楽しめます。部屋に併設してあるのでそこまで大きくはありません。食材は倉庫から持ってくる形ですね」
 大きな一つの部屋に間仕切りされたりして色々な施設が用意されている。
 気軽に行って気軽に帰れる、そんな場所を用意したようだった。
 そんな喫茶室には、一人のこげ茶髪のフェアリーノームがボクたちを待っていた。
 アキだ。

「主人、待っていました!」
 アキは元気よくそう言った。

「喫茶室兼サロン及び厨房の支配はこのアキにお任せください!」
「期待しています」
「お願いします~」
 威勢のいいアキに、ボクと瑞葉はそう言うしかなかった。
 まぁアキは料理上手なので文句は一切ないのだけどね。

「でも、アキの声は初めて聴きました」
「あたしもしゃべる機会なんでほとんどなかったですからね。お話できてうれしいですよ?」
 ニコニコしながらアキはそう語る。
 アキはこげ茶色の髪をショートヘアにしてまとめていた。
 目の色は黒く、きりっとした印象がありつつもかっこよくてかわいらしい印象も受ける、そんな女の子だ。
 
「アキはどうして料理が上手なんですか?」
 言ってからこの質問はどうなんだろうと思った。

「長い年月生きていると暇になるんです。そんな中で料理を覚えてみたんですけど、これがなかなか奥が深くて……」
 どうやらアキは料理に魅了されてしまったタイプのようだった。

「こんな姿なので雇ってくれる人はいないんですよ。なので、ちょいちょい味の再現をしてみたりして完成度を高めていったってわけです」
 たしかに、10歳未満の子供を雇う料理屋はほとんどないかもしれない。
 そう考えると、アキは大変な努力をしてきたんだなと思う。

「そういえば、ボクはノートパソコンを持ってきてるんですけど、料理動画を見ることもできるんですよ」
「動画って言うと地球でやってたあれですか?」
「あ、見たことあります?」
「はい、機械がたくさん置いてあるお店で少し」
 どうやらフェアリーノームは電器屋にも行っていたようだ。

「なら後で見られるようにしておきますね。結構色々な国の料理も教えてくれるみたいなので」
 動画サイトはすごいと思う。

「ぜ、ぜひお願いします!!」
「あ、は、はい。わ、わかりました」
 嬉しさが限界突破したのか、ゼロ距離近くまでボクに顔を寄せてくるアキ。
 ちょっと驚いてしまった。

「じゃああとで見られるようにしておきますね」
「お願いします!」
 さて、ネットは通じるのだろうか?
 とりあえずやってみないことにはわからないよね。

 これでアキのレパートリーがさらに増えるなら大歓迎だ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...