神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~

じゃくまる

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第148話 作業そして作業、さらにお昼

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 商店街を作る計画1日目は、設計図の半分の場所を確保することで終了した。
 1つずつ確認したりほかの指示を出したりしながらなので、1日では終わらなかったのだ。
 そして2日目に突入する。

「ホテル作業班集合!」
 何やらホテル建築班のフェアリーノームたちが掛け声とともに集まっている。
 少し話を聞いてみよう。

「今日中には設計図ができるはずですが、まず試掘をします。というわけで、掘削を始めます」
「はい!!」
 どうやらフェアリーノームたちによる作業前朝礼だったようだ。
 今日は試掘を始めるということで、各々紙を見ながら道具を持って所定の場所に向かっていく。
 地域によって呼び方が違う、スコップやらショベルというやつだ。

「じゃあさっそく始めていきます! 掘り出した土は随時運び出して土山に捨ててください」
「はい!」
「じゃあ開始です!!」
 指示をする監督役のフェアリーノームがそう言い終わるとホイッスルを鳴らした。
 ピリリリリという音が鳴り響くと、一斉に穴を掘り始めたのだ。

「うわぁ、土木作業ですねこれ」
 思わずそう唸ってしまったのも仕方ないだろう。
 手作業で掘って土運び役のフェアリーノームが土を運び出す、まさに土木作業といった光景なのだから。

 フェアリーノームたちは、体は小柄だが力と持久力がすごいので長時間掘ることができる。
 一見すると児童労働の現場のようでちょっとダークな感じになるけど。

「はい、休憩です!」
 再びホイッスルが鳴り響くと、穴の中からフェアリーノームたちが飛び出してくる。
 ふと時間を見ると、一時間経っていることに気が付いた。
 どうやらボクは見入ってしまっていたようだ。

「ふぅ、なかなか興味深い作業でした。掘れば掘るほど土の色が変わるとか、本当に面白い。さて、そろそろ仕事しないとなぁ」
 まだ設計図の半分が終わっていないので、建築範囲の指定に戻らないといけない。
 ところがみんなが休憩に入ると同時に、ぞろぞろとボクのほうへやってきては、椅子やらテーブルを設置していくフェアリーノームたちがいたのだ。

「遥様、こちらに座ってゆっくり休憩していてください」
「遥様の残りのお仕事はそんなにかからずに終わりますから」
「あ、はい」
 そう言われながら手を引かれ、ボクはみんなの用意した席に座ることになった。
 ものすごく接待されている気がする!!
 
 結局そのあと、ボクはみんなの休憩が終わるまで接待され続けるのであった。

「さて、そろそろやりましょうか」
 というわけで早速ミレたちに合流。
 これから範囲を決めていくので設計図を見ながら開始地点を探した。

「えっと、昨日の場所がここ、ですね」
 最後に作業をした場所に戻ってきたので、さっそく行範囲を囲む仕事を始める。

「じゃあミレ、今回はこの辺りをやるので準備をお願いします」
「はい、主様」
 ミレはそう言うとすぐに道具などを取りに行く。

「さてと、ここから始めるから……」
 ふらふらと歩きながら設計図と場所をにらめっこ。
 何度も設計図と現場を交互に見ながら間違っていないかを確認する。

「んと、次はこっちに歩くから……」
「主様、お待たせしました。それと主様? 曲がってますよ?」
「あえっ!?」
 どうやら知らない間に横にずれていたようだ。

「ふぅ、あぶない。ミレありがとうございます」
「どういたしまして。では始点に棒を刺しますね」
「お願いします」
 ミレはさっそく鉄の棒を始点に刺す。
 これで作業開始だ。

「じゃあ昨日と同じようにいきます」
「はい!」
 昨日と同じように、商店街の建物を建築するフェアリーノームたちと建築場所を囲い作業範囲を確定する仕事を始める。

「えっと、ここからここまでがこうで。あ、まっすぐになってますか?」
「はい、大丈夫です!」
 ボクが最初に棒とロープを持ってまっすぐ歩きながら範囲を確定していく。

「じゃあ距離測っておいてください」
「わかりました!」
 目視でおおよその場所までたどり着いたので、距離にずれがないかを確認してもらう。

「この距離がこうで、設計図上の縮図と照らし合わせると……。はい、大丈夫です」
「ふぅ。よかったです」
 歩きながら使えるメジャーのようなものはないので、ロープを垂らしながら目測でやるしかないのだ。
 そういうお店で道具を買いそろえてくるべきだろうか?

「あとで歩きながら距離を計測できる道具買ってきてもらいますね」
「え? そんなのがあるんですか? 遥様」
「あるんですよ。こう、タイヤ部分にメジャーがついているものとか、デジタルで計測してくれるものとか」
「へぇ~」
 でも、普通に売っているのだろうか? 気になるので後で調べておこう。

 それからボクはひたすら歩いては計測してもらい、終えたら次の場所へ移動するという作業を繰り返していった。
 ある程度進む頃には日も高くなり、そろそろおなかが減ったなという気分になってきた。
 時計は見ていないけどもうお昼近いのかもしれない。
 
「主様、そろそろお昼です」
「あ、わかりました。ありがとうございます」
「みなさん、お昼です。さっそくお昼の準備をしてください」
「はーい!」
 ミレはなぜかみんなにそのように指示を出し始めた。

「あれ? 食堂に行くのでは?」
 ボクが疑問を投げかけると、ミレは静かに首を横に振る。

「いえ。今回はアキがこちらに来ますので、椅子とテーブルとかまどを用意します」
「ということは、ここで調理?」
「はい」
 どうやら今日はこの作業場所付近で食べるようだ。

 そうこうしているうちに、ボクの周囲には椅子とテーブルが用意され、テントが設営されていった。
 それと同時に目の前には、かまどとキャンプファイアーのようなものが用意されていく。

「主人、今日のお昼は解体済みの大きな鳥のバードステーキです!」
 やってきたアキがそう言うや否や、大きな葉っぱに載せられた巨大な鳥肉が運ばれてきた。
 どうやら一度冷やして凍らせているようで、寄生虫対策も施しているようだ。

「鳥肉は危ないのでしっかり焼きます。じゃあみんな、作業開始」
「はーい!」
 アキさんの号令とともに料理組フェアリーノームたちが一斉に鳥肉を切り分け焼き始めたのだ。
 あたりには徐々にバーベキューのような匂いが立ち込めていく。

「特製スパイスをさっささっさ」
 アキが何やら取り出した筒にはスパイスが入っているようだ。
 一生懸命振りかけながら焼かれていく肉をチェックしている。

「おーい」
 しばらく見ていると、酒呑童子さん他いつものメンバーがやってきた。
 どうやら一緒に食べるようだ。
 
「おぉ、遥。ここにおったか」
「あ、お婆様。研究のほうはどうですか?」
「うむ。遥のおかげで作れた例の素材、あれでかなりいい結果が出せたのじゃ」
 そう話すお婆様は満面の笑みを浮かべている。
 お婆様の笑顔は控えめに言ってかわいいのだが、ベースがボクというのもあるのでなんというかちょっとだけもにょもにょする。

「ん~。考えてみたんだけどよ。生まれ変わる前の葛葉と遥は顔そっくりだったわ」
「え?」
「そういえばそうですわね。お姉様たちはそっくりすぎて違和感ありませんでしたわ」
「つーぴーからーってやつらしいです」
「瑞葉? どこでその言葉を覚えたんですか?」
「お母様のノートパソコンです」
「あわわわわ……」
 何やらボクとお婆様は元々似ているらしい。
 そんな話を聞いて驚くと同時に、瑞葉がいつの間にか妙な言葉を覚えていたので驚いて慌ててしまう。

「お母様、大丈夫ですか?」
「あ、はい。だ、大丈夫、です」
「本当に~?」
「ひゃ、ひゃい……」
 大丈夫と言いつつまだ混乱中のボク。
 すると突然背後から何者かに抱き着かれてしまう。

「おねーさん!」
「はわわ!? あ、ミユキさん」
 どうやらいたずらうさぎのミユキさんも合流してきたようだ。

「遥様ー!」
 とうとう千早さんまで合流したところで、アキさんが1つ目の料理をみんなの前に出すのだった。

「はい、お召し上がりください」
「いただきまーす!」
 こうしてボクたちのお昼は賑やかになるのだった。
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