神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~

じゃくまる

文字の大きさ
149 / 180

第149話 住居環境を調べよう

しおりを挟む
 賑やかなお昼を終えたボクは次の仕事に取り掛かることにした。
 ミリアムさんの精霊体を利用して研究所のメンバーの身体を用意することにしたのだ。

「ミリアムさん、研究所のメンバーの身体のことなんですけど」
「主、どうされましたか?」
「ミリアムさんの扱っている精霊体とボクの星光結晶を利用して新たな身体を作ろうと考えているんですけど」
 通常の精霊体では混沌にいた研究員たちの力には耐えられないかもしれない。
 なので、十分に耐えられるように星光結晶を埋め込む形で新たな種族としての身体を用意しようと考えたのだ。
 
「なるほど、確かにそれなら強靭な身体を用意することが出来そうですね。【亜神】としての彼らをそのまま受け入れるには、精霊の身体は脆弱すぎますから」
 一通り説明した結果、ミリアムさんにも理解してもらうことができた。
 あとはこれを実践するだけなのだが……。

「人数は聞いて、その分の星光結晶は用意してあります。教授も肉体を得たいということなので教授用の肉体も用意することになりましたけどね」
 教授の肉体も用意するという話をした瞬間、ミリアムさんが驚いた顔をした。
 
「かの御仁は他の者の何倍も強力な力を持っているでしょう。となりますと、精霊王クラスでないと厳しいかもしれません」
 ミリアムさんは少し難しそうな顔をしているけど、何とかする案はあるのだ。
 
「はい。なので妖種化させます」
「よろしいのですか?」
 ボクの話を聞いて真剣な表情になるミリアムさん。
 
「眷属である以上は大丈夫です。それに、ボクの系列であれば星光結晶とも相性はいいはずです」
 妖種化によるさらなる強化で必要用件を満たそうというのだ。

「わかりました。素体の用意はお任せください。それと種族名はどうされるのですか?」
 ボクはミリアムさんに星光結晶を手渡しながらこう言った。

「【研究所】なので【インスティテュート】にします。直訳ですけどね」
「舌を噛みそうな名前ですね」
「はい。30回噛みました。今のは奇跡の1回です」
 かっこついたからいいものの、事前に練習した結果30回連続で舌を嚙んだのは辛い思い出だ。

「ではお預かりします。使い方は埋め込むだけでいいのでしょうか?」
「はい。身体に当てることで勝手に融合します。融合後は実体が消えるので心臓の辺りに埋め込んでおいてください」
「わかりました」
 これで用事は1つ終了した。
 これで研究所専用種族を用意することができたことになる。

「さて、次は新しい眷属の受け入れ準備ですね」
 先日面接をした妖種立ちの受け入れ準備を整えなければいけない。
 住むのは日本でも妖精郷でも新世界でも構わないのだが、職場兼住居は用意しなければいけない。
 と言っても仕事らしい仕事はないんだけどね。

「新しい眷属の方はどのようなことをなさるのですか?」
 興味津々な様子のミリアムさんはボクに眷属たちのことを尋ねてくる。

「う~ん。仕事はないです。ただボクとの繋がりを得ることによって眷属は加護を得られます。逆にボクは眷属から忠誠心と信仰心を得ることができるんです。ただ仕事がないというのもなんなので、こちらに来たらやりたいことをやってもらえればいいかなと思ってます。寝ててもいいですしね」
 たとえニートになったとしてもボクにはプラスなので影響はまったくないのだ。
 ニートでもいいから眷属になりたい君、今すぐボクに連絡してほしい。

「そういえば、精霊たちは住居の要望とかないのですか?」
「そうですね、今のところ要望は出ていませんね。実体がある精霊は飲食もしますが、水回りもほかの世界より優れているので特に困ることはないようです」
 精霊側に不満が内容なのでもうしばらく様子を見てもらうことにするとしよう。
 逆に、要望があればいつでも気軽に伝えてほしいところである。

「些細な要望でもいいので、何かあったら教えてください。カスタマイズはフェアリーノームの領分ですが、自作するというのもありです。たとえば、ちょっと階段の角度が~なんていう些細な相談でも構いません」
 働いてもらうのだからいい見返りは必要。
 なので、お給料や物資類、生活環境全般の面倒は見るつもりでいる。

「わかりました。何か居心地を改善したいと思っている者がいないか聞いてみます」
「お願いします」
 ミリアムさんは精霊担当なのでたくさん意見を集めてくれることだろう。

「主、妖狐族から要望は何か出ていないのですか?」
 逆に今度はミリアムさんから質問が出た。

「ありますよ? なので色々と改善しています。とはいっても些細なものがほとんどですけどね。座るときに尻尾を痛めない椅子が欲しいとか、抜け毛の処理がしやすい床がいいとかそう言う類の物ばかりです」
「なるほど」
 妖狐族の悩みなんて尻尾の有無と耳関連、あとは臭いや身体を伸ばせるかどうかくらいしかないのだ。
 なので、基本的に狭い部屋には妖狐族を配置しないほうがいいだろう。
 広ければその分妖狐族のストレスは軽減されるのだ。
 しかし問題もあって、一人に体育館くらいの広さの部屋を与えると逆にストレスになってしまう。
 なので、ほどほどの広さを用意してあげることが大事なのだ。

「妖種という種は面白いのですね」
「変わった人が多いのはありますけど、そうですね。面白いといえば面白いかな? 人間より色々なことがわかりますから」
 実際ボクが人間だった時と比べると、知らなかったものが多かったんだと気づかされてしまった。
 日本には随所に人間に変化した妖種がいるし、正体を隠しながら一緒に絡んだりしていた。
 見た目は老齢なのによく見てみると若い妖種だったりする人もいるので、人間に気を遣っている妖種もいるのだと感じることもあった。
 まぁこれらは結局、人間側に受け入れる余力がないからともいえるわけだけど……。

「なるほど。もう少し妖種のことをよく観察してみることにします」
「はい。そのほうがよくわかると思います」
 観察してから関わり合うほうがお互いに得かもしれないからね。

「遥様~」
「ん?」
 ミリアムさんとの話が一区切りついたころ、どこからともなく聞き覚えのある声が響いてきた。

「んん~?」
 周囲をじっくり調べてみるがどこにいるのかわからない。

「主、前方右奥です。鈴さんですね」
 ミリアムさんに言われた方向をじっくり見てみる。
 すると、大きな木の陰に隠れるように御堂鈴(みどうすず)さんがこちらを見ていた。

「鈴さん見つけました。でも小さいから見落としやすいですね」
 小柄な鈴さんは見つけづらいのだ。

 ボクは一旦ミリアムさんと別れて鈴さんの場所へと向かった。
 すると鈴さんは大きな木の陰で身を隠すようにしながらボクを待っていたのだ。

「鈴さん見つけました。どうしました?」
 鈴さんは若干俯いている。
 何かあったんだろうか?

「遥様。鈴、寝ぼけててお部屋の壁壊しちゃった」
「あら。怪我はありませんでしたか?」
「ん、大丈夫。でも雫ちゃんに怒られた」
「それはご愁傷さまです。でもちゃんと言えて偉いので取りなしてあげます。修理はすぐに終わりますから気にしないでくださいね?」
 どうやら四宮雫(しのみやしずく)さんに叱られてしまったようだ。
 ボクは鈴さんの金髪を撫でながらそう言ってあげた。
 すると、ぴょこんとでた狐耳がピコピコ動くのが見えたのだ。
 可愛らしい。

「元気、出ましたか?」
 なんとなく眠そうに目をトロンとさせている鈴さんに声を掛ける。

「安心する」
「そうですか。じゃあもう少しこのままで」
 こうしてボクは鈴さんが落ち着くまで頭を撫でてあげるのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

処理中です...