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第172話 稼働実験2
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その後、新エネルギーの貯蔵実験は特に問題もなく行われた。
3種の結晶を混合した時とは違い、3種のエネルギーは貯蔵用クリスタル内では1つのエネルギーにまとまり収まったのだ。
懸念されたような事故は発生しなかったので、成功と言えるだろう。
「それでは再度街灯に接続しますぞ」
「お願いします」
エネルギーの貯蓄実験は成功したので街灯へのエネルギー送信実験を再度始める。
教授がスイッチを入れると少ししてから貯蓄用クリスタルから甲高い鈴のような音が鳴り始めてきた。
どうやら無事に稼働しているようだ。
この貯蔵用クリスタルから鳴り響いている音は星光結晶のクリスタルと同じもの。
もしかすると内部的には星光エネルギーに統一されているのかもしれない。
使うエネルギーを陽光クリスタルのエネルギーだけにしたら陽光クリスタルの音と同じものになるのだろうか?
貯蔵用クリスタルから送信されたエネルギーは、街灯にたどり着くとその中に設置してある発光体をまばゆいほど輝かせはじめた。
実験は成功だ。
「では、数を増やしますぞ」
教授は次に実験用街灯の数を一気に10本に増やす。
そしてそれも同じように輝き、ブレを感じさせることはなかった。
「次は50本ですぞ」
「一気に行きますね?」
「10本で成功しているなら20本やっても同じですからな。50本でブレがでるなら数を絞ればいいだけのこと」
「なるほどです」
「これが爆発するような実験だったら別ですが、そのような実験ではないですからな。爆発するなら1本目で爆発しております」
「たしかに……」
教授の意見に納得したところで実験用街灯の数は50本に増設されていた。
これもまたブレもなく全部が全部同じように輝くのだった。
「ふーむ。奇妙ですな」
教授はその光景を見て何かを感じ取ったようだ。
ボクには安定しているということしかわからない。
1本でも50本でも同じように安定しているのだ。
ん? 数を増やしても同じ……?
「いくら数を増やしても同じとはどういうことでしょう」
「これは100本で様子を見るべきでは?」
周囲の研究員たちもにわかにざわめき始め出した。
ボクも感じたように、これはとても奇妙なことだと分かったのだろう。
「100本で試してみましょうか」
教授はそう言うと研究員たちに指示を出す。
あっという間に100本の実験用街灯が用意され、再び実験が始まる。
すると奇妙なことに100本がまったく同じようにブレもなく輝いていたのだ。
「仮定ではありますが、500本でも1000本でも同じように輝くでしょうな。おそらく大本のクリスタル側で出力制御をしている可能性があります。要求量に対応して供給量を増やしているのではないかと」
「それだと要求される度に瞬時にエネルギーを生成していることになりますよね? このクリスタルはエネルギーを生成するのにさして時間はかからないということなのでしょうか」
「その可能性はありますな。理外からエネルギーを得るにしても多少の時間はかかったものですが、これはなんとも……」
教授は今回使用したクリスタルの性能に驚いているようだ。
もしかするとクリスタルは常時エネルギーを生成していて、生成される度にクリスタル内のどこかにエネルギーを保存しているのかもしれない。
ボクは何となくそう思う。
「あと数度実験を繰り返せば実用に至れると思いますぞ」
「なるほどです。もう少しで色々な設備にエネルギーを供給できそうですね」
「そうなりますな。そうなると今は人力で行ったり魔力や妖力、精霊力などで行っている実験や研究も新しいエネルギーで行えるでしょう」
「ふむむ……」
現在はすべて人力、まぁほとんど精霊たちに頼るかフェアリーノームに頼っている状態なのだが、誰かの力を借りて色々と作っている状態だ。
特に街の建設や土地の開拓には多大な貢献をしてもらっている。
今後はこのエネルギーを活用することで、彼女たちにもゆっくりできる時間が増えるかもしれない。
まぁ、ボクたち妖狐族や獣人族、人族よりも圧倒的に適応できていて数が多いのはフェアリーノームと精霊なので彼女たちがここのメインの住人と言えるかもしれないけどね。
「今後、この世界で色んな世界と交流しつつ仲良く暮らしていけるようにしていけたらいいんですけどねぇ……」
メインの住人がフェアリーノームや精霊であるうちは大丈夫かもしれないけど、そうじゃなくなった時はどうなるだろう?
ボクたち妖種、まぁボクは後からそうなったわけだけど、妖種は割と自由なところがあるので時々世界を荒らすかもしれないとは思う。
とはいえ、世界を汚染するようなことはしないと言えるし、何より神と近いボクたちが世界をぼろぼろにするわけにはいかないからね。
もしボクたちが生きている間に日本や地球が危機に陥ったら、この世界に移住させるのもいいかもしれない。
「主殿は、何を考えているんですかな?」
「ん~。世界平和と幸せですかね」
「ふむふむ。なるほどなるほど」
ボクの答えに満足したかは知らないけど、教授はずいぶんと機嫌が良さそうだった。
3種の結晶を混合した時とは違い、3種のエネルギーは貯蔵用クリスタル内では1つのエネルギーにまとまり収まったのだ。
懸念されたような事故は発生しなかったので、成功と言えるだろう。
「それでは再度街灯に接続しますぞ」
「お願いします」
エネルギーの貯蓄実験は成功したので街灯へのエネルギー送信実験を再度始める。
教授がスイッチを入れると少ししてから貯蓄用クリスタルから甲高い鈴のような音が鳴り始めてきた。
どうやら無事に稼働しているようだ。
この貯蔵用クリスタルから鳴り響いている音は星光結晶のクリスタルと同じもの。
もしかすると内部的には星光エネルギーに統一されているのかもしれない。
使うエネルギーを陽光クリスタルのエネルギーだけにしたら陽光クリスタルの音と同じものになるのだろうか?
貯蔵用クリスタルから送信されたエネルギーは、街灯にたどり着くとその中に設置してある発光体をまばゆいほど輝かせはじめた。
実験は成功だ。
「では、数を増やしますぞ」
教授は次に実験用街灯の数を一気に10本に増やす。
そしてそれも同じように輝き、ブレを感じさせることはなかった。
「次は50本ですぞ」
「一気に行きますね?」
「10本で成功しているなら20本やっても同じですからな。50本でブレがでるなら数を絞ればいいだけのこと」
「なるほどです」
「これが爆発するような実験だったら別ですが、そのような実験ではないですからな。爆発するなら1本目で爆発しております」
「たしかに……」
教授の意見に納得したところで実験用街灯の数は50本に増設されていた。
これもまたブレもなく全部が全部同じように輝くのだった。
「ふーむ。奇妙ですな」
教授はその光景を見て何かを感じ取ったようだ。
ボクには安定しているということしかわからない。
1本でも50本でも同じように安定しているのだ。
ん? 数を増やしても同じ……?
「いくら数を増やしても同じとはどういうことでしょう」
「これは100本で様子を見るべきでは?」
周囲の研究員たちもにわかにざわめき始め出した。
ボクも感じたように、これはとても奇妙なことだと分かったのだろう。
「100本で試してみましょうか」
教授はそう言うと研究員たちに指示を出す。
あっという間に100本の実験用街灯が用意され、再び実験が始まる。
すると奇妙なことに100本がまったく同じようにブレもなく輝いていたのだ。
「仮定ではありますが、500本でも1000本でも同じように輝くでしょうな。おそらく大本のクリスタル側で出力制御をしている可能性があります。要求量に対応して供給量を増やしているのではないかと」
「それだと要求される度に瞬時にエネルギーを生成していることになりますよね? このクリスタルはエネルギーを生成するのにさして時間はかからないということなのでしょうか」
「その可能性はありますな。理外からエネルギーを得るにしても多少の時間はかかったものですが、これはなんとも……」
教授は今回使用したクリスタルの性能に驚いているようだ。
もしかするとクリスタルは常時エネルギーを生成していて、生成される度にクリスタル内のどこかにエネルギーを保存しているのかもしれない。
ボクは何となくそう思う。
「あと数度実験を繰り返せば実用に至れると思いますぞ」
「なるほどです。もう少しで色々な設備にエネルギーを供給できそうですね」
「そうなりますな。そうなると今は人力で行ったり魔力や妖力、精霊力などで行っている実験や研究も新しいエネルギーで行えるでしょう」
「ふむむ……」
現在はすべて人力、まぁほとんど精霊たちに頼るかフェアリーノームに頼っている状態なのだが、誰かの力を借りて色々と作っている状態だ。
特に街の建設や土地の開拓には多大な貢献をしてもらっている。
今後はこのエネルギーを活用することで、彼女たちにもゆっくりできる時間が増えるかもしれない。
まぁ、ボクたち妖狐族や獣人族、人族よりも圧倒的に適応できていて数が多いのはフェアリーノームと精霊なので彼女たちがここのメインの住人と言えるかもしれないけどね。
「今後、この世界で色んな世界と交流しつつ仲良く暮らしていけるようにしていけたらいいんですけどねぇ……」
メインの住人がフェアリーノームや精霊であるうちは大丈夫かもしれないけど、そうじゃなくなった時はどうなるだろう?
ボクたち妖種、まぁボクは後からそうなったわけだけど、妖種は割と自由なところがあるので時々世界を荒らすかもしれないとは思う。
とはいえ、世界を汚染するようなことはしないと言えるし、何より神と近いボクたちが世界をぼろぼろにするわけにはいかないからね。
もしボクたちが生きている間に日本や地球が危機に陥ったら、この世界に移住させるのもいいかもしれない。
「主殿は、何を考えているんですかな?」
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