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第九話
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「そうですねぇ・・・【転生】っていうシステムは知ってますか?」
さっきの女神様との会話から判断すると、知られていない・・・いや、廃れた可能性もあるけど
「【転生】?勿論知らない人はいないわよ?それを目指してみんな頑張ってるんだから」
よかった・・・
「大手の紅翼の雀ギルドが年内にはギルマスを転生させる事ができそうって・・・ん?・・・転生したら・・・また最初から・・・やり直し・・・つまりレベルが・・・???マサカ!?」
紅翼の雀・・・せめて鷹とか鷲にしようよ・・・
香澄さんも今の会話で気がついた様だけど
「つまりはそういうことです。それで、今はギルド単位で転生をしてるんですか?」
「・・・モンスターに与えるダメージの総量と各種ボーナスは分かるわよね?」
モンスターの体力に対して与えたダメージ量によって勝利時の獲得経験値が変わってくる。それとFAやLA等々の特殊なタイミングでのボーナスもあるけど
「まさか・・・ギルド単位って・・・」
「そうなのよ・・・転生を目指している本人に優先的に経験値やボーナスを集めやすくするように、他のメンバーが・・・」
・・・なにその接待狩り・・・
「もう何年もチャレンジしてて、年内には何とかって噂なんだけど・・・まさかそれらを通り越した存在が目の前にいるなんてね」
「何言ってるんですか?香澄さんも今から転生するんですよ?」
「・・・ふぁ?」
「Lv99で転職ですから後20もないでしょ?ならクエストを熟せば・・・さぁ行きますよ!」
そう言って困惑する彼女を引きずる様にして向かった先は
「・・・海?」
街の南部には海が広がり・・・
「あまり人がいませんね?」
昔は賑わってたんだけど、今はNPCしか見当たらない
「そりゃそうよ。海になんかきてどうするの?泳ぐの?」
「いいえ?ここは美味しいんですけど・・・こっちに来てください」
そして浜辺の一角に連れていって
「どうぞこの貝を攻撃してください」
ボク達の目の前には1m位の巨大な貝が
「・・・ショウ君?この貝は破壊できないって有名なの。過去に何度も挑戦した人がいるけど。未だ誰も倒した事がないの・・・」
・・・え?嘘でしょ?
「・・・その昔の人?はどうやって攻撃してたんですか?」
「どうって・・・普通に得物で殴って・・・」
そりゃそうか・・・
「・・・こう・・・砂を拾って・・・投げると・・・ね?」
ボクが砂を拾って無造作に投げつけると・・・目の前の貝は降り掛かった砂を払うようにその蓋を開け・・・剥き身が露わになり・・・
「中心をナイフで刺すと・・・簡単でしょ?」
それだけだ・・・それだけで難攻不落?な巨大な貝が消滅エフェクト共に・・・そして
「いろんな色の真珠が・・・ブラックもある!澄ちゃんにプレゼントしようかな・・・ならネックレスにするとして数がいるな・・・
ぁ、香澄さんは今の方法で頑張っててくださいねー」
そう言い残してボクは次の獲物を探して浜辺を・・・
◇香澄◇
「・・・え?今ショウ君一撃で・・・しかもLv9って言ってたはずだけど・・・」
先程の彼の行動を思い返しながら周囲を見回すと
「・・・貝がいっぱい・・・砂を拾って・・・投げて・・・蓋が開いたら・・・エイ!」
エフェクト共にアイテムがドロップされ、経験値が・・・入らなかった
「え?経験値は?ステータスオープン!・・・え?レベルが上がってる???」
ショウが説明を忘れていたが、実はこの貝、倒しても経験値はもらえない代わりに、1匹で1レベル上がるという・・・超特殊モンスターだったのだ。本来の数万というHPを削っていけば倒せる・・・といっても三日三晩攻撃し続ける・・・そんな事をする人がいなかったが、とある少年が腹を立て本来は相手に目潰しを低確率で誘発するスキル【砂投げ】を使ったところ・・・降り掛かった砂を払い除けるために最強の盾である貝殻を無造作に開くという・・・先程のように弱点を剥き出しにして・・・
「・・・後13匹か・・・」
◇ショウ◇
「いやぁ~あの時は焦ったけど、まさかこんな方法があるとは思いもよらなかったよなぁ~」
犯人はこいつです!
「香澄さんどうですか~?」
十分な数の真珠をGetしてホクホク顔で戻ると
「・・・ここにきて数分でLv99になっちゃった・・・私・・・今日死ぬのかな?」
「やだなぁ~?まだまだ面白い所いっぱいあるんですよ?」
「そ・・・そうだよね・・・さっきの感じだったらショウ君も結構レベ・・・ル・・・が・・・???」
流石に通常の真珠と違って、ブラックやレインボーは毎回出るわけでもないので、一定数を集めるのに98匹倒したわけで
「・・・じゃあ転生しにいきましょうか!」
香澄さんは初めての転生に
ボクは二度目の転生に
「おっと、お酒を持っていく約束してたんだった・・・確かこの海辺には・・・あったあった」
そして数本のお酒を購入し、転生神殿に行くと
「なんだお前らは?帰れ帰れ!ここは紅翼の雀が管理してるんだ!」
あれ?神殿ってギルド管理だったっけ?
「ショウ君・・・みんな気が立ってるから・・・帰ろ?」
ん~?別に良いんだけど・・・
「大丈夫だよ?そこに用はないし、目的地はこっちだから」
そして二人で神殿裏の祠に手を差し込み
「香澄さん。『願う』って言ってみて?」
「???『願う!』」
そして二人女神様の前に・・・
さっきの女神様との会話から判断すると、知られていない・・・いや、廃れた可能性もあるけど
「【転生】?勿論知らない人はいないわよ?それを目指してみんな頑張ってるんだから」
よかった・・・
「大手の紅翼の雀ギルドが年内にはギルマスを転生させる事ができそうって・・・ん?・・・転生したら・・・また最初から・・・やり直し・・・つまりレベルが・・・???マサカ!?」
紅翼の雀・・・せめて鷹とか鷲にしようよ・・・
香澄さんも今の会話で気がついた様だけど
「つまりはそういうことです。それで、今はギルド単位で転生をしてるんですか?」
「・・・モンスターに与えるダメージの総量と各種ボーナスは分かるわよね?」
モンスターの体力に対して与えたダメージ量によって勝利時の獲得経験値が変わってくる。それとFAやLA等々の特殊なタイミングでのボーナスもあるけど
「まさか・・・ギルド単位って・・・」
「そうなのよ・・・転生を目指している本人に優先的に経験値やボーナスを集めやすくするように、他のメンバーが・・・」
・・・なにその接待狩り・・・
「もう何年もチャレンジしてて、年内には何とかって噂なんだけど・・・まさかそれらを通り越した存在が目の前にいるなんてね」
「何言ってるんですか?香澄さんも今から転生するんですよ?」
「・・・ふぁ?」
「Lv99で転職ですから後20もないでしょ?ならクエストを熟せば・・・さぁ行きますよ!」
そう言って困惑する彼女を引きずる様にして向かった先は
「・・・海?」
街の南部には海が広がり・・・
「あまり人がいませんね?」
昔は賑わってたんだけど、今はNPCしか見当たらない
「そりゃそうよ。海になんかきてどうするの?泳ぐの?」
「いいえ?ここは美味しいんですけど・・・こっちに来てください」
そして浜辺の一角に連れていって
「どうぞこの貝を攻撃してください」
ボク達の目の前には1m位の巨大な貝が
「・・・ショウ君?この貝は破壊できないって有名なの。過去に何度も挑戦した人がいるけど。未だ誰も倒した事がないの・・・」
・・・え?嘘でしょ?
「・・・その昔の人?はどうやって攻撃してたんですか?」
「どうって・・・普通に得物で殴って・・・」
そりゃそうか・・・
「・・・こう・・・砂を拾って・・・投げると・・・ね?」
ボクが砂を拾って無造作に投げつけると・・・目の前の貝は降り掛かった砂を払うようにその蓋を開け・・・剥き身が露わになり・・・
「中心をナイフで刺すと・・・簡単でしょ?」
それだけだ・・・それだけで難攻不落?な巨大な貝が消滅エフェクト共に・・・そして
「いろんな色の真珠が・・・ブラックもある!澄ちゃんにプレゼントしようかな・・・ならネックレスにするとして数がいるな・・・
ぁ、香澄さんは今の方法で頑張っててくださいねー」
そう言い残してボクは次の獲物を探して浜辺を・・・
◇香澄◇
「・・・え?今ショウ君一撃で・・・しかもLv9って言ってたはずだけど・・・」
先程の彼の行動を思い返しながら周囲を見回すと
「・・・貝がいっぱい・・・砂を拾って・・・投げて・・・蓋が開いたら・・・エイ!」
エフェクト共にアイテムがドロップされ、経験値が・・・入らなかった
「え?経験値は?ステータスオープン!・・・え?レベルが上がってる???」
ショウが説明を忘れていたが、実はこの貝、倒しても経験値はもらえない代わりに、1匹で1レベル上がるという・・・超特殊モンスターだったのだ。本来の数万というHPを削っていけば倒せる・・・といっても三日三晩攻撃し続ける・・・そんな事をする人がいなかったが、とある少年が腹を立て本来は相手に目潰しを低確率で誘発するスキル【砂投げ】を使ったところ・・・降り掛かった砂を払い除けるために最強の盾である貝殻を無造作に開くという・・・先程のように弱点を剥き出しにして・・・
「・・・後13匹か・・・」
◇ショウ◇
「いやぁ~あの時は焦ったけど、まさかこんな方法があるとは思いもよらなかったよなぁ~」
犯人はこいつです!
「香澄さんどうですか~?」
十分な数の真珠をGetしてホクホク顔で戻ると
「・・・ここにきて数分でLv99になっちゃった・・・私・・・今日死ぬのかな?」
「やだなぁ~?まだまだ面白い所いっぱいあるんですよ?」
「そ・・・そうだよね・・・さっきの感じだったらショウ君も結構レベ・・・ル・・・が・・・???」
流石に通常の真珠と違って、ブラックやレインボーは毎回出るわけでもないので、一定数を集めるのに98匹倒したわけで
「・・・じゃあ転生しにいきましょうか!」
香澄さんは初めての転生に
ボクは二度目の転生に
「おっと、お酒を持っていく約束してたんだった・・・確かこの海辺には・・・あったあった」
そして数本のお酒を購入し、転生神殿に行くと
「なんだお前らは?帰れ帰れ!ここは紅翼の雀が管理してるんだ!」
あれ?神殿ってギルド管理だったっけ?
「ショウ君・・・みんな気が立ってるから・・・帰ろ?」
ん~?別に良いんだけど・・・
「大丈夫だよ?そこに用はないし、目的地はこっちだから」
そして二人で神殿裏の祠に手を差し込み
「香澄さん。『願う』って言ってみて?」
「???『願う!』」
そして二人女神様の前に・・・
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