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成敗されてしまいます
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「レイ様にも研究の進捗をお訊ねして、是非一刻も早く広めなければいけませんもの」
「ああ、うん。その辺はジェレイドもうまくやるだろうし、俺も口添えしておくよ。ローゼはその前に魔法を使えるようになろうな?明日から実践だし、聞きたい事があるならまだまだ付き合うよ。何なら寝るまでつきあうよ」
笑顔でウィスクムが言った言葉に、秒でブチ切れたユリアが背後から頭を鷲掴みにした。
「いだだだだ!」
「成敗しますよ?」
ウィスクムが万力に潰される様な痛みに叫ぶが、容赦の無いユリアのギリギリと締め付ける手の甲に浮かんだ血管が怖い。
「ユ、ユリアさん、落ち着いてくださいませ。まだ、わたくし魔法を習っていませんから…」
「え?魔法習ったら用無しみたいな、言い方酷くない?」
だが、ユリアはその返答に満足したように、にっこりと手を引いた。
「ですよねー!マリアローゼ様の魔法使っているお姿、早く拝見したいなぁぁ」
きゃぴきゃぴと嬉しそうに言うユリアとマリアローゼを見比べて、ウィスクムが呆れた様に言う。
「…えー…こっわ。俺も一応公爵家の人間なんだけど、なぁ…?」
「だから何ですか?天はマリアローゼ様の下に人を作って、マリアローゼ様の上には作ってないです」
暴論が飛び出した。
マリアローゼはユリアのあまりの暴論ぷりに、それって誰が言った言葉だったっけ?と現実逃避をした。
「それって君の世界の中でしょ?」
「そうですけど、何か?」
とにかく、公爵家というネームバリューは通じないと分かって、ウィスクムはドン引きしながらも軽食を食べ始めた。
実際に身分で助かる事は多いと思うけど、背後で圧のある視線で見ろしてくる美少女には通じないらしい。
「こわ……ローゼは変な人に好かれるんだなぁ」
「いえ、そんな事はないです。皆様良い人達ですよ……」
多少変わっているのは否めないが、悪い人達ではないのだ。
ユリアは庇われて、はわわ、と頬を赤らめている。
その落差に更にドン引きしながらも、ウィスクムはパクパクと絶賛食事中だ。
怖いといえば、ウィスクムは停止魔法と言っていたが、時間関連の魔法など存在するのだろうか?
マリアローゼは質問する事にした。
「停止魔法は時間を操る魔法ですか?」
「いいや。そう勘違いさせているだけの、拘束と認識阻害を組み合わせた魔法だな」
「つまり、動けなくして、時間の流れを認識させないようにするという事ですの?」
ウィスクムは嬉しそうにニヤリと笑んで、うんうん頷く。
それはそれで、動いたユリアさん、凄くないですか?
マリアローゼはまじまじとユリアを見詰めるが、目が合ったユリアは尊い!と笑顔になっている。
見た目は美少女なのに、ユリアは色々想定外なオプションが盛り沢山なのだ。
「では収納魔法とか、空間を操る魔法はございますの?」
「うーん。それなぁ。どう定義するかに拠るんだよな。例えば、此処に容器があるだろ?」
ウィスクムがティーポットを持ち上げた。
「で、勿論こいつは見た目通りの容量に紅茶が入っている訳だ。だが幻術でこれをこうするじゃろ?」
とウィスクムの手の中で、ティーポットがミルクポットの形に変容する。大体10分の1程度の大きさだろうか。
「これは完全な幻術、見た目も感触も現物と遜色ないものになる。だが…」
言葉を区切ったウィスクムは、ミルクポットを傾けて、ティーカップに紅茶を注ぐ。
何も入っていないティーカップに、なみなみと紅茶が注がれるが、ミルクポットの見た目以上の量なのである。
「つまり、容量、中身は変わっていない。容器の中にある紅茶の分、楽しめるって訳だ」
言いながら、ティーカップを持ち上げて、注いだ紅茶を口に運ぶ。
そして、指を1つ鳴らした。
途端に、ミルクポットだったものがティーポットの見た目に瞬時に戻る。
「ただし、時間がくるか魔法が解ければ元に戻る。これを収納魔法とは呼ばねーと思うが、効果は同じだろう?」
「確かにそうですわね……」
「あとは重さを軽減する魔法があればいいのか、それと…時間停止だっけ?こっちは無理だな」
ん?
何故そんなにこちらの求める魔道具を詳しく知っておいでなのかしら?
「ああ、ジェレイドが昔そういうものが作れないかどうかと訊いてきたんでな。見た目を欺くだけの用途になら使えると教えたら、まあまあ使えるなと上から目線で言われたからよく覚えてる」
「他に方法はございませんの?」
マリアローゼの問いかけに、ウィスクムは愉しげにふふっと笑った。
「懐かしいなぁ。ああ、出来るかもしれねーから止めておこう。明日以降の魔法の授業で失敗しながら学ぶ方がいい。もしかしたら成功するかもだしな」
「わかりました。明日が楽しみでございますわ」
にっこりと嬉しそうなマリアローゼを見て、ウィスクムも楽しそうに微笑んだ。
「ああ、うん。その辺はジェレイドもうまくやるだろうし、俺も口添えしておくよ。ローゼはその前に魔法を使えるようになろうな?明日から実践だし、聞きたい事があるならまだまだ付き合うよ。何なら寝るまでつきあうよ」
笑顔でウィスクムが言った言葉に、秒でブチ切れたユリアが背後から頭を鷲掴みにした。
「いだだだだ!」
「成敗しますよ?」
ウィスクムが万力に潰される様な痛みに叫ぶが、容赦の無いユリアのギリギリと締め付ける手の甲に浮かんだ血管が怖い。
「ユ、ユリアさん、落ち着いてくださいませ。まだ、わたくし魔法を習っていませんから…」
「え?魔法習ったら用無しみたいな、言い方酷くない?」
だが、ユリアはその返答に満足したように、にっこりと手を引いた。
「ですよねー!マリアローゼ様の魔法使っているお姿、早く拝見したいなぁぁ」
きゃぴきゃぴと嬉しそうに言うユリアとマリアローゼを見比べて、ウィスクムが呆れた様に言う。
「…えー…こっわ。俺も一応公爵家の人間なんだけど、なぁ…?」
「だから何ですか?天はマリアローゼ様の下に人を作って、マリアローゼ様の上には作ってないです」
暴論が飛び出した。
マリアローゼはユリアのあまりの暴論ぷりに、それって誰が言った言葉だったっけ?と現実逃避をした。
「それって君の世界の中でしょ?」
「そうですけど、何か?」
とにかく、公爵家というネームバリューは通じないと分かって、ウィスクムはドン引きしながらも軽食を食べ始めた。
実際に身分で助かる事は多いと思うけど、背後で圧のある視線で見ろしてくる美少女には通じないらしい。
「こわ……ローゼは変な人に好かれるんだなぁ」
「いえ、そんな事はないです。皆様良い人達ですよ……」
多少変わっているのは否めないが、悪い人達ではないのだ。
ユリアは庇われて、はわわ、と頬を赤らめている。
その落差に更にドン引きしながらも、ウィスクムはパクパクと絶賛食事中だ。
怖いといえば、ウィスクムは停止魔法と言っていたが、時間関連の魔法など存在するのだろうか?
マリアローゼは質問する事にした。
「停止魔法は時間を操る魔法ですか?」
「いいや。そう勘違いさせているだけの、拘束と認識阻害を組み合わせた魔法だな」
「つまり、動けなくして、時間の流れを認識させないようにするという事ですの?」
ウィスクムは嬉しそうにニヤリと笑んで、うんうん頷く。
それはそれで、動いたユリアさん、凄くないですか?
マリアローゼはまじまじとユリアを見詰めるが、目が合ったユリアは尊い!と笑顔になっている。
見た目は美少女なのに、ユリアは色々想定外なオプションが盛り沢山なのだ。
「では収納魔法とか、空間を操る魔法はございますの?」
「うーん。それなぁ。どう定義するかに拠るんだよな。例えば、此処に容器があるだろ?」
ウィスクムがティーポットを持ち上げた。
「で、勿論こいつは見た目通りの容量に紅茶が入っている訳だ。だが幻術でこれをこうするじゃろ?」
とウィスクムの手の中で、ティーポットがミルクポットの形に変容する。大体10分の1程度の大きさだろうか。
「これは完全な幻術、見た目も感触も現物と遜色ないものになる。だが…」
言葉を区切ったウィスクムは、ミルクポットを傾けて、ティーカップに紅茶を注ぐ。
何も入っていないティーカップに、なみなみと紅茶が注がれるが、ミルクポットの見た目以上の量なのである。
「つまり、容量、中身は変わっていない。容器の中にある紅茶の分、楽しめるって訳だ」
言いながら、ティーカップを持ち上げて、注いだ紅茶を口に運ぶ。
そして、指を1つ鳴らした。
途端に、ミルクポットだったものがティーポットの見た目に瞬時に戻る。
「ただし、時間がくるか魔法が解ければ元に戻る。これを収納魔法とは呼ばねーと思うが、効果は同じだろう?」
「確かにそうですわね……」
「あとは重さを軽減する魔法があればいいのか、それと…時間停止だっけ?こっちは無理だな」
ん?
何故そんなにこちらの求める魔道具を詳しく知っておいでなのかしら?
「ああ、ジェレイドが昔そういうものが作れないかどうかと訊いてきたんでな。見た目を欺くだけの用途になら使えると教えたら、まあまあ使えるなと上から目線で言われたからよく覚えてる」
「他に方法はございませんの?」
マリアローゼの問いかけに、ウィスクムは愉しげにふふっと笑った。
「懐かしいなぁ。ああ、出来るかもしれねーから止めておこう。明日以降の魔法の授業で失敗しながら学ぶ方がいい。もしかしたら成功するかもだしな」
「わかりました。明日が楽しみでございますわ」
にっこりと嬉しそうなマリアローゼを見て、ウィスクムも楽しそうに微笑んだ。
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