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真逆を向く二人
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続いて餌を貰ったルーナも、おっかなびっくりフクロウに餌を与えると、マリアローゼと笑顔を見せ合っている。
「じゃあ、次は腕に止らせてみましょうか」
皮手袋を嵌めた小さな手を片手で支えて、もう片方の手をマリアローゼに近づけると、フクロウはのしのしと小さな手へと移った。
「まっ…まあ、ずっしりしてますわ!」
はあっと驚いて、感心したようにフクロウを見て、マリアローゼはふわふわの羽毛を優しく撫でた。
「はぁぁ、本当に可愛いです。可愛いしかないです」
「本当ですわねえ」
柔らかい羽毛をもふもふっと撫でながら、マリアローゼは絶賛するユリアに相槌を打つ。
同じ方向を向いているようで真逆を向いている二人を、カンナは生暖かい目で見守った。
「私も触っていいでしょうか?」
「ええ、構いませんわ?」
不思議そうにフクロウから手を引っ込めたマリアローゼの頭を、ユリアがナデナデと撫でる。
「え?……あら?」
まさか自分に降りかかるとは思っていなかったマリアローゼがぽかんと口を開ける。
カンナは苦笑して、ルーナはユリアの手の甲を摘んで制止した。
「もうその辺で」
「あ、痛…はい……ツヤツヤのサラサラでした!」
満足げな笑顔を見せるユリアに、マリアローゼもふふっと笑う。
「この子には敵いませんわ。フワフワでとても可愛らしい…」
またフクロウを撫で始めたマリアローゼを、大きな目でフクロウが見ている。
「わたくしのこと、覚えてくれたかしら?」
「そりゃあ覚えましたよ。覚えないわけがないです。覚えなかったら痛い目みせますよ」
うんうん頷きながらユリアが物騒な事を言う。
マリアローゼは困った顔でユリアを見上げた。
「意地悪してはいけませんわ」
「マリアローゼ様がそう仰るなら!……では、そろそろ籠に戻しますね」
ユリアがフクロウをよいしょっと持ち上げて、籠の中に入れる時、腕からフクロウの重さが消えたのを
寂しく思うマリアローゼだった。
もっと触れ合いたいけれど、動物にとってはストレスにもなるだろう。
マリアローゼは籠に顔を近づけて、小さく挨拶をした。
「また会いましょうね」
その可愛い仕草に、天を仰いでいたユリアが、目隠し用の布を籠の周りに垂らした。
「ちょうど、公爵家の従魔師の方が鳥を連れているので、一緒に面倒見てくれるってことになって。
また、預けてきますね。あ、カンナさんの腕に止めるのは次回で!」
「了解です」
カンナは然程残念そうでもなく、にこやかに手を振ってユリアwithフクロウを見送った。
ユリアが去った後に、マリアローゼは手荷物をごそごそと探り、例のロバを机に並べ始める。
「どなたかにあげるのですか?」
「ええ、オリーヴェとリトリーに差し上げますの」
何時ものように色々な角度から眺めて選び、やっと二匹を選び出して小さな手提げ袋に手紙と共に入れた。
公爵邸用の手紙の束は別の袋に入れて、マリアローゼは何事か考え込む。
「ルーナ、お兄様をお呼びして欲しいの」
「はい。行って参ります」
ぺこりとお辞儀をしてルーナが部屋を出て行き、程なくシルヴァインを伴って戻って来た。
「じゃあ、次は腕に止らせてみましょうか」
皮手袋を嵌めた小さな手を片手で支えて、もう片方の手をマリアローゼに近づけると、フクロウはのしのしと小さな手へと移った。
「まっ…まあ、ずっしりしてますわ!」
はあっと驚いて、感心したようにフクロウを見て、マリアローゼはふわふわの羽毛を優しく撫でた。
「はぁぁ、本当に可愛いです。可愛いしかないです」
「本当ですわねえ」
柔らかい羽毛をもふもふっと撫でながら、マリアローゼは絶賛するユリアに相槌を打つ。
同じ方向を向いているようで真逆を向いている二人を、カンナは生暖かい目で見守った。
「私も触っていいでしょうか?」
「ええ、構いませんわ?」
不思議そうにフクロウから手を引っ込めたマリアローゼの頭を、ユリアがナデナデと撫でる。
「え?……あら?」
まさか自分に降りかかるとは思っていなかったマリアローゼがぽかんと口を開ける。
カンナは苦笑して、ルーナはユリアの手の甲を摘んで制止した。
「もうその辺で」
「あ、痛…はい……ツヤツヤのサラサラでした!」
満足げな笑顔を見せるユリアに、マリアローゼもふふっと笑う。
「この子には敵いませんわ。フワフワでとても可愛らしい…」
またフクロウを撫で始めたマリアローゼを、大きな目でフクロウが見ている。
「わたくしのこと、覚えてくれたかしら?」
「そりゃあ覚えましたよ。覚えないわけがないです。覚えなかったら痛い目みせますよ」
うんうん頷きながらユリアが物騒な事を言う。
マリアローゼは困った顔でユリアを見上げた。
「意地悪してはいけませんわ」
「マリアローゼ様がそう仰るなら!……では、そろそろ籠に戻しますね」
ユリアがフクロウをよいしょっと持ち上げて、籠の中に入れる時、腕からフクロウの重さが消えたのを
寂しく思うマリアローゼだった。
もっと触れ合いたいけれど、動物にとってはストレスにもなるだろう。
マリアローゼは籠に顔を近づけて、小さく挨拶をした。
「また会いましょうね」
その可愛い仕草に、天を仰いでいたユリアが、目隠し用の布を籠の周りに垂らした。
「ちょうど、公爵家の従魔師の方が鳥を連れているので、一緒に面倒見てくれるってことになって。
また、預けてきますね。あ、カンナさんの腕に止めるのは次回で!」
「了解です」
カンナは然程残念そうでもなく、にこやかに手を振ってユリアwithフクロウを見送った。
ユリアが去った後に、マリアローゼは手荷物をごそごそと探り、例のロバを机に並べ始める。
「どなたかにあげるのですか?」
「ええ、オリーヴェとリトリーに差し上げますの」
何時ものように色々な角度から眺めて選び、やっと二匹を選び出して小さな手提げ袋に手紙と共に入れた。
公爵邸用の手紙の束は別の袋に入れて、マリアローゼは何事か考え込む。
「ルーナ、お兄様をお呼びして欲しいの」
「はい。行って参ります」
ぺこりとお辞儀をしてルーナが部屋を出て行き、程なくシルヴァインを伴って戻って来た。
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