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第十六話

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「あ・・・あ・・・」



二人組のうちに一人は私が村から逃げている途中、親切をしてくれたと思ったら、眠り薬で眠らせて犯そうとした男である。



この私に恥辱を与えた男である。



「ミラ!!ミラ!!ちっ、あんたら誰だよ!!」



ファリナはせっかくのデートを邪魔され、さらにミランの様子もおかしくなったので怒り心頭である。



「あんたに用はないが、そっちの女の子に用がある。その子はー」



という間にファリナは一瞬でメトジェイの前に立ち腹に一撃を加える。



「ぐおっ!?」



メトジェイは殴られたことで声が出なくなり、腹を抑えたまま倒れこんだ。



「うっげぇえ・・・く、くそ・・」



ミランは憎い相手が苦しむ姿を見て、ファリナを初めて好意的な目で見た。



すごい!すごいわ!



「ちっ!」



残った茶髪の男はすぐに下がって腰に下げた剣を抜き、構える。



男の剣の刀身には傷があり、持ち手も汚れており長年使い続けた得物とわかる。



ファリナは血が騒ぎ、剣を抜く。



ファリナは茶髪の男に対して体を横にし、刃を向け、もう片方の腕は脱力している。



猫のようだった目つきは、眉間にしわが寄っているせいか、虎のようである。



騒いでいた周囲は二人が構えだしたのを見て、その迫力のためか黙り始める。



ミランも二人を見ていた。



先に動いたのは男の方である。



一向に動かないファリナへ向けて剣を一直線に薙ぐ。



ファリナは何と一歩も動かず、タイミングを見図り地面に素早くしゃがみ込むことで避ける。



男は薙いだ後反動で体勢が揺らぐが反撃に備え構えなおすも、ファリナは反撃しない。



今度は上から両断しようと剣をたたきつけるも、鼻先をかすめるくらいの間一髪で避ける。



周囲からオーとかキャーなどの声が出る。



ファリナはすばやく逆手に持ち直し、柄頭で腹を突いた。



ぐうっと呻いた後で、よろよろと後ずさり、男は片手をあげて降参を示した。



ファリナはそれを見てか納刀した後で店員へ迫り、



「ココの勘定。あの人たちが払うから」と言ってミランの手を取る。



「ちょっと!ファリナ!あいつは!?あいつは!?」とうめくメトジェイを指さすも、ファリナは強引に連れ去ろうとする。



ミランは思わぬ復讐の機会を奪われたが、肝心のファリナが立ち去ろうとしたのでやがて諦めた。



ファリナは食い逃げするつもりだったが、カモがやってきて助かったなと思った。



周囲は立ち去ろうとする二人のために黙って道を開け、その行く末をしばらく見ていた。



ーー



町を出たあたりで、ミランはファリナに尋ねる。



「ねぇなんで斬らなかったの?」



それを聞いたファリナはギョとする。



「そんなの白昼堂々しないさ。やるなら夜とか人気のないところでやるもんだよ。それに血を拭くのも面倒だしね。」



「じゃあ夜になったらいいのね?」



次に会う機会があるならミランはアイツを殺してもらおうと思った。



はぁとファリナはため息をついてから



「嫌だよ、あんな格下斬るの。というかあの男を殺したいってなんで?なんかされたの?」



ファリナはまた興味本位で聞いてみた。



ミランはうつむいて



「・・・いいでしょなんだって。あの男の顔が気に入らなかったのよ」



凌辱されそうになったなんて言えるわけがない。



「へぇー。ミラって怖いねぇ」



とファリナは両手を後頭部に回して言った。



怖いと言われてミランは下唇を突き出す。



「それにねぇ。あの男たちはミラに用があったみたいだけど?」



ミランは黙る。



突然ファリナは思い出したようにあっと言い



「そういえば私が助けたんだからさ」と言ってファリナは向き直りミランのあごをくいっと上げる。



「さっきのはさ。その別料金ってわけ。その分、今じゃなくてもいいから払ってくれる?」とミランの赤い目を見つめ、うっとりしながらささやいた。



ミランは考えた。



この女はつまり私の体が目当てだろう。あの女が最終的に欲しいのは・・・私の・・・。



なら、私から行動すれば・・・



「ここだと嫌だから場所を変えましょう」



そういって木陰に移動する。



むほーとファリナは期待しながらそれに続く。



そして周囲を見回して誰もいないことを確認すると



ファリナを少しかがませてから、口に軽くキスをした。



ファリナは満足げに唇を指で触る。



「今のはさっきの。そして今からが前払いよ」



ボタンを下からポチポチと外し開いていく。



柔らかそうな白いおなかに、薄いあばら。そして小さな下乳。



ファリナは釘付けになって下からあらわになっていくミランの上体を見ていく。



そしてとうとうピンク色の乳首が見え、最後に現れた浮き出た鎖骨に注目する。



「好きにしていいわよ」



ゴクリとファリナは圧倒されながら、顔を緩め、まず右の乳房に吸い付いた。



んっとミランは驚きながら、力強くちうちうと吸われるこそばゆさに耐える。



ファリナは左の乳首を人差し指の先でツンとつく。それから乳輪を回すようになぞる。



「んくんく」とファリナはよだれを垂らしながら吸い続ける。



とうとうミランは恥ずかしさとこそばゆさの限界になり



「はい終わり!!」と言ってファリナの肩をつかんで突き放す。



ファリナは尻もちをつきながら、地べたに座り込み、よだれを拭きとる。



「今ので、町から村までの行き帰りの護衛をおねがいするわ。」とブラウスのボタンを閉めながら言った。



ファリナは頭をボーとさせながら、はぁいとだけ言った。

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