(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

茶ティム

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(2) 憎ければ執事も

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大臣であるダスデル侯爵のロザリアンナ令嬢は、話を聞いて腹を立てる。


「またですの?猿のミリ令嬢の馬車に負けるなんて!」


狭い貴族の世界では階級に応じた交際範囲となり、同じ国の重鎮の息女として幼き頃からの付き合いの令嬢。

鬱憤を聞いてもらおうと押し掛けたイザベリーナに期待通りの憤慨。イザベリーナの頬も緩む。


「あの猿の兵士達ときたら、礼儀作法も知らぬ田舎者ばかり。都から追い払うべきですわ!」


でも、現実は高収入でエリート兵士として王宮の兵士より人気がある。都の結婚したい職業ランクはトップだ。追い出したら、反乱が起こるかもしれない。


「それに、あの新顔の若い執事ときたら。思い出しても、怒りが!」


一悶着、ありました。ロザリアンナ令嬢と現王太子の婚約者ミリエネッタ令嬢の執事と。それも、入ったばかりの新米執事。

まだ、若葉マーク(1年生)でございます。

なのに、あっという間に貴族階級で知られる事となったのは。すこぶる美少年であったからだ。


「ちょっと、他の者より容姿が良いだけなのに。皆んなからチヤホヤされてうぬぼているですわ!(怒りに震える)」


イザベリーナ令嬢は、顔を紅潮させて興奮してくるロザリアンナ令嬢を宥めた。本当は知っている。その見習い執事に夢中になっていた事を。


「 いっ時は、令嬢の方々が夢中になりましたもの。猿ミリ令嬢の罠に違いありませんわ。」
「そうとしか考えられませんの。あんな綺麗な男の子を簡単に見つけて来れませんから。」


ロザリアンナ令嬢は、意地悪い顔になる。


「いい事を思いつきました。少しばかり、思い知らせてやりましょうよ!」


人を呪わば穴が2つ。人を陥れると自分も同じ目に。気をつけよう。





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