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「3」 ムスタカス家の子息
(6) 浮いてる人
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薔薇色に思えた人生が、直滑降。マルグリットは、不安になっていくばかり。
(私、結婚してコム様の乳母をしなくてはいけないこですか?).
マリッジシンドロームでございます。そんな事など考えもしないコムは空き時間は、マルグリットに会いに来る。
今日も、3時のティータイムに顔を出したコムにミリエネッタ令嬢は笑う。
「コムや、忠犬のようだわ。マルグリットさんは、貴方の婚約者なのですよ。」
そうよ、婚約者なの。でも、姉弟のようなふるまい。ロマンチックなんて微塵も無いの。侘しいわ。
例えばー。
親に決められた結婚相手なのだけど、恋は突然に訪れるものなの。
「そうよ、私は魚座の女。見える物を信じたい。私の為に送られてくる花、用も無くても会いに来る想いを示す行動。」
「形にならないと信じられぬのか(女は手間が必要だな)」
独り言を言ったつもりが、口に出していたらしい。声はすれど姿なし。隠れたのか?
「紳士たるもの、ご自分の言動に責任をお持ちにならないといけませんわよ!」
苛立ち罵ってみたら、帳簿から聞こえる声。目をやると小さなお客様だった。金色のドラゴンだ。
「まー、伝説の大王様バージョンですのね。どなたかの人形かしら。」
「んなにゃー(人形では無いぞ)」
「あら、動いてる。可愛いー!」
「なにゃにゃごろー!(撫でるな)」
少女の柔らかい指でナデナデ。知らなかった感覚が波のように身体を走る。それは、無垢な乙女だけが持つ特別フェロモン。男ならノックアウトで魅せられるのを知らなかった。
もっとだ、もっとー。なんて、身を任せていたなら。危険は迫っていたのだった。
プヨーン、プヨーン、ビュン!
飛んで来たのは、ミリエネッタ令嬢のペットの金魚。腹が減ったなーと思ったら美味そうなのを見つけたぞ。食いたいぞ。いただきまーす!
「パクンー」
「あ、食べてしまいました!」
マルグリットは、その小さな生き物が竜人の大王とは知らない。だけど、金魚が食べちゃった。ここにある変なのは、きっと、ミリエネッタ令嬢の持ち物でしょう。
お知らせしなくては、いけません!
(私、結婚してコム様の乳母をしなくてはいけないこですか?).
マリッジシンドロームでございます。そんな事など考えもしないコムは空き時間は、マルグリットに会いに来る。
今日も、3時のティータイムに顔を出したコムにミリエネッタ令嬢は笑う。
「コムや、忠犬のようだわ。マルグリットさんは、貴方の婚約者なのですよ。」
そうよ、婚約者なの。でも、姉弟のようなふるまい。ロマンチックなんて微塵も無いの。侘しいわ。
例えばー。
親に決められた結婚相手なのだけど、恋は突然に訪れるものなの。
「そうよ、私は魚座の女。見える物を信じたい。私の為に送られてくる花、用も無くても会いに来る想いを示す行動。」
「形にならないと信じられぬのか(女は手間が必要だな)」
独り言を言ったつもりが、口に出していたらしい。声はすれど姿なし。隠れたのか?
「紳士たるもの、ご自分の言動に責任をお持ちにならないといけませんわよ!」
苛立ち罵ってみたら、帳簿から聞こえる声。目をやると小さなお客様だった。金色のドラゴンだ。
「まー、伝説の大王様バージョンですのね。どなたかの人形かしら。」
「んなにゃー(人形では無いぞ)」
「あら、動いてる。可愛いー!」
「なにゃにゃごろー!(撫でるな)」
少女の柔らかい指でナデナデ。知らなかった感覚が波のように身体を走る。それは、無垢な乙女だけが持つ特別フェロモン。男ならノックアウトで魅せられるのを知らなかった。
もっとだ、もっとー。なんて、身を任せていたなら。危険は迫っていたのだった。
プヨーン、プヨーン、ビュン!
飛んで来たのは、ミリエネッタ令嬢のペットの金魚。腹が減ったなーと思ったら美味そうなのを見つけたぞ。食いたいぞ。いただきまーす!
「パクンー」
「あ、食べてしまいました!」
マルグリットは、その小さな生き物が竜人の大王とは知らない。だけど、金魚が食べちゃった。ここにある変なのは、きっと、ミリエネッタ令嬢の持ち物でしょう。
お知らせしなくては、いけません!
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