清楚系彼女は溺愛警察官を乱して狂わせる

日下 凛

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第二章 触れ合うたび深くなる

二話 独占の影が落ちるとき ※

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 私を抱き寄せた腕に、微かな熱が宿っていた。
 その熱がどこから来たのか、田島さん自身がまだ気づいていない。
 けれど、私に触れるたび――
 彼の理性の奥に、静かな影が落ちていくのがわかった。

 唇は離さないまま、力強い腕で背中を抱き起された。
 抵抗する隙も与えてくれなかった。
 カーディガンが床に落とされ、タンクトップも剝がされて、私の肌は昼下がりの柔らかな光に晒される。
 残ったのはブラとハーフパンツだけ。

 彼の視線が、わずかに揺れた。
 それは躊躇ためらいじゃない。
 田島さんが、今まで私に見せなかったもの。
 獲物を前にした時のような、危うい熱を孕んだ独占欲の色だった。
 ブラの肩紐に、指先が掛かる。
 熱をもった唇が、存在を刻むようにその跡をなぞった。

「……っ」

 一瞬息を呑んだ隙に、胸元へ深く吸い付くような口づけを落とされる。
 田島さんに触れられるだけで、私の中の酸素が薄くなる。
 のけ反った背中のホックに彼の手が伸びて、反射的にその逞しい手首をつかんでいた。

「……待って。私だけ裸は、恥ずかしい」
「じゃあ……俺も、脱がせてくれる?」

 うながされるまま、震える指をシャツの裾から滑り込ませた。
 触れた田島さんの肌は、驚くくらい熱くて、固い。
 鍛えられた筋肉の手触りに、私の心臓が跳ねた。
 シャツをまくり上げる私の手に彼の手が重なって、力強く首から抜き去った。

「梓さん……外すよ……」

 乱れた髪を掻き上げて、耳元で田島さんが低く囁いた。
 この人になら、全てをさらけだしても構わない。
 肌を隔てるものを、今すぐ取り払ってしまいたかった。

 背中に回った手が、ぎこちなくホックを外す。
 露わになった胸に、田島さんの熱い掌が直接重なった。
 分厚い胸板に押しつけられるように、私の身体がベッドに沈んでいく。
 優しくされているのに、焦らされているみたいだった。
 もっと強引でも構わないのに……。
 溢れ出そうになる願望が、私の理性を揺さぶった。

 首筋から耳元、鎖骨へと口づけが降り注ぐ。
 そのたびに、お腹の奥が焼けるように疼いた。
 力が入って丸まったつま先で、シーツをつかむ。
 包み込むように胸を愛撫されて、たまらずに身体を捩った。

「……ごめん、嫌だった?」
「ううん……ちょっとびっくりしただけ……」
「ここまで来たら、嫌だなんて言わせないから」

 その声は少しだけ低くて、今までとは違っていた。
 優しさの中ににじむ情欲を感じて、胸の奥が熱くなる。

 田島さんは私の肩をつかんで、ベッドに軽く押しつけた。
 主導権を奪い合うようにキスをして、吐息が混ざり合う。

 丁寧だったはずの指先が、徐々にその強さを増していく。
 胸の先端を口に含まれ、もてあそぶように舌先で転がされるたびに、たまらず指先で彼の髪を乱した。

「……あっ……だめ、それ……っ」

 甘噛みされる鋭い刺激。抑えきれない声が漏れた。
 絡み合った指先まで、鋭い痺れが広がっていく。

 田島さんは唇で艶めかしい音を立てて、脇腹からお腹へと熱を這わせなぞる。
 そのたびに私の胸は大きく波打って、無意識に太腿を擦り合わせていた。
 熱を帯びた目で見つめられ、彼の手がハーフパンツを下ろした。

 こんなに触れられても、触れて欲しい場所には届かない。
 身体も心も、もどかしい。
 何かが、決定的に足りなかった。
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