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第二章 触れ合うたび深くなる
四話 溺れはじめる二人 ※
「……梓さん、怒ってるわけじゃないよね?」
狼狽を隠し切れない田島さんの問いに、私は首を横に振った。
「怒ってなんかないです」
微熱のような余韻が、身体の奥に残っていた。
田島さんのたくましい胸から脇腹にかけて、
焦らすように指先を這わせる。
ただ求められて肌を重ね、お互いの体温を交換し合う。
過去の乾ききった経験では決して得られなかった、奇跡みたいな幸福。
「私……普通のセックスがどういうものか知らない。
でも、田島さんとなら……きっと」
田島さんの喉がゴクリと大きく動き、目の縁が赤く染まって、
私の唇を貪るように塞いできた。
「嫌だったら、絶対に嫌って言う。だから、来て、田島さん」
彼と重なっていた脚を、ゆっくりと誘うように開いた。
この人と深みに溺れてしまいたい。
今まで私を壊れものに触れるように扱っていた腕が、
逃げ場を奪うように、腰も背中も折れそうなほど、
強い力で抱きしめてきた。
「あ……っ……」
荒い呼吸とともに、でたらめな口づけが顔、喉、胸元へ降り注ぐ。
私の名前を、乞うように、縋るように、
何度も熱い吐息とともに零した。
汗ばんだ田島さんの背中に指を立て、爪を食い込ませ、
伸ばしたつま先で、彼の脚をすっとなぞる。
腰と腰が密着し、逃げ場がない。
下腹部が甘く疼き、肩で息をしながら彼と見つめ合っていた。
「辛かったら、絶対に……」
「……田島さんって、本当に優しい」
まだ私のことを心配している彼に、
言葉にできない感情がこみ上げた。
引き締まった強靭な身体の奥に、
臆病なくらいの優しさが潜んでいる。
田島さんの首に腕を回して、耳元で囁いた。
「あなたは……私に、嫌なことなんてしない。信じてるから」
そう言った瞬間、私と田島さんの理性が同時に崩壊した。
吸い付くような深い口づけ。
彼の質量を伴った熱が、有無を言わせぬ確実さで、
私の柔らかい内側へ沈み込んでくる。
「……っ、……あ」
丁寧に解きほぐされていた場所が、彼の昂ぶりで、
一寸の隙間もなく埋め尽くされていく。
内壁を擦り上げ、広げ、私の奥の奥まで暴いていく。
完全に繋がり、奥まで突き当たったところで、
田島さんの動きがぴたりと止まった。
ずっと欠けていたものが、ようやく与えられた。
そんな満ち足りた感覚。
身体ごとすべて、田島さんに呑み込まれていく。
繋がった場所から広がる熱で思考は鈍くぼやけ、
私はただ彼の乱れた呼吸を浴びていた。
額を合わせて視線も交わらないほどの至近距離で、
ひとつの生き物になったかのように深く溶け合う。
吐息を漏らすたびに、喉元までせり上がった熱が、
繋がった場所をひりひりと疼かせる。
動いてほしいのか、このまま閉じ込めておきたいのか、
自分でも制御できない本能が、内壁をきゅっと収縮させ、
彼を逃さないように締め付けた。
身体の内側で疼きが主張して、腰が無意識に揺れる。
「……痛くないか?」
「ん……痛くない……。田島さんは……?」
「平気……でもない。……違う意味で、やばい」
凛々しい眉を苦しげにひそめ、
潤んだ目で射抜くように見つめられた。
田島さんは私の奥まで埋め尽くして動きを止めた。
繋がっている場所の拍動が、じんじんと伝わってくる。
触れている皮膚のすべて、粘膜のひだのすべてが、
彼の熱を吸い取ろうと蠢いている。
ひと思いに突き上げられたら、
そのまま壊れてしまうかもしれない
——そんな恐怖を孕んだ期待が、下腹部を甘く痺れさせた。
そのたびに、田島さんは喉の奥から
低いうめき声を漏らした。
彼のその反応が、私の脳を直接揺さぶり、
形だけの羞恥心は吹き飛んでしまった。
私ははしたないほどに開いた脚で、
彼のたくましい腰に絡みつく。
田島さんは私の指先を強く握りしめた。
「……もう……限界だ」
狼狽を隠し切れない田島さんの問いに、私は首を横に振った。
「怒ってなんかないです」
微熱のような余韻が、身体の奥に残っていた。
田島さんのたくましい胸から脇腹にかけて、
焦らすように指先を這わせる。
ただ求められて肌を重ね、お互いの体温を交換し合う。
過去の乾ききった経験では決して得られなかった、奇跡みたいな幸福。
「私……普通のセックスがどういうものか知らない。
でも、田島さんとなら……きっと」
田島さんの喉がゴクリと大きく動き、目の縁が赤く染まって、
私の唇を貪るように塞いできた。
「嫌だったら、絶対に嫌って言う。だから、来て、田島さん」
彼と重なっていた脚を、ゆっくりと誘うように開いた。
この人と深みに溺れてしまいたい。
今まで私を壊れものに触れるように扱っていた腕が、
逃げ場を奪うように、腰も背中も折れそうなほど、
強い力で抱きしめてきた。
「あ……っ……」
荒い呼吸とともに、でたらめな口づけが顔、喉、胸元へ降り注ぐ。
私の名前を、乞うように、縋るように、
何度も熱い吐息とともに零した。
汗ばんだ田島さんの背中に指を立て、爪を食い込ませ、
伸ばしたつま先で、彼の脚をすっとなぞる。
腰と腰が密着し、逃げ場がない。
下腹部が甘く疼き、肩で息をしながら彼と見つめ合っていた。
「辛かったら、絶対に……」
「……田島さんって、本当に優しい」
まだ私のことを心配している彼に、
言葉にできない感情がこみ上げた。
引き締まった強靭な身体の奥に、
臆病なくらいの優しさが潜んでいる。
田島さんの首に腕を回して、耳元で囁いた。
「あなたは……私に、嫌なことなんてしない。信じてるから」
そう言った瞬間、私と田島さんの理性が同時に崩壊した。
吸い付くような深い口づけ。
彼の質量を伴った熱が、有無を言わせぬ確実さで、
私の柔らかい内側へ沈み込んでくる。
「……っ、……あ」
丁寧に解きほぐされていた場所が、彼の昂ぶりで、
一寸の隙間もなく埋め尽くされていく。
内壁を擦り上げ、広げ、私の奥の奥まで暴いていく。
完全に繋がり、奥まで突き当たったところで、
田島さんの動きがぴたりと止まった。
ずっと欠けていたものが、ようやく与えられた。
そんな満ち足りた感覚。
身体ごとすべて、田島さんに呑み込まれていく。
繋がった場所から広がる熱で思考は鈍くぼやけ、
私はただ彼の乱れた呼吸を浴びていた。
額を合わせて視線も交わらないほどの至近距離で、
ひとつの生き物になったかのように深く溶け合う。
吐息を漏らすたびに、喉元までせり上がった熱が、
繋がった場所をひりひりと疼かせる。
動いてほしいのか、このまま閉じ込めておきたいのか、
自分でも制御できない本能が、内壁をきゅっと収縮させ、
彼を逃さないように締め付けた。
身体の内側で疼きが主張して、腰が無意識に揺れる。
「……痛くないか?」
「ん……痛くない……。田島さんは……?」
「平気……でもない。……違う意味で、やばい」
凛々しい眉を苦しげにひそめ、
潤んだ目で射抜くように見つめられた。
田島さんは私の奥まで埋め尽くして動きを止めた。
繋がっている場所の拍動が、じんじんと伝わってくる。
触れている皮膚のすべて、粘膜のひだのすべてが、
彼の熱を吸い取ろうと蠢いている。
ひと思いに突き上げられたら、
そのまま壊れてしまうかもしれない
——そんな恐怖を孕んだ期待が、下腹部を甘く痺れさせた。
そのたびに、田島さんは喉の奥から
低いうめき声を漏らした。
彼のその反応が、私の脳を直接揺さぶり、
形だけの羞恥心は吹き飛んでしまった。
私ははしたないほどに開いた脚で、
彼のたくましい腰に絡みつく。
田島さんは私の指先を強く握りしめた。
「……もう……限界だ」
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