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第三章 近づく未来、深まる愛
三話 彼が甘える昼下がり
「梓、ごめん!」
フローリングの上に正座して、拓巳さんはいきなり土下座してきた。
まだ微熱があるような、気怠い身体を彼に起こしてもらって、私は壁にもたれている。
「……土下座なんてやめて。ちょっとびっくりしたけど、私は怒ってないから」
「でも……でも……、帰ってくるなり梓を無理やり襲うなんて、俺最低だ……」
私はずりずりと拓巳さんの側まで移動して、土下座したままの彼の背中に頭を乗せた。
「無理やり襲われたなんて思ってないよ。だって私に『いいか?』って聞いてくれたでしょ? 避妊もちゃんとしてくれたし……。それにね……」
まだ申し訳なさそうにしょぼくれている拓巳さんの身体を起こして、耳元で囁いた。
「……拓巳さんが警察官の制服着たままだと、悪いことしてるみたいで……ちょっと興奮しちゃった」
「……梓、それ……ほんとに?」
「本当よ……」
目を見開いて、私を見つめる彼に抱き着いた。
汗やほこりの匂いに混じった彼の匂いが、いつもより濃くてうっとりする。
「身体は大丈夫か? 痛かったり、辛かったりしないか?」
「少しだるいけど私は平気。それより拓巳さん先にシャワー浴びてくる? お腹空いたでしょ?」
ご飯準備しておくから」
「君って人は……。でも……本当にごめん。二度としないから」
拓巳さんにぎゅううっと抱きしめられ、苦しくて背中を軽く叩いた。
「シャワー浴びてくる」と、立ち上がった彼のスラックスの裾を引っ張って、悪戯っぽく言ってみた。
「……またしても……いいよ。時々なら」
珍しく拓巳さんが顔を赤くして、慌てたように浴室へ入っていった。
あまりにも落ち込んでたから、気にしないでほしかったのもある。
正直なことを告白すると、あの制服のまま抱かれる背徳感が癖になりそうで……。
彼に強引に求められる快感を知ってしまったから。
当直明けの拓巳さんの食欲は、相変わらずすごかった。
「美味い……。梓って、ほんとに料理うまいよな」
「料理って言っても、カレーだよ?」
「でも、本当に美味い。いくらでも食べられそう」
前からリクエストされていたカツカレーを作ったら、結局三杯おかわりした。
私は向かいに座って、その豪快な食べっぷりをニコニコしながら見つめている。
こんなに美味しそうに食べてもらえるなんて、作った甲斐があるもの。
「ごちそうさまでした。……ありがとう、梓」
「どういたしまして。お腹いっぱいになった?」
「うん、はち切れそう。でも幸せ」
お皿を片付けようとして、立ち上がった拓巳さんを制した。
「疲れてるでしょ。拓巳さんは休んでて」
「……いや、梓に無理させたから、俺がやる」
「無理なんかしてないよ」
どっちも譲らず、結局一緒に後片付けをした。
私がクッションの上に脚を伸ばして座ると、拓巳さんが隣に腰を下ろして遠慮がちに聞いてきた。
「……なあ、梓、……膝枕してもらっていい?」
「いいよ。どうぞ」
太腿をぽんと叩くと、拓巳さんはゆっくり頭を乗せてくる。
私のほうに顔を向けながら、幸せそうに笑った。
「……ああ……梓の腿、柔らかくて安心する。帰って来たって感じ。いい匂いがするし」
彼の髪を指先でゆったり撫でながら、私は微笑む。
「拓巳さんが、安心できるならよかった。大変な仕事だもんね。気を張って……」
「こんなデカい図体した男を、甘えさせてくれる人がいるって、幸せだよ。……でも、梓が嫌なら言えよ? あと、重かったらどけていいからな?」
「私も拓巳さんに甘えさせてもらってるから……。眠かったら、休んでね」
「ん……。梓……好きだよ……」
しばらく髪を撫でていると、穏やかで規則正しい呼吸に変わる。
身体を折って、拓巳さんの頭にそっと口づけを落とした。
そばに置いていたブランケットを、彼の身体にそっとかける。
少しでも安心して眠れるように、大きな背中や髪をゆっくり撫でながら、彼の寝顔を飽きることなく見つめていた。
フローリングの上に正座して、拓巳さんはいきなり土下座してきた。
まだ微熱があるような、気怠い身体を彼に起こしてもらって、私は壁にもたれている。
「……土下座なんてやめて。ちょっとびっくりしたけど、私は怒ってないから」
「でも……でも……、帰ってくるなり梓を無理やり襲うなんて、俺最低だ……」
私はずりずりと拓巳さんの側まで移動して、土下座したままの彼の背中に頭を乗せた。
「無理やり襲われたなんて思ってないよ。だって私に『いいか?』って聞いてくれたでしょ? 避妊もちゃんとしてくれたし……。それにね……」
まだ申し訳なさそうにしょぼくれている拓巳さんの身体を起こして、耳元で囁いた。
「……拓巳さんが警察官の制服着たままだと、悪いことしてるみたいで……ちょっと興奮しちゃった」
「……梓、それ……ほんとに?」
「本当よ……」
目を見開いて、私を見つめる彼に抱き着いた。
汗やほこりの匂いに混じった彼の匂いが、いつもより濃くてうっとりする。
「身体は大丈夫か? 痛かったり、辛かったりしないか?」
「少しだるいけど私は平気。それより拓巳さん先にシャワー浴びてくる? お腹空いたでしょ?」
ご飯準備しておくから」
「君って人は……。でも……本当にごめん。二度としないから」
拓巳さんにぎゅううっと抱きしめられ、苦しくて背中を軽く叩いた。
「シャワー浴びてくる」と、立ち上がった彼のスラックスの裾を引っ張って、悪戯っぽく言ってみた。
「……またしても……いいよ。時々なら」
珍しく拓巳さんが顔を赤くして、慌てたように浴室へ入っていった。
あまりにも落ち込んでたから、気にしないでほしかったのもある。
正直なことを告白すると、あの制服のまま抱かれる背徳感が癖になりそうで……。
彼に強引に求められる快感を知ってしまったから。
当直明けの拓巳さんの食欲は、相変わらずすごかった。
「美味い……。梓って、ほんとに料理うまいよな」
「料理って言っても、カレーだよ?」
「でも、本当に美味い。いくらでも食べられそう」
前からリクエストされていたカツカレーを作ったら、結局三杯おかわりした。
私は向かいに座って、その豪快な食べっぷりをニコニコしながら見つめている。
こんなに美味しそうに食べてもらえるなんて、作った甲斐があるもの。
「ごちそうさまでした。……ありがとう、梓」
「どういたしまして。お腹いっぱいになった?」
「うん、はち切れそう。でも幸せ」
お皿を片付けようとして、立ち上がった拓巳さんを制した。
「疲れてるでしょ。拓巳さんは休んでて」
「……いや、梓に無理させたから、俺がやる」
「無理なんかしてないよ」
どっちも譲らず、結局一緒に後片付けをした。
私がクッションの上に脚を伸ばして座ると、拓巳さんが隣に腰を下ろして遠慮がちに聞いてきた。
「……なあ、梓、……膝枕してもらっていい?」
「いいよ。どうぞ」
太腿をぽんと叩くと、拓巳さんはゆっくり頭を乗せてくる。
私のほうに顔を向けながら、幸せそうに笑った。
「……ああ……梓の腿、柔らかくて安心する。帰って来たって感じ。いい匂いがするし」
彼の髪を指先でゆったり撫でながら、私は微笑む。
「拓巳さんが、安心できるならよかった。大変な仕事だもんね。気を張って……」
「こんなデカい図体した男を、甘えさせてくれる人がいるって、幸せだよ。……でも、梓が嫌なら言えよ? あと、重かったらどけていいからな?」
「私も拓巳さんに甘えさせてもらってるから……。眠かったら、休んでね」
「ん……。梓……好きだよ……」
しばらく髪を撫でていると、穏やかで規則正しい呼吸に変わる。
身体を折って、拓巳さんの頭にそっと口づけを落とした。
そばに置いていたブランケットを、彼の身体にそっとかける。
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