(完結)お金目当てで噓つきな旦那様には、付き合いきれないので復讐してから婚約破棄します。

アイララ

文字の大きさ
1 / 10

手紙

しおりを挟む
買い物が終わった後、帰る途中で家から誰かが出るのを見た。

「女性……誰かしら?」

家から出てきたのは、見た事も無い女性だった。

私より背が高く、キリッとしたタイプの美人な女性は、堂々と玄関から歩き去って行った。

その姿が見えなくなった後に家へ入り、使用人に今、出ていった女性の事を問い質す。

「奥様、申し訳ございません! 旦那様から彼女の事を話せば、使用人を首にすると言われたのです!」

……彼女は、スリムト様の浮気相手だった。

昼間から堂々と、屋敷に入るなんて非常識が過ぎる。

それにスリムト様も使用人も知っているのに、私だけその事を知らないなんて。

あんなに堂々と屋敷を出ていたのだから、きっと一度や二度の関係ではないのだろう。

「ねぇ、他に隠している事があったら言って頂戴」

「わ、分かりました。実は……彼女から旦那様にコッソリと、手紙を渡す様に言われていまして」

「見せて」

手紙には旦那であるスリムト様への愛の言葉と、子供の世話を頼むという事が書かれていた。

―――――

私の名前はスファニ・マルセーニャ。 

マルセーニャ家の令嬢として、ラッセンドルフ家のスリムト様と結婚する事になった。

スリムト様は本当に美しい方で、令嬢の間での憧れでもある。

そんな人と結婚するという話が父上から来た時は、本当に嬉しかった。

……スリムト様が私への愛から結婚を申し出た、という嘘に気付くまでは。


「初めまして、スリムト様。スファニ・マルセーニャです。不束者ですが、良き妻になれる様に努力しますので宜しくお願い致します」

「そうか、うむ、頼むよ」

スリムト様と初めて出会った時の、無表情でアッサリと言った言葉に、私は少し愕然とした。

けれど、妻として頑張れば振り向いて貰えると思い、私は毎日の様に努力してきた。

……その努力が、全くの無意味だと知る事になったけど。

スリムト様が私と結婚をしたのは、私を愛した訳じゃない。

父上の財産が必要だったから、私と結婚をして財産を手に入れようとしただけだった。

私がその事を知ったのはつい最近の事。

仕事で何日が家を出る事になったスリムト様の為、気持ちよく帰って来れる様に念入りに掃除をしている時だった。

「……手紙? 何かしら?」

机の裏に隠されていた手紙には、私の父上へ送る手紙が入っていた。

普通、父上へ話したい事があるなら私に頼めばいい。

それなのにコッソリと、手紙で伝えようとするなんてどんな内容だろう。

気になって読んでみると、そこに書かれていたのはお金の催促をする内容だった。

帰って来たスリムト様に問い質すと、没落寸前の所を父上に助けられ、自分も借金を帰す為に頑張っていると言ってきた。

……ショックだったけど、それでもまだ希望が持てた。

旦那様が私に振り向かないのは、その余裕も無い程に仕事をしているから。

今を乗り越えばスリムト様も私へ振り向く余裕が出来る、その時までの辛抱だと。

……スリムト様の頑張るという言葉も嘘で、愛人と小作りしていたと知るまでは。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ

Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。 理由は決まって『従妹ライラ様との用事』 誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。 「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」 二人の想いは、重なり合えるのだろうか …… ※他のサイトにも公開しています。

〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····

藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」 ……これは一体、どういう事でしょう? いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。 ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した…… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全6話で完結になります。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

冷遇された没落姫は、風に乗せて真実を詠う ─残り香の檻─

あとりえむ
恋愛
「お前の練る香など、埃と同じだ」 没落した名家の姫・瑠璃は、冷酷な夫・道隆に蔑まれ、極寒の離れに追いやられていた。夫の隣には、贅を尽くした香料を纏う愛人の明子。 しかし道隆は知らなかった。瑠璃が魂を削って練り上げた香は、焚く者の心根を映し出す「真実の鏡」であることを。 瑠璃が最後に残した香の種を、明子が盗み出し、手柄を偽って帝の前で焚き上げた瞬間。美しき夢は、獣の死臭が漂う地獄へと変貌する。 「この香りの主を探せ。これほど澄み切った魂が、この都に在るはずだ」 絶望の淵で放たれた一筋の香りに導かれ、孤独な東宮が泥の中に咲く白蓮を見つけ出す。 嘘と虚飾にまみれた貴族社会を、ひとりの調香師が浄化する、雅やかな逆転劇。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

【完結】離縁されたので実家には戻らずに自由にさせて貰います!

山葵
恋愛
「キリア、俺と離縁してくれ。ライラの御腹には俺の子が居る。産まれてくる子を庶子としたくない。お前に子供が授からなかったのも悪いのだ。慰謝料は払うから、離婚届にサインをして出て行ってくれ!」 夫のカイロは、自分の横にライラさんを座らせ、向かいに座る私に離婚届を差し出した。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

処理中です...