鬼は宝を手に入れる

とある小さな村の村長の息子、真緒は、村はずれにある座敷牢に幼いころから閉じ込められていた。
かつて村を護った赤鬼が村娘との間に作った子供を祖先に持つ村長一族には、時折血のような赤い髪の子供が生まれる。先祖返りである彼らはいるだけで村を繫栄させてくれるが、成人を迎えた年に赤鬼の祠に捧げなければ一転村に災いを呼び込むようになると言い伝えられていた。
産まれた時から目も覚めるような赤髪を生やしていた真緒も早々に座敷牢に放りこまれてから、最低限の世話だけをされて生きている。家族からすらも疎まれ碌に顔を合わすことのない真緒が唯一信頼する人間は、どこからか流れてきた傀というよそ者の使用人だけ。
彼との会話と彼が持ってくる本だけを楽しみに過ごす真緒であるが、その生活も残りわずか。厄介払い……いや、生贄になる真緒が成人する日も間近に迫っていたのだ。
生贄にならなければ、村に降りかかる災いは静まらない。傀の幸せを願う真緒は逃げ出そうと誘う傀の言葉を拒否し、祠へ向かうことを決意するが……。

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流れ者の孤児の青年×閉じ込められて生きてきた生贄の青年 のBLです。途中受けが襲われそうになるシーンがあります。
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