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リシャルドのお迎え
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昼食後の議会見学を終えた私たちはアルラニ宮殿に戻り、大広間へと向かった。今宵は宮殿で果実酒の試飲会が行われることになっており、それに参加するためである。
ちなみに今日は、私もリシャルドも蔓草模様の入った服を選ばなかった。蔓草はアルラニの伝統ある模様であるため、おそらくクラーラもドレスを入手できたのだろう。そう思った私たちは、比較的珍しい柄の服を選んだのだった。
「ふふ、さすがにこれで被ることはないんじゃないかな」
リシャルドが選んだのは、森を自由に飛び回る小鳥と草花の刺繍が袖に施されたアルラニ製の夜会服であった。アルラニは自然豊かな国なので、動植物を描いた刺繍のデザインがとても多いのである。
「ティアも、とっても似合ってるよ」
「……っ、ありがとうございます」
そして私は、野イチゴの刺繍が施されたドレスを着ていた。アルラニではちょうど今イチゴが収穫される時期なので、それにちなんで選んだのだ。布地も落ち着いたボルドー色なので、悪目立ちすることもない。やはり私には、こういった地味な服装の方がしっくり来るのだった。
「とはいえ、今日は立食形式か……席数が決まっていないと言う意味では、少し心配だな」
リシャルドが言った言葉の意味を、私はすぐさま理解した。
晩餐会やお茶会などの席数があらかじめ決まっているイベントでは、飛び入りで参加することはできない。しかし、昨夜の夜会と同じく立食形式の場合は、主催者の了承が得られれば、飛び入りで参加が可能だ。
つまりは……クラーラが来てしまえば、彼女も参加できてしまうのである。
まだ広間に招待客が集まり始めたところであり、アルラニ国王の乾杯すら行われていない。しかし、私の気分はすでに最悪なところまで落ちていたのだった。
「顔色が悪いね。一旦、部屋で休憩するかい?」
「い、いえ……お構いなく」
「あ、いたいた! おねえさま!」
可愛らしい声に振り向くと、なんとイェジィが駆け寄って来たのだった。
「おねえさま、会いたかった!」
元気よく脚元に抱きついてきたイェジィを受け止めたものの、私は驚いて彼に問うた。
「イェジィ、どうしてここに?」
「こら、イェジィ。広間を走ってはいけません」
見ると、イェジィの後を追って義父上と義母上もやって来たのだった。
「父上たちも、招待されていたのですか?」
「いや、二人の視察の邪魔にならないように、本当は来る予定ではなかったんだ。……ただ、今日アルラニの国王陛下からご連絡をいただいてね。急遽参加することにしたんだ」
察するに、アルラニ国王は昨夜の夜会での一件を義両親に伝えて、呼んでくれたのだろう。クラーラと会った時のことを考えて不安だったが、皆がいてくれるのは、とても心強く感じられた。
「夫婦水入らずのところにお邪魔してごめんなさいね。でも、イェジィも寂しがってたのよ」
「ふふっ、そうだったのね。寂しくさせてごめんね」
まん丸で可愛いらしい頬を撫でると、イェジィは照れたように笑った。今日は動物のポシェットを連れていないものの、彼の胸元にはリンゴを食べるサルのブローチが着けられていたのだった。
「おサルさんのブローチ、とってもお似合いよ、イェジィ」
「えへへっ」
「それにしても……酒の試飲会ですが、イェジィは大丈夫なのですか?」
「ええ。お酒の他にジュースや炭酸水も用意してるって国王陛下から事前に伺ってるから問題ないわ」
今宵の試飲会は、アルラニの特産品である果実酒を宣伝することが目的であった。しかしアルラニでは果実を使ったジュースも有名なため、それも振る舞われるようだった。
「さすがに、目の前に両親がいる状態で、声はかけられないでしょう」
「ははっ、間違いない」
「イェジィ、最初のドリンクは何がいい? 色んなジュースがあるみたいよ」
「わあい、やったあ!」
和やかな空気が流れ始めたちょうどその時、宮殿のメイドがリシャルドに声をかけたのだった。
「ご歓談中失礼します。リシャルド王子殿下、少しよろしいですか?」
「ああ、構わないよ」
メイドが何やら深刻そうな表情で、リシャルドに耳打ちした。すると彼は、あからさまに眉をひそめたのだった。
「……分かったよ、伝言ご苦労」
そう言ってから、リシャルドは広間を見回した。そして何かに目を留めてから、口を開いたのだった。
「父上、母上、少し席を外しますので、ユスティアのことをお願いできますか?」
「ええ、もちろんよ。でも、どうしたの?」
「少し急用ができまして。では」
そう言って、リシャルドは招待客の中に紛れて姿を消してしまったのだった。
「どなたか、お知り合いでも見つけたのかしら?」
「そうかもしれないな」
一杯目の飲み物を選びながら、私たちはリシャルドを待つことにしたのだった。
+
平和な空気が一変したのは、国王陛下の乾杯を直前に控えていた時だった。
『リシャルドが、飛び入りでやって来たクラーラを馬車まで迎えに行ったらしい』
招待客たちが、そんな噂話をしているのを耳にしてしまったのである。
夜会など夜の行事に女性が一人で参加することは、基本的に有り得ない。例外的に参加する場合は、顔見知りの男性客にエスコートしてもらって、会場まで来るのが一般的だ。おそらく、クラーラはそのエスコート役にリシャルドを指名したのだろう。
「ユスティア、大丈夫よ。そんな一大事なら、私たちへの相談もなしに出て行くはずがないもの」
義母上はそう言ってくれたものの、リシャルドは戻って来ない。彼がクラーラと腕を組んでいるのを想像するだけで、私は膝から崩れ落ちてしまいそうになっていた。
すると広間の扉が開いて、会場入りする二人の人影が遠目に見えたのだった。
リシャルド様……!
……が、しかし。リシャルドが腕を組んでエスコートしていたのは、クラーラではなかった。
代わりに連れていたのは、彼の従姉妹であり、ハリースト第一王女のモニカであった。そして二人は、そのまま私たちの方へ歩いて来たのだった。
「久しぶりね、ユスティア」
「お、お久しぶりです」
「ごめんね、リシャルドを借りちゃって。本当は家族全員で来る予定だったんだけど、うちのチビ二人が急に熱を出しちゃって……」
「あらあら」
モニカには、イェジィの一つ下の双子の弟妹がいる。どうやら彼らが、熱を出してしまったようだ。
「体調悪くなると、父上と母上にべったりになるから……チビ二人をお留守番させるのも可哀想だから、私だけ代表で来たのよ」
「そうだったんですね」
使用人を連れているとはいえ、彼女だけで夜道を歩かせるなんて心配だ。ならば、親戚であるリシャルドが迎えに行くのもごく自然な話だ。それに、モニカはよく知った人なので、疑わしいことは何も無い。
「本当に、ごめんなさい」
「ふふっ、どうかお気になさらないでくださいな」
「二人とも、乾杯のドリンクは何にする? もうすぐ始まるわよ」
先程までの不安は、すっかり消えていた。そして私は、晴れやかな気持ちで乾杯を迎えたのだった。
+次は0:12更新予定。
ついに、リシャルドの本性が明らかに……?
可愛いバラには刺があるとは言うけれども、美貌の王子が甘く優しい仮面の裏に隠しているのは……?
どうぞ、お楽しみに♡
ちなみに今日は、私もリシャルドも蔓草模様の入った服を選ばなかった。蔓草はアルラニの伝統ある模様であるため、おそらくクラーラもドレスを入手できたのだろう。そう思った私たちは、比較的珍しい柄の服を選んだのだった。
「ふふ、さすがにこれで被ることはないんじゃないかな」
リシャルドが選んだのは、森を自由に飛び回る小鳥と草花の刺繍が袖に施されたアルラニ製の夜会服であった。アルラニは自然豊かな国なので、動植物を描いた刺繍のデザインがとても多いのである。
「ティアも、とっても似合ってるよ」
「……っ、ありがとうございます」
そして私は、野イチゴの刺繍が施されたドレスを着ていた。アルラニではちょうど今イチゴが収穫される時期なので、それにちなんで選んだのだ。布地も落ち着いたボルドー色なので、悪目立ちすることもない。やはり私には、こういった地味な服装の方がしっくり来るのだった。
「とはいえ、今日は立食形式か……席数が決まっていないと言う意味では、少し心配だな」
リシャルドが言った言葉の意味を、私はすぐさま理解した。
晩餐会やお茶会などの席数があらかじめ決まっているイベントでは、飛び入りで参加することはできない。しかし、昨夜の夜会と同じく立食形式の場合は、主催者の了承が得られれば、飛び入りで参加が可能だ。
つまりは……クラーラが来てしまえば、彼女も参加できてしまうのである。
まだ広間に招待客が集まり始めたところであり、アルラニ国王の乾杯すら行われていない。しかし、私の気分はすでに最悪なところまで落ちていたのだった。
「顔色が悪いね。一旦、部屋で休憩するかい?」
「い、いえ……お構いなく」
「あ、いたいた! おねえさま!」
可愛らしい声に振り向くと、なんとイェジィが駆け寄って来たのだった。
「おねえさま、会いたかった!」
元気よく脚元に抱きついてきたイェジィを受け止めたものの、私は驚いて彼に問うた。
「イェジィ、どうしてここに?」
「こら、イェジィ。広間を走ってはいけません」
見ると、イェジィの後を追って義父上と義母上もやって来たのだった。
「父上たちも、招待されていたのですか?」
「いや、二人の視察の邪魔にならないように、本当は来る予定ではなかったんだ。……ただ、今日アルラニの国王陛下からご連絡をいただいてね。急遽参加することにしたんだ」
察するに、アルラニ国王は昨夜の夜会での一件を義両親に伝えて、呼んでくれたのだろう。クラーラと会った時のことを考えて不安だったが、皆がいてくれるのは、とても心強く感じられた。
「夫婦水入らずのところにお邪魔してごめんなさいね。でも、イェジィも寂しがってたのよ」
「ふふっ、そうだったのね。寂しくさせてごめんね」
まん丸で可愛いらしい頬を撫でると、イェジィは照れたように笑った。今日は動物のポシェットを連れていないものの、彼の胸元にはリンゴを食べるサルのブローチが着けられていたのだった。
「おサルさんのブローチ、とってもお似合いよ、イェジィ」
「えへへっ」
「それにしても……酒の試飲会ですが、イェジィは大丈夫なのですか?」
「ええ。お酒の他にジュースや炭酸水も用意してるって国王陛下から事前に伺ってるから問題ないわ」
今宵の試飲会は、アルラニの特産品である果実酒を宣伝することが目的であった。しかしアルラニでは果実を使ったジュースも有名なため、それも振る舞われるようだった。
「さすがに、目の前に両親がいる状態で、声はかけられないでしょう」
「ははっ、間違いない」
「イェジィ、最初のドリンクは何がいい? 色んなジュースがあるみたいよ」
「わあい、やったあ!」
和やかな空気が流れ始めたちょうどその時、宮殿のメイドがリシャルドに声をかけたのだった。
「ご歓談中失礼します。リシャルド王子殿下、少しよろしいですか?」
「ああ、構わないよ」
メイドが何やら深刻そうな表情で、リシャルドに耳打ちした。すると彼は、あからさまに眉をひそめたのだった。
「……分かったよ、伝言ご苦労」
そう言ってから、リシャルドは広間を見回した。そして何かに目を留めてから、口を開いたのだった。
「父上、母上、少し席を外しますので、ユスティアのことをお願いできますか?」
「ええ、もちろんよ。でも、どうしたの?」
「少し急用ができまして。では」
そう言って、リシャルドは招待客の中に紛れて姿を消してしまったのだった。
「どなたか、お知り合いでも見つけたのかしら?」
「そうかもしれないな」
一杯目の飲み物を選びながら、私たちはリシャルドを待つことにしたのだった。
+
平和な空気が一変したのは、国王陛下の乾杯を直前に控えていた時だった。
『リシャルドが、飛び入りでやって来たクラーラを馬車まで迎えに行ったらしい』
招待客たちが、そんな噂話をしているのを耳にしてしまったのである。
夜会など夜の行事に女性が一人で参加することは、基本的に有り得ない。例外的に参加する場合は、顔見知りの男性客にエスコートしてもらって、会場まで来るのが一般的だ。おそらく、クラーラはそのエスコート役にリシャルドを指名したのだろう。
「ユスティア、大丈夫よ。そんな一大事なら、私たちへの相談もなしに出て行くはずがないもの」
義母上はそう言ってくれたものの、リシャルドは戻って来ない。彼がクラーラと腕を組んでいるのを想像するだけで、私は膝から崩れ落ちてしまいそうになっていた。
すると広間の扉が開いて、会場入りする二人の人影が遠目に見えたのだった。
リシャルド様……!
……が、しかし。リシャルドが腕を組んでエスコートしていたのは、クラーラではなかった。
代わりに連れていたのは、彼の従姉妹であり、ハリースト第一王女のモニカであった。そして二人は、そのまま私たちの方へ歩いて来たのだった。
「久しぶりね、ユスティア」
「お、お久しぶりです」
「ごめんね、リシャルドを借りちゃって。本当は家族全員で来る予定だったんだけど、うちのチビ二人が急に熱を出しちゃって……」
「あらあら」
モニカには、イェジィの一つ下の双子の弟妹がいる。どうやら彼らが、熱を出してしまったようだ。
「体調悪くなると、父上と母上にべったりになるから……チビ二人をお留守番させるのも可哀想だから、私だけ代表で来たのよ」
「そうだったんですね」
使用人を連れているとはいえ、彼女だけで夜道を歩かせるなんて心配だ。ならば、親戚であるリシャルドが迎えに行くのもごく自然な話だ。それに、モニカはよく知った人なので、疑わしいことは何も無い。
「本当に、ごめんなさい」
「ふふっ、どうかお気になさらないでくださいな」
「二人とも、乾杯のドリンクは何にする? もうすぐ始まるわよ」
先程までの不安は、すっかり消えていた。そして私は、晴れやかな気持ちで乾杯を迎えたのだった。
+次は0:12更新予定。
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