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レイノアの亡霊編
第141話 新たな問題
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「よく来てくれた」
国防大臣執務室。
ブロドリックが迎え入れたのは、今や新生レイノア誕生に大きく貢献し、ヒーローのような扱いを受けているエインだった。
「本日は時間をいただき、ありがとうございます」
「いやいや、ワシとしてもお主とは一度じっくり話をしたいと思っておったのじゃ」
来客用のソファに腰をかけると、ブロドリックが話し始める。
「最初に――このたびの不祥事について謝罪をさせてほしい。本当にすまなかった」
深々と頭を下げたブロドリックに対して、エインは慌てたように手を振り、
「そんな! ブロドリック大臣が謝ることなど!」
「……本来なら、もっと早くに気づいておくべきじゃった。――そもそも、領地譲渡という話が突拍子もなく浮上した時点で怪しむべきだったのじゃ。このアーロム・ブロドリック、一生の不覚!」
当時、スウィーニーがまとめたレイノア領地譲渡の交渉結果は、人々に喜びと賛辞をもって迎えられた。
長年の懸案事項であった食料自給率の低下に歯止めをかけるだけでなく、農業従事者として新しい職を得る者も増える――現に、レイノアの領地が返還されるにあたって、農業従事者として暮らしていくことを決めていた者たちの再就職先の斡旋に、外交局はほとほと手を焼いていた。
「農地改革は食糧問題だけでなく、新しく職に就くことで貧困層の減少や治安安定という役割を担うはずじゃった」
「それが流れたことで、次なる手を早急に打たねばならない、と」
「うむ……レフティは就任早々に正念場がやってきてしまったな。我ら国防局でも、手伝えることはやっていくつもりじゃが」
業務内容がかなり異なる外交局と国防局では、やれることに制限がつく場面が多くなりそうではあるが、それでも、何かしらの形で彼らのバックアップをしていきたいとブロドリックは語った。
「そういえば、スウィーニーの容態は?」
「医者の見立てではそう長くないらしい。恐らく、ここ数日が山場となろう」
「数日……」
「仮に、なんとか峠を越えて一命をとりとめたとしても、軽くはない後遺症が残る可能性が高いそうだ」
「…………」
不正に領地を奪った許せぬ男ではあるが、あれでも元同期。
エインの胸中は複雑であった。
「では、裁判の方も……」
「トリストンが捕らえた獣人族たちと司法取引をしてすべてを吐き出させたからのぅ。もし健在であったとしても、死罪になっておったかもしれないな」
どのみち、スウィーニーに長生きは不可能だったということだ。
「……スウィーニーには、裁判を通して罪の重さを知り、誠心誠意、自らの犯した過ちを償ってもらいたい――などと、最初は考えていましたが、こうして再びレイノアの地を取り戻すことができた今は、少しでも早く、かつてのような賑やかさを取り戻したいという一心に変わっています」
「それでよい。歩いても足踏みをしていても靴は傷む――ならば、少しでも前へ進むために歩き出すの方が賢明というものじゃ」
「そうですね……」
そう言ったエイン――どうにも、その表情が冴えないように映った。
「他に、何か気になることがあるのか?」
「はい。……むしろ、私としてはここからが本題です」
「ほう……」
てっきり、スウィーニーの詳細な情報を知りに来たのだとばかり思っていたが、違っていたようだ。すでにエインの中でスウィーニーは死んでいる。彼の思考は次なる課題に向けられていた。――そして、その課題とやらはどうもハルヴァにも大いに関係が深そうだ。
「フォレルガという団体のリーダーを務めているフライア・ベルナールという女性を知っていますね?」
「ああ。彼女のことならよく知っておる。レイノアの農地整備はそのフォレルガにお願いしていたからな。舞踏会にも招待した」
「そのフライア・ベルナールですが……彼女の正体はバジタキスという小国の王族だったメリナ姫です」
「何!?」
バジタキスといえば、レイノアの他に領地の不正譲渡疑惑がもたれている国だ。ただ、レイノアとは違い、すでに王族はひとり残らず絶えてしまい、旧領地は現在竜騎士団の演習場として使われている。
ブロドリックも、今の演習場が旧バジタキス領地であることは承知していた。直接面識はなかったが、メリナ姫という名にも聞き覚えはあった。
「彼女は名を変え、環境保護活動を名目に何やら情報を集めているようでした。人質として彼女と話した際、話してくれました」
「なぜ、フライア――いや、メリナ姫はそのような活動を?」
「恐らく……黒幕は別にいます」
「そう言うからには、黒幕とやらの見当はついておるのだな?」
「はい。――ランスロー王子です」
「なんじゃと!?」
再び大声をあげて驚くブロドリック。
ランスロー王子といえば、公式に死亡扱いとなっていたはずだから無理もない。
「彼は死んだはずでは!?」
「違います。当時、ダリス女王が禁竜教を立ち上げた際、ランスロー王子はその動きに反発して城を出て行ったのです。メリダ姫とシャルルペトラもついて行き、メリナ姫の方は死亡扱いとなっています」
「シャルルペトラはまだわかるとして、なぜメリナ姫がついて行ったのじゃ?」
「彼女とランスロー王子は婚約していました。まだ内々の話でしたので、公表はされていませんでしたが」
「! そんな裏事情があったとはな」
「まさか王子が家出したなどと公表できるわけもなく、外交への影響を強く懸念したジャービス・バクスターの指示でやむなく死亡扱いとし、葬儀を行ったそうです」
その件については、エインも真実を知ったのはつい最近のことであった。
「実は、スウィーニーとの交渉中に、彼が王子について気になることを言っていたのです」
「……スウィーニーは、ランスロー王子が生きていたことを知っていたのか」
「どこでその情報を入手したかまでは特定できませんでしたが……その時のスウィーニーの話では、ランスロー王子は廃界へ向かったと」
「廃界? なぜあんな場所に?」
ブロドリックの表情が明らかに変わった。
「いくら竜人族のシャルルペトラが同行しているとはいえ、1匹だけでは死にに行くようなものじゃぞ。一体、何をしに行ったんじゃ……」
「考えられる可能性はただひとつ――《彼女》に会いに行ったと思われます」
「…………」
エインの言う《彼女》――ブロドリックも、廃界という単語を耳にするとすぐにその男の存在が脳裏をよぎった。だが、
「生きているかもハッキリせんようなヤツに会うため、わざわざ死地へと足を踏み入れたというのか……」
「そのことなのですが」
さらに付け足すエイン。
「ランスロー王子と思しき人物との交戦記録を拝見させていただいたのですが……その際、一緒にいたのがシャルルペトラではなく、シャルルペトラによく似たナインレウスという竜人族だっというのが気になります」
「ナインレウス……相手の能力を奪う竜人族じゃったな」
「もしかしたら、シャルルペトラの身に何かあったのかもしれません。彼女は私に竜王選戦の詳細を教えてくれた……もしかしたら、すでに巻き込まれている可能性もあります」
かつて、レイノアの孤児院でジーナやカルムと同じく孤児としてやってきたシャルルと生活を共にしていたエインは、王子もそうだがシャルルの安否も気になっていた。
そして――竜王選戦。
メア、ノエル、トリストンと、たった1ヶ月ちょっとの間に竜人族が3匹も増えたハルヴァにとって、それは切り離せない問題だ。
「……ランスロー王子の件――一部の者以外にはまだ伏せておいた方がよさそうじゃな。こちらでも可能な限り情報は集めておく。もちろん、国王にも報告はしておくが」
「構いません。そうしていただけると助かります」
両者の会談はここで終了。
エインは続いてレフティと会談するため、外交局大臣執務室へと向かった。
「ふぅ……」
終わったと思った途端にまた新たな問題。
息をつく暇もないようで少し気が滅入った。
そこへ、追い打ちをかけるように、
「ブロドリック大臣!」
秘書のビリーが駆け込んでくる。
「相変わらずやかましい男じゃな。もう少し静かに入れんのか?」
「これを見たらそんなお小言なんて吹っ飛んじゃいますよ!」
そう言って、ビリーは両手いっぱいに抱えた書類をブロドリックの執務机に叩きつける。
「な、なんじゃこの量は。何かの請求書か?」
「違いますよ。これ全部――タカミネ・ソータ宛ての手紙なんです」
「何? なぜソータ宛ての手紙がここへ届くんじゃ?」
「リンスウッド・ファームは彼が来るまでハルヴァで最小規模の牧場でしたからね。書類を送ろうにも場所がわからず、やむなくこちらへ送って来たのでしょう。とりあえず、ひとつ読んでみてください」
「ふむ……」
他人の書類を読むのは気が引けたが、あまりにも数が多いことからその内容を確認しておく必要がありそうだと判断し、一枚の紙を手にして読み進めると、
「まさか……これ全部同じ内容か?」
「はい。そのまさかです。送り主は違いますが、書かれていることは全部同じです」
ビリーの言葉に、ブロドリックは絶句。
こうなっては、
「ビリーよ。――今すぐここへソータを呼んで来い」
本人を呼び出すしかなかった。
国防大臣執務室。
ブロドリックが迎え入れたのは、今や新生レイノア誕生に大きく貢献し、ヒーローのような扱いを受けているエインだった。
「本日は時間をいただき、ありがとうございます」
「いやいや、ワシとしてもお主とは一度じっくり話をしたいと思っておったのじゃ」
来客用のソファに腰をかけると、ブロドリックが話し始める。
「最初に――このたびの不祥事について謝罪をさせてほしい。本当にすまなかった」
深々と頭を下げたブロドリックに対して、エインは慌てたように手を振り、
「そんな! ブロドリック大臣が謝ることなど!」
「……本来なら、もっと早くに気づいておくべきじゃった。――そもそも、領地譲渡という話が突拍子もなく浮上した時点で怪しむべきだったのじゃ。このアーロム・ブロドリック、一生の不覚!」
当時、スウィーニーがまとめたレイノア領地譲渡の交渉結果は、人々に喜びと賛辞をもって迎えられた。
長年の懸案事項であった食料自給率の低下に歯止めをかけるだけでなく、農業従事者として新しい職を得る者も増える――現に、レイノアの領地が返還されるにあたって、農業従事者として暮らしていくことを決めていた者たちの再就職先の斡旋に、外交局はほとほと手を焼いていた。
「農地改革は食糧問題だけでなく、新しく職に就くことで貧困層の減少や治安安定という役割を担うはずじゃった」
「それが流れたことで、次なる手を早急に打たねばならない、と」
「うむ……レフティは就任早々に正念場がやってきてしまったな。我ら国防局でも、手伝えることはやっていくつもりじゃが」
業務内容がかなり異なる外交局と国防局では、やれることに制限がつく場面が多くなりそうではあるが、それでも、何かしらの形で彼らのバックアップをしていきたいとブロドリックは語った。
「そういえば、スウィーニーの容態は?」
「医者の見立てではそう長くないらしい。恐らく、ここ数日が山場となろう」
「数日……」
「仮に、なんとか峠を越えて一命をとりとめたとしても、軽くはない後遺症が残る可能性が高いそうだ」
「…………」
不正に領地を奪った許せぬ男ではあるが、あれでも元同期。
エインの胸中は複雑であった。
「では、裁判の方も……」
「トリストンが捕らえた獣人族たちと司法取引をしてすべてを吐き出させたからのぅ。もし健在であったとしても、死罪になっておったかもしれないな」
どのみち、スウィーニーに長生きは不可能だったということだ。
「……スウィーニーには、裁判を通して罪の重さを知り、誠心誠意、自らの犯した過ちを償ってもらいたい――などと、最初は考えていましたが、こうして再びレイノアの地を取り戻すことができた今は、少しでも早く、かつてのような賑やかさを取り戻したいという一心に変わっています」
「それでよい。歩いても足踏みをしていても靴は傷む――ならば、少しでも前へ進むために歩き出すの方が賢明というものじゃ」
「そうですね……」
そう言ったエイン――どうにも、その表情が冴えないように映った。
「他に、何か気になることがあるのか?」
「はい。……むしろ、私としてはここからが本題です」
「ほう……」
てっきり、スウィーニーの詳細な情報を知りに来たのだとばかり思っていたが、違っていたようだ。すでにエインの中でスウィーニーは死んでいる。彼の思考は次なる課題に向けられていた。――そして、その課題とやらはどうもハルヴァにも大いに関係が深そうだ。
「フォレルガという団体のリーダーを務めているフライア・ベルナールという女性を知っていますね?」
「ああ。彼女のことならよく知っておる。レイノアの農地整備はそのフォレルガにお願いしていたからな。舞踏会にも招待した」
「そのフライア・ベルナールですが……彼女の正体はバジタキスという小国の王族だったメリナ姫です」
「何!?」
バジタキスといえば、レイノアの他に領地の不正譲渡疑惑がもたれている国だ。ただ、レイノアとは違い、すでに王族はひとり残らず絶えてしまい、旧領地は現在竜騎士団の演習場として使われている。
ブロドリックも、今の演習場が旧バジタキス領地であることは承知していた。直接面識はなかったが、メリナ姫という名にも聞き覚えはあった。
「彼女は名を変え、環境保護活動を名目に何やら情報を集めているようでした。人質として彼女と話した際、話してくれました」
「なぜ、フライア――いや、メリナ姫はそのような活動を?」
「恐らく……黒幕は別にいます」
「そう言うからには、黒幕とやらの見当はついておるのだな?」
「はい。――ランスロー王子です」
「なんじゃと!?」
再び大声をあげて驚くブロドリック。
ランスロー王子といえば、公式に死亡扱いとなっていたはずだから無理もない。
「彼は死んだはずでは!?」
「違います。当時、ダリス女王が禁竜教を立ち上げた際、ランスロー王子はその動きに反発して城を出て行ったのです。メリダ姫とシャルルペトラもついて行き、メリナ姫の方は死亡扱いとなっています」
「シャルルペトラはまだわかるとして、なぜメリナ姫がついて行ったのじゃ?」
「彼女とランスロー王子は婚約していました。まだ内々の話でしたので、公表はされていませんでしたが」
「! そんな裏事情があったとはな」
「まさか王子が家出したなどと公表できるわけもなく、外交への影響を強く懸念したジャービス・バクスターの指示でやむなく死亡扱いとし、葬儀を行ったそうです」
その件については、エインも真実を知ったのはつい最近のことであった。
「実は、スウィーニーとの交渉中に、彼が王子について気になることを言っていたのです」
「……スウィーニーは、ランスロー王子が生きていたことを知っていたのか」
「どこでその情報を入手したかまでは特定できませんでしたが……その時のスウィーニーの話では、ランスロー王子は廃界へ向かったと」
「廃界? なぜあんな場所に?」
ブロドリックの表情が明らかに変わった。
「いくら竜人族のシャルルペトラが同行しているとはいえ、1匹だけでは死にに行くようなものじゃぞ。一体、何をしに行ったんじゃ……」
「考えられる可能性はただひとつ――《彼女》に会いに行ったと思われます」
「…………」
エインの言う《彼女》――ブロドリックも、廃界という単語を耳にするとすぐにその男の存在が脳裏をよぎった。だが、
「生きているかもハッキリせんようなヤツに会うため、わざわざ死地へと足を踏み入れたというのか……」
「そのことなのですが」
さらに付け足すエイン。
「ランスロー王子と思しき人物との交戦記録を拝見させていただいたのですが……その際、一緒にいたのがシャルルペトラではなく、シャルルペトラによく似たナインレウスという竜人族だっというのが気になります」
「ナインレウス……相手の能力を奪う竜人族じゃったな」
「もしかしたら、シャルルペトラの身に何かあったのかもしれません。彼女は私に竜王選戦の詳細を教えてくれた……もしかしたら、すでに巻き込まれている可能性もあります」
かつて、レイノアの孤児院でジーナやカルムと同じく孤児としてやってきたシャルルと生活を共にしていたエインは、王子もそうだがシャルルの安否も気になっていた。
そして――竜王選戦。
メア、ノエル、トリストンと、たった1ヶ月ちょっとの間に竜人族が3匹も増えたハルヴァにとって、それは切り離せない問題だ。
「……ランスロー王子の件――一部の者以外にはまだ伏せておいた方がよさそうじゃな。こちらでも可能な限り情報は集めておく。もちろん、国王にも報告はしておくが」
「構いません。そうしていただけると助かります」
両者の会談はここで終了。
エインは続いてレフティと会談するため、外交局大臣執務室へと向かった。
「ふぅ……」
終わったと思った途端にまた新たな問題。
息をつく暇もないようで少し気が滅入った。
そこへ、追い打ちをかけるように、
「ブロドリック大臣!」
秘書のビリーが駆け込んでくる。
「相変わらずやかましい男じゃな。もう少し静かに入れんのか?」
「これを見たらそんなお小言なんて吹っ飛んじゃいますよ!」
そう言って、ビリーは両手いっぱいに抱えた書類をブロドリックの執務机に叩きつける。
「な、なんじゃこの量は。何かの請求書か?」
「違いますよ。これ全部――タカミネ・ソータ宛ての手紙なんです」
「何? なぜソータ宛ての手紙がここへ届くんじゃ?」
「リンスウッド・ファームは彼が来るまでハルヴァで最小規模の牧場でしたからね。書類を送ろうにも場所がわからず、やむなくこちらへ送って来たのでしょう。とりあえず、ひとつ読んでみてください」
「ふむ……」
他人の書類を読むのは気が引けたが、あまりにも数が多いことからその内容を確認しておく必要がありそうだと判断し、一枚の紙を手にして読み進めると、
「まさか……これ全部同じ内容か?」
「はい。そのまさかです。送り主は違いますが、書かれていることは全部同じです」
ビリーの言葉に、ブロドリックは絶句。
こうなっては、
「ビリーよ。――今すぐここへソータを呼んで来い」
本人を呼び出すしかなかった。
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