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2巻
2-2
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†
すでに、すっかり夜となっている。
パジル村への距離が近づいてくると、だんだんと賑やかな声や音楽が聞こえてきた。
「お? やっているな」
俺がいつ合流できるのか、その詳しい時間は分からなかったので、「準備ができ次第、宴会を始めてもらって構わない」と告げておいた。
この様子だとかなり盛り上がっているようだな。
森を抜けて村へたどり着くと、村人はみんな笑顔で宴会を楽しんでいた。
よく見ると、その輪の中にウェンデルとジャクリーヌとクレールの姿もあった。
俺を発見したパトリシアが駆け寄ってくる。
「あっ! 先生!」
「楽しんでいるようだな」
「はい! 先生の方はどうでしたか? グローバーさんと連絡は取れました?」
「グローバーにはきちんと村づくりについて伝えておいたよ。後日、こちらに建築資材や人材を送ってくれるそうだ」
「じゃあ、村づくりは――」
「それらが到着次第、すぐに取りかかる」
「分かりました! 全力で頑張ります!」
パトリシアは元気よく返事をし、いつもの明るい笑みを見せた。彼女も、村づくりがいかに重要かということは分かっているらしい。
「先生~!」
そうこうしていると、イムが俺の腕にしがみついてくる。
「おっと。どうしたんだ、イム」
「そうです! なぜ腕に抱きつく必要があるんですか! その明確な理由を詳細に説明してください!」
「落ち着きなさい、パトリシア」
とりあえず、興奮するパトリシアをなだめながら、イムに離れるように伝える。
ふたりには申し訳ないが……なんというか、まるで子犬みたいだな。
その時、俺たちへ近づく影がふたつ。
「先生、お疲れさまです」
「先に始めさせていただきましたわ」
パトリシアたちと比べると、ウェンデルとジャクリーヌはさすがに落ち着いているな。
年齢もふたりに比べたら五歳くらい上だし、当然といえば当然か。
しかし、その立ち振る舞いはパトリシアとイムに大きな影響を与えているようで――
「「…………」」
特に言葉を発してはいないが、憧れの眼差しでウェンデルたちをジッと見つめるパトリシアとイム。
このふたりにとって、ウェンデルたちは、俺とは違った方向からアプローチできる先生になりそうだな。
さて、そんなウェンデルとジャクリーヌにも、グローバーから伝えられた村づくりの件を話しておくか。
――ただ、近隣国で起きたという騒動については、伏せておくことにした。
何がどう関与しているのか、その詳細な情報が分からない以上、余計な心配をかけたくない。
ただ、この先、エストラーダ王国に危機が訪れるとなったら……移住し国民となった俺たちも黙ってはいられない。しかるべき対応をしなければ。
そんな風に考えていると、ジャクリーヌが声をかけてきた。
「オーリン先生、難しい顔をされていますよ?」
「む? おっと、すまない」
「先生、何かあったら僕たちにも相談してくださいね。あの頃よりはいろいろと経験も積んでいますし、きっとお役に立てるはずです」
「助かるよ、ウェンデル」
ギアディス王国では黄金世代と呼ばれ、国の中枢を担う存在だったふたりが力を貸してくれるなら、これ以上に心強いことはない。
「おっ? オーリン先生がいらしたぞ!」
「さあ、先生、どうぞこちらに!」
俺が来たことが広まり、村人が続々と集まってきた。
そういえば、彼らと島の未来について語る約束をしていたんだったな。
「さあ、先生も一緒に宴会を楽しみましょう?」
「早くしないと、せっかくの料理が冷めてしまいます!」
「そうだよ、先生!」
「あと、クレールさんが意外と食べるので、なくなってしまう心配もあります」
村人たちからそんな風に、口々に声をかけられる。
「ははは、分かったよ」
やれやれ……今日の宴会は騒がしくなりそうだ。
第3話 勝敗の行方
「なんてザマだ……」
眉間にシワを寄せたブリッツはそう吐き捨てた。
視線の先には、戦いを終えて戻ってきたギアディス王国の騎士の列がある――だが、その騎士たちの表情は冴えない。
当然だ。
戦いの結果は、言い訳のできない見事な完敗。
万全を期したはずが、遥か格下の小国デハートにしてやられる結果となり、騎士たちは失意に肩を落としていた。
ギアディスの戦史に残る、まさに歴史的な敗北だ。
原因は明白。
実戦での経験が皆無に等しい者を多く送り込み、彼らのやらかしの尻拭いをしている間に攻め込まれたのだ。
それだけではない。
デハート王国の領土は山岳地帯が多く、相手はその地の利を活かした攻めを繰り出し、ギアディスの兵を大いに苦しめた。
一方、ギアディス側にはなんの対抗策もなく、ただ無謀に攻めては押し返されるといった行為の連続――しまいには大幅に戦力を減らし、撤退せざるを得ない状況となってしまったのである。
「ひどい有り様だな」
ブリッツの横で同じく帰還した騎士を眺めている同僚の口調は、憐れむようなものだった。
もちろん、ただ勢いだけで乗りきろうとする浅はかな考えに振り回された者たちへ向けられた言葉だ。
「純粋な戦力差だけを考慮すれば、どう転んでも負けはなかったのに……ブリッツの予想通りになったな」
ブリッツは無言のまま、思いを巡らせる。
だからこそ、王家の人間もこの敗戦は予想外だったはず。
肝を冷やしているのは、忖度まみれの成績をつけた学園関係者だろう。
今回の戦線には、本来力不足であるにもかかわらず、学園から優秀な成績であると偽りの評価を受けた貴族の子女たちが、多く参加していた。
その中にはオーリンの学園追放のきっかけとなった、ローズ学園長の息子――カイル・アリアロードも含まれている。
オーリン以外の教師は、学園長からの叱責を恐れ、貴族へ恩を売るような形で実力のない者に最高の成績を与えた。
そんな実態を把握していない者たちが、学園の生徒たちの中に最強の天才世代が誕生したと勘違いし、彼らで結成した部隊によって戦争を仕掛けるまでに至ったのだ。
しかもカイルはといえば、部隊長の地位まで与えられている。
その結果が、この情けない姿であった。
「今回の敗戦……国王陛下はさぞお怒りだろう」
「最初から勝機などない、負けるべくして負けた戦いだ。むしろあれだけの数が生きて戻ってきたことは、奇跡に近い」
結果としては完膚なきまでの敗北。
だが、当初ブリッツが予想していた被害よりも少なく終わったのは、ひとりでも多くの騎士を無駄死にさせまいと尽力したベテランたちの功績だ。
「一体なんのための戦争なんだ……」
「こんなものは戦争とは呼べない。ただのごっこ遊びだ」
「お、おい、聞こえるとまずいぞ」
「聞かせてやればいいさ」
ブリッツはそう言って踵を返すと足早にその場を去った。
目的地は騎士団の詰め所。
そこで、騎士団長に抗議をするつもりだった。
さすがに今回の件で懲りただろう。
貴族の私物と化しつつある騎士団が本来の役割を果たせるよう、きっと働きかけてくれるはず。
――だが、そんなブリッツの希望はあっさりと打ち砕かれた。
「……今、なんと?」
団長を訪ねると、「ちょうど君を呼ぼうと思っていた」とのことだった。
――が、その内容はブリッツが望んでいたものとは正反対だった。
「次の戦闘では君にも出てもらうつもりでいる」
「俺が……?」
「カイル隊長直々のご指名だ。史上最年少で聖騎士の称号を得た君なら、どんな不利な状況でもそれを覆せるだろう」
「っ!?」
その名を聞くと虫唾が走る――喉元まで出かかった言葉だが、ブリッツはこれをグッとこらえた。
今回の大戦犯である男。そして、自分の恩師の追放のきっかけとなった張本人。
そんな人間が自分を尻拭い役に指名したのだ。これほどの侮辱は生まれて初めてだった。
そんな無能な男の下につくなど、断じて受け入れることができない。
ブリッツは何も言わず、飛び出すように団長室をあとにした。
大雨が降る中、びしょ濡れになりながら王都をさまよう。
「俺は……」
何もかもが嫌になった。
いっそ、すべてを忘れ去りたいと思うほどに。
そう考えながら当てもなく歩き続けていると、正面から女性が近づいてくる。
「ブリッツ!? どうしたの!?」
偶然通りかかったエリーゼが駆け寄ってきた。
エリーゼは憔悴しきっているブリッツを見て、何があったのかをすぐに察した。
「ねぇ、ブリッツ。……一週間後に大聖堂へ来て」
「えっ?」
「いいから。話したいことがあるの」
「……ああ、分かった。必ず行くよ」
力なく、ブリッツはそう返事をしたのだった。
第4話 村づくり、開始
俺――オーリンと、パトリシア、イム、クレールのラウシュ島調査団。そこにウェンデルとジャクリーヌが加わり、合計六人となった。
エストラーダ王国では、グローバーが中心となってラウシュ島へ投入する資材や人材の用意をしている。
パジル村の人とは良好な関係を築けているので、それらが届き次第、村づくりに挑める環境が出来上がっていた。
今日はその新しい村となる予定地へやってきた。
この前も見たわけだが、今回はもう少し計画を詰めるために建設予定図を描くつもりだ。
「素晴らしい土地ですね」
到着早々、クレールは全身に陽光を浴びて伸びをしている。
そのあとから、ウェンデルとジャクリーヌがやってきた。
「海から近いけど、これだけ高ければ津波の心配はなさそうですわね」
「川が近いというのもいいですね」
さすがは俺のもとでたくさんの野外授業をこなしてきた卒業生たち。教えたポイントをしっかり覚えているな。
「ねぇ、パトリシア。あの大きな木の近くにあたしたちの家をつくろうよ」
「いいですけど……って、あたしたちとは? 一緒に住むんですか?」
「ダメ?」
「うぐっ……そ、その目は反則ですよ……」
パトリシアとイムは早くも自分たちが住む家の場所を決めていた。
イムはどうやらふたりで住むつもりらしいが、パトリシアの方はまだちょっと悩んでいるように見える。というかしきりにこちらをチラチラ見つめているが……助けを求めているのか?
「オーリン先生」
「ん?」
パトリシアたちの方へ行こうとしたちょうどその時、クレールが声をかけてきた。
「どうかしたのか?」
「いえ、その……オーリン先生もここに住むんですよね?」
「当然だ」
「だったら、私と一緒に暮らしませんか?」
「え?」
いや、それはさすがにまずいと思う。
この提案にはウェンデルとジャクリーヌも……あれ?
なんか想像していた反応と違うな。
ふたりとも「それはそれであり」みたいな顔をしている。
その横ではイムが目をパチクリとさせ、パトリシアがこの世の終わりみたいな表情を浮かべていた。
――パトリシアやイムの教育上、俺とクレールが同じ家で暮らすのはちょっと問題だろう。
俺は断りの理由を、やんわりとクレールに伝える。
結果、残念そうにはしていたが、なんとかクレールには受け入れてもらえた。
「それにしても、本当に不思議な島ですね」
クレールとの会話が終わると、次はウェンデルが口を開いた。
「これだけ大きい島が目と鼻の先にあるというのに、エストラーダ王国はどうして今まで手をつけなかったんでしょうか。それらしい理由は言っていましたけど……正直、それだけで諦めるとは思えないのですが」
「どうだろうなぁ……ただ、港町を見ると、少なくとも先代国王が何かしら手を打とうとしていた痕跡はある」
「ですが、現国王はそれを知らないようでしたわ」
ウェンデルとの会話に、ジャクリーヌも参加する。
それは、俺も気になっている点だった。
あと、気がかりなことは、この島の大きさだ。
地図などから大体の大きさは把握しているつもりでいたが、実際に島内を歩き回ってみると、その三倍は広く感じる。
これだけの規模になってくると、今のメンバーだけでは対応しきれない……エストラーダ王国で募集しているという調査団の新たな人材が到着するまでは、このメンツでやれる範囲をしっかり調べていこう。
「よし。昼飯を食べたら周辺を調査してみるか」
俺の呼びかけに、みんなは「はい!」と元気よく返事をしてくれた。
そして、昼食後。
新たに村をつくる場所の周辺に何が存在しているのか、その詳細な情報を集めるために調査を開始した。
相変わらず鬱蒼と木々が広がっているものの、それ以外にこれといっておかしな点は発見できない。
「モンスターの類は見当たりませんわね」
「そのようだな」
ジャクリーヌが探知魔法を使って調べたが、どうやら脅威となる存在はいないようだ。
ただ、何か違和感を覚えたようで、
「本当に……不思議な島ですわね」
ボソッとそう呟いた。
「君もそう思うか」
「えぇ……なんというか、うまく表現できないのですが……あえて言うなら、地上にあるダンジョンとでも言いましょうか」
「地上にあるダンジョン、か。いや、なかなか的確だと思うよ」
的確どころか、思わず唸ってしまうくらいピッタリな表現だ。
この島には多くの謎がちりばめられている。
前に発見したあの難破船は、結局、どこからやってきて、なんの目的があって、この島を目指したのか。座礁しているところを見ると、もしかしたら偶然ここへたどり着いた可能性もあるが……それなら、船員はどうなったのだろう。
そして、島を調査したと思われる痕跡の数々。
エストラーダの先代国王は、港町をつくっていた。そこまでやっていたのなら、この島に調査団を送るか、あるいは移住を考えていたとしてもおかしくはない。
問題は、なぜそれを中止したのか。
あの港町は、なぜ活用されなかったのか。
パジル村と交流をしなかったのはなぜか。
今となってはその関係者がいるのかいないのか、それすらハッキリしない。
グローバーが過去の書物などを読み返して先代国王の思惑を探っているが、今のところはこれといった情報がない。
「ラウシュ島……あまりに謎が多すぎるな」
「ひとつひとつ解明していくしかありませんわね」
「あぁ……やれやれ。忙しくなるぞ」
「そういう割には嬉しそうですわね」
「そうか?」
まあ、実際楽しみではある。
考古学に造詣が深いとは言いがたいが、前々から興味は持っていた。著名な考古学者が記したとされる、世界中の遺跡を紹介する書物は今も愛読している。
ジャクリーヌはそのことを知っているから、あっさり嬉しそうだと見抜いたのかな。
「それにしても、先代国王は、なぜ自分の息子にも黙ってこの島を調査しようとしたのでしょうか」
「もっと言えば……なぜ途中で放棄したのかって謎も含まれるな」
俺とジャクリーヌがあれこれ議論を交わしていると、
「きゃっ!?」
突然、パトリシアの悲鳴が聞こえた。
「パトリシア!?」
俺はジャクリーヌを連れ、急いで彼女のもとへ向かう。
「あっ、先生……」
俺が見たのは――近くの小川で水遊びをしている途中、誤って転んでしまい、ビショビショに濡れてしまったパトリシアの姿だった。
「怪我はないか!?」
「だ、大丈夫ですよ」
パトリシアに駆け寄って、足の状態をチェック……うん。本人が言うように、ひどい怪我はなさそうでひと安心だ。
「気をつけるんだぞ」
「は、はい……」
む、失敗した。
心配になるあまり少し語気が強くなって、パトリシアを落ち込ませてしまったようだ。
「先生も一緒に水浴びしようよ! 冷たくて気持ちいいよ!」
そんな状況を知ってか知らずか、イムは元気よくはしゃいでいる。
「まったく……しょうがないな。ウェンデル」
「は、はい!」
「そんなところで見てないで、加勢してくれ」
「分かりました!」
俺は見学をしていたウェンデルを自軍へ引き入れ、水をかけてくるイムに応戦する。
だが、イムもクレールとジャクリーヌを加えて万全の態勢で俺たちを迎え撃った。
結局その日は、夕方になるまで小川で遊んでしまったのだった。
†
予定地周辺の調査を始めて数日が経った。
俺たちは不審な点や危険な場所がないか調べつつ、村をつくる上で必要になる下準備をできる限り進めていく。
その間の食料については、大陸から送られてくる物資に加え、森で採れる木の実や果物、野生動物の肉、さらには畑で収穫した野菜や海釣りで得た魚など、バリエーションが豊富で飽きがこなかった。
調査の途中、俺は先日発生したデハートへの侵攻事件についてグローバーから情報を送ってもらうことにした。
それによると、あれ以降目立った動きはないようだが……楽観視はできない。
あの手の連中は、きっとまた仕掛けてくる。
グローバーの話では、指揮系統がだいぶお粗末だったようだが……何かトラブルがあったのかもしれない。油断は禁物だと、グローバーにも伝えておいた。
すでに、すっかり夜となっている。
パジル村への距離が近づいてくると、だんだんと賑やかな声や音楽が聞こえてきた。
「お? やっているな」
俺がいつ合流できるのか、その詳しい時間は分からなかったので、「準備ができ次第、宴会を始めてもらって構わない」と告げておいた。
この様子だとかなり盛り上がっているようだな。
森を抜けて村へたどり着くと、村人はみんな笑顔で宴会を楽しんでいた。
よく見ると、その輪の中にウェンデルとジャクリーヌとクレールの姿もあった。
俺を発見したパトリシアが駆け寄ってくる。
「あっ! 先生!」
「楽しんでいるようだな」
「はい! 先生の方はどうでしたか? グローバーさんと連絡は取れました?」
「グローバーにはきちんと村づくりについて伝えておいたよ。後日、こちらに建築資材や人材を送ってくれるそうだ」
「じゃあ、村づくりは――」
「それらが到着次第、すぐに取りかかる」
「分かりました! 全力で頑張ります!」
パトリシアは元気よく返事をし、いつもの明るい笑みを見せた。彼女も、村づくりがいかに重要かということは分かっているらしい。
「先生~!」
そうこうしていると、イムが俺の腕にしがみついてくる。
「おっと。どうしたんだ、イム」
「そうです! なぜ腕に抱きつく必要があるんですか! その明確な理由を詳細に説明してください!」
「落ち着きなさい、パトリシア」
とりあえず、興奮するパトリシアをなだめながら、イムに離れるように伝える。
ふたりには申し訳ないが……なんというか、まるで子犬みたいだな。
その時、俺たちへ近づく影がふたつ。
「先生、お疲れさまです」
「先に始めさせていただきましたわ」
パトリシアたちと比べると、ウェンデルとジャクリーヌはさすがに落ち着いているな。
年齢もふたりに比べたら五歳くらい上だし、当然といえば当然か。
しかし、その立ち振る舞いはパトリシアとイムに大きな影響を与えているようで――
「「…………」」
特に言葉を発してはいないが、憧れの眼差しでウェンデルたちをジッと見つめるパトリシアとイム。
このふたりにとって、ウェンデルたちは、俺とは違った方向からアプローチできる先生になりそうだな。
さて、そんなウェンデルとジャクリーヌにも、グローバーから伝えられた村づくりの件を話しておくか。
――ただ、近隣国で起きたという騒動については、伏せておくことにした。
何がどう関与しているのか、その詳細な情報が分からない以上、余計な心配をかけたくない。
ただ、この先、エストラーダ王国に危機が訪れるとなったら……移住し国民となった俺たちも黙ってはいられない。しかるべき対応をしなければ。
そんな風に考えていると、ジャクリーヌが声をかけてきた。
「オーリン先生、難しい顔をされていますよ?」
「む? おっと、すまない」
「先生、何かあったら僕たちにも相談してくださいね。あの頃よりはいろいろと経験も積んでいますし、きっとお役に立てるはずです」
「助かるよ、ウェンデル」
ギアディス王国では黄金世代と呼ばれ、国の中枢を担う存在だったふたりが力を貸してくれるなら、これ以上に心強いことはない。
「おっ? オーリン先生がいらしたぞ!」
「さあ、先生、どうぞこちらに!」
俺が来たことが広まり、村人が続々と集まってきた。
そういえば、彼らと島の未来について語る約束をしていたんだったな。
「さあ、先生も一緒に宴会を楽しみましょう?」
「早くしないと、せっかくの料理が冷めてしまいます!」
「そうだよ、先生!」
「あと、クレールさんが意外と食べるので、なくなってしまう心配もあります」
村人たちからそんな風に、口々に声をかけられる。
「ははは、分かったよ」
やれやれ……今日の宴会は騒がしくなりそうだ。
第3話 勝敗の行方
「なんてザマだ……」
眉間にシワを寄せたブリッツはそう吐き捨てた。
視線の先には、戦いを終えて戻ってきたギアディス王国の騎士の列がある――だが、その騎士たちの表情は冴えない。
当然だ。
戦いの結果は、言い訳のできない見事な完敗。
万全を期したはずが、遥か格下の小国デハートにしてやられる結果となり、騎士たちは失意に肩を落としていた。
ギアディスの戦史に残る、まさに歴史的な敗北だ。
原因は明白。
実戦での経験が皆無に等しい者を多く送り込み、彼らのやらかしの尻拭いをしている間に攻め込まれたのだ。
それだけではない。
デハート王国の領土は山岳地帯が多く、相手はその地の利を活かした攻めを繰り出し、ギアディスの兵を大いに苦しめた。
一方、ギアディス側にはなんの対抗策もなく、ただ無謀に攻めては押し返されるといった行為の連続――しまいには大幅に戦力を減らし、撤退せざるを得ない状況となってしまったのである。
「ひどい有り様だな」
ブリッツの横で同じく帰還した騎士を眺めている同僚の口調は、憐れむようなものだった。
もちろん、ただ勢いだけで乗りきろうとする浅はかな考えに振り回された者たちへ向けられた言葉だ。
「純粋な戦力差だけを考慮すれば、どう転んでも負けはなかったのに……ブリッツの予想通りになったな」
ブリッツは無言のまま、思いを巡らせる。
だからこそ、王家の人間もこの敗戦は予想外だったはず。
肝を冷やしているのは、忖度まみれの成績をつけた学園関係者だろう。
今回の戦線には、本来力不足であるにもかかわらず、学園から優秀な成績であると偽りの評価を受けた貴族の子女たちが、多く参加していた。
その中にはオーリンの学園追放のきっかけとなった、ローズ学園長の息子――カイル・アリアロードも含まれている。
オーリン以外の教師は、学園長からの叱責を恐れ、貴族へ恩を売るような形で実力のない者に最高の成績を与えた。
そんな実態を把握していない者たちが、学園の生徒たちの中に最強の天才世代が誕生したと勘違いし、彼らで結成した部隊によって戦争を仕掛けるまでに至ったのだ。
しかもカイルはといえば、部隊長の地位まで与えられている。
その結果が、この情けない姿であった。
「今回の敗戦……国王陛下はさぞお怒りだろう」
「最初から勝機などない、負けるべくして負けた戦いだ。むしろあれだけの数が生きて戻ってきたことは、奇跡に近い」
結果としては完膚なきまでの敗北。
だが、当初ブリッツが予想していた被害よりも少なく終わったのは、ひとりでも多くの騎士を無駄死にさせまいと尽力したベテランたちの功績だ。
「一体なんのための戦争なんだ……」
「こんなものは戦争とは呼べない。ただのごっこ遊びだ」
「お、おい、聞こえるとまずいぞ」
「聞かせてやればいいさ」
ブリッツはそう言って踵を返すと足早にその場を去った。
目的地は騎士団の詰め所。
そこで、騎士団長に抗議をするつもりだった。
さすがに今回の件で懲りただろう。
貴族の私物と化しつつある騎士団が本来の役割を果たせるよう、きっと働きかけてくれるはず。
――だが、そんなブリッツの希望はあっさりと打ち砕かれた。
「……今、なんと?」
団長を訪ねると、「ちょうど君を呼ぼうと思っていた」とのことだった。
――が、その内容はブリッツが望んでいたものとは正反対だった。
「次の戦闘では君にも出てもらうつもりでいる」
「俺が……?」
「カイル隊長直々のご指名だ。史上最年少で聖騎士の称号を得た君なら、どんな不利な状況でもそれを覆せるだろう」
「っ!?」
その名を聞くと虫唾が走る――喉元まで出かかった言葉だが、ブリッツはこれをグッとこらえた。
今回の大戦犯である男。そして、自分の恩師の追放のきっかけとなった張本人。
そんな人間が自分を尻拭い役に指名したのだ。これほどの侮辱は生まれて初めてだった。
そんな無能な男の下につくなど、断じて受け入れることができない。
ブリッツは何も言わず、飛び出すように団長室をあとにした。
大雨が降る中、びしょ濡れになりながら王都をさまよう。
「俺は……」
何もかもが嫌になった。
いっそ、すべてを忘れ去りたいと思うほどに。
そう考えながら当てもなく歩き続けていると、正面から女性が近づいてくる。
「ブリッツ!? どうしたの!?」
偶然通りかかったエリーゼが駆け寄ってきた。
エリーゼは憔悴しきっているブリッツを見て、何があったのかをすぐに察した。
「ねぇ、ブリッツ。……一週間後に大聖堂へ来て」
「えっ?」
「いいから。話したいことがあるの」
「……ああ、分かった。必ず行くよ」
力なく、ブリッツはそう返事をしたのだった。
第4話 村づくり、開始
俺――オーリンと、パトリシア、イム、クレールのラウシュ島調査団。そこにウェンデルとジャクリーヌが加わり、合計六人となった。
エストラーダ王国では、グローバーが中心となってラウシュ島へ投入する資材や人材の用意をしている。
パジル村の人とは良好な関係を築けているので、それらが届き次第、村づくりに挑める環境が出来上がっていた。
今日はその新しい村となる予定地へやってきた。
この前も見たわけだが、今回はもう少し計画を詰めるために建設予定図を描くつもりだ。
「素晴らしい土地ですね」
到着早々、クレールは全身に陽光を浴びて伸びをしている。
そのあとから、ウェンデルとジャクリーヌがやってきた。
「海から近いけど、これだけ高ければ津波の心配はなさそうですわね」
「川が近いというのもいいですね」
さすがは俺のもとでたくさんの野外授業をこなしてきた卒業生たち。教えたポイントをしっかり覚えているな。
「ねぇ、パトリシア。あの大きな木の近くにあたしたちの家をつくろうよ」
「いいですけど……って、あたしたちとは? 一緒に住むんですか?」
「ダメ?」
「うぐっ……そ、その目は反則ですよ……」
パトリシアとイムは早くも自分たちが住む家の場所を決めていた。
イムはどうやらふたりで住むつもりらしいが、パトリシアの方はまだちょっと悩んでいるように見える。というかしきりにこちらをチラチラ見つめているが……助けを求めているのか?
「オーリン先生」
「ん?」
パトリシアたちの方へ行こうとしたちょうどその時、クレールが声をかけてきた。
「どうかしたのか?」
「いえ、その……オーリン先生もここに住むんですよね?」
「当然だ」
「だったら、私と一緒に暮らしませんか?」
「え?」
いや、それはさすがにまずいと思う。
この提案にはウェンデルとジャクリーヌも……あれ?
なんか想像していた反応と違うな。
ふたりとも「それはそれであり」みたいな顔をしている。
その横ではイムが目をパチクリとさせ、パトリシアがこの世の終わりみたいな表情を浮かべていた。
――パトリシアやイムの教育上、俺とクレールが同じ家で暮らすのはちょっと問題だろう。
俺は断りの理由を、やんわりとクレールに伝える。
結果、残念そうにはしていたが、なんとかクレールには受け入れてもらえた。
「それにしても、本当に不思議な島ですね」
クレールとの会話が終わると、次はウェンデルが口を開いた。
「これだけ大きい島が目と鼻の先にあるというのに、エストラーダ王国はどうして今まで手をつけなかったんでしょうか。それらしい理由は言っていましたけど……正直、それだけで諦めるとは思えないのですが」
「どうだろうなぁ……ただ、港町を見ると、少なくとも先代国王が何かしら手を打とうとしていた痕跡はある」
「ですが、現国王はそれを知らないようでしたわ」
ウェンデルとの会話に、ジャクリーヌも参加する。
それは、俺も気になっている点だった。
あと、気がかりなことは、この島の大きさだ。
地図などから大体の大きさは把握しているつもりでいたが、実際に島内を歩き回ってみると、その三倍は広く感じる。
これだけの規模になってくると、今のメンバーだけでは対応しきれない……エストラーダ王国で募集しているという調査団の新たな人材が到着するまでは、このメンツでやれる範囲をしっかり調べていこう。
「よし。昼飯を食べたら周辺を調査してみるか」
俺の呼びかけに、みんなは「はい!」と元気よく返事をしてくれた。
そして、昼食後。
新たに村をつくる場所の周辺に何が存在しているのか、その詳細な情報を集めるために調査を開始した。
相変わらず鬱蒼と木々が広がっているものの、それ以外にこれといっておかしな点は発見できない。
「モンスターの類は見当たりませんわね」
「そのようだな」
ジャクリーヌが探知魔法を使って調べたが、どうやら脅威となる存在はいないようだ。
ただ、何か違和感を覚えたようで、
「本当に……不思議な島ですわね」
ボソッとそう呟いた。
「君もそう思うか」
「えぇ……なんというか、うまく表現できないのですが……あえて言うなら、地上にあるダンジョンとでも言いましょうか」
「地上にあるダンジョン、か。いや、なかなか的確だと思うよ」
的確どころか、思わず唸ってしまうくらいピッタリな表現だ。
この島には多くの謎がちりばめられている。
前に発見したあの難破船は、結局、どこからやってきて、なんの目的があって、この島を目指したのか。座礁しているところを見ると、もしかしたら偶然ここへたどり着いた可能性もあるが……それなら、船員はどうなったのだろう。
そして、島を調査したと思われる痕跡の数々。
エストラーダの先代国王は、港町をつくっていた。そこまでやっていたのなら、この島に調査団を送るか、あるいは移住を考えていたとしてもおかしくはない。
問題は、なぜそれを中止したのか。
あの港町は、なぜ活用されなかったのか。
パジル村と交流をしなかったのはなぜか。
今となってはその関係者がいるのかいないのか、それすらハッキリしない。
グローバーが過去の書物などを読み返して先代国王の思惑を探っているが、今のところはこれといった情報がない。
「ラウシュ島……あまりに謎が多すぎるな」
「ひとつひとつ解明していくしかありませんわね」
「あぁ……やれやれ。忙しくなるぞ」
「そういう割には嬉しそうですわね」
「そうか?」
まあ、実際楽しみではある。
考古学に造詣が深いとは言いがたいが、前々から興味は持っていた。著名な考古学者が記したとされる、世界中の遺跡を紹介する書物は今も愛読している。
ジャクリーヌはそのことを知っているから、あっさり嬉しそうだと見抜いたのかな。
「それにしても、先代国王は、なぜ自分の息子にも黙ってこの島を調査しようとしたのでしょうか」
「もっと言えば……なぜ途中で放棄したのかって謎も含まれるな」
俺とジャクリーヌがあれこれ議論を交わしていると、
「きゃっ!?」
突然、パトリシアの悲鳴が聞こえた。
「パトリシア!?」
俺はジャクリーヌを連れ、急いで彼女のもとへ向かう。
「あっ、先生……」
俺が見たのは――近くの小川で水遊びをしている途中、誤って転んでしまい、ビショビショに濡れてしまったパトリシアの姿だった。
「怪我はないか!?」
「だ、大丈夫ですよ」
パトリシアに駆け寄って、足の状態をチェック……うん。本人が言うように、ひどい怪我はなさそうでひと安心だ。
「気をつけるんだぞ」
「は、はい……」
む、失敗した。
心配になるあまり少し語気が強くなって、パトリシアを落ち込ませてしまったようだ。
「先生も一緒に水浴びしようよ! 冷たくて気持ちいいよ!」
そんな状況を知ってか知らずか、イムは元気よくはしゃいでいる。
「まったく……しょうがないな。ウェンデル」
「は、はい!」
「そんなところで見てないで、加勢してくれ」
「分かりました!」
俺は見学をしていたウェンデルを自軍へ引き入れ、水をかけてくるイムに応戦する。
だが、イムもクレールとジャクリーヌを加えて万全の態勢で俺たちを迎え撃った。
結局その日は、夕方になるまで小川で遊んでしまったのだった。
†
予定地周辺の調査を始めて数日が経った。
俺たちは不審な点や危険な場所がないか調べつつ、村をつくる上で必要になる下準備をできる限り進めていく。
その間の食料については、大陸から送られてくる物資に加え、森で採れる木の実や果物、野生動物の肉、さらには畑で収穫した野菜や海釣りで得た魚など、バリエーションが豊富で飽きがこなかった。
調査の途中、俺は先日発生したデハートへの侵攻事件についてグローバーから情報を送ってもらうことにした。
それによると、あれ以降目立った動きはないようだが……楽観視はできない。
あの手の連中は、きっとまた仕掛けてくる。
グローバーの話では、指揮系統がだいぶお粗末だったようだが……何かトラブルがあったのかもしれない。油断は禁物だと、グローバーにも伝えておいた。
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