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第11話 俺の死亡フラグ多すぎない?
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鑑定の儀が終わり、本格的に魔法の修業を始めて一年が経った。
特殊能力《ギフテッド》については少しの間だけ放置しておく。
こいつは基礎をしっかりと叩き込んでからしようと考えている。
それと、ミアから世界の地理、歴史、経済についても授業形式で学ぶつもりだ。
一応は家庭教師として雇っているだけあり、彼女の知識は豊富でおまけにジャンルはバラエティー豊か。
さらに教え方も上手で、とても分かりやすかった。
「――以上で近代史の授業を終わります」
「なかなか興味深い内容だったぞ。説明も分かりやすかった」
「ありがとうございます」
一礼するミア。
最初は少し褒めただけで顎が外れるんじゃないかってくらい大口を開けて驚いていたが、最近は慣れてきたみたいだな。
これは他の使用人たちにも言える。
この一年で俺の評判も少しはマシになっただろう。
もっとも、あくまでも屋敷内にとどまっているので外では未だに爵位と才能を鼻にかけるいけ好かないクソガキって認識が圧倒的に多いはず。
そいつもいずれ覆してやるがな。
「それにしても、歴史を学びたいとは意外でした。以前のあなたは『俺は過去を振り返らん』と言って拒否されたのに」
「興味が湧いたから学んだだけだ」
半分嘘である。
A4ノート五十冊に及ぶ膨大な設定の中にはこの世界の年表も存在しており、俺は未だにその内容を暗記している。
だが、鑑定の儀で世話になった神官をはじめ、この国では原作者である俺が一切関知していない人生《シナリオ》が存在しているのだ。
俺はそれを既定《レギュラー》と独自《オリジナル》の二種類に分けた。
たとえばミアの半生など、俺が設定を考えたものは既定《レギュラー》で、神官の存在や屋敷で働く一部の使用人といった俺が設定を考えていないものは独自《オリジナル》といった具合だ。
これら項目は何も人だけに収まらない。
歴史、地名、流通、外交――魔法の修業に加え、こうした正確な事実を把握しておけば死亡フラグ以外の選択も誤らなくて済む。
ともかくここまで準備は順調に進んだ。
そろそろ次のステップへ移ろうか。
「ミア。悪いが午後からの魔法修業は中止だ」
「えっ? 珍しいですね。体調でも優れませんか? いつもは私がお昼寝をしている時でもスルーして自主鍛錬するのに」
「職務放棄している方がどうかしているだろう」
借金の件があってから逆に図太くなったなぁ、ミアは。
いろいろと吹っ切れたのか?
「で、ホントのところ何があったんです?」
「父上と今後について話をしてくるだけだ」
これもまた死亡フラグ回避には必要だからな。
特殊能力《ギフテッド》については少しの間だけ放置しておく。
こいつは基礎をしっかりと叩き込んでからしようと考えている。
それと、ミアから世界の地理、歴史、経済についても授業形式で学ぶつもりだ。
一応は家庭教師として雇っているだけあり、彼女の知識は豊富でおまけにジャンルはバラエティー豊か。
さらに教え方も上手で、とても分かりやすかった。
「――以上で近代史の授業を終わります」
「なかなか興味深い内容だったぞ。説明も分かりやすかった」
「ありがとうございます」
一礼するミア。
最初は少し褒めただけで顎が外れるんじゃないかってくらい大口を開けて驚いていたが、最近は慣れてきたみたいだな。
これは他の使用人たちにも言える。
この一年で俺の評判も少しはマシになっただろう。
もっとも、あくまでも屋敷内にとどまっているので外では未だに爵位と才能を鼻にかけるいけ好かないクソガキって認識が圧倒的に多いはず。
そいつもいずれ覆してやるがな。
「それにしても、歴史を学びたいとは意外でした。以前のあなたは『俺は過去を振り返らん』と言って拒否されたのに」
「興味が湧いたから学んだだけだ」
半分嘘である。
A4ノート五十冊に及ぶ膨大な設定の中にはこの世界の年表も存在しており、俺は未だにその内容を暗記している。
だが、鑑定の儀で世話になった神官をはじめ、この国では原作者である俺が一切関知していない人生《シナリオ》が存在しているのだ。
俺はそれを既定《レギュラー》と独自《オリジナル》の二種類に分けた。
たとえばミアの半生など、俺が設定を考えたものは既定《レギュラー》で、神官の存在や屋敷で働く一部の使用人といった俺が設定を考えていないものは独自《オリジナル》といった具合だ。
これら項目は何も人だけに収まらない。
歴史、地名、流通、外交――魔法の修業に加え、こうした正確な事実を把握しておけば死亡フラグ以外の選択も誤らなくて済む。
ともかくここまで準備は順調に進んだ。
そろそろ次のステップへ移ろうか。
「ミア。悪いが午後からの魔法修業は中止だ」
「えっ? 珍しいですね。体調でも優れませんか? いつもは私がお昼寝をしている時でもスルーして自主鍛錬するのに」
「職務放棄している方がどうかしているだろう」
借金の件があってから逆に図太くなったなぁ、ミアは。
いろいろと吹っ切れたのか?
「で、ホントのところ何があったんです?」
「父上と今後について話をしてくるだけだ」
これもまた死亡フラグ回避には必要だからな。
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