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しおりを挟む第一章 三流テイマー
いつから俺の人生はこうなってしまったのか。
時々、そんなことを考えてしまう。
思い返してみれば、最初から少しずつ歯車は狂い始めていたような気がする。
俺――バーツ・フィリオンは、とある冒険者パーティーに所属していた。
冒険者とは、ダンジョンに潜ったり森や街道にいる魔獣を討伐したりして生計を立てる、傭兵のような職業だ。しかし強力なスキルを持っていることや、町の住民とのかかわりも深いことから、危険ではあるが子どもたちの憧れの職業のひとつになっている。
そのパーティーは世間での知名度も高い、いわゆる上位ランクであり、俺は魔獣をテイムするスキルを駆使して、そこで駆け出しテイマーとして冒険者人生をスタートさせた。
俺と契約してくれた四体の魔獣たちはよく懐き、よく働いてくれていた。
これからもっと実績を重ね、世界に羽ばたく冒険者になる。
あの時の俺はそうした向上心に満ち溢れていたし、それが絶対に叶えられるであろうという根拠のない自信があった。まだまだ若かったんだろうなぁ、あの頃は。
しかし、転落はある日突然、何の前触れもなくやってきた。
「言い逃れはできねぇぞ、バーツ」
拠点としている町にある酒場に、リーダーの怒号が轟く。
怒りの矛先は俺だった。
「待ってくれ、リーダー! 俺は金なんか盗んじゃいない! これは何かの間違いだ!」
「だが、おまえのカバンの中から当面の宿代が入った袋が出てきた。これはもう決定的な証拠だろう?」
そう語るリーダーが手にしているのは、紛れもなく俺のカバン。だが、本当に心当たりがないのだ。
「誰かが俺のカバンに忍び込ませたんだ!」
「そうは言うが、みんなはおまえがカバンに入れて持ち去ろうとしていたって証言しているんだよ。だからこうして捕まえてチェックした。その結果、実際に金はあった」
「だからそれは――」
「ったく、パーティーの金に手をつけるなんて見損なったぜ」
「その通りだ。おまえは有望株だったのによぉ」
「とんだ最低野郎だぜ」
仲間たちの声にハッとなって振り返る。
全員がこちらを見てニヤニヤと下卑た笑みを浮かべていた。
――裏切られた。
その真実にはたどり着けたが、それを証明する手立てはない。
俺は完全にハメられたのだ。
「これ以上、見苦しい言い訳なんぞ聞きたくはない。おまえには次期リーダーを任せようと思っていたんだが……失望したよ」
「リ、リーダー!?」
「おら! さっさと失せろ!」
「往生際が悪いんだよ!」
仲間たちは俺の腕を掴むと、そのまま酒場の出口まで引っ張っていき、外へと放り出す。
「二度とその面を俺たちの前に見せるんじゃねぇぞ」
「今度この町で会ったら容赦しねぇからな」
「怪我させずに追い出してやったんだから感謝しろよ」
最後にそう言い捨てて、仲間たちは笑いながら酒場へと戻っていった。
「くそっ……」
服についた泥を払いながら、俺は爆発しそうな悔しさを押し殺す。
……すべて理解した。
名が売れてきた俺をパーティーから追い出すため、数人が共謀して罠にハメたんだ。
そのような卑劣な考えに至る仲間がいるというのも許せなかったが、リーダーがあっさりそれを信じたというのも考えられなかった。
まあ、そのパーティーは後日、内部抗争がさらに激化して消滅したらしいが――似合いの最後と言えるだろう。
ともかく、追い出されたばかりの俺は失意のまま、数日間、行くあてもなく各地をさまよった。
その際、偶然立ち寄った村で、運命の出会いを果たした。
そこには親のいない子どもたちを引き取って育てている教会があった。教会と言っても牧師やシスターはおらず、長年放置されていたその場所を村人たちが総出で修理し、子どもたちのための施設にしたそうだ。
慈善活動になんて特に関心はなかったが、何気なく立ち寄った俺は、そこで人生を立て直そうと思った。
というのも――
「あら、いらっしゃい」
「ど、どうも」
教会で子どもたちを育てている女性――エヴェリンに一目惚れしたのだ。
最初は見た目が好みってところからスタートしたけど、子どもたちを実の母親のように見守る優しい性格や、風邪を引いた子を夜通し看病する献身的な姿に、だんだんと惹かれていった。
なんとか彼女とお近づきになろうとするも、当時まだ女性との交際経験がなかった俺は、どう声をかけたらよいものか、随分と悩んだ。
できれば俺の得意分野でいいところを見せたい。そう考えてたどり着いたのが、教会で暮らしている子どもたちに、テイマーとしての心得を伝授することであった。
他に手が思いつかなかったんだよなぁ……まあ、俺も似たような境遇だし、そういう意味では同情という気持ちもあったかもしれない。いずれにしても、子どもたちの気持ちに少しは寄り添えるだろうとは思ったのだ。
まあ、そこまで本気で取り組んだわけでもなく、惚れた女性を振り向かせるためという動機もあって、ちょっと後ろめたさもあったが。
だが、子どもたちは思いのほか、テイマーという役職に関心を持った。
本能のままに暴れ回る野生の魔獣とは違い、賢くて人間を助けてくれるテイムされた魔獣は、子どもたちにとって、種族の異なる友達のように感じたのかもしれない。
とはいえ、いきなり魔獣を従えるのは難しいので、俺が教えたのは初歩中の初歩。誰でもやろうと思えば鍛錬次第で扱えるようになる、小動物サイズの魔獣のテイムだ。
子どもたちは熱心に俺の教えを聞いていた。
リスとか小鳥の姿をした小型の魔獣と仲良くなっていくと、「友達が増えた!」と純粋な笑顔で話してくれるようになった。
友達、か。
そういえば、俺も最初は話し相手が欲しくてテイマーを目指したんだったな。
気づいた時には両親がいなくなっていて、それからはずっと貧民街で暮らしていた……今思えば、ここにいる子どもたちのように友達が欲しかったのかもしれない。
そうした生活がしばらく続くと、次第に子どもたちは俺のことを「師匠」や「先生」と呼ぶようになり、懐いてくれた。
中には、「将来は師匠のお嫁さんになる!」とか言う者まで出始めた。他の子どもたちも対抗して「私だって!」「なら俺は師匠の仕事を手伝う!」と張り合っていたが……あれが俺の人生で一番充実していた時だったのかもしれない。
まあ、相手はまだ小さい子たちだから、当然本気になることはなかったが。
――しかし、そうした子どもたちの純粋さは俺の心境を大きく変えてくれた。
正直、それまでちょっと子どもが苦手だったのだが、教会の子たちと接しているうちに、悪くないかもと思うようになっていたのだ。
冒険者パーティーに所属していた時は、毎日が戦いだった。
ダンジョンでの魔獣討伐はもちろんだが、町に戻ってからも人間同士の派閥や権力などの争いもあって、気の休まる時間がなかった。それは俺だけじゃなく、一緒に行動していたパートナー魔獣たちも同じだったろう。
それが、ここではずっと落ち着いていられる。
もしかしたら、こういうのが俺にとって天職なんじゃないかって思えるくらいに。いい格好を見せようと思って通い始めたはずが、いつからか日課みたいになっていたからなぁ。不思議なものだよ。
その成果(?)もあってか、エヴェリンとの距離も徐々に縮まっていった。
村の人たちからも「若い者同士でくっついちまいなよ」とからかわれ、エヴェリンも満更ではなさそうな態度で返したりしていた。
このまま……今のまま時が過ぎてくれたらいい。
そんな俺の願いは――あっさりと吹き飛んでしまう。
ある雷雨の日の夜中。
俺は教会の屋根の一部が雨漏りしていたことを思い出し、相棒の魔獣たちを連れて、みんなが困っていないか様子を見に行った。
すると、教会の前に一台の馬車が停まっていた。
こんな時間に妙だな、と思っていたら、屈強な男たちによって教会から次々と子どもたちが連れ出され、馬車へ押し込まれていくではないか。泣いて嫌がっている子の姿もあった。
人さらいか!
そう気づいた俺は、魔獣たちに子どもたちを救うように命じた。
魔獣たちもすぐに動き、男たちを撃退していく。俺は子どもたちを救い出そうと馬車へ近づいていったのだが、そこで信じられない光景を目にした。
「何をしているの! そんな魔獣、さっさと殺しなさい!」
男たちにそう指示を飛ばしていたのは――なんと、エヴェリンだったのだ。
「エ、エヴェリン!? どうして!?」
「っ!? あ、あんた……そう、バレちゃったみたいね」
ふん、と鼻を鳴らすエヴェリンに、考えたくない最悪のシナリオが俺の脳裏をよぎる。
先ほどの決定的な発言を耳にしてしまった以上、この現場における彼女の関与は揺るぎない。しかし心では、間違いであってほしいと願い続けていた。
だが、そんな俺の淡い期待を粉々に砕くがごとく、落雷による光に照らされた彼女は――邪悪な笑みを浮かべていた。
そこには、いつも優しく子どもたちを見守る聖母らしさなど微塵もなかった。
「テイマーとしての力は使えると思ってたから、気のある振りまでしてあげたのに……本当に間の悪い男ね」
「なっ!?」
わずかに残された希望も砕け散った瞬間だった。
「どうしてこんなことを!」
そう迫る俺に、エヴェリンは淡々と答えていった。
彼女は教会に子ども――特に女の子を住まわせ、ある程度成長したところで、その手の趣味がある変態貴族や商人たちに売り払っていたという。
当時教会にいた子どもは八人で、そのうち女の子が六人と多かったが、これは偶然ではなく仕組まれていたのだ。怪しまれないために男の子も引き取っていたようだが、カモフラージュだったらしい。
……子どもたちに優しかったのも、大事な商品だったからか。
許せない。
子どもたちは本当の母親のように慕っていたというのに、その気持ちを裏切る行為じゃないか。
そもそも、彼女のやっているのは立派な違法行為に当たる。
俺だけじゃなく、俺が連れていた魔獣たちも激怒し、猛烈な勢いで襲いかかった――だが。
「これ以上こっちに来たら、このガキを殺すわよ!」
馬車の近くにいた女の子の首元にナイフを突きつけ、エヴェリンが叫ぶ。
これには魔獣たちも動きを止める――だが、次の瞬間、驚くべきことが起きた。
「「「やあ!」」」
突如、教会から三人の子どもたちが飛び出してきて、エヴェリンへ体当たりしたのだ。不意を突かれた彼女はバランスを崩し、抱えていた子どもとナイフを手放した。
「今だ!」
このチャンスを逃すわけにはいかないと、俺は降りしきる豪雨や闇夜に轟く雷鳴にも負けない大声で叫び、それに反応した魔獣たちが一斉にエヴェリンへと襲いかかった。
彼女の仲間たちも武器を持って襲ってきたが、すべて魔獣たちが返り討ちにして、全員の身柄を拘束したのだった。
――結局、エヴェリンも含め、全員を縛りあげて馬車へと閉じ込め、近所の住民のもとへ、王都の騎士団に連絡を取ってもらうよう頼みに向かうのだった。
翌日。
村長が呼んだ騎士団は、午前中のうちに村へとやってきた。
どうやら、ヤツらは過去に何度も同じような手口で違法な人身売買を繰り返していたらしい。ようやく首謀者であるエヴェリンを捕まえられたと喜んでいた。
そのエヴェリンと金で雇われていたゴロツキたちは、騎士団の用意した馬車へと詰め込まれ、監獄送りになるそうだ。
一方で子どもたちだが、大きな心の傷を癒すため、騎士団からの紹介で、俺たちが今いる国――大陸最大国家であるセラノス王国の王都にある児童養護施設に入れてもらうことになった。
村から王都までの数日、俺と子どもたちは騎士団とともに旅をすることになる。
そして道中は何事もなく、俺たちは無事に王都に着き、そのまま施設へと足を運んだ。
子どもたちには別の部屋で待機してもらっている間に施設の職員に事情を話した後、俺は同行していた騎士に金を渡す。
旅の資金としてそれなりにまとまった金があったので、それを全額寄付したのだ。
関係者はかなり驚いていたっけ。
冒険者時代にコツコツと貯めたその額はかなりのものだったからな。
ともかく、その金を預けると子どもたちをよろしく頼むと頭を下げ、最後にみんなへ挨拶をしに別室に向かおうとしたのだが――
「待ってくれ」
ここまで案内してくれた黒髪の騎士に止められた。
確か、ラングトンって名前だったな。
年齢は俺と同じくらい。
着ている制服もまだ綺麗だし、新兵のようだ。
「君にも生活があるだろう? すべてとは言わず、少しくらい持っていった方がいいのではないか?」
ラングトンはそう言って金の一部を返してこようとするが、俺は首を横に振る。
「問題ない。俺の生活くらいどうとでもなる」
「し、しかし」
「俺なんかより、まだ幼いあの子たちには、どうか真っ当な暮らしができるようにいろいろと教えてやってくれ。預けた金はそのための教育資金だと思って使ってくれたらいい」
「……分かった。君から受け取ったこの金は、銅貨一枚たりとも無駄にはしないと誓う」
ラングトンは納得してくれたらしい。
なんというか……愚直なヤツだ。
でも、騎士という役職に就く人は、それくらいでちょうどいいのかもしれないな。彼のような騎士が出世してくれたら、きっと世の中はもっといい方向へ進むだろう。
俺は最後にもう一度頭を下げてから、子どもたちが保護されている部屋を訪ねる。
「先生!」
「師匠!」
八人全員が、俺のところへ駆け寄ってきた。
これからもずっと一緒にいたい。
子どもたちは涙ながらにそう訴えた。
できるなら、俺もそうしたい。教会でみんなと過ごした日々は本当に楽しかった。あのままずっと村にいたかったのだが、落ちこぼれの三流冒険者である俺には、八人の子どもたち全員を引き取って育てられる余裕も自信もない。
それに……俺なんかと一緒にいたら、きっとこの子たちを待ち受ける未来は、ろくでもないものになってしまうだろう。俺と同じようにな。
信頼していた仲間に裏切られ。
惚れた女にも裏切られ。
何も残っていない、空っぽの俺と同じ人生を歩ませるわけにはいかない。
だから、俺は――
「もう……おまえたちに教えることは何もない。あとは、俺が教えたことを守って――精いっぱい生きろ。そして幸せになれ」
子どもたちにそれだけを告げた。
みんな、最初は驚いたように目を見開いていたが、年長者は事情を察して、泣きじゃくる年下の子たちをなだめていた。
一緒に連れていってもらえると思っていたあの子たちにはショックだったろうけど、明日の飯代さえ稼げるか分からない俺といるより、この施設にいた方が絶対にいいはずだ。
この施設はきっちりと教育を施してくれることで有名だ。ここを出た後、騎士団や魔法兵団で凄まじい功績をあげ、重要なポストに就く人物も輩出しているという。
ここでなら、みんな幸せになれるはず。素直で優しく頑張り屋なこの子たちならば、きっと輝かしい未来を掴めるだろう。
騎士団や魔法兵団に入って地位を高めれば、幼い頃に俺と過ごしたわずかな時間なんて忘れる。
俺としても、これが今生の別れとなったところで後悔しない。
いつか、有名になったこの子たちの噂でも耳にできればそれでいい。
そんなことを思いながら、俺はみんなの前から去った。
それと時を同じくして、俺はもうひとつ、ある決断を下した――すべての魔獣たちと契約を解除したのだ。
というのも、すべては俺がテイマーなんて職をやっているから、こういう不幸な目に遭うんじゃないかと思ったからだ。
もちろん、言いがかりに近いという自覚はある。
でも、「何かを変えたい」という願望に負けて、魔獣たちとの契約を打ち切ったのだ。
魔獣たちは、俺の気持ちを察してくれたのだろう。契約が切れると、俺から離れていった。
テイマーとしての道を捨てた俺は、しばらくフリーで活動することにした。
短期間のうちに二度も派手に裏切られたこともあってすっかり人間不信に陥っており、一人でも達成可能な低報酬のクエストばかりをこなし、その日の生活費を稼ぐ日々を送る。
――だが、数年も経つと少しずつ心境に変化が出てきて、立ち直りの兆しが出てきた。
さらに数年後には、偶然知り合った魔法使いに弟子入りを果たし、そこから五年をかけて基礎的な知識と技術を徹底的に学んだ。
ある程度の魔法が使えるようになると、魔法使いのもとを去り、それからは主に単独で簡単なクエストをこなして稼ぐ日々を送った。
最近になってから、新しく二体を加えてテイマー業を再開し、なんとか生活はできるようになっている。
あの時、契約を解除した魔獣たちは……今どこで何をやっているんだろうな。
みんな元気で暮らしてくれているといいのだが。
ともかく、パーティーメンバーに惚れた女……信じていた者たちに次々裏切られた俺には、上を目指す意欲はもはやなかった。
それからはもう、何年もダラダラと冒険者稼業をしながら生きている。
この先も死ぬまで、こんな日々が続くのだろう。
――って、思っていたんだけどなぁ。
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