Treasure of life

月那

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【7】Angelsilica

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 三十分毎に設定されているアラームが鳴った。
 机に向かっていた成親が大きく一度伸びをして、ベッドにいる翔を振り返る。

「しょーさん……何読んでんの?」
「ミステリ系サスペンス小説。これから百人くらい人が死ぬトコ」
「こわ……てか、しょーさん勉強してんじゃねーの?」
「俺は最近、人の情緒について学ぼうと思ってる」
「は? 意味わからん」
「なるの、あらゆる人間を癒す力見て、ほんとに大事なのはそーゆーことかな、と思って」
「俺、人殺すつもりねーけど?」
 首を傾げた成親に、翔がくふ、と笑った。

 と同時に部屋の扉がノックされる。
「ごめん、お勉強中にお邪魔して」
「れーこちゃん。珍しいね、何かあった?」
 翔がカテキョで来ている時に、成親の部屋に訪れることなんて殆どないから。

「翔くん、今日泊まってかない? さっき美香ちゃんから明日は午前中はお休みって聞いたから、せっかくなると仲直りしたんだし、良かったらどおかなーって」
「わーい、しょーさん、お泊まりー」
「俺は別にいいけど。なる、バイトは?」
「明日から三日間、夏休み明けのテスト対策で休み貰ってる」
「なる、翔くんいないとすぐサボっちゃうから、この三日間はできるだけ勉強見て貰いたいのー。も、ほんと呑気に喧嘩してる場合じゃないのに、夏休み中ずっと翔くんなるのこと放置するから、気になってしょーがなかったわよー」
 喧嘩は呑気にやってたわけじゃないけど。と思いながら翔は苦笑した。

「もちょっとしたら御飯できるから、それまでお勉強頑張っててね」
 玲子が出て行くと、成親が立ち上がってベッドの翔を押し倒すように飛び掛かった。

「やったね! 今日はしょーさん、寝かせないぞー」
 ぎゅっと抱きつきながらそんなことを言うから、
「朝までオベンキョ、するか?」
 と翔がニヤリと嗤う。

「ふーん。そゆこと、ゆーんだ? 意地悪ゆってると、ほんとに襲うよ?」
 翔の手から小説を奪い取り、床に放り捨てる。
 成親は翔を跨ぐようにのしかかると、肩を抑え付けて上から唇を重ねた。
 口腔内を弄るように舌で攻め込んで。

 でも。

「……こら。今は、そーゆー時間じゃねーぞ」
 成親の軽さはわかっているから、翔がそのまま抱え込んでくるりと反転する。
 体勢が逆転すると、成親が口を尖らせた。

「むー。俺が彬みたいなでけーガタイだったら、絶対このまま襲ってんのに」
「ふざけてないで、ちゃんと勉強に集中する」
 デコピンしながら言うのは、その名前を出したことが気に入らないから。翔は軽く睨む。

 が。その耳元に。
「後でゆっくり可愛がってやっから」
 と囁いて、ついでに成親のモノを軽く握った。
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