天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第35話 王様からの褒美

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『ごっはんー!ごっはんー!』エルが嬉しそうに席に座る。
ファイデル王が王宮で食事も出してくれるそうなのでそれに甘えている。
メル、マリ、エリが本当に同じ席に座って良いか戸惑っている。俺はパルに目で合図するとパルが彼女たちのところへ行った。
『さあ、早く座って!皆んなでご飯を食べましょう!』
皆んなも笑顔で頷く。彼女たちは俺の顔を見る。
俺も笑顔で頷いて見せる。
目の前にはスープをはじめ肉や魚料理、パンやサラダに果物、食べきれないぐらい並べられている。
『さあ!食べようか!!』
みんな揃って声をあげる。『いただきまーす!!』
弟子達が目の前の料理に襲い掛かる中やはり彼女たちは戸惑っている。
『メル、マリ、エリ、遠慮するな!エルを見習え!』
彼女たちがエルを見ると、口の周りをタレで汚し、片手でスープをすすり、片手のフォークには肉の塊が刺さっている。
『誰も取りはしない。好きに食べればいい。
遠慮は無しだ。』
彼女たちは覚悟を決めてスープにスプーンを入れ一口飲む。
彼女たちの頬に涙が流れる。
『『『おいしい・・・・。』』』
彼女たちの脳裏に今まで自分達の食事が思い出される。パサパサの干し肉、硬い黒いパン、自分達で取った木の実、時には薬草類をスープにし4人で分け合った日々。その仲間も今は3人しかいない。止めどなく涙が溢れてくる。私達だけがと思ってしまう。気がつくと姉弟子達が抱きしめていた。兄弟子も手を止めて見守っている。そしてパルが優しく話し出す。
『あなた達はこの日の為に頑張って来たの。
あなた達は頑張って報われたの。亡くなった友達の分まで頑張って報われたの。だからこそご飯を食べよう!!今は食べよう!』
彼女たちは頷きながら、涙を拭きながら一生懸命噛み締めて食べていた・・。

『パル、彼女達の事頼んだぞ。色々と教えてやってくれ。』
『うん!任せて!』
『頼んだぞ。皆んなも明日は騎士団長達と模擬戦だ。
遅れないようにな!』
『はい!!』
俺も1日色々あり過ぎて泥のように眠ったのだった。

また今日もノックの音で目を覚ます。
返事をすると扉が開きカメルンが顔を出す。
『ファイデル王がお待ちだ。全員で謁見の間に来てくれ。』
『分かった。すぐ行くよ。』
支度をしていると弟子達がやってくる。
『師匠!おはようございます!!』
皆んなで揃って挨拶をする。
『あぁ、おはよう。王様がお待ちのようだから早く行こう。』皆で歩きだす。
扉が開き中に入ると雰囲気が変わっていた。周りに使える文官や重臣、側近、騎士団までか着飾っている。王様の隣りには王妃様と王女様。なんだか華やかで重苦しい雰囲気だ。
そのまま王様の前まで行き皆跪く。
『ハヤト一同参りました。』
『うむ!ご苦労。』
『ハヤトよ今日はお主達に感謝の意を込めて褒美の授与を行う。』
『はっ!ありがたき幸せ!』
ファイデル王が立ち上がり話し出す。
『アマクサ・ハヤトの王都、クレイド、セリディクをスタンビートの脅威から救い、我が国の騎士団を鍛え上げ、我が国で起こった最悪な事件をも解決した功績を讃え【英雄】の称号を与える!!』
俺を含め弟子達も理解が追いつかない。
着飾った文官が俺の前に来る。そして剣と盾が描かれた金色のメダルを俺の胸につける。
『国を救った【英雄】を讃えよ!!』
ファイデル王が号令をかけ、右腕を斜めに挙げると騎士団は剣を抜き空に掲げ、周りからは拍手喝采である。俺達は圧倒されっぱなしで固まっていた。
ファイデル王が腕を下ろすと拍手が止み、剣を収める。
『ハヤト、並びに弟子達よ改めて礼を言う。褒美の続きだが、お主達に白金貨100枚と屋敷を与えようと思うがどうだ?』
俺は白金貨100枚でびっくりしているのに屋敷?頭が追いつかない。だが、つい勢いで
『はっ!謹んで頂戴します。』言ってしまった。
『うむ!これにて授与式を終了する!
ハヤト並びに弟子達よ大義であった!』
皆跪き頭を下げる。
『はっ!!ありがたき幸せ!』
何がなんだか分からないまま進行してしまったが後でまた整理する事にしたのだった。
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