天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第36話 王女の失態

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授与式も終わりファイデル王から説明を受ける。
『ハヤト、いきなりで驚いただろう。色々と事情があってな・・・。
それはそうと、屋敷の件だが王都の郊外だが元は伯爵家が使っておった屋敷だ。既に手入れは済んでおる。使用人も付けてあるから心配するな。』
『ありがとうございます。ありがたく使わせて頂きます。』
ファイデル王は仕切り直すように咳払いをするとこちらが本題と言わんばかりに話し出す。
『ハヤト紹介しよう。ここにおるのは王妃のカルデア、第一王女のセティアだ。』
王妃様は優雅で落ち着きのある雰囲気の方だ。王女様は歳は俺達よりも上で身長も高く切れ長の目をしてずっと俺を睨んでいる。
俺は慌てて自己紹介をする。『お初にお目にかかりますハヤトと申します。後ろにおりますは俺の弟子達です。』
自己紹介を終えると、突然王女が言い放つ。
『あなた、ハヤトって言ったわね。本当にそんなに強いのかしら?まともに鎧も盾も武器すら持ってないじゃない!どうせ弟子達の後ろで隠れていたんじゃないの!?』
この場にいた王妃と王女以外が固まる。皆が弟子達を見ると眼光鋭く王女を睨みつけ闘気や魔力が漏れている。慌ててファイデル王が
王女を叱りつける。
『セティア!!国を救ったハヤトに何を言うか!!ハヤトの実力はワシや騎士団長ここにおる重臣達も見ておる!!自分勝手な印象で口を開くな!!馬鹿者が!!』
王女はこんなに叱られるとは思ってなかったらしく納得のいかない顔をして押し黙った。
『弟子達よ我が娘が失礼をした。後で言って聞かせる言え許してやってくれ。』
弟子達は渋々顔を伏せたが後ろから『今から小枝で引っ叩いてやる』など物騒な話し声がする。
『ハヤト、実はこのセティアがスタンビートを止めた者を見たいと聞かなくてな、この授与式が早まったのだ。だが最悪な顔合わせになって申し訳なかった。』
(余程我儘に育ったみたいだな。何も起きないうちに退散したいが・・)
『いえ、全く気にしておりませんのでお気になさらず。それでは俺は騎士団長達の特訓を約束しておりますので失礼致します。』
すぐさま立ち上がりその場を去ろうとするとやはり王女が声をあげる。
『ふん!気にしないって事は私の言う通りって事よね?!弱い奴が弟子の後ろで震えてたんでしょう?弟子の手柄を横取りしていい気ないものね?!』
弟子達の殺気が漏れる!遂にパルがブレる!咄嗟に襟を掴んで止める!
『待て!』
カルメンが『うお!あれを止めたのか!?』
違う所で驚いている。
『師匠!あいつ引っ叩いてやる!!』
パルを宥めながら
『お前達の気持ちは嬉しいよ。だか、ここは俺が行く。いいな?』
弟子達は素直に頷く。
俺は少しずつ魔力を解放しながら王女の前に
行き王女の目を見据えて話す。
『なぜ気にしないと言ったのか勘違いされているようですね?それはですね、何も知らない子犬がきゃんきゃん吠えている程度にしか聞こえてないからですよ。ですが、弟子達が俺の為に怒っているので教えてあげます。俺達は理不尽に人を蔑み、自分の立場を利用して人を小馬鹿にする輩には容赦しません。王族だろうが、貴族だろうがね。さっき弟子を止めましたが、これ以上喧嘩を売るならもう止めませんよ?これはチャンスですよ?』
俺は魔力を解放し続ける。
王女は脚が震え嫌な汗を大量に流して涙を流し床に座り込んでしまった。
王妃が止めに入ろうとするが王様が止める。
『さあ、王女様まだ何が言いたい事がありますか?』と言いながら魔力の出力を上げる!
王女はただ首を振り続けるしか出来なかった。
『そうですか。それでは失礼します。』
魔力を収め王様に頭を下げて弟子達とその場を去る。
謁見の間を出ると弟子達がはしゃぎ出す。
『あースッキリした!!あの王女馬鹿よね?なんで、わざわざ喧嘩売るんだろうね?』
パルが皆んなに話しかける。
『パルが飛び出した時はびっくりしたよねぇ!』エマが笑う。
ジンが珍しく『それを捕まえた師匠は流石です。』呟くように言った。
(まぁ、これで王宮には居ずらくなったのは確実だな・・・)俺は1人呟く。
そして弟子達と模擬戦場へ向かった。

『セティア、どうだ分かったであろう?』
『あいつ許せない!王女である私に・・・』
『馬鹿者!!!まだ分からぬのか!!お前がした事は王族という名の権力を振りかざし我が国の恩人を愚弄したのだ!!それに
あの弟子達は師匠であるハヤトを心の底から慕っておる。その師匠を皆の前で愚弄されたのだ!弟子達の怒りが分からぬのか!?
権力とは人を護る為にあるのだ!人を貶める為にあるのではない!!』
セティアは項垂れ涙を流している。
王妃は父親の顔で娘を叱る王を微笑んで見ていた。
『もうよい。部屋に帰り頭を冷やして考えろ。』王妃の顔を見る。
王妃はセティアを立たせ部屋に帰って行った。
ファイデル王は背もたれに身体を預け、ため息をつき、遠い目をして想いにふけるのだった。
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