天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす！

第63話 ゲランド帝国へ到着

ゲランド帝国の外壁は王都にもひけを取らない程の高さだ。門の扉も無駄に大きく何かを主張している様に思える。

『皆んな、ここからは敵国だ！滞在中も警戒を怠るなよ！』
『はい！！！！！！』

『よし！今から防御魔法をかける。状態異常の無効が目的だ！
いくぞ【パーフェクトガード】！！
これで滞在中は奴隷化の心配はない。
だが油断は禁物だ！』

しばらくすると門兵に止められる。
『どこから来た？』
『ファイデル王国から武闘大会に呼ばれて来た。』
カルメンが警戒しながら答える。

『ファイデル王国？！す、少し待て。』
門兵が少し動揺する。

他の門兵に耳打ちをすると、奥に消えて行った。

俺は皆んなに目で警戒する様に合図する。
そして身なりの良い女性が小走りでやってくる。

『ファイデル王国の皆様、ようこそゲランド帝国へ。
お食事を用意してありますのでこちらへどうぞ。』
女性は一礼して案内してくれる。

部屋に入ると豪華で広く、使用人達が一列に並び頭を下げている。

『さぁ、こちらへお座りください。すぐにお料理をお持ちします。』
先程の女性がエスコートする。

席に座ると目の前にどんどん料理が運ばれてくる。
【鑑定】するが怪しいところは無かった。
俺は皆んなに頷き大丈夫のサインを送ると弟子達は料理に襲いかかる！！
デンバーまでも口元を汚している。
相変わらずの光景だ。

俺も警戒しながら怪しまれない様に食べ進めている。
すると、焼きりんご的なデザートが終わり、
紅茶が目の前に出てきた。

ここで来た！！【眠り薬】
俺達を油断させる一手だ。用意周到である。
しかし、そうはいかない。

俺はすかさず指でテーブルを2回突く。
それを見て皆んなが紅茶を啜る。
俺も紅茶を啜り、タイミングを図る。

そして俺がテーブルに額を付けて寝たふりをする。
すると、皆も同じ様にテーブルに額を付ける。
（さあ、どう出るかな？）

すると扉が開き声がする。
『ふん！所詮ガキだな！女が案内して飯を食わせればこの通りだ！
ファイデルの戦力も俺の物だ！！皇帝に高く売れば一石二鳥だ！！
アッハッハッハー！！！』

『エンファル様、私にも1人頂けるお約束をお忘れなく。』
小太りの男がいやらしく笑う。

馬鹿な奴らだ・・・。
俺はすかさず高笑いする男と小太りの男の首根っこを掴んで床に叩き付ける！
どがん！
『ぐはっ！！』
『ごふっ！！』

『着いて早々にやらかしやがって！残念だったな？お前らのする事なんて全て丸っとお見通しなんだよ！
俺達には眠り薬なんて効かないんだよ！！』

テーブルを見ると皆んな普通に座って紅茶を啜っている。

まだ状況が分からないオッサン達。

そして我に返り叫び出す。

『こ、この俺を誰だと思ってる？！
帝国12大貴族エンファル伯爵様だぞ！！
不敬罪だぞ！！死罪だぞ！！今すぐその手を放せ！！』

とがん！！
『げはっ！！』
俺は無視して叫ぶ男を床に叩き付けて皆んなを見る。
『ここには奴隷はいない！
ここにいる奴らを全員行動不能にしろ！』
『はい！』
一瞬だった。部屋にいた26人が息をしているだけのポンコツになった。


だがまだ俺の手元で元気に叫ぶオッサンがいる。
『貴様！！こんな事してただで済むと思っているのか？！俺が一声かけr・・・』

どがん！
『ぐはぁ！！』
『煩い！！喋るな！！』
再び床に叩き付ける。

『お，お，お前r・・』
どがん！
『ゲフっ！！』
『煩いと言っている！俺の質問にだけ答えろ！！いいな？！』

『き、きさm・・・』
どがん！どがん！どがん！どがん！どかん！どがん！どがん！どがん！どかん！どかん！

大貴族を何の躊躇もなく痛ぶる男に小太りの男は股間を濡らし震えていてた。

『煩いと言っている。聞こえないのか？俺は気が短いんだ次で頭を潰すぞ？！

エンファルは額から血を流し、鼻は折れ曲がり、前歯は全滅だ。
そしてやっと黙った。

俺は男の髪を鷲掴みにして顔を持ち上げる。
『俺達に取とって貴族如き何の威嚇にもならん！！
俺達に理不尽を振るった、ただのクズだ！！
分かったか？』

エンファルは怯えた顔で震えながら首を縦に振る。
そして、小太りの男の髪鷲掴みにして持ち上げる。

俺は小刻みに震え怯え切っている男に質問する。
『おい、デブ。お前は奴隷商か？』
小刻みに頷く。
『じゃあ、奴隷紋を刻めるよな？』
小刻みに頷く。

俺は今、悪い顔になっているだろう。

こんなに簡単に奴隷商に会えるとはな。
馬鹿な奴らだ・・・。
わざわざ駒を渡してくれるとはな。

『じゃあ見せて貰おうか？奴隷紋の付け方を。』

俺はエンファルを見る。

エンファルは今から自分に何をされるのかを気付いて焦る。
『ま、まっへくへ！しょ、しょへらへふぁひゃめへふへ！！
（ま、待ってくれ！そ、それだけはやめてくれ！！）

『ふん！！ちょっと何言ってるか分からん！
ギエン、ジン、ロウ、押さえていてくれ！』

『はい！！！』
ギエンが笑いながら腕を押さえて言う。
『さあ、大人しくしろよ？！お前がしてきた事だぞ！』
弟子達が悪い顔になっている。

エンファルは何やらモガモガ言ってるが無視である。
エンファルの服を切り裂き背中をむき出しにする。
『おい！デブ！始めろ！』
小刻みに頷く。

エンファルの背中に手をかざす。
魔力が放出される。
デブは脂汗を垂らしながら集中している。

ん？これは闇属性魔法か・・・？
闇属性魔法をタップする・・・。
うわ！【奴隷紋】・・あった・・・・。
レベル130で覚える中級魔法だ。
しばらく検証して無かったからな・・・。

するとデブが肩で息をして俺に頷く。

エンファルの背中を見るとセシル達と同じ奴隷紋が刻まれていた。

俺はそれを確認すると、デブに微笑みかける。
『喜べ！お前が第一号だ！』

手をかざし【奴隷紋】を発動した。