天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第76話 ゲランド皇帝の愚策

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『ゲランド皇帝、ファイデル王国の方達をお連れしました。』
ベラントが一礼する。

『うむ。下がって良い。』
『はっ!』

皇帝は目の前のファイデルの面々を見渡す。
まだあどけない雰囲気の若造達。
それでいて化け物じみた強さ。
聞きたい事が溢れてくる。
そして静かに口を開く。

『率直に聞く。ファイデルにはお前達の様な者が何人も居るのか?』

『そうだな。何人もいる。これからも増えるだろうね。』
俺達の意思を伝える為に敢えて敬語を使わずに話す。

さあどうでるかな?あちこちに伏兵がいるし、この部屋は・・・成る程ね・・・。

『ふ、増えるとはどう言う事だ!』

少し意地悪して揺さぶるか。
『それは言う義務も義理もないな。
1つ言うなら、ファイデル王の人柄と器の大きさが成せる事ですよ。』

『なんだと!?ファイデルよりわしが劣ると言うのか?!』

おっと!食い付いてきた!
思いっきり喧嘩をふっかけてやろう。

『俺が見る限り数段劣るよ。他国から人を攫って奴隷にする?
育成するには時間と金が掛かる?
クズの発想ばかりで呆れるばかりだよ!』 

するとカルメンとサーシャが口を開く。

『そうねファイデル王は情に熱い素敵な王様よ!』
『ファイデル王は民を愛して、民を守る!
貴様のように民を使い捨てるような事は絶対にしない!!恥を知れ!!』

ゲランド皇帝は青筋を浮かべて震える。
『貴様らに何が分かる?!手っ取り早く人を集めて何が悪い!!
わしが言う事が正しいのだ!!成す事が正しいのだ!!全てはわしの為にあるのだ!!
それが皇帝というものだ!!』

なんて子供なんだ・・癇癪を起こした子供と変わらない。
子供がそのまま大人になり皇帝になってしまったようだ。
弟子達も呆れた顔をして哀れんで見ている。

『おい!クズ皇帝!!言いたい事はそれだけか?!
お前の国だ!好きにすれば良いさ。
だがな・・・お前は、俺達に手を出した!!
俺達に喧嘩を売ったんだよ!!』

俺はゲランド皇帝に指を差す!

『俺達にも信念がある!!
貴様の様な力無き者に理不尽を振りかざすクズにこの力を使うんだ!!
おい!クズ皇帝!覚悟しろよ!!』

『ふん!好き勝手言いおって!
だがこの部屋には魔法使用不可の魔法陣が張ってあるのだぞ?!
お前らはわしの奴隷として良い様に使ってやるわ!やれ!ゲイン!!』

ドヤ顔の皇帝が声を掛けると玉座の後ろからゲインが現れる。

『悪いなぁー!俺は自分より強い奴が嫌いなんだよなぁぁ!
要は勝てば良いんだよ!どんな手を使っても勝てば良いんだよ!!分かるか?!』

勝ち誇った顔でニヤついている。

俺は弟子達と顔を見合わせて肩をすくめる。

『言いたい事はそれだけか?弱い奴程よく喋るな!そう思うならかかって来いよ。』
俺は手招きして挑発する。

『ふん!この剣で思い知らせてやるよ!!
この剣は【斬撃・大】が付与された最強の魔剣だぞ!』

ギエンがたまらず笑い出す。
『あれが魔剣だってぇぇぇ?!冗談だろっ!
フフッッ!アーッハッハッハ!!』

『ゲイン!そんな剣で強くなったつもりか?!お前はまだ強くなれる!!
こんな所で終わるな!』

『うるさい!上から物を言うな!!俺より強い奴は許さん!!俺が最強なんだよ!
いくぞ!喰らえ!!』

ジンの呼びかけを一蹴し斬撃を放つ。
しかしそれはハヤトの【次元斬】の一振りで霧散する。

ゲインの顔が青くなる。
『ど、どうした?!斬撃が消えた?!
ま、魔法を使った?!なぜだ?!』

『はぁ、俺達は【全状態異常無効】なんだよ!俺達の行動を阻害する効果は全て無効なんだよ!』

皇帝の顔色が変わる。
(こ、ここまで化け物だったか・・・。仕方ない・・・こいつらには効果がある筈だ・・

『ず、ずるいぞ!!お前ら!!
俺は神に選ばれたんだぞ!!そんな力貰ってないぞ!!何故だ!!何故だぁぁぁ!!』
ゲインが発狂する。

(ん?こいつ・・・もしかして・・名前からすると、、、)

『ゲイン!お前もしかして転生者か?』
ゲインがびっくりした様に俺をみて固まる。

『そうなんだな・・・俺は転移者だ。
神に拾われてこの世界に飛ばされたんだ。
・・・同郷の吉見だ投降してくれ。』
ゲインを見据える。

『同郷だぁぁ!!それこそ上から言うなぁぁぁぁ!!
お前!!ずるいぞ!!そんな力!!俺にも寄越せぇぇぇぇ!!!』

ゲインは我を見失いハヤトに向かって走りだすのだった。
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