天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす！

第75話 団体戦決着

背後からゲインが声を掛ける。
『皇帝さんよぉ！呼んだか？』

呆然としていたゲランド皇帝が我に返る。
『む、むう。来たか！』
試合場に目を落として考える。
もう背に腹は変えられんな・・・
『ゲインよ、あの試合に参加してファイデル陣の宝玉を奪うのだ！
成功したら金を払う！頼む！！』

皇帝らしからぬ態度にゲインは少し同情してしまった。

『切羽詰まってるようだな。良いだろう。
金さえ貰えば問題ない。』


ヴァルキリーは跪く。
『エル様、私を末席に加えて頂けませんか？』
エルは笑顔で
『あ！契約の事ね！良いよー！皆んなと仲良くしてね！』
『ありがたき幸せ！！』
ヴァルキリーはそう言うとエルの背後に消えて行った。

パルがため息をつきながらリゲル達を眺めなる。

『さてと、後はあいつらだけど・・・もういいよね！
完全に戦意も無いし、心も折れてるからね。
宝玉貰って終わりにしようか。』

『よし、俺が取りに行く。』
ジンが行こうとすると【索敵】に1人試合場に反応がでる。

ジンがニヤリと笑う。
『中々骨のある奴の様だな。行ってくる！』
ジンが相手陣営に走ると、祠の前に男を見つける。

ジンは立ち止まり名乗りを上げる。
『俺はファイデル王国のジンだ！お前の名は？』

ゲインが余裕のある顔で答える。
『ふん！無駄に礼儀正しい奴だな。
俺はゲインだ！訳あってお前らの宝玉を貰いに来た！！素直に渡すなら良し！
抵抗するなら痛い目を見るぞ！』

ジンは少し笑い槍を構える。
『もちろん抵抗する！！準備は良いか？
油断すると怪我するぞ！』

ゲインはため息をつき剣を抜く。
『やっぱりそうなるか。じゃあ行くぞ！』

ゲインは襲い掛かるがジンが動いた瞬間、悪寒を感じ身体の中心線上に剣を構える。
その瞬間、もの凄い衝撃と共に吹き飛ばされ祠に激突する。

『ぐあぁぁぁぁ！！！』
ドガァァーーーン！！

その衝撃で宝玉がジンの足元へ転がってくる。
『俺の初撃を受けるとはな！ゲイン！強いな！またやろう！』
そして足元の宝玉を拾う。

『勝負あり！！勝者ファイデル王国！！』
終了のドラが鳴った。

ゲインがふらふらと剣を杖にして立ち上がる。
『お、お前・・・なんだその力は！？
この俺が最強の筈だぞ！！
レベル505の俺が！
そんな力は認めんぞ！！！』

『ふう。お前は井の中の蛙だ！！レベル505が最強なら俺達はもう死んでいる！！
もっと世界を知るんだな！』
ジンは自分の陣営に帰って行った。

ゲインは歯軋りをしながらジンの後ろ姿を見てリベンジを心に決めるのだった。

（ゲインすら歯が立たぬか・・・。ファイデル王国・・・何があったのだ・・・）

ゲランド皇帝はファイデル王国に驚愕し恐怖するが嫉妬の方が大きくなっていく。

『ファイデル王国の奴らを呼べ！』


団体戦は他の国々がファイデル王国との対戦を棄権して２位と３位を争ったので、
ファイデル王国が優勝となった。

『明日は個人戦だね！師匠が出たら皆んな棄権しちゃうんじゃ無い？』
パルが揶揄うように話す。

『そうだな・・まあ、仕方ないな！ファイデル王国の名を響かせる為に頑張るか！』


【神様の部屋】
『武闘大会楽しかったな！弟子達の試合以外は物足りなかったが・・・。』

『それはレベル差があり過ぎるからね！
自惚れていた人にはいい刺激になるわね！』

『ゲインが真っ直ぐ強くなるか、歪んだ強さを求めるか見ものだな！』