天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第92話 トラブルの結末と始まり

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『ハヤト様おはようございます。』
メルが頭を下げる。

『あぁ、おはよう。昨日は大変だったな!
今日はゆっくり休んだらどうだ?』

『ありがとうございます。
でも今は楽しいので行ってきます。』

『そうか、無理はするなよ。
あと、門の向こうに居る男達は何者だ?』

窓の外を見ると10人程の男達が門の近くでソワソワしている。
メルが窓の外を見ると男達が一斉に手を振り出した。

(あぁ、なるほどね・・・。彼女達のファンか・・・。
行き過ぎたファンが居なければいいが・・)

メルが俯きながら
『すいません・・・お店の常連の方達で・・
注意しておきます・・。』

『そ、そうだね。ここに来られても困るからね・・。
いろんな意味で気を付けてね・・・。』

『は、はい。ありがとうございます。それでは行ってきます。』
申し訳無さそうにして一礼して出て行った。

彼女達が馬車の乗り門を出るとなぜか歓声が上がる。

『メル様!おはようございます!!』
馬車の中から笑顔で手を振ると
『うぉぉぉぉぉぉ!!!笑顔で答えてくれたぞぉぉぉぉ!!もう死んでもいい!!!』

『馬鹿!俺に手を振ったんだよ!!あぁ、今日一日あの笑顔で乗り切れる!!!』

馬車は男達を振り切って走っていくが、男達は手を振りながら全力で走ってついて行く。

『はぁ、後で屋敷の外で待つのはやめるよに注意しないとね・・・』

マリも頷く。
『うん。そうだね。あまり見た目も良く無いしね・・・』

『そのうちやり過ぎる人達も出そうだしね。』
エリも心配そうだ。

店が近くまで来ると窓の外を見ていたマリの顔色が変わる。
『ね、ねえ、メル・・・あの行列は・・・もしかして・・・』
マリが指を刺す先には道幅の半分を占領して50メートル程の行列が出来ていた。

正に〈英雄の雑貨店〉から伸びる行列だった。
『何?!この行列は・・・まだ開店までは1時間以上あるのよ?!』
さすがのメルも動揺する。

行列を横目に道を進むと道端で、赤い服を着た女の子が男の子を踏み躙っている姿があった・・・。
『何とかいったらどう?』
『助けてぇぇぇーー!』

エリがなんとも言えない顔をする。
『メル・・・影響力が凄いよ・・・』
メルが窓の外を見て項垂れる。
(やってしまった・・・どうしよう・・・)

店の前に着くと男達の歓声が上がる!!
『英雄騎士バンザーイ!!!』
『リンド一家をぶっ飛ばしてくれてありがとう!!!!』
『英雄騎士バンザーイ!!!』
『かっこよかったぞ!!!』
『リンドを踏み躙るメルちゃん最高だったぜ!!!』
『俺も踏み躙ってくれぇぇぇ!!』

3人は圧倒されながら、愛想笑いを振り撒きながら店に入っていく。


『ねえ!英雄騎士ってなに?!』
『私達の事?!勝手に名前ついてるよ!?』
マリとエリのテンションが上がる。

メルは頭を抱えている。
『まあ、名前は良いとしてこの後どんな事になるのかが想像出来きないわ。
今日は早めにお店を開けましょう。』


その頃、城ではファイデル王の怒号が響き渡っていた。

『フレイドぉぉぉ!!貴様は何をやっておるのだぁぁぁぁ!!
伯爵の地位をやった、わしの顔に泥を塗りおってぇぇぇ!!!!
よりによってハヤト一派に手を出すとは大馬鹿者がぁぁぁぁ!!!』
こめかみに青筋を浮かせ激怒する。

フレイドは床に頭を擦り付け土下座状態である。

『ご、誤解でございm・・・・』
フレイドは言い訳を言いかけるが・・・

『黙れぇぇぇぇ!!貴様のして来た事は明白じゃぁぁぁぁ!!くだらん言い訳など聞くかぁぁぁ!!時間の無駄じゃぁぁ!!』

ファイデル王は一度深呼吸をして玉座に座る。

『フレイド!貴様は爵位剥奪!犯罪者収容所で10年間強制労働!!
お前に加担していた者達は5年の強制労働!!
今まで泣かして来た者達の苦労を少しでも味わえ!!!』

『そ、そんな・・・・』
フレイドは床に突っ伏してこうかいするのだった。

するとそこへ報告が入る。
『ハインド王国の使者が至急謁見を希望しております。』

ファイデル王は首を傾げる。
(確か馬車で3日ぐらいの距離だったな。
そこまでして来た理由が気になるな。)

『よし、通せ!』

『はっ!』

この謁見が更なるトラブルの始まりになるのだった。
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