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第105話 エルフォン王国へ
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10人程の乗り合い馬車に乗り込む。
子供を抱えた家族連れや同年代の女の子、男性2人、冒険者2人の9人である。
隣に座った女の子が声を掛ける。
『ねえ、貴方もエルフォン王国に行くの?』
『えぇ、そうよ。』
『私はマイルよ。短い間だけどよろしくね。』
ニッコリ笑う。
とても人付き合いの良さそうな子だ。
『えぇ、こちらこそ。私はエマよ。』
エマも笑顔で返す。
すると、マイルが身体をこちらに向けて喋り出す。
『エルフォン王国に何しに行くの?
エマは冒険者?見た目は魔法使いかな?彼氏は?』
マイルは堰を切ったように質問攻めをする。
『マイル、落ち着いて!一気に言われても困るよ!』
周りの人も微笑んでいたが家族連れだけは深刻そうな顔をしている。
エマは仕切り直して
『エルフォン王国には旅の途中に寄るの。
彼氏はなし!
冒険者で〈聖魔法使い〉よ!これでいいかしら?』
『旅の途中なんだぁー。なんかいいなぁー。
私m・・・』
『あの!!!!』
マイルの話を遮って家族連れの母親が声を上げる。
『ご、ごめんなさい。そちらの方は〈聖魔法使い〉なのですか?!』
母親が縋る様にエマの顔を見る。
エマは事情を察する。
『えぇ、そうよ。お子さんがどこか悪いの?』
『は、はい・・2日前に魔物に腕を噛まれて村で治療したのですが傷が酷くて熱も高く、このままでは危ないと言われました。
なので今から王都へ行く所なんです。』
『いいわ!見せて!』
エマは父親に抱かれた子供の所へ行く。
子供の腕には包帯が巻かれているが血が滲んで傷の深さがわかる。
顔色は真っ青で汗ばんでいて息が荒い。
(これは危険な状態だわ!)
エマは子供に手をかざす。
『サービスよ!【パーフェクトヒール】!』
子供が光に包まれる。真っ青だった顔色に赤みがさしてくる。
段々と呼吸も落ち着いて・・目を覚ました。
『んっ?パパ!ママ!なんともないよ!痛いの無くなったよ!!』
母親は子供に駆け寄る。
『ジーク!大丈夫なの?!痛くない?!』
母親は腕の包帯をそっと取ると、傷は跡形もなく消えていた。
父親も涙を流しながら子供を抱きしめて居る。
エマが良かったと胸を撫で下ろして居ると両親が立ち上がり母親に手を握られる。
『ありがとうございます!!ありがとうございます!!本当に助かりました!!』
『本当に命の恩人です!!治療費は必ず払います!!』
両親が恐縮するぐらい頭を下げる。
『いいのよ。この子は運が良かったのよ。こうなる運命だったのよ。
治療費はこの子の笑顔でいいわ!』
男達がエマに惚ける。
『凄え・・・カッコいい・・・』
『【パーフェクトヒール】って集団発動魔法だろ?!
それを当たり前の様に・・・。』
『む、息子の嫁に・・・・』
『それは嫌!!』
エマがピシャリと言う。
『エマ!!貴方凄いのね!!感動しちゃった!!』
マイルが至近距離ではしゃぐ。
『私より凄い人を知ってるから自分が凄いなんて思わないわ。』
マイルがニヤニヤしながら
『えーっ!それって彼氏?』
エマはジト目で
『彼氏はいない!!師匠よ。果てしなく強くて優しい人よ。私なんか足元にも及ばないわ。
私達は師匠の理想を実現する為に旅をしているの。』
すると、旅の商人が声をあげる。
『あんた!まさか!!【英雄の弟子達】か?!』
エマがニコッと笑う。
『あら!そうよ。【英雄ハヤト】の弟子が1人〈聖神のエマ〉よ。よろしくね!』
『やっぱりそうでしたか!!
ファイデル王国に行った時に【英雄の弟子達】が旅に出たと聞いたんです!
旅先で出会えたら願いが叶うと言われていましたよ!』
『えっ?!なんて噂を流してくれるの!?』
エマが頬を膨らます。
『その噂は本当ですよ。私達は願いが叶いましたから。』
ジークの母親が息子を撫で、エマを微笑みながら見ていた。
馬車の中が和やかな雰囲気になりエマが照れ笑いをする。
そして突然馬車が急停止したのだった・・。
子供を抱えた家族連れや同年代の女の子、男性2人、冒険者2人の9人である。
隣に座った女の子が声を掛ける。
『ねえ、貴方もエルフォン王国に行くの?』
『えぇ、そうよ。』
『私はマイルよ。短い間だけどよろしくね。』
ニッコリ笑う。
とても人付き合いの良さそうな子だ。
『えぇ、こちらこそ。私はエマよ。』
エマも笑顔で返す。
すると、マイルが身体をこちらに向けて喋り出す。
『エルフォン王国に何しに行くの?
エマは冒険者?見た目は魔法使いかな?彼氏は?』
マイルは堰を切ったように質問攻めをする。
『マイル、落ち着いて!一気に言われても困るよ!』
周りの人も微笑んでいたが家族連れだけは深刻そうな顔をしている。
エマは仕切り直して
『エルフォン王国には旅の途中に寄るの。
彼氏はなし!
冒険者で〈聖魔法使い〉よ!これでいいかしら?』
『旅の途中なんだぁー。なんかいいなぁー。
私m・・・』
『あの!!!!』
マイルの話を遮って家族連れの母親が声を上げる。
『ご、ごめんなさい。そちらの方は〈聖魔法使い〉なのですか?!』
母親が縋る様にエマの顔を見る。
エマは事情を察する。
『えぇ、そうよ。お子さんがどこか悪いの?』
『は、はい・・2日前に魔物に腕を噛まれて村で治療したのですが傷が酷くて熱も高く、このままでは危ないと言われました。
なので今から王都へ行く所なんです。』
『いいわ!見せて!』
エマは父親に抱かれた子供の所へ行く。
子供の腕には包帯が巻かれているが血が滲んで傷の深さがわかる。
顔色は真っ青で汗ばんでいて息が荒い。
(これは危険な状態だわ!)
エマは子供に手をかざす。
『サービスよ!【パーフェクトヒール】!』
子供が光に包まれる。真っ青だった顔色に赤みがさしてくる。
段々と呼吸も落ち着いて・・目を覚ました。
『んっ?パパ!ママ!なんともないよ!痛いの無くなったよ!!』
母親は子供に駆け寄る。
『ジーク!大丈夫なの?!痛くない?!』
母親は腕の包帯をそっと取ると、傷は跡形もなく消えていた。
父親も涙を流しながら子供を抱きしめて居る。
エマが良かったと胸を撫で下ろして居ると両親が立ち上がり母親に手を握られる。
『ありがとうございます!!ありがとうございます!!本当に助かりました!!』
『本当に命の恩人です!!治療費は必ず払います!!』
両親が恐縮するぐらい頭を下げる。
『いいのよ。この子は運が良かったのよ。こうなる運命だったのよ。
治療費はこの子の笑顔でいいわ!』
男達がエマに惚ける。
『凄え・・・カッコいい・・・』
『【パーフェクトヒール】って集団発動魔法だろ?!
それを当たり前の様に・・・。』
『む、息子の嫁に・・・・』
『それは嫌!!』
エマがピシャリと言う。
『エマ!!貴方凄いのね!!感動しちゃった!!』
マイルが至近距離ではしゃぐ。
『私より凄い人を知ってるから自分が凄いなんて思わないわ。』
マイルがニヤニヤしながら
『えーっ!それって彼氏?』
エマはジト目で
『彼氏はいない!!師匠よ。果てしなく強くて優しい人よ。私なんか足元にも及ばないわ。
私達は師匠の理想を実現する為に旅をしているの。』
すると、旅の商人が声をあげる。
『あんた!まさか!!【英雄の弟子達】か?!』
エマがニコッと笑う。
『あら!そうよ。【英雄ハヤト】の弟子が1人〈聖神のエマ〉よ。よろしくね!』
『やっぱりそうでしたか!!
ファイデル王国に行った時に【英雄の弟子達】が旅に出たと聞いたんです!
旅先で出会えたら願いが叶うと言われていましたよ!』
『えっ?!なんて噂を流してくれるの!?』
エマが頬を膨らます。
『その噂は本当ですよ。私達は願いが叶いましたから。』
ジークの母親が息子を撫で、エマを微笑みながら見ていた。
馬車の中が和やかな雰囲気になりエマが照れ笑いをする。
そして突然馬車が急停止したのだった・・。
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