天才中学生高過ぎる知力で理不尽をぶっ飛ばす!

yoshikazu

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第146話 剣闘大会予選会

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闘技場を観覧席から見下ろすと巨大な武舞台
が3つ並び1舞台に100人は余裕で乗れそうな大きさである。
そこにアルメダの声が響き渡る!

『今から〈剣闘大会予選〉を始めます!!
予選方式は例年通り〈多人数勝ち抜き方式〉で行います!!
舞台に40人ずつ上がり、最後の1人になるまで戦ってください!!
本線出場は16名です!!皆様!頑張ってください!!
なお、今回!スペシャルゲストを迎えています!!紹介しましょう!!!
あの!噂に名高い〈英雄の弟子達〉の1人!
〈剣神のギエン〉様を迎えております!!』 

闘技場全体が震える程の歓声と拍手が巻き起こる!!

『うぉぉぉぉぉ!!!!!ゲランド帝国をぶっ潰した奴等だろう!?
俺の息子と変わらねぇじゃねーか!!

『あっ!!あいつ!!俺の鼻を刺した奴だぁぁぁぁ!!
あれ以上絡まなくて良かったぁぁぁぁ!!』

(あの闘気を放っていたのはあいつだ!!〈剣神〉・・・成る程・・・俺と同じ所にいる奴か!!
だか所詮は人間・・・魔族との格の違いを教えてやるぞ!!)

『尚、今大会の優勝者は賞金とギエン様への挑戦権が与えられます!!
もしギエン様に一撃でも入れた者は更なる賞品が用意されています!!
皆さん!!頑張ってください!!!』

うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
参加者のテンションが最高潮に盛り上がる!

予選は次々と行われていく。皆がレベルが均衡した戦いである為、運良く残る者や徒党を組んで強い者から倒して行く等の作戦が繰り広げられていた。
しかし残っている者はやはりレベル250以上の者達であった。
そして最後の組みに注目が集まる。

ギエンは1人の男に目をやる。
『ん?!あいつ・・・人間じゃない?!桁外れに強いぞ!・・・・まずい!!手加減をする気が無い?!やばい!!観客にも被害が出るぞ?!』

その時、ギエンはもう一つの気配を察知する。
『な、何だ?!もう1人居る!!桁外れな奴が?!でもこの魔力は・・・うん!いける!!』

ギエンはもう1つの気配に向かって走る!!
『間に合えっ!!』

ギエンの向かった先は医務室だった。

『ここだ!!』

部屋の中に飛び込む様に入ると1人の女の子に目が止まる。

皆が呆気に取られる中真っ直ぐに女の子に声を掛ける。

『あんた!!力を貸してくれ!!この気配はまずい!!分かるだろ?!』

女の子は一瞬びっくりしたがギエンの言いたい事を察して頷く。

『えぇ!そうね!急がないと!!』

ギエンと女の子は一瞬で部屋から消えた。

『一体何が・・・あった?』

残された人達は呆けたまま開け放たれた扉をただ見ているのであった。

『奴の攻撃は俺が押さえる!!その余波から皆んなを守ってくれ!!あんたなら出来る筈だ!!』
ギエンが正面を見ながら女の子に話しかける。

女の子も正面を見ながら答える。
『分かったわ!!任せて!!急ぎましょう!!』

2人はスピードを上げて武舞台へ飛び出す!
まさに男が攻撃を繰り出す瞬間だった!

『行くぞ!!!【闘気解放】!!』
『【エリアガード】!!!』

『くらえ!!【魔斬撃】!!!』
『させるか!!【覇斬撃】!!!』

〈魔神〉と〈剣神〉の剣が交差する!!

ぎぎぎぎぎぎんんんんっっっっっ!!!

とてつもない闘気がぶつかり合う!!
男とギエンの間に闘気の刃が吹き荒れる!!

『な、何?!この力は?!あの人は一体!?』
女の子は全力で魔力を注ぎ込む!!

女の子の【エリアガード】は見事に2人の余波を防ぎ切り観客と選手を守り切る。

選手達は目の前で起きた事が理解出来ずに尻餅を付いて固まっている。

すると男の頬から赤い物が滴る。
『ふふふっ!さすが〈剣神〉!堪能したぞ!
俺の本気を受け止めるとはな!!』

ギエンは口角を上げる。
『あぁ!俺も師匠以外で力を半分も使ったのは初めてだぞ!!
まあ、師匠なら全力でも勝てないけどな・・・。』

『何だと?!まだ余力があるだと?!』
男がふらつく。

『もちろんだ!!この程度では逆に肩が凝る!!全力を出していいならいくぞ!!今なら優秀な結界を張ってくれる奴がいるからな!!』

男は肩で息をしている。

『な、何だと?!この化け物が!!お前の名を聞こう!!』

ギエンは背筋を伸ばして男を見据える!
『俺は〈英雄ハヤト〉の弟子が1人!〈剣神のギエン〉だ!!お前の挑戦、いつでも受けるぞ!!』

女の子が目を見開いてギエンを見る!
(えーーーーーーっ!!!!!〈英雄の弟子達〉の1人!!!!!
師匠の仲間だぁぁぁぁぁぁ!!!!)

『俺は〈魔神ザルフ〉!今回は引いてやる!次はこうは行かんぞ!!』
男は黒い霧と共に消えて行く。

ギエンは肩の力を抜く。
『ふう。危なかったな!今回はあんたお陰で助かったよ!ありがとうな!!』

ギエンが振り向くと女の子が目を輝かせている。
『ギエンさん!!私は〈聖神のエマ〉の弟子!リンドです!!
〈英雄の弟子達〉に2人も出会えるなんて光栄です!!』

ギエンが感極まる!!!
『あんたエマの弟子かぁぁぁぁぁぁ!!!!通りで規格外だぁぁぁぁぁ!!!!
凄い偶然だなぁぁ!!それにしてもリンドが居なかったら本当に危なかったぞ!!』

リンドが照れ笑いをしながらもじもじしている。
『いやぁー!良かったです!私は回復士としてアルバイトでここへ来ていたんです。時給が良かったので・・・てへへ。』

すると後ろから声がする。

『ギエンさぁーん!!』
振り返るとミルアが手を振りながら駆け寄ってきた。

『さっきの見てましたよ!!あいつは誰なんです?!凄い力を感じましたよ!!』
ミルアが興奮気味に話す。

『俺にも分からないが、恐らく魔族だ。それも高位の魔族だ。
多分このゼリオン王国に恨みでもあるんじゃないか?』
ギエンが肩をすくめる。

『ギエンさん、この魔力・・・もしかしてこの子は・・・』
リンドがミルアの魔力を感じる。

『おっ!!そうだ!!紹介するよ!
この子は〈魔法神のパル〉の弟子のミルアだ!!』

リンドの目が輝きミルアの手を取る!
『やっぱりぃぃぃぃ!!!!
私は〈聖神のエマ〉の弟子のリンドよ!!
同じ〈英雄の弟子達〉を師匠に持つ仲間よ!!』

ミルアも余りの迫力にキョトンとしていたが目を見開き我に返る。
『えーーっ!!凄ぉぉぉい!こんな偶然あるのぉぉぉ!!!
うん!!こちらこそよろしくね!!!』

ギエンはこの光景を微笑ましく眺めると同時にニヤリと口角を上げるのだった。
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