君は私の盟友ではなかったのか?

佑々木(うさぎ)

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名前を呼ぶ声***

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 こっちとは、私のモノのことか。
 そんなところを舌で舐めるなど、正気の沙汰ではない。

「まさか、ご婦人たちにしゃぶらせたことはないのか?」
「当たり前だっ。そんな真似、させるわけ……が……っうあ」

 私に最後まで言わせずに、ライアンは股間に顔を埋める。そして、根元を掴んで先端をぺろりと舐めた。

「く……っあ」

 ぬめる熱い舌に、身体がビクンと反応する。
 ライアンは吐息で笑い、今度は鈴口を舌で辿った。溝に沿って舐め、小孔を突いてくる。
 得も言われぬ感覚に、私は声が抑えられなかった。

「は……っあ……う……くっ」

 口でされることが、ここまで快感を与えてくるとは思いも寄らないことで、私は必死に声を呑み込もうとした。ライアンは、その間も先端を舐めしゃぶり、やがて口に咥えた。熱い口腔内に含まれて、私は恐怖を覚える。噛み切られるのではないかと恐れていると、ライアンは喉の奥まで深々と飲み込み、唾液を絡めて啜り上げる。

「あう……っあ……は……っあっあ」

 手を縛られているせいで口が塞げず、私は上擦った声を止められない。

「シエル、可愛い声だ」
「……っうるさい」
「お前がそんな声で啼くとは、思ってみなかった」
「黙れっ!」

 ライアンはくつくつと笑い、再び私のモノを咥える。じゅるじゅると音を立てながら頭を上下させ、裏筋にも舌を這わせる。横咥えして唇で食むことまでした。
 私は追いつめられ、今にも達しそうになっている。
 だが、ぎゅっと目を瞑り、歯を食い縛って耐えていた。

「いい顔だ。普段の取り澄ました顔より、よっぽどお前に似つかわしい」
「……貴様を、殺してやる」

 震える声で言うと、ライアンは目を見開いた。

「ああ、そうだ。殺せばいい。一生、俺のことを憎み、忘れないでくれ」

 ライアンは私に乗り上げ、間近に顔を寄せてきた。私の額に落ちた前髪を指で撫でつけ、いつの間にか滲んでいた涙を拭う。
 なぜ、こんな哀しげな顔で私を見つめるのか。
 屈辱を味わわされているのは、私の方だというのに。
 
「俺を、お前の身体に刻み付けてやる」

 どういう意味かとたずねる前に、ライアンは実力行使に出た。
 私の片脚の枷を外して、大きく膝を開かせたのだ。そして、露わになった尻穴に何かを塗りこめた。

「よせっ……何をする!」
「俺は、お前を犯す」

 唖然として見上げ、私は信じられなくて頭を振った。

「ライアン、やめろっ。これ以上されたら、私は君を許せなくなる」

 私の声が聞こえているはずなのに、ライアンは行為を続ける。
 尻穴に指を押し当て、ぐっと中に入れた。

「う……ぐ……っあ」

 痛みと異物感に私は暴れ、余計に痛みが酷くなった。

「大人しくしていてくれ。お前を、傷付けたくはない」

 ライアンは、中に入れた指を動かし、少しずつ広げていこうとする。
 何をするつもりなのか、この段になって私はようやく悟った。
 
「やめ、てくれ……それ、だけは……」
「シエル……先に、謝っておく。すまない」

 ライアンは、私の中を弄る指を増やし、ぐちゃぐちゃと音がするほどに掻き混ぜる。

「いやだ……っライアン!」

 必死に名前を呼んだが、ライアンは返事をしない。
 そして、中をいじり尽くした後、自身の前を寛げる。
 赤黒く滾り、臍につくほどに反り返るそれに、私の唇が戦慄わなないた。

「ライ、アンっ」

 呼び声は悲鳴のように甲高くなった。
 ライアンは私の尻穴に自身をあてがうと、圧し掛かるようにして挿入してきた。

「うあ……っひ……っく……うう……っ」

 酷い圧迫感と無理矢理身体を開かれる屈辱に、全身がガクガクと震える。
 ライアンは、私の膝に手を置き、もう片方の足枷も外して押し開く。
 すべてをライアンの前に晒させて、より一層深くまでモノを進めた。

「く……あ……っふ……う」
 
 身体を前に倒し、私の顔の傍までライアンの顔が近付く。
 吐息が頬を撫で、息遣いが聞こえてきた。

「う……っく……シエ、ル」

 ライアンも痛みを堪えるように顔を歪め、それでも最奥を目指して突き入れてくる。

「も、う……やめて……く……んん」

 そこで、唇が唇で塞がれた。
 少しかさついたライアンの唇が、私の唇に重なり、押し当てられた。ちろりと唇の狭間を舌で辿り、口の中に入れてこようとする。

「んんっ……んーっ」

 必死に口を閉ざしているその時、ライアンのモノが深々と中を穿うがった。

「ひあ……っあ……っんんっふ……ぅ」

 声を上げた瞬間に舌が入り込み、上顎を舐めてくる。ぞわぞわと首筋に怖気おぞけが立ち、それに比例して身体が熱くなる。

「んんっ……はっ……ライア……いや、……だ」

 弱々しい声で、キスの合間に言ったが、ライアンはやめようとしない。
 いっそ、舌を噛んでやろうかと思ったが、どうしてもできない。
 私は、ライアンのほしいままに身体を開かれ、奪われていた。
 やがて、身体の奥底に火照りが生まれ、徐々に全身に広がっていった。
 何が起きているのか。ライアンが私に何を植え付けていこうとしているのかと、未知の感覚に打ち震える。

「ここ、気持ちいいか?」
「……っふあ……う……ぁっ」

 一点を押し上げ、擦られると、信じられないほどの快感が生じた。

「やめて……くれっ……そこ……っ動く、な」

 ライアンはゆったりと腰を使い、モノを行き来させる。びくんびくんと身体が揺れて、私は首を振った。

「そのまま、感じていろ」
「ライアンっ……は……っああ」

 目で訴えても、ライアンはやめようとせず、律動が始まった。
 ギシギシとベッドが軋み、時にたわむほどに激しく出し入れされる。

「ああ……っあ……い、や……だっ……それ……やめ……っうう」
「シエル……う……っは」

 私に口付けながら、ライアンは揺すぶってきた。
 結合部から濡れた音がし、互いの荒い息遣いに重なる。

「んあ……っあ……はっ……ああ」

 ライアンの動きに合わせて高い声で喘ぎ、啼くことしかできなくなる。

「シエル……シエル」

 何度も名前を呼び、ライアンは私のモノを掴んで扱き立てる。
 身体の中で熱が荒れ狂い、もう何も考えられなくなった。

「あ……っああ……ライ、アン……っあぅ……あ……っ」

 耐え切れないほどの愉悦に、唾液を飲み込むことさえできない。
 身体の内側から熱に灼かれて、快楽を炙り出されているようだ。

「だめ、だ……っもう」

 自身の内側からせり上がる愉悦に蝕まれ、私はぐっと息を詰める。
 途端に先端から勢いよく、白濁がほとばしった。
 どくりと放った後も射精は長く続き、私は喉を反らせて喘ぐ。
 ライアンは無防備に晒した首筋に、噛みつくようなキスをした。
 ひくひくと中がライアンの灼熱を食み、存在をありありと感じる。すると、低く呻く声が耳近くで聞こえた。

「う……っく……」

 ライアンは腰を揺らしながら達し、私の中に出した。身体の内側に広がる熱に顎を上げて啼き、がくりと力が抜けた。

「シエル……愛している」

 意識を手放す寸前に、か細く震えた声がした。
 ライアンが、泣いているのか……?
 あの、勇猛果敢で、敵を蹴散らすあのライアンが?
 私は信じられない思いを抱きながら目を瞑り、そのまま気を失った。
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