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第五章 決意
揺れる心
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深く濃厚なキス。
頬を掠めた吐息
覆い被さり、抱きしめてきた身体の重み。
「……フェリル、フェリ、ル」
はあはあと息を乱し、扱く手を速める。
彼の手はもっと滑らかで、指も長くて。
モノを咥え、しゃぶりながら、中を弄っていたあの指。
普段はペンを持つあの美しい指が、中に入ってきたのだ。
「……あ……はっ……」
指に代わって中を突き進んだ大きな存在。
その硬さと熱さ。
身体の奥まで達し、脈打ちながら行き来した。
「あう……っあ……くっ……んん」
ビクンと身体が跳ね、勢いよく精液が放たれる。
射精した余韻に呆然となり、僕は天井を見上げたまま荒い息を繰り返した。
また、してしまった。
もう止めると決意したのに。
抱かれる前よりも、更に頻度が増している。
僕はどうにかなってしまったのではないか。
あれ以来、旧校舎には行かないという決まりは守っている。
だが、それだけだ。
フェリルを思う気持ちは僕の心の大半を占め、身体はいつだって彼を求めている。
夜ごと自分の身体に触れながらフェリルとの行為を思い出して、自慰に耽る。
それに飽き足らず、あの場ではしなかった淫らな行為を妄想して、僕は悦に入っている。
フェリルに直接迷惑をかけるわけじゃないが、彼を汚しているようで申し訳ない。
あんなに美しい人に、僕は何といういやらしい行為をさせてしまっているのか。
妄想の中とはいえ、あまりにも酷い。
本人になんて絶対言えないし、知られたくない。
僕は息を整えながら自分を罵倒し、ベッドから起き上がって着衣の乱れを直す。
人目につかないよう、そっと部屋を出てシャワールームに向かった。
たとえ身体に証拠が残っていなくとも、してしまった後の身体を見られたくはない。
僕は隈なく身体を洗い、熱いシャワーを浴びて、思考を切り替える。
まだ、やることはたくさんある。
このまま寝るわけにはいかない。
僕はシャワールームから帰ると机に向かい、己の欲に蓋をして、読書に励んだ。
旧校舎に行かない代わりに、僕はいつでもフェリルの姿を探し、目で追うようになった。
サロンの前を用もないのに横切ったり、水魔法の訓練場に行ったり、アルバ寮の窓の下に立ったりしたこともある。
フェリルを見かけられたら喜び、声が聞こえると胸を弾ませたが、表面上は取り繕った。
誰にも悟られないよう、声に耳をそばだて、決して視線を向けない。
それでもふと、声に反応して顔を見てしまうことがある。
だが、フェリルがこちらに気付く前に目を逸らし、時に誤魔化すために咳払いした。
そして今、格好の場所を見つけた。
サロンのある建物の向かい側。その5階にある美術室だ。
ここは、常時解放されていて、絵画を鑑賞できるようになっている。
サロンのある建物から見えるということは、向こうからもこちらが見られるはずだと、僕はこの場所を探しあてたのだ。
この美術室からは、サロンだけではなく、カレッジヘッドのルームもよく見える。
4人が集合して話し合う姿も、一人残ったフェリルがデスクに向かっている様子も、すべて窓から窺い知ることができた。
僕は、何かにつけここに来て、人がいる時には絵画を見るふりをし、いなくなると斜め下の部屋をじっと見つめる。最早それが日課になっていた。
今日も例に漏れず、空き時間に窓辺に立ち、周囲を見回してから向かいの建物を見下ろす。
フェリルは、いつもならこの時間帯にいるはずなのに、ルームには3人の姿しかない。
何か急な会議でも入ったのかと、残念に思いながら、僕はその場を離れて教室に戻ろうとした。
「なるほど。ここから見ていたわけか」
突然背後から聞こえた声に、僕は慌てて振り返る。
ドアは開いていたものの、ここの床は軋んだ音を立てるため、入室すればわかりそうなものなのに。
背後に立っていた人物を見て、僕は驚きのあまり、一歩後ろに足を引いた。
「フェリル……先輩」
これまで、彼が美術室に来たことはない。
どうしてここに僕がいて、彼を見ているのがわかったのか。
答えは簡単だ。きっと向こうから丸見えで、これまでは気付かないふりをしていたのだろう。
「お前は、私が好きなわけではなく、ただ欲情しているだけではないのか?」
突然訊ねられて、眉間にしわを寄せて、呆然と見返した。
フェリルに欲情しているのは事実だが、毎夜の行為を彼が知るはずがない。
どういう意味かと、こちらから問おうとすると、その数瞬前にフェリルは訊いてきた。
「あれから何度自分でした? もうそれで満足しているのだろう」
まさか、そんなことまで見ただけでわかるのか?
前半は否定できないが、後半だけは否定できる。
だから僕は言った。
「違いますっ。僕はちゃんとあなたが──っ」
そこまで言いかけたところで、フェリルを目にして口を噤む。
先を促すかのような、僕の言葉を待つ姿勢。その表情。
これは、僕の本音を引き出すための罠だ。
本心を言ってしまえば、これまでの努力が無となる。
媚薬を飲まされたあの日のことを、僕は周囲から隠すと決めた。
僕と関係していることを知られれば、フェリルに迷惑が掛かると思ったからだ。
でも、告白までしておいて、今更自分のフェリルに対する想いを否定するなんて僕にはできない。
むしろ僕の方が、フェリルの考えを知りたい。
なぜ僕にそんなことを問うのだろう。
あの時は、僕の告白をなかったことにしたのに。
何をどうするのがいいかわからなくなり、僕は慎重に言葉を選び、現状の懸念だけを伝えることにした。
「僕の……好きという気持ちは、あなたに迷惑をかけます」
「迷惑? 着ぐるみの格好で転んだり、真冬のプールに引きずり落としたりしたことか?」
それは、直接的な迷惑であって、今の件とまた話は違う。
だが、フェリルがわかってとぼけているのは明白で、僕はペースを崩されそうになりながらもなんとか持ちこたえた。
「僕なんかに関わっている、そのこと自体があなたの悪評となりかねません。今だって、きっと変に思われている」
「思わせておけばいい」
「駄目です。あなたは、みんなの……生徒の代表なんですから」
嘘だ。
本当はそんなこと、欠片も思っていない。
「私を一人占めしようとは考えないのか?」
突然そう訊かれて、僕は唖然とした。
この人は、誤魔化されてはくれない。
さすがと言うべきか、痛いところばかり突いて来る。
考えたことはないと言えば嘘になる。
だが、嘘を吐いてはならないということはない。
正直である必要など、ないのだ。
僕が、問いに答えようとしたところで、それより前にフェリルは言う。
「私は考えている。──お前を、閉じ込めてしまいたいと」
どくんと心臓の音がした。
痛いほどに鼓動が加速していき、眩暈がする。
何も言えなくなった僕の方へ、フェリルは一歩踏み出した。
僕は更に後退り、フェリルに訴える。
「だから、近付かないでください。絶対、駄目なんです。僕じゃ」
伸ばされた手から逃れて、僕は反論した。
「あなたの方こそ、たまたま僕に欲情してしまっただけです。そこに想いなんて、ないはずだ」
フェリルは目を眇め、唇を歪めた。
嫌な予感がして、僕は出口の方へと走って逃げる。
だが、外に出る前に捕まえられてしまった。
「思ったより足が速い」
フェリルは僕を抱き締め、抗おうとしたところで頬にキスをした。
もう、何が何だかわからない。
だが一つだけわかるのは、今ここでフェリルが僕を抱き締めてキスをしているところを、誰かに見られたら破滅するということだけだ。
僕は、フェリルの手を振りほどき、周囲を見回した。
そして、誰もいないことを確認してホッと息を吐き、廊下を窺ってから美術室を出た。
「では、また放課後、旧校舎で」
「……僕は行きません」
まるで来るのが当然とでもいうように、フェリルは背中に声を掛けてくる。
否定すると、くすりと笑う声がした。
「お前は来る。賭けてもいい」
僕はそれには答えず、今度こそ美術室から出て行った。
頬を掠めた吐息
覆い被さり、抱きしめてきた身体の重み。
「……フェリル、フェリ、ル」
はあはあと息を乱し、扱く手を速める。
彼の手はもっと滑らかで、指も長くて。
モノを咥え、しゃぶりながら、中を弄っていたあの指。
普段はペンを持つあの美しい指が、中に入ってきたのだ。
「……あ……はっ……」
指に代わって中を突き進んだ大きな存在。
その硬さと熱さ。
身体の奥まで達し、脈打ちながら行き来した。
「あう……っあ……くっ……んん」
ビクンと身体が跳ね、勢いよく精液が放たれる。
射精した余韻に呆然となり、僕は天井を見上げたまま荒い息を繰り返した。
また、してしまった。
もう止めると決意したのに。
抱かれる前よりも、更に頻度が増している。
僕はどうにかなってしまったのではないか。
あれ以来、旧校舎には行かないという決まりは守っている。
だが、それだけだ。
フェリルを思う気持ちは僕の心の大半を占め、身体はいつだって彼を求めている。
夜ごと自分の身体に触れながらフェリルとの行為を思い出して、自慰に耽る。
それに飽き足らず、あの場ではしなかった淫らな行為を妄想して、僕は悦に入っている。
フェリルに直接迷惑をかけるわけじゃないが、彼を汚しているようで申し訳ない。
あんなに美しい人に、僕は何といういやらしい行為をさせてしまっているのか。
妄想の中とはいえ、あまりにも酷い。
本人になんて絶対言えないし、知られたくない。
僕は息を整えながら自分を罵倒し、ベッドから起き上がって着衣の乱れを直す。
人目につかないよう、そっと部屋を出てシャワールームに向かった。
たとえ身体に証拠が残っていなくとも、してしまった後の身体を見られたくはない。
僕は隈なく身体を洗い、熱いシャワーを浴びて、思考を切り替える。
まだ、やることはたくさんある。
このまま寝るわけにはいかない。
僕はシャワールームから帰ると机に向かい、己の欲に蓋をして、読書に励んだ。
旧校舎に行かない代わりに、僕はいつでもフェリルの姿を探し、目で追うようになった。
サロンの前を用もないのに横切ったり、水魔法の訓練場に行ったり、アルバ寮の窓の下に立ったりしたこともある。
フェリルを見かけられたら喜び、声が聞こえると胸を弾ませたが、表面上は取り繕った。
誰にも悟られないよう、声に耳をそばだて、決して視線を向けない。
それでもふと、声に反応して顔を見てしまうことがある。
だが、フェリルがこちらに気付く前に目を逸らし、時に誤魔化すために咳払いした。
そして今、格好の場所を見つけた。
サロンのある建物の向かい側。その5階にある美術室だ。
ここは、常時解放されていて、絵画を鑑賞できるようになっている。
サロンのある建物から見えるということは、向こうからもこちらが見られるはずだと、僕はこの場所を探しあてたのだ。
この美術室からは、サロンだけではなく、カレッジヘッドのルームもよく見える。
4人が集合して話し合う姿も、一人残ったフェリルがデスクに向かっている様子も、すべて窓から窺い知ることができた。
僕は、何かにつけここに来て、人がいる時には絵画を見るふりをし、いなくなると斜め下の部屋をじっと見つめる。最早それが日課になっていた。
今日も例に漏れず、空き時間に窓辺に立ち、周囲を見回してから向かいの建物を見下ろす。
フェリルは、いつもならこの時間帯にいるはずなのに、ルームには3人の姿しかない。
何か急な会議でも入ったのかと、残念に思いながら、僕はその場を離れて教室に戻ろうとした。
「なるほど。ここから見ていたわけか」
突然背後から聞こえた声に、僕は慌てて振り返る。
ドアは開いていたものの、ここの床は軋んだ音を立てるため、入室すればわかりそうなものなのに。
背後に立っていた人物を見て、僕は驚きのあまり、一歩後ろに足を引いた。
「フェリル……先輩」
これまで、彼が美術室に来たことはない。
どうしてここに僕がいて、彼を見ているのがわかったのか。
答えは簡単だ。きっと向こうから丸見えで、これまでは気付かないふりをしていたのだろう。
「お前は、私が好きなわけではなく、ただ欲情しているだけではないのか?」
突然訊ねられて、眉間にしわを寄せて、呆然と見返した。
フェリルに欲情しているのは事実だが、毎夜の行為を彼が知るはずがない。
どういう意味かと、こちらから問おうとすると、その数瞬前にフェリルは訊いてきた。
「あれから何度自分でした? もうそれで満足しているのだろう」
まさか、そんなことまで見ただけでわかるのか?
前半は否定できないが、後半だけは否定できる。
だから僕は言った。
「違いますっ。僕はちゃんとあなたが──っ」
そこまで言いかけたところで、フェリルを目にして口を噤む。
先を促すかのような、僕の言葉を待つ姿勢。その表情。
これは、僕の本音を引き出すための罠だ。
本心を言ってしまえば、これまでの努力が無となる。
媚薬を飲まされたあの日のことを、僕は周囲から隠すと決めた。
僕と関係していることを知られれば、フェリルに迷惑が掛かると思ったからだ。
でも、告白までしておいて、今更自分のフェリルに対する想いを否定するなんて僕にはできない。
むしろ僕の方が、フェリルの考えを知りたい。
なぜ僕にそんなことを問うのだろう。
あの時は、僕の告白をなかったことにしたのに。
何をどうするのがいいかわからなくなり、僕は慎重に言葉を選び、現状の懸念だけを伝えることにした。
「僕の……好きという気持ちは、あなたに迷惑をかけます」
「迷惑? 着ぐるみの格好で転んだり、真冬のプールに引きずり落としたりしたことか?」
それは、直接的な迷惑であって、今の件とまた話は違う。
だが、フェリルがわかってとぼけているのは明白で、僕はペースを崩されそうになりながらもなんとか持ちこたえた。
「僕なんかに関わっている、そのこと自体があなたの悪評となりかねません。今だって、きっと変に思われている」
「思わせておけばいい」
「駄目です。あなたは、みんなの……生徒の代表なんですから」
嘘だ。
本当はそんなこと、欠片も思っていない。
「私を一人占めしようとは考えないのか?」
突然そう訊かれて、僕は唖然とした。
この人は、誤魔化されてはくれない。
さすがと言うべきか、痛いところばかり突いて来る。
考えたことはないと言えば嘘になる。
だが、嘘を吐いてはならないということはない。
正直である必要など、ないのだ。
僕が、問いに答えようとしたところで、それより前にフェリルは言う。
「私は考えている。──お前を、閉じ込めてしまいたいと」
どくんと心臓の音がした。
痛いほどに鼓動が加速していき、眩暈がする。
何も言えなくなった僕の方へ、フェリルは一歩踏み出した。
僕は更に後退り、フェリルに訴える。
「だから、近付かないでください。絶対、駄目なんです。僕じゃ」
伸ばされた手から逃れて、僕は反論した。
「あなたの方こそ、たまたま僕に欲情してしまっただけです。そこに想いなんて、ないはずだ」
フェリルは目を眇め、唇を歪めた。
嫌な予感がして、僕は出口の方へと走って逃げる。
だが、外に出る前に捕まえられてしまった。
「思ったより足が速い」
フェリルは僕を抱き締め、抗おうとしたところで頬にキスをした。
もう、何が何だかわからない。
だが一つだけわかるのは、今ここでフェリルが僕を抱き締めてキスをしているところを、誰かに見られたら破滅するということだけだ。
僕は、フェリルの手を振りほどき、周囲を見回した。
そして、誰もいないことを確認してホッと息を吐き、廊下を窺ってから美術室を出た。
「では、また放課後、旧校舎で」
「……僕は行きません」
まるで来るのが当然とでもいうように、フェリルは背中に声を掛けてくる。
否定すると、くすりと笑う声がした。
「お前は来る。賭けてもいい」
僕はそれには答えず、今度こそ美術室から出て行った。
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